2009年12月15日 (火)

(速報)前原国交相よ!=今度こそ<永田メール>の二の舞にならぬよう祈るばかり

◇たった1時間半ほど前、朝日新聞がこう伝えた。

★★「自民の元総理から天皇陛下との会見要請」
前原国交相
asahi.com・09.12.15・21:31

◇「中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席と天皇陛下の会見について、前原誠司国土交通相は15日の記者会見で『何とか陛下とご面談できないかと、元総理、自民党の方から要請が官邸に届いたと聞いていると述べた」。◇「ただ、要請したとされる元首相の名前は明らかにしなかった」。

◇IFSAとしては上記「~と聞いている」に若干の不安を覚えるが、はたして大丈夫だろうか。◇前原といえばどうしても、あの<永田メール>時の妙な歯切れのよさがデジャビュのごとくよみがえってしまうから。

◇今回は主要閣僚の立場。野党の代表時代とは比べものにならない重みが要請される。

◇ただ、この元総理うんぬんが真実なら、青筋を立て<天皇の政治利用>などと息巻く自民党首脳のずっこけぶりが世間へさらされることに。

◇どちらに転ぶにせよ、そのイミでこの記事内容は相当に重要!とIFSAは直感&直観する。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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IFSAはなぜいままで、民主党政権に対するコメントを控えてきたのか

いろいろと忙しいことが重なり、IFSA通信史上まれなる2週間空きとなってしまいました本日より従来ベースへ戻しますので、倍旧のお引き立てを

◇コイズミ政権をはじめとし、IFSA通信は2000年代初頭から思いっきり自民党政府をこき下ろしてきた。◇しかし民主党政権が誕生するや、IFSAはだんまり。そう思われた読者も多かろう。

◇そう、それは当たっている。なぜならIFSAは意図して言及を避けてきたのだから。◇というより、ひとこと言いたくなる欲望をあえて自身に禁じてきた。◇そんなことをすれば、政権発足直後から<あれができない、これもなってない>とエキセントリックに新政権を非難しまくる読売新聞や産経新聞と同列になってしまう。

◇彼らは、自民党が50有余年やりまくってきたトンデモなさに対し、見て見ぬふりどころかそれを熱烈支援しておきながら、半世紀後に自民党から政権が引っこ抜かれるや、すぐさま<新政権ヨチヨチ歩き批判>の挙に出た。

◇だからして、鳩山由紀夫首相お得意の「自民党には言われたくない!」は、こうした右派系マスコミへも真っ先に向けられるべきものとIFSAは考える。

読売・産経そして新潮・文春などにあっては、彼らの思考する<赤っぽい民主党><売国奴的民主党>に政権を乗っ取られたこと自体、とにもかくにも癪(しゃく)のたねであり、だからこそきっかけをつかんでは新政権と民主党をチクチクやり玉に挙げねば気の済まぬ儀と相成る。

◇一例を示せば、何かと評判をよんだ<事業仕分け>への批判も噴飯ものだった。◇いわく、劇場型だ!自民裁判的だ!とか言っちゃってサ。◇冗談か。あのコイズミ劇場をあおりまくってきたのは、いったいどこの誰だったっけ。

◇そして彼らの次なる批判は、あんな短時間で予算をぶった切るなど不謹慎だ!と。◇これまた冗談か。◇事前の陳情や根回しにたっぷりと時間を使い、決定時にはあれよりもっと短時間というか単なる儀式でもって瞬時に億単位のカネを動かしまくってきたのは、いったいどこの御仁だったっけ。◇加えて、それを平気でパスさせてきた大マスコミの罪は。

◇保守系マスコミさん、それならいっそ、チクチクなどやっていないで<自民党政権の復活を>と正直ベース、真っ正面からキャンペーンを張りゃいいものを、いまだ国民の政権交代支持率が圧倒的に高い、自民はさっぱり人気がないどころか一部では忘れさられようとしている・・・・・・・・、この現実を前に彼らはびびりまくってしまうのであった。

◇コトバだけ激しく実態は臆病(おくびょう)なこの連中、さすが自民党ラブコールはできもせず、フラストレーションのはけ口を民主党叩きに求めるという案配になる。

◇そりゃIFSAだって、民主党のお粗末ぶりには言いたいことだらけ。◇事実、野党時代から民主党の稚拙さを当通信で批判しつづけてきたIFSAにしてみれば、政権をとったからとてその悪弊がすぐさま修正されるなど思ってもいない。

◇だから、ベクトルの見えないちんぷんかんぷん的政権運営くらい、予想の範囲内だ。

◇まあ政権奪取後、山ほどの弊害が生じているにせよ、まずいちばん大事なのは<自民党的政治の終焉>。◇だいいちの課題はそれに尽きるからこそ、あの大嫌いな小沢一郎をIFSAは限定的に評価してきた。◇鳩山・菅・岡田・前原・仙谷あたりでは、逆立ちしたって選挙を勝利に導けないのだから。

◇さてさて、困ったちゃんの<政権奪取後の山ほどの弊害>よ。◇しかしだからといって、自民党が50年かけため込んできた澱(おり)を、政権発足わずか3カ月できれいに払しょくせよなどどだいムリな相談くらい、民主党<赤>論の保守系マスコミさんでも内心お分かりだろう。

◇日本近海に浮かぶ、産廃で埋め尽くされた大きなアイランド。◇そこからまず産廃をどうやって処分し、そのうえで島を再生させていくかが当面の難題。◇だが<産廃のため込み>に大金を注ぎ込んでしまった関係上、借金だらけで処理の金策するおぼつかないときている。

◇いってみれば、新政権発足直後の困難さはそれに酷似しているのだ。

◇しかも、せっせせっせの堆積期間たるや、50年強におよぶ。なまなかのことではない。◇これを前提にするや、民主党には前向きの経済政策がないなんて非難しまくる<識者>のトンチンカンぶりというか、ためにする議論の背景がよく見えてこようというもの。

◇そういうことを言い出す人間の多くは、産廃垂れ流しの自民党政権を支持し、後押ししてきた者たちと相場が決まっているから、IFSAはおかしくて仕方がないのだ。◇1県1空港的発想でできた地方空港を<産廃>と形容されて怒り出す人間がいれば、それこそまさに彼らこそ、借金地獄創出の張本人と言いえよう。

◇さてここまでの話を大前提に、IFSAはハタと立ち止まる。◇保守系マスコミのような、1日も早く自民党政権を復活させたい勢力を嗤ったうえでなお、民主党政権の幼稚さ加減はいったい何なんだと。

◇突然政権を手にし、何事もはじめてでオタオタといったテクニカル面には当分目をつぶろう。◇IFSAが注視するのはそんな技術論ではなく、政権党・与党というものが本来具有すべき<組織論・経営論>の超貧困ぶり、そのほうに対してだ。

◇それに反して旺盛なのは、相変わらずの理念至上主義。◇これでは迫力ある政権運営などなされるはずもない。

◇ただ長くなったので、この点の具体論は次号へ譲りたい。◇メーンテーマは、社民党・国民新党と連立を組んでしまった愚行について。(敬称略)


★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年11月28日 (土)

こともあろうにあの産経が、皇室関連記事で誤字配信。記者の処分?などないといいが

◇現在は2009.11.28の08:00ちょっと前。◇早朝のmsn.産経ニュースに、5ページにわたる以下の記事があった。◇紅葉の平林寺(埼玉県新座市)を歩かれる天皇、皇后両陛下の写真(代表撮影)が美しい。

★★【皇室ウイークリー】(108)
皇太子ご夫妻、改装後初めて両陛下を「お招き」
愛子さまが花束でお祝いも
09.11.28 07:00

◇「皇太子ご夫妻は25日、お住まいの東宮御所で、天皇陛下のご即位20年と天皇、皇后両陛下のご結婚50年をお祝いする内宴(晩餐)を催された」。

◇「東宮御所は約1年間をかけた改装工事が終了し、皇太子ご一家が東宮仮御所から8月に引っ越されたばかり」。◇「『リニューアル』後に両陛下が東宮御所を訪問されるのは初めてとなった」。

◇「(前略)総勢46人の華やかな宴になったという」。◇「内宴は文字通り私的なお祝いの会ということで、報道関係者にも公開されなかった」。

◇ここまでは納得として、2/5ページへ進んでIFSAはびっくり。◇「敬宮愛子さまは、午後6時半の開宴から、9時半の終了まで同席されたという」。◇「野村東宮大夫は会見で『遅くまで頑張られました』と述べた」。

◇問題はこのあとだ。◇「内縁の最後は、ご一家からのお気持ちとして、愛子さまが両陛下にそれぞれ花束を渡されたという」。◇IFSAの了解違いでなければ、当然ながら<内宴>であろう。◇だからワープロは怖い。

◇Web版のmsn.産経ニュースとはいえ、あの産経新聞社のこと、まさかの<記者内部処分>?なんて。◇IFSAのざれごと推測にとどまることを祈る。

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2009年11月27日 (金)

東京都板橋区にみる超異常な道路改修。これまた八ツ場ダムと同質の公共事業なり

◇ここ1~2年、私の住む東京都板橋区では奇妙な現象が起きている。◇それこそ、区道とおぼしき道が次から次へと改修されるというリキの入った珍現象。◇いまもつづくこの<潔癖症>的症候群は、さらに触手を路地にまで伸ばしつつある。

◇まず片道1車線以上の道路の場合はこうだ。◇歩道の縁石と車道側の側溝部分を全取っ替えするところから作業は始まる。◇バリアフリーを口実にしているのだろう、最近のはやりは歩道と車道の高さを同一にすること。◇そうすれば、歩道を横切る路地や交差点においても段差ができないばかりか、わずかなこう配すら生じない。

◇しかし今度は、歩道側に雨水がたまったらどうしようの心配が。◇そこで待ってましたとばかり、ところどころ横に長方形の穴の開く縁石が用意されるという算段で、縁石を全取っ替えする理由はしっかり成立することになる。

◇歩道側の水はこうして車道脇へ設置された側溝に導こうというわけだなと、素人のIFSAでも推察が可能。◇なるほど、道路新設やどうにもならないくらいにへたりまくった個所の改修ならそれもよかろう。

◇しかし、ただバリアフリーを達成するだけであれば、他の自治体がしているように歩道を横切る部分のスロープをメチャゆるくしてやれば済むだけの話ではないか。◇それならいくらも金はかからない(もちろん、板橋区にもその例がないわけではない)。

◇しかし板橋区の過ぎたる<潔癖症>はアイマイさを許さない。◇そんな小補修は美観からしても、また目標を次々クリアしていくという達成感からしても断じてあってはならない行状と、彼らの目には映っているのだろう。

◇とにもかくにも、ひとつ終わったら次へそして次へと、まるで万里の長城を築くがごとく、われらが板橋区は几帳面に<進攻>していくのだった。

◇ところで、この改修プロジェクトがいち歩道や側溝にとどまらないのは自明の理で、いちばん金額が張るであろう道路本体はすべてはがしての全面張り替えだし、歩道上のガードレールも新品に交換されることが多い。

◇そして最後は、横断歩道やセンターライン、通行区分のペインティングも当然ながらのやり直し。◇そう、実のところは<潔癖症>どころか、地元ゼネコンへの格好の発注材料!IFSAにはそう見えてならない。

◇さらに今年は、このトンデモタイフーンが、の近くの路地にまで押し寄せている。◇クルマ1台しか通れない道、大型車などははなから無理な道、1日にいったい何台通過するの?といった道、これらが続々と改修対象にされ始めた。

◇出来上がれば、たしかに見違えるほど町はきれいになる。すきっとする。正直それは認めるしかない。◇さすがは東京といった感じで。◇しかし、<やらないよりはやったほうがいい>をなぜか優先する予算の使い方がここにはある。

◇横浜にも家のあるIFSAとしては、神奈川県と横浜市の貧乏からくる<道のひびわれ><欠けた側溝からの雑草><草ぼうぼうのグリーンベルト><はげはげの道路ペイント>を目の当たりにし、少しは板橋を見習えばとうらやましくもなるのだが。[註]

[註]=こんな窮状にありながら、横浜市は横浜開港150周年記念テーマイベントとかの、愚にもつかぬ<開国博Y150>をやらかし、予想どおり大赤字を計上した。◇その張本人の中田宏は最終日を待たず、ていのいい理由をつけては市長を辞任。敵前逃亡を決めこんだ。◇しかしこんな男をコメンテーターとして使いつづけるテレビ局があるというのだから、まったくネ!

◇さて、上記のように異常なる板橋区。今日もまた近所で道路工事が続行中とはいえ、いよいよ<工事バブル>も終焉に近づきつつあるご様子だ。

◇区の「週刊 広報いたばし」(09.11.21)がみずからトップで伝えている。

★★板橋区財政非常事態宣言
緊急財政対策を実施します
~あわせて庁舎南館の改築に伴う
仮移転計画を当面見合わせます~

◇「(前略)今年度と来年度の2か年の財源不足額は、区がいまだかつて経験したことのない196億円という巨額に達するものと見込まれます」。◇ゆえに、たった2週間前に発表した「(11月24日実施予定の-筆者註)区役所本庁舎南館改築に伴う仮庁舎などへの窓口の移転については(中略)当面見合わせることとします」。

◇板橋区のHPによれば、想定事業費は63.6億円、うち仮移転経費が5.7億円を占める。◇実質上の中止決定は賢明なるも、バブル発想が生んだこのプロジェクトからすでにどれほどのマイナスが生じていることか。

◇国の規模と比べれば<プチ公共事業>ともいえる、板橋区実施の<喫緊ならざる道路改修>。◇全国の自治体でも、こうした事象は散見されるにちがいない。◇その頂点に、あたかも象徴のごとく燦然(さんぜん)と輝くのが八ツ場ダムというわけなのだった。(敬称略)

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2009年11月19日 (木)

マスコミの偽善キャンペーン(3)=その後どうなった?<八ツ場ダム中止>への非難は

◇前原誠司国土交通相が群馬県の八ツ場ダム建設中止を表明するや、地元自治体の長ばかりかマスコミ、特にテレビのワイドショーまでがいっしょになり、非難の大合唱ときた。◇おまけに2009.10.19には、6都県(東京・群馬・栃木・茨城・埼玉・千葉)知事の現地視察というミエミエ・パフォーマンスまで挙行され、反<建設中止>包囲網は頂点に達した。

◇石原慎太郎・上田清司・森田健作という受け狙いの面々にあって、それは格好の舞台だったといえるが、残念なこと、国民の反響たるや微々たるものにとどまった。◇これもまた、<政権交代>というパラダイム転換体験のいい影響だろう。◇クサいパフォーマンスへの見極めが身につき始めているのだ。コイズミ劇場や安倍晋三ブームに懲りた分だけ。

◇一方のテレビはといえば現金なもので、その後、米国大統領訪日にからむ普天間飛行場移設問題、民主党政権による<事業仕分け>等が前面に躍り出るや、八ツ場ダム問題など一気に<鎮火>し、口にのぼることすらなくなってしまった。

◇驚くにはあたらない。まさにいつものパターンというやつだから。◇その点で、マスコミ、特にテレビの姿勢は一貫していた。

◇しかし、火が消えた状態にせざるをえなかったのにはもうひとつ理由がある。◇<建設中止>反対キャンペーンを持続させるだけの論理的強さを、彼らテレビ自身が内包していなかったからだ。

◇言ってみれば、<弱者の側に立つ>という偽善的なスタンスだけがテレビのよりどころ。◇<ダム絶対反対>しかし<最後は仕方なく建設を容認した><にもかかわらず今度は一転して建設中止>に。

◇住民の屈折した心情と生活を民主党は分かっているのか!オンリーの情緒的アプローチが、そう長続きするはずもない。◇ある程度の時間が過ぎたらハイさよならの、刹那的無責任<テレビ業界論理>がここでも大手を振っていた。

◇田中康夫長野県知事の時代にはあれだけ脱ダムに入れあげたマスコミや評論家が、今度は一転、中止される側の心情もくみ取れと居丈高に主張する。◇あれだけ公共事業投資を批判してきたマスコミや御用評論家が、いざ削減となれば、景気への影響は大丈夫なのか、二番底・三番底になるぞとエラそうに説教する。

◇盾の両面を行き来することで自身の善玉ぶりをアピールし、視聴者を引きつけようとのあざとさといったら嗤(わら)うしかないが、しかし世の中、相当変わってきているのを彼ら自身いまだ気づいていない。

◇八ツ場ダム中止にしても公共工事削減にしても、テレビが案じるほど国民は否定的にとらえていないのが実態なのだから。◇ゆえに最近のテレビはウケないし、視聴率もパッとしないのである。

◇こんなダメマスコミが多いなか、毎日新聞などは社説で以下のような正論を展開し、面目を保っている。

★★社説:鳩山政権の課題
八ッ場ダム中止 時代錯誤正す「象徴」に
毎日jp.・09.09.23

◇「この間、首都圏の水需要は減少傾向にあり、洪水対策としてのダムの有効性に疑問が示された。しかし、そもそもの目的が疑わしくなり、悪影響が指摘されながら完成した長良川河口堰(ぜき)、諫早湾干拓、岐阜県の徳山ダムを追うように、(八ツ場ダム建設では-筆者註)ダム湖をまたぐ高架道路、移転住民のための用地造成などが進み、ダム本体の着工を残すだけになった。まさに『いったん動き出したら止まらない』大型公共事業の典型である」。

◇「これに対して利水・治水のため建設費を負担してきた1都5県の知事は『何が何でも推進していただきたい』(大澤正明・群馬県知事)などと異論を唱えている」。

◇「(もう既に多くの投資をしてしまっているから-筆者註)単純に考えれば、このまま工事を進めた方が得である」。◇だが、八ッ場だけの損得を論じても意味はない。全国で計画・建設中の約140のダムをはじめ、多くの公共事業を洗い直しそこに組み込まれた利権構造の解体に不可欠な社会的コストと考えるべきなのだ

◇「『ダム完成を前提にしてきた生活を脅かす』という住民の不安に最大限応えるべく多額の補償も必要になるが、それも時代錯誤のツケと言える」。◇「高くつけばつくほど、二度と過ちは犯さないものである」。

◇IFSAはかねてより、田中康夫・天野礼子的な脱ダム論(=ダムはムダ。そもそもコンクリートは生理的に嫌い!)を根底から批判してきたくちだが、コトこの八ツ場ダムに関しては絶対反対の立場。◇ハナから<根拠レスのダム計画>があからさまだからだ。

◇これについての詳細は09.09.27の当IFSA通信<マスコミの偽善キャンペーン(1)=<地元無視の八ツ場ダム中止>という情緒的誘導>をまずはご覧いただきたい。◇それからすると、上記毎日新聞の社説にはたったひとつだけ誤りのあることが分かろう。

◇そう、「単純に考えれば、このまま工事を進めた方が得である」のくだりがそれで、これなどまさに「単純に考え」すぎている。◇そもそも、計画通りの金額で収まるなど誰が信じよう。

◇さて、ここのところ鳴りをひそめた八ツ場ダム報道よと思っていたら、ポロポロっと<品木ダム>の件が取り上げられ始めた。

◇品木ダムなど、八ツ場ダム関連を少しでもかじったことのある人間なら知らない者はいないキーポイント。◇にもかかわらず、マスコミは勉強不足で本当に知らなかったのか、それとも政治的意図からカマトトを決めこんでいたのか、火の消えた今ごろになって少しずつ伝えだしている。

★★群馬・品木ダム:「八ッ場」前提、ダムに難題
石こう堆積、処理追いつかず
強酸性の川、中和目的で建設
毎日jp.・09.11.10

◇「草津温泉の硫黄分などで強酸性の河川を中和する過程で生じた石こうを堆積(たいせき)させる目的で、群馬県六合(くに)村の湯川に建設された品木ダムが、満杯になる恐れが出てきた。堆積量がしゅんせつ量を上回り、湖底が水面下5メートルまで迫っている」。

◇「同ダム鳩山政権が建設中止を表明している八ッ場(やんば)ダム計画を進めるため建設されたが、地元関係者は八ッ場の中止表明に続く難題への対応に苦慮している」。◇「苦慮している」って、表ざたになったことを?

◇「品木ダムは65年に完成。中和で生じる石こうと土砂は現在、年間約5.5万立方メートルがダムへ流れ込む。一方、しゅんせつ量は約3万立方メートル。総貯水量166.8万立方メートルに対し、08年度の堆積量は142.1万立方メートルで、85%に達した」。

◇そして、ここでしゅんせつした<一種の産廃>を貯蔵する陸地、それももはや限界といわれる。◇しかもこれらにかかるランニングコストはいったいどれほど?◇そもそも無理筋!のツケがここにも象徴的にあらわれている。

◇と思えば、今度は朝日新聞が・・・・・・・。

★★八ツ場上流、ヒ素検出を公表せず 国交省
asahi.com・09.11.13


◇「八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の建設予定地の利根川水系の吾妻川とその支流で、国土交通省が少なくとも93年以降、環境基準を超えるヒ素を毎年検出しながら、調査結果を公表していなかったことが朝日新聞社の調べでわかった」。

◇「報告書によると、草津温泉を流れる湯川や、酸性の水質を改善するために設置された品木ダムの放水口、八ツ場ダム建設予定地から約10キロ上流の貝瀬地点では86年度以降、ヒ素濃度が高く、基準が強化された93年度以降は基準を上回っていた」。◇「08年度の平均値は湯川で基準の約100倍、品木ダムの放水口で約10倍、貝瀬地点で5倍を記録した」。

◇「吾妻川の水質は、草津白根山系の硫黄鉱山からしみ出す水や草津温泉からの水が流入して酸性が強い。1952年に計画が浮上した八ツ場ダムも、コンクリートが溶けることを理由に一度は断念された」。◇「だが、63~65年に、強酸性を改善するための中和工場品木ダムが造られ、湯川など上流の三つの川に石灰液を投入して中和化が進められ、八ツ場ダム計画が復活した」。

◇テレビ朝日のワイドショーも早速これを取り上げたが、あれだけ威勢のよかった地元町長などは、国がいいと言っているから大丈夫!の一点張り。◇お~お、お里が知れたというところだろう。

◇ところでこの無理筋・八ツ場ダム問題を知るに格好の出版物がある。◇といっても大部なものではなく、たった70ページ弱の小冊子。◇『八ツ場ダムは止まるか-首都圏最後の巨大ダム計画-』(八ツ場ダムを考える会 編・岩波ブックレット・05.02)がそれで、定価は480円(税別)と安い。

◇このブックレットは、同じ岩波でも天野礼子『ダムと日本』(岩波新書)といったヒステリックといおうか、あるイミ<狂信的>な本とは違い、冷静な記述のオンパレードで何ともすばらしい。

◇八ツ場ダム建設は利水治水の両面からナンセンス、それに予想される浅間山の噴火や予定地の<熱水変質>を受けた地質からしても建設はきわめてリスキー。◇筆者は諄々と説いていく。◇どうか、往復の電車内ででもぜひお読みいただければと思う。

◇6都県知事や情緒に訴えるマスコミは、まずこの本の提示する論点をめぐって<公開討論会>を開く、そこからスタートすべきなのだ。◇政治的ではなく、あくまでも科学的・実証的に。

◇<八ツ場ダムが止まるだけでも政権交代の意義があった>とのIFSAの見方は、あながち暴論でもなかろう。◇わが世代の全共闘風に言えば、<一点突破・全面展開>てな感じで。

◇冗談はともかく、政権交代なかりせば、あの6都県知事たちの妙な<論理>が表街道をずうずうしく闊歩(かっぽ)する。◇その一点だけでも気色悪いではないか。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年11月11日 (水)

IFSA流アーカイブズ=改革切り込み隊長を気取るも、機を見るに敏な橋下徹大阪府知事

◇血気盛んな青年将校を演ずる橋下徹大阪府知事は、マスコミ対策で大成功を収めている。◇IFSAに言わせれば、戦前のそれをも凌駕(りょうが)する反動保守の権化である徹くんだが、世間ではいつしかカイカク革新の星のごとくとらえられてしまっているからだ。

◇いわゆる<改革派知事>のなかではもっとも信頼に足ると思える片山善博慶応大教授(前鳥取県知事)ですら、毎日新聞のインタビューに対してこんな風に言ってしまうほど。

◇「今の47都道府県知事の中で(橋下さんを-筆者註)一番評価しています。他にあんまり評価できる人がいない、ということもありますが」(時代を駆ける・片山善博 「情報発信」の先駆者 橋下知事に助言も・毎日新聞朝刊・2009.07.27)

◇ではIFSA流アーカイブズから、そんなんじゃない!を時系列的に示していくとしよう。◇今回のIFSA通信はかなり長くなるが、分割掲載すると俯瞰(ふかん)しにくくなるのでご了解いただきたい。

★★橋下氏“誤算”? 公明が「推薦」やめ「支持」決定
大阪府知事選・MSN産経ニュース・07.12.26(A)
★★公明、橋下推薦せず自主投票・・・大阪府知事選
過去の過激発言が災い・ZAKZAK・07.12.26 (B)

◇「(府知事選で公明党府議団は橋下徹氏を-筆者註)『推薦』で調整したが、橋下氏のテレビでの過激発言や知事選に『出ない』から『出る』へと前言撤回した問題で異論が相次ぎ、より支援の色彩が弱い『支持』で決着した」(A)。

◇「(前略)同氏の出馬をめぐる経緯や、テレビなどで『2大政党制がいい』(後段参照-筆者註)『日本は核武装すべきだ』と過激発言をしていた事に非難が噴出」。

◇「橋下氏は25日の面談後の会見で、2大政党制発言には『国政においての理想を語ったもので、地方自治体は別』としたほか、核武装発言についても『府知事という立場になれば、法律や非核3原則にのっとって行動する。世界平和を望むのは一緒』と釈明した」。

★★橋下知事、”過激答弁”連発 相次ぎ議事録削除
asahi.com・08.03.11

◇「橋下知事は10日にも共産党府議に『主張を通されたいのなら多数派をとってからぶつけていただきたい』と答弁し、『言い過ぎた』と釈明」。◇「5日の代表質問では知事の権限を越えて『教育委員会に命じる』と答弁し、後に『完全に間違っていた』と謝罪した。これらの答弁は議事録から削除・訂正される」。

★★「東大・京大合格者300人の公立高を」橋下知事
MSN産経ニュース・08.03.13(C)
★★橋下府知事が教育改革説明 教育委員から苦言も
TOKYO Web(共同)・08.03.13(D)

◇「知事は『成績優秀な生徒が集まれば、東大と京大に300人の合格者を出すような学校も出てくる』と述べ、”公立エリート校”づくりを目指す姿勢を強調した」(C)。◇「橋下知事は『きめ細かい指導が必要な子もいる』として小学1年から習熟度別のクラス編成が必要と訴えた」(D)。

◇以上の論議からだけでも分かることは、議会運営や教育のようにたとえ対象ジャンルが異なっても、彼の根っこには<「核武装すべき」に通ずる思想>が通奏低音のように響いているという点だろう。

★★橋下知事「伊丹空港じゃま」 地元市長「暴論だ」
asahi.com・08.09.06
★★橋下知事、ラジオで「クソ教育委員会」
学力調査巡り

asahi.com・08.09.07

◇彼のやり口と口吻(こうふん)を伝えたいだけだから、ここはタイトルだけでにとどめる。

★★橋下知事の重なる過激発言、
与党からも「行きすぎだ」
asahi.com・08.09.09

◇「知事の教委批判は、全国学力調査の結果が発表された8月29日の『このざまは何だ』発言から、急速にボルテージがあがった」。◇「調査対象の小6と中3の国語と算数・数学の結果が、大阪府はいずれも30、40位台だった」。

◇「橋下知事は、市町村ごとの結果が公表されないことをいいことに各教委が対策をとらないのが成績低迷の主因だと断じ、個別に結果を公表するよう市町村教委に圧力をかけ始めた」。

◇「7日のラジオの公開生放送では、『クソ教育委員会』発言が飛び出し、公表しない教委には来年度の予算配分で『差をつける』と言い放った」。

◇「府議会からも批判が出だした。知事を擁立した自民府議は『タレントで生き残ってきたため、常に注目を浴び続けなあかんという強迫観念がある。泳ぎ続けないと死んでしまうマグロみたい』と分析」。

◇「元鳥取県知事で慶応大教授の片山善博さんは、予算権を盾に圧力をかけようとした手法を『許されない』と言う」。

◇「『行政で”江戸の仇(かたき)は長崎で”というわけにはいかない。市町村が結果を公表しないからといって、予算で差をつけるのはスジが通らない。それが許されれば、国は都道府県に、都道府県は市町村に、あらゆることを押しつけることになる。まさにファッショだ』」。

◇まさに正論。◇にもかかわらず、その片山が上記のごとく、全国でいちばんマシな知事と橋下を持ち上げるのだから分からない。

★★またパフォーマンス?
橋下知事「オカンに怒られた」
ZAKZAK・08.09.09

◇「大阪府の橋下徹知事は九日、全国学力テストの市町村別結果公表に消極的な市町村教育委員会などを指した『くそ教育委員会』との発言について、記者団に『以後は使わない』と述べて封印する意向を示し、その理由を『オカン(母親)にこっぴどく怒られた』と説明した」。

◇「ただ、発言自体は『自分としてはそういう意識だ。撤回はしない』と明言した」。

★★橋下知事「PTA解体」撤回 大阪府議会で釈明
MSN産経ニュース・08.09.30

◇「大阪府の橋下徹知事は30日の府議会本会議で、『PTAは解体する』との発言について『(関係者が)不愉快な思いをされたなら撤回する』と述べた」。

★★山口・光の母子殺害:
弁護団賠償請求訴訟・広島地裁判決
口は災い、橋下知事
毎日jp.08.10.02


◇「2日の広島地裁判決は、思い切った言動が身上の橋下徹弁護士(現・大阪府知事)がテレビ番組内で行った発言を『弁護士の使命・職責を正解しない失当なもの』と断じた」。

◇これは、光市母子殺害事件弁護団に対する弁護士時代の橋下発言への判決だ。◇毎日新聞から引用させてもらえば、橋下は07年5月の読売テレビでこうアジっていたという。

「ぜひね、全国の人ね、あの弁護団に対してもし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求かけてもらいたいんですよ」
「懲戒請求ってのは誰でも彼でも簡単に弁護士会に行って懲戒請求を立てれますんで、何万何十万っていう形であの21人の弁護士の懲戒請求を立ててもらいたい」
「懲戒請求を1万、2万とか10万人とか、この番組見てる人が、一斉に弁護士会に行って懲戒請求かけてくださったらですね、弁護士会のほうとしても処分出さないわけにはいかないですよ」さて、橋下本人はこの<懲戒請求>なるものを提出したのかどうか?

★★「朝日が早くなくなれば・・・」
橋下知事が批判エスカレート
MSN産経ニュース・08.10.20

◇「大阪府の橋下徹知事が、3日付の朝日新聞の『橋下TV発言 弁護士資格を返上しては』と題した社説を批判した問題で、橋下知事は20日、出張先の東京で報道陣の取材に応じ、『朝日が早くなくなれば世の中のためになる』などと発言」。

◇また「19日の陸上自衛隊記念行事の祝辞」では、「『人の悪口を言う朝日新聞のような大人が増えれば日本は駄目になる』と述べた」らしい。◇一部あたっている部分があるのでは?(=たしかに高度なる一面の真理だ)といった問題ではなく、府知事・橋下の権力目線にIFSAはいやらしさを感ずるのだ。

◇さて2009年が近づくと、政治の季節へ向けた橋下特有の嗅覚(きゅうかく)がそろりと作動し始める。◇人に悟られないよう、あえてファジーな形を採用しつつ。◇それがこの男の計算高いというか、小ざかしいところだ。

◇まずは自分を知事にしてくれた自民党へのミエミエ・ヨイショから。

★★橋下知事、麻生首相を「全力で支援」
給付金も批判せず
asahi.com・2008.12.17

◇「『全力でお支えします』--。大阪府の橋下徹知事は17日の記者会見で、支持率低迷にあえぐ麻生首相を支持する考えを強調した」。◇「地方分権を進めるとしている麻生首相を応援し、道州制の実現を目指すという」。◇「世論の評価が低い定額給付金についても『批判はしません』と話した」。

◇しかしそれから半年が経過するや、客観情勢もがらっと変わる。◇もちろん、それを先取りするように橋下も。

★★橋下知事、地方分権に期待感
わくわくすると民主党シンポで
TOKYO Web(共同)・09.06.17

◇「大阪府の橋下徹知事は17日、民主党大阪府連が大阪市内で開いたシンポジウムに出席」。

◇「地方分権改革をめぐる党の見解について『明治維新以来の国の形が大きく変わるのではないか。わくわくする』と述べ、期待感を示した」。

◇「橋下知事は次期衆院選で支持する政党を表明すると宣言しており(後略)」。◇「橋下知事が民主党の会合に出席するのは初めて。府知事選では自民、公明両党の支援を受けた」。

★★首長グループ構想:
西日本の知事らは、独走橋下氏に戸惑い
毎日jp.・09.06.26

◇「大阪府の橋下徹知事が打ち上げた、地方分権を旗印とする首長グループの結成と、次期衆院選での支持政党の明確化」。◇「橋下知事は『地方分権には国民の後押しが必要。(これまで)首長は逃げていた』と強気だが、支持が広がるかどうかは予断を許さない」。

★★全国知事会がマニフェストを点数
橋下知事は批判「点数をつけても何も変わらない」
MSN産経ニュース・09.07.01

◇「大阪府の橋下徹知事は1日、全国知事会が各政党のマニフェスト(政権公約)を点数化して公表することを検討していることを明らかにし、『誰に向けて、何のために評価するのかわからない。マニフェストに点数をつけても、何も変わらない』などとと批判した」。

◇この点についてはIFSAもまったく同感。◇ただ今夏の総選挙に向け彼が何を主張していったかを現時点から思い返せば、これまたドッチラケる。◇先頭に立ち、<点数をつけるぞ>のごとく自民や民主に迫っていたのだから。◇ここではまず、「点数をつけても何も変わらない」発言を記憶しておくとしようか。

★★ヤバすぎて中身言えない?
橋下・東国原知事が会談
asahi.com・09.07.04

◇「総選挙での動向が注目される大阪府の橋下徹知事と宮崎県の東国原英夫知事が3日夜、大阪市北区のレストランで会談した」。◇「終了後、両知事は地方分権推進で今後も連携することで一致したことを明らかにしたが、会談の詳細については『言えない話だらけ』と言葉を濁した」。

◇「会談は4日の講演のために大阪を訪れた東国原知事を橋下知事が誘い、橋下知事が行きつけのイタリア料理店で2時間近く意見交換した」。◇「会談後、大阪府庁で報道陣に囲まれた橋下知事は、自民党からの立候補要請に総裁候補の条件を出した東国原知事について『すごすぎる』と感心」。

◇この<すごすぎる>には、おそらく<ばかばかしくて>が付く。

★★なぜ「蜜月にひび」橋下、東国原両知事
MSN産経ニュース・09.07.05

◇そして予想どおり翌日には一転、持ち前の逃げ足の早さが火を噴く。◇「大阪府の橋下徹知事が4日、『首長連合』に宮崎県の東国原英夫知事の参加を求めない方針を明らかにした」。

◇「両知事は地方分権推進で連携し、3日に大阪市内で会談するなど蜜月関係が続いているようにもみえたが、橋下知事は『自民党総裁候補に』と主張した東国原知事と一定の距離を置きだしていた」。

◇3日のレストラン会談後「冗舌だった」そのまんま氏に比べ、「(前略)次いで質問に答えた橋下知事は『東国原知事はすごい。それしかない。すごい』と話すと無言になった。東国原知事に酔っているのでは、と突っ込まれるほどだった」。

◇オレはインテリ、「自民党からの立候補要請に総裁候補の条件を出した東国原知事」などとはレベルが違う、こんなのといっしょにやっていたら早晩ヤバイことに。◇<計算高い本能>がそう叫び、そのまんま氏などもう利用価値ナシ、マイナスだけ、ならばヤワヤワ離別すべしとなったのであろう。

★★詳細はダンマリ
・・・橋下、東国原会談の気になる中身
「単なる食事会」
ZAKZAK・09.07.04

◇「ここのところ、東国原知事は国政転出に意欲を隠さず、出馬条件として自民党に提示した全国知事会のマニフェストを『一言一句違えず盛り込め』から『8割ぐらい』と”安売り”を始めている」。◇「一方の橋下知事は自民党の菅義偉選対副委員長と電話で話し、距離の近さを確認した」。

◇「それだけに、民主党関係者は『両知事はいまのところ自民党別動隊。次期総選挙の最大の争点を”政権交代”から”地方分権”にすり替えようとする自民党の戦略に乗っているのだろう』と危機感を語った」。                  

◇図星!ただ、橋下に過剰反応してしまう民主党的<お粗末危機感>を除けば。◇そしてあの<地方分権>など<政権交代>の前では最後まで話題にもならず、橋下の思惑はすべりまくった。

★★橋下知事、
東国原との連携は「自民、公明応援の猿芝居」
MSN産経ニュース・09.07.05

◇「(前略)大阪府の橋下徹知事は5日、宮崎県の東国原英夫知事との連携について『東国原知事と組めば、自民、公明応援の猿芝居と思われてしまう。連携はない』と述べ、改めて否定した」。

◇「3日夜の東国原知事との会見で、地方分権の実現に向け一緒に行動すると表明しながら、結果的に連携にいたらなかった点について『一緒にやっていきたいという思いはあるが、国民に対する見え方で誤解を生んでしまう行動だった』と弁明」。

◇いざとなればこの調子のよさ。それこそが橋下の<身上>といえよう。

★★橋下知事:モテモテ
・・・民主、公明幹部と次々会談

毎日jp.・09.07.08(E)
★★橋下知事、各党が「奪い合い」
本人は民主評価も、思いは自公寄り?

MSN産経ニュース・09.07.08(F)
★★自公、民主、渡辺喜
・・・橋下争奪バトル三つどもえ

ZAKZAK・09.07.09(G)

◇「『涙が出るほど感動した。”政策を議論する”と言いながら選対委員長と議論するのとは違う』。民主党の原口一博”次の内閣”総務担当は党本部で会談後、記者団に橋下氏を絶賛。自民党との接近ぶりが目立つ東国原英夫・宮崎県知事との違いを強調した」(E)。◇ああ、涙が出るほど気色悪い!

★★橋下知事:都議選、自民惨敗は国民の怒り
毎日jp.・09.07.13(H)

★★全国知事会:「政党支持」見送り
東国原・宮崎県知事提案、賛同者なく

毎日jp.・09.07.13(I)
★★全国知事会:東国原知事は孤立
政党支持採用されず・毎日jp.(J)

◇そして7月12日の都議選で自民党が惨敗するや、風見鶏のベクトルは固まる。◇「大阪府の橋下徹知事は13日、東京都議選の自民党惨敗について、『国民の怒りの表れ。”国政への影響がない”と言う政治家は、辞めた方がいい』と語った」。

◇「橋下知事は『現状が”変わってくれ”という国民の意思は明らか』と述べ、『国政に影響するという危機感があってこそ、現状を変える動きにつながる。(そうでなければ)自公を支持できない』と語った」(以上(H))。

◇「全国知事会(会長、麻生渡・福岡県知事)は14日、東国原英夫・宮崎県知事が提案していた次期衆院選で知事会として特定政党への支持を表明する案を見送った。賛意を示していた橋下徹・大阪府知事も同調せず、賛同者がなかった」。◇「橋下知事は、これまで知事会として政党支持を表明すべきだと主張していた」(I)。

◇「自公民3党のマニフェスト(政権公約)を評価し、知事会としての支持政党表明を求めてきた東国原英夫・宮崎県知事や橋下徹・大阪府知事だが、多くの知事から反対意見が相次いだ」。

◇孤立したそのまんま氏を横目に、「橋下知事も『丸ごとの政党支持は、やるべきでない』と矛を収めた」(以上(J))。◇というより、完全にヒヨッた。

◇しかし先に「マニフェストに点数をつけても、何も変わらない」と断言していたくだんの人物。◇その「橋下知事はマニフェスト評価について、『分権実現は政治闘争。知事会がパワーを持つため、一致団結して点数をつけるべきだ』と主張」(J)というからすっごい。

◇「橋下知事は協議後、報道陣から『政党支持なしで政治パワーになるのか』と聞かれ、『”奴隷(都道府県)に公民権を”という一点突破の流れが知事会に出てきた』と冗舌だった」(J)。

◇しかしこうした一連のドタバタぶり。時系列的に整理してみてはじめて分かることであり、エネルギッシュな橋下の動きを毎日追いかけるだけでは幻惑されるのがオチ。◇彼はその効用を巧みに計算している。◇しかし以下の読売新聞記事はそこをズバッと突いている。

★★東国原氏と知事会など連携・・・橋下知事の思惑
YOMIURI ONLINE・09.07.19

◇「橋下知事『要望書を持って”お願い”なんて意味がない』 自民党は『賞味期限切れ』、民主党には地方公務員改革なんて出来ない--。18日、読売新聞のインタビューに応じた大阪府の橋下徹知事は、政権を争う2大政党を挑発し、衆院選に影響力を発揮しようとの思惑をにじませた」。

★★橋下知事、民主マニフェスト批判の真意は?
MSN産経ニュース・09.07.28

◇「地方分権への意欲を判断基準に衆院選での『支持政党宣言』を目指す橋下徹大阪府知事が、これまで持ち上げてきた民主党の分権構想に対し、手のひらを返したような猛批判を始めた」。◇揺さぶりだか何だか、ほら、おはこの小細工満開である。

◇完全なるウオッチャーにしか読み取られないしっちゃかめっちゃかは意に介さず、その時々のパワーだけで押しまくる戦術にはますます磨きがかかる。

★★橋下知事、支持政党「言わない」 知事会に同調へ
asahi.com・09.07.29

◇「大阪府の橋下徹知事は29日の記者会見で、総選挙での支持政党の表明について『個人では言わない』と述べ、自身の判断は明らかにせず、全国知事会の評価に従う考えを示した」。◇「これまで地方分権に関する政党の政権公約(マニフェスト)で判断するとしていたが、『知事会がまとまることが絶対に必要』と述べた」。

★★有権者に、僕の点数が影響を与えるわけでもない
橋下知事開き直り
MSN産経ニュース・09.07.29

◇「『党議拘束と同じなんですよね』-。再三訴えてきた”支持政党宣言”の意向をあっさり撤回し、全国知事会が出す点数を自らの評価とすると表明した橋下徹知事」。

◇『府民は知事が付けた点数を知りたいはずだ』『理解に苦しむ』。29日の会見では報道陣から疑問の声が相次いだが、知事からは『有権者に対して僕の点数が大きな影響を与えるわけでもない』と開き直りととれる発言も飛び出した」。

★★「首長連合」は民主支持・・・橋下府知事ら発表
YOMIURI ONLINE・09.08.11

◇「大阪府の橋下徹知事と横浜市の中田宏市長は11日、大阪府庁で記者会見し、地方分権政策を巡る自民、民主両党の政権公約(マニフェスト)を検証した結果、衆院選では『首長連合』として民主党を支持すると表明した」。

◇「知事選で自民、公明両党の支援を受けた橋下知事は『自公の応援のマイクは握らない。民主のマイクを握ることまではできない』と配慮を見せた」。

★★橋下首長連合は民主支持
「勝ち馬に…」でも応援せず
ZAKZAK・09.08.12

◇「自民、民主両党のマニフェスト(政権公約)の中で、地方分権改革への取り組みなどを比較した結果、自民より民主の政策を評価したためだという」。◇「ただ、すでに民主党は総選挙で単独過半数をうかがう勢いだけに、『勝ち馬に乗っただけ』との批判も飛び出している」

◇そして最後はこうなった。

★★「投票日まで逃げます」橋下知事、一転沈黙
YOMIURI ONLINE・09.08.26

◇「30日に投開票が迫った衆院選で、大阪府の橋下徹知事が公示後、一転して沈黙を守っている」。

◇「公示までは全国知事会や首長連合を舞台に、各政党に地方分権政策を突きつけ、最後は民主党支持を表明したものの、公示日に『国政に関してはいったん終了』と宣言」。◇「結局、与野党いずれの応援マイクも握らないままで、選挙戦最後の1週間はバンコク、福岡に出張」。◇「『とにかく投票日まで逃げます。大阪にはいません』と、バンコクでは『逃避』発言も飛び出した」。T

★★橋下知事、選挙戦「逃げ」に安堵 タイ出張で
TOKYO Web・09.08.26
★★「みんな頭に来ている」自公”脱走”橋下徹に憤り
公示後にタイ、投開票日まで福岡に
ZAKZAK・09.08.27

◇そしていまは、<★★「カジノも風俗街も大阪が引き受ける」・・・橋下知事・YOMIURI ONLINE・09.10.29>と息巻くのであります。

◇今回はまたあまりに長大なるIFSA通信。◇最後までお付き合いいただきありがとうございます。(敬称略)

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。 

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2009年10月29日 (木)

IFSA流アーカイブズ=調子のいいヒネリヨイショでその場を取り繕う名人・テリー伊藤

◇ちょっと前、テリー伊藤宮崎哲弥が人気コメンテーターの上位を占めると何かで読み驚いたことがある。◇宮崎なんて、何の実績もないのにいつしかエラそうな顔をし、テレビで政治や経済の講釈をしている。

◇IFSAは7年前に『m2われらの時代に』(宮台真司・宮崎哲弥、朝日新聞社・02.03)を読んで以来、このふたりのmにいだいたブッタマゲッチの感覚が消えたことはない。◇宮崎はもとより、カッコつけの社会学者・宮台の底の浅さに出会えたのは、あるイミ収穫といえたけれど。

◇そんななか、本日はコメンテーターのもう一方の雄?テリー伊藤を取り上げるとしよう。◇本当なら無視すれば済む程度の論者ではあれ、ダントツ人気&マスコミの寵児(ちょうじ)ときてはそうもいくまい。

◇実は当IFSA通信、過去に何度かこのオポチュニストを継続して批判してきた。◇しかし今回は方法を変え、テリー作<ひねったつもりのエッセー>(毎日新聞掲載)よりナマのマテリアルを引っ張り出し、IFSAの批評をほとんど加えることなく読者に呈示していくとしたい。

◇そこで展開されるテリーの得意技をあらかじめ表現すれば、世の中の常識的な論評など笑っちゃうゼ→<オレはそんな偽善を引っぺがし、その後ろに隠れた真実を国民に指し示していくんだ。もちろん、政治的には無色の中でとなろうか。

◇しかしこちらが<笑っちゃう>のは、テリー伊藤の誇る<ひとひねり>の内実が何とも陳腐・お定まりのオンパレードといった現実であり、それこそヒネリヨイショがただ単に<な~んちゃって>といったレベルでしかない点である。

安倍晋三が護憲派や平和主義者を嘲笑したつもりになって得意気に見せびらかすのが<戦後レジームの見直し>や<真正保守主義>というのとどこか似ている。◇それはまた、月刊誌「WiLL」に蝟集(いしゅう)するゴリゴリ保守連中のワンパターンにも通じる。

◇しかしこの月並みな<ひねり>が一部の日本人には妙に受けるようで、「WiLL」が駅の書店で平積みされているさまにぶちあたれば、それこそ笑っていられないとならざるをえない。◇そこでは、横浜市長職から敵前逃亡した中田宏が臆面もなく書いちゃったりしていてサ。

◇紛う方なき正論に対してさえ、とにかく<アカ>のごとくイチャモンをつけさえすれば、それはもう彼ら流メチャ体制的・超安全な<反体制の世界>!?◇あの一群の人々は、その手の自己陶酔から逃れられないようだ。

◇ひねりを気取るテリー伊藤にもそうした方法論上の弱点がミエミエであり(=もちろん彼には<アカ>流発想はない)、業界人としての安全地帯から一歩も歩み出せていない。◇しかし、本人はそれにとんと気づかない。

◇では、あの外務省元幹部・田中均(=コイズミ訪朝を画策したこのエリート、本当にアタマのキレの悪いのが一連の文章からよく分かる)のそれと並び、わが愛する毎日新聞をけがしまくるトンデモ連載「テリー伊藤の現場チャンネル」(本年度分)より淡々と引く形で、<アーカイブズとしての「IFSA通信」機能>を発揮していくとしたい。

★★森田健作
青春の巨匠 千葉県の、団塊世代の星になれ
テリー伊藤の現場チャンネル・毎日新聞夕刊・09.04.04

◇4年前の千葉県知事選落選。「そのときの森田さんの悔し涙を間近で見ていた私としては、彼がこの4年間、どんな思いで戦ってきたかを知っている」。◇「(今回森田が当選した-筆者註)この選挙戦は睡眠時間を削っての必死の戦いだった」。

◇「今回の勝因の一つは、やはりタレント出身の東国原知事と橋下知事がそれぞれ県民の強い支持を得て改革を進めていることだろう」。◇「森田健作という人間は政治家として期待できると私は常々思っている。それは、私利私欲がないからだ。金にもキレイだし、権力やポストにしがみつこうとしている姿を一度も見たことがない」。

◇「いつでも熱くて、正義感が旺盛で、国や地域を愛する気持ちが人一倍強い」。◇「『シラケの時代』とか『冷めた日本人』などと言われる時代の中にあっても、この森田健作の熱さに国民が反応したのだ」。◇「『ニッポン男児』という言葉は、まだ死語ではなかったのである」。

◇「(前略)団塊の世代の人たちが森田健作新知事の元気な姿を見れば、きっと勇気づけられるにちがいない」。◇「60歳を前にして新たなスタートを切る森田健作は団塊の星である」。

◇団塊のひとりであるIFSAならずとも、森田健作をわれわれ世代の星とか何とか言われた日にゃ、たまったものじゃなかろうが、歯の浮くようなことを平気で言うお調子者のたわ言、それはそれとしようか。

◇とはいえ、安倍晋三の首相就任時にヨイショしまくったのとトーンがよく似ていることよ。

◇次は、例のエバリまくり慎太郎による東京五輪招致(失敗)劇に関して。◇テリーはこれに向けても十八番のヨイショ先兵一辺倒だったが、大半は過去のIFSA通信にて紹介済みだから、本日は別のフレーズからの引用を。

★★東京五輪
21世紀モデルで次世代に感動を伝えたい
テリー伊藤の現場チャンネル・毎日新聞夕刊・09.04.25

◇「IOC評価委員の東京視察が無事に終わった。委員たちは、リップサービスもあるだろうが、かなり好印象を抱いて帰ったように見える」。

◇「この不況のなか、すぐにお金の話をしたくなる気持ちはわかる。しかし、2016年東京五輪の意義は、経済とはまったく別のところにあると私は思っている」。◇「1964年東京五輪当時、中学生だった私は、あのときの興奮と感動をいまでも忘れない」。

◇「2016年に東京五輪を開催するということは、今度はそのときの子どもたちが五輪の感動やスポーツの素晴らしさを目の当たりにできるということだ」。

◇「南米やアフリカなど、いまだに五輪を開催していない地域で開催するべきだという意見には私も賛成だ」。◇「しかし、じゃあ、そうした国々が北京五輪のような巨大開発型の五輪を開けばいいというのだろうか」。

◇もうやめにしておこう。それよりも、たまたま同日の同面に掲載されたエッセーとの巡り合わせがあまりに皮肉なので、つい対比の誘惑に駆られる。

★★IOC委員東京視察
劣勢にまわった招致反対派
週刊テレビ評 やくみつる・毎日新聞夕刊・09.04.25

◇IOC委員が視察に来てテレビ界も浮き足立っている環境下。「(前略)開催に異を唱える側が、どうも劣勢にまわってしまった観は否めない。私も当初より『2度目の東京五輪はいらん!』と抗(あらが)っているクチだが(後略)」。

◇とはいえ、「(みのもんた起用の招致アピール・テレビCMでは-筆者註)いわく、東京への五輪招致がなれば『街路樹100万本!』『学校の校庭を天然芝に!』って、ドサクサ紛れにオリンピックと絡めた都市整備話にしている」。

◇「そんなことはオリンピックが来ようが来るまいが粛々と進めてもらえばいいわけで、ここらが狡猾(こうかつ)なところだ」。

◇「大義といえば、当初唱えられていた『アジアでの初の2度目開催』という苦し紛れの文言はさすがに聞かなくなりましたね。転じて打ち出したのが、やはりエコ」。

★★鳩山政権
「国民の期待」と「政府の答え」が見えやすくなる
テリー伊藤の現場チャンネル・毎日新聞夕刊・09.09.19

◇安倍晋三首相をあれだけ持ち上げた男が、今度は手のひらを返して民主党政権へのオマージュ。◇ばかばかしくて書き写す気にもなれないからその部分は割愛するとして、野党・自民党に触れたお笑い部分のみを紹介する。

◇「自民党への期待。それは『戦う野党』になることなどではなく、『国民のために、不慣れな民主党政権を助けてやろう』という姿勢を国民に示すことだ」。

◇「『自民党と民主党』は『巨人と阪神』ではない。(中略)(野球とは違い-筆者註)政治はどっちが勝とうが国民が幸せになればいいのである」(出ました!=IFSA)。

◇「国民が求めているのは自民党の再生でもなければ2大政党でもない。国民のための政治を実現してくれる政治家であり政党なのだ」(まさにテリー伊藤の真骨頂でありんす=IFSA)。

★★石田純一
すべて見せるプロ意識 芸能人中の芸能人だ
テリー伊藤の現場チャンネル・毎日新聞夕刊・09.10.03

◇「石田純一さんが『ロンドンハーツ3時間スペシャル』のなかで、東尾理子さんとの結婚を発表した」。◇石田やそれを商売にするテレビって見てらんねえという世間の声に対し、テリー伊藤はここぞとばかり反撃を試みる。◇喜々として、オレの独擅場(どくせんじょう)といった風情で。

◇「『いや、さすが石田純一だよ。”ここまでやるか”と思われるようなことをあえてやる。彼こそ、芸能人のなかの芸能人だ。石田さんはヤサ男に見えて、本当は腹が据わった男なんだよ。理子ちゃんも、そこに惚(ほ)れたんだろうな』」。

◇「きっと石田さんは、妻となる理子さんを一緒にバラエティー番組のテレビカメラの前に立たせることによって、身を持って自分の生きざまを彼女に伝えたかったのだ」。◇「おそらく彼は『芸能人にプライバシーなんかない』と考えているはずだ」。

◇「『ファンや視聴者が見たいというものは、すべて見せる』という凄(すさ)まじいプロ意識。それが石田純一のプライドなのである」。

◇おそらくはこの文章こそが、テリー伊藤の度し難き本質とクサさをもっともよくあらわしているとIFSAは見る。◇あとは読者のご判断に委ねるとして・・・・・・・。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

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2009年10月11日 (日)

IFSAの予想どおり慎太郎五輪はドボン=そうなった必然性を一度振り返っておかねば!

150億円(いや、一説には400億円[註])ともいわれる巨費を投じた東京五輪誘致は、ほら見ろ、だから言わないことではといった感じで大敗した。◇IFSAは過去何度か、当通信でそのばかばかしさを論じてきたが、今回は毎日新聞の記事だけを頼りに敗退の必然性を総括しておきたい。

◇もちろんもっと多元的な見方も成立しようが、過去の報道を丹念にフォローしていれば、たとえ毎日新聞1紙だけからでも見えてくるものは想像以上に豊かなはずだ

[註]きっこのブログ(09.10.03)<五輪惨敗で石原都知事の責任重大>と題してこう書き記す。◇「今回の招致活動では、単なるジオラマ制作に5億円もかけ、50人もの関係者に1着30万円のスーツを配るなど、都民の血税を湯水のごとく使い続けたため、東京都の発表している150億円という予算を大幅に超え、一部では400億円超える血税がドブに捨てられたと言われている」。

◇手始めは、五輪誘致の不純な動機から。

◇「石原知事が都議会で五輪招致を宣言したのは05年9月。銀行税やディーゼル車規制に代表される華々しい都政運営が鳴りを潜め、人気にも陰りが出始めたころだ」。◇「『知事の、知事による、知事のための五輪』。トップダウンで決まった立候補は、そんなふうにも揶揄(やゆ)された」(★★消えた東京五輪:招致失敗の波紋/上 残り1年半、知事を待つ嵐・毎日jp.・2009.10.04)

◇「今年初め、招致に慎重な民主党都議が党中央に冷静な対応を文書で求めたことを知ると、知事は都議会の一室でこの都議らを呼び止め、『みていろよ、恥をかくからな』とののしった」(同上)。◇どちらが恥をかいたかは歴然であろう。

◇動機のひとつは、石原人気沈没へのこのような一発逆転策。しかし彼の意図はそれにとどまらない。◇「五輪招致の目的についても石原都知事は、東京の再生によって日本国の底力を世界に示し、国威を発揚させる、と力説している」(★★2016年東京五輪招致をどう考える・谷口源太郎・毎日新聞朝刊・09.04.03)からだ。

◇そしてこの上にかぶさってくるのが、例の経済効果[=註]という妖怪であるのは言をまたない。◇だから産業界は事前に50億円ものカネを出したのだし、五輪開催による不動産価格の値上がりを見込み、皮算用に余念のない人士も大勢いたに相違ない。

[註]=「五輪を開催した場合の経済波及効果を、都は全国で2兆8000億円(うち都内で1兆6000億円)と試算したが(後略)」(★★クローズアップ2009:三たび招致失敗 日の丸五輪、遠のく夢・毎日jp.・09.10.04)

◇だから、以下のような本末転倒そのものの嘆息が役人からもれたりもする。◇「五輪招致というエンジンを失った今、都の幹部は言う。『開催を想定した都市像は、東京が直面する問題の解決をさまざまに織り込んでいた。これに代わる目標は、すぐには見いだせない』(★★消えた東京五輪:招致失敗の波紋/中 残る借金と未利用地・毎日jp.・09.10.04)

町村敬志・一橋大大学院教授にこう指摘されるまでもなく、何ともお粗末な話というしかない。◇「本来、独自の理念を持っているはずのスポーツイベントが、都市開発の道具としてしか語られないのは不自然だと思う。さらに言えば、五輪のようなイベントにしか、都市の未来を託せない思考にこそ、問題があるのではないか」(★★2016年東京五輪招致をどう考える・毎日新聞朝刊・09.04.03)

◇しかし不純な動機は以上の3点ばかりでなかった。◇そこには、これまた妖怪のようなスポーツ界もからんでくる。

◇「国際オリンピック委員会(IOC)の総会で、東京五輪の招致に失敗したことは、スポーツ界にとって、トップ選手強化の『大義』が失われたという側面を持つ」。

◇「上村春樹・選手強化本部長は『16年五輪の国別メダル数で3位以内に入るには、12年ロンドン五輪で5位になっておく必要がある』と説明。ロンドンでは14~16個、幻となった東京で25~30個の金メダルが必要と具体的な目標も掲げた」。

◇「08年北京五輪で日本が獲得した金メダルは9個で、国別ランキング8位」。◇東京五輪を想定し、それ向けの「強化費増額への期待があったはずだ」(以上、★★敗北の衝撃:16年招致/中 強化費増額に暗雲 JOC構想「大義」失い・毎日jp.・09.10.06)と記者は書いている。

◇お~お、日本全国すべては東京での五輪開催にかかっているってか?◇ダメだ、メダル数激増までが招致の動機!ってんじゃ。◇また彼らの背景に、以下のような考え方があるというから、IFSAはフレッシュな感じをもって驚かされる。

◇「JOCの福田富昭副会長は『これまでは火山の爆発で溶岩を流れさせ、底辺を広げようという考え方だった。この方が”ボトムアップ”の方法より、コストがかからない』と持論を展開し、新政権のスポーツ政策に注目している」(同上)。◇何とも安直な思考法。やはりこれじゃ日本のスポーツはネ、とあらためて感心させられる。

◇さて、以上のような思惑がいくつもからまれば、世界に発信すべき<理念>とやらが笑止千万なものに堕するのは理の必然といえよう。◇「環境に配慮した五輪」やら「コンパクトな五輪」やら、そうした理念でも追いつかないとなれば、平和憲法をせせら笑う石原慎太郎、恥じらいもなくこんなものまでをも持ち出した(=当IFSA通信にて既報)。

◇「招致の理念について石原都知事は『どうにでも書ける』と、理念のなさをさらけ出し、メディアなどから批判された」。◇「揚げ句の果てに作文されたのが、『平和に貢献する 世界を結ぶオリンピック・パラリンピック』という理念だった」(谷口源太郎・同上)。

◇しらじらしい<平和>はともかく、得意満面の<環境>ですら、「太陽光パネルなど最新技術を駆使した環境対策を強調する東京に対して、IOCの評価委員は『我々は国連ではない』と冷ややかだった(★★16年夏季五輪:東京落選 南米初、リオ選出・毎日jp.・09.10.03)てな調子で一蹴(いっしゅう)されてしまうといった案配(あんばい)。

◇そりゃそうだろう、何でも言えばいいってものじゃない。◇評価委員の皮肉は実にいい線をいっている。

◇そんななか、今日、昼食のそば屋でスポニチを読んでいたら、美輪明宏が辛辣(しんらつ)な石原慎太郎五輪批判を展開していた。◇そのなかで特におもしろかったのは、コペンハーゲンでの石原プレゼンに触れた部分。

◇あんな都職員への訓辞のような演説でウケるわけはないだろう、と。◇傲岸(ごうがん)不遜、ひとに頭を下げるなど体験したこともない男が、とってつけたようにお願いをしたところで、ミエミエは避けようがないというわけだ。

◇その石原が、先の総選挙応援演説でけなしまくった敵陣の鳩山由紀夫首相に頼み込み、デンマークへのご足労をお願いしたのだから、よほど万策尽きていたとみえる。

◇鳩山首相はといえば、この際、石原に貸しを作っておくのがいちばん。◇もしくは、人のせいにするのが得意な石原のこと、誘致失敗の戦犯にされてはかなわないから、勝算のないセレモニーへも出かけていった。◇加えて、<気分転換も兼ねて>といった鳩山一流の遊び心も加わり。

◇それらをひっくるめた成り行きのすべてを、国民は淡々とながめていた。◇今回の石原独り相撲はまあそんなところであったといえよう。

◇おごれるもの久しからず。◇責任をとっての辞任はないと開き直る石原慎太郎に対し、そうもいかないという情況がこれから展開されるはずとIFSAは見る。◇まずは最低でも150億円という、常識を超えた<使途精査>から。

◇へたに辞任し、次期東京都知事から洗い出しをされるのも怖いし、プライド高き男、議会からの攻撃にさらされるのもゴメンだし。◇さらにはそこへ新銀行東京問題も加わるし。

◇エラそうな石原の相克はつづく。(敬称略)

★★[IFSA]★★Michio Abe

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2009年10月 4日 (日)

マスコミの偽善キャンペーン(2)=<民主党二重権力>批判は何を懸念してのこと?

◇戦後政治史上、実質的にはじめて実現した政権交代。◇だが民主党政権誕生と同時に、ほぼすべてのマスコミが判で押したごとく鳩山由紀夫&小沢一郎の<二重権力>を批判し始めた。◇新聞社やテレビ局によっては<小鳩体制>とか<小鳩政権>と揶揄(やゆ)しつつ。

◇<小鳩>とくりゃ、どこかの幼稚園の名称にありそうで、ひ弱さも漂う。◇ただ、<鳩小>でないところにも彼らなりのイミが込められている。語呂の問題だけでなく。

★★それでも「小鳩関係」が心配だ
政治部長・乾正人
MSN産経ニュース・2009.09.17

「問題は、やはり『小沢一郎』との関係だ」と乾正人は切り出す。

◇「8・30総選挙での民主党の歴史的勝利以来、気になることが一つある。(中略)党内の一部にくすぶり続けていた小沢氏への批判が、魔法のようにかき消えてしまったのだ」。

◇また「小沢氏が幹事長に内定した直後に、テレビに出演した中堅・若手の議員たちは『いい人事だ』と口を揃えた。これまで小沢氏と距離を置いていたベテラン議員も記者たちとのオフレコ懇談の場で、『小沢さんは本当に変わった。二重権力などとんでもない言いがかりだ』と褒めそやした」。

◇民主党内の微妙な空気の変化(=ビビリ感)を紹介した後、産経新聞政治部長はこう書く。◇「それら(小沢+社民党+国民新党徒党等からの圧力と拡散ベクトル-筆者註)をはねのけて鳩山首相が、持ち前の粘りで『脱官僚政治』を実現できるだろうか」と。

◇締めくくりは「『二重権力』構造への危惧が杞憂に終わることを願ってやまない」

◇こうした乾正人の論説にかぎらず、IFSAがどうにも理解できないのは、彼らマスコミはいったい何を<危惧>し、二重権力構造を批判しているのかという点だ。◇そもそも何かを本当に心配したうえで<批判>しているのかさえIFSAは疑問に感じる。

◇彼らマスコミ自身は、二重権力状態というものが世間の絶対善倫理に照らしてバッチリ非難の対象となりうる>とヨムからこそ、まずはたたきやすいものをぶったたいておけ!◇実態はそんなものではないかと、IFSAの生活直観がささやくからだ。

◇というのも、民主党の二重権力をマジに批判するのだとすれば、そのココロは、民主党が最初からコケないよう心配してといったスタンスに立ってのはず。◇逆に、民主党など早く失敗してくれればいいと思うなら、本音は二重権力大歓迎(→政権の空中分解)でなければおかしい。

◇皮肉を込めて言えば、産経新聞はいったいいつから鳩山民主党政権の応援団になったのだろう。◇まあ関連の言説からして、そんなことは考えられもしないけれど。

◇だいいちこの乾政治部長、いつぞやのIFSA通信で紹介したように、以下のような考えをお持ちの人物でもあるのだから。

◇「あの郵政選挙で自民党が空前の勝利を収めてからわずか4年。なぜ、かくも短期間で自民党は凋落(ちょうらく)してしまったのか」への答のひとつとして、彼はこう書いた。

◇「異説ではあるが、私は『ポスト小泉』の安倍晋三、福田康夫、麻生の3代にわたる首相が靖国神社参拝に踏み切れなかったことを最も大きな理由として挙げたい(むろん、福田氏はまったくその気がなかったろうが)」(以上、★★なぜ自民は惨敗したのか 政治部長・乾正人・MSN産経ニュース・09.07.13)。

◇となるとやはり、彼による民主党への二重権力批判は<計算されたアイロニー>ととらえるべきであろう。

◇しかし、民主党政権の二重権力構造批判を展開するのが、産経を代表とする右派系にかぎらぬのは先述のとおり。◇ならば、多くのマスコミがその根拠とするは、<二重権力=アプリオリに絶対悪>と見なす単純絶対善思想(=世論ヨイショ思想)への依拠以外に考えられないだろう。

◇ところが残念なことに、最近の社会はこんな絶対善にそれほど反応しなくなっている。◇それが時代遅れのマスコミにはいまだ理解できていないという現実がある。

◇さあ、ここらで話をいったん現実へ戻そう。◇まず政権をとったばかりの民主党は、いったい二重権力状態なのかどうかと。◇IFSAは当然YES!と答える。

◇いいか悪いかではなく、小沢一郎の持つケタはずれの膂力(りょりょく)で参院選を勝ち抜き、今回の総選挙でも圧勝。◇しかし小沢は単なる選挙職人だから党内で権力を持つな!は、どこの世界でも通るはずがない。

◇小沢がいなければ政権交代など実現しなかったのは自明の理。◇人間的にはまったく魅力のない、好きになどなれない小沢であれ、権力闘争における偉大な貢献度は認めざるをえない。◇そこにはすごみも怖さも漂う。ゆえに、上記のごとき民主党内の空気のユレも出来(しゅったい)する。

◇しかし小沢があのまま代表にとどまり、いま首相の座にあったとしたら?これまた大変なことで、民主党政権が現在のような好感度で迎えられたとは到底思えない。◇鳩山だからこそ何とかうまく回っているといえる。◇そのイミで、目下のところ民主党はついている。

◇現実の話をさらにもうひとつ付け加えれば、<鳩山は内閣、小沢は党と国会>。このようにセパレートするだって?◇そんなことできるわけがないであろう。たとえば、A氏を大臣にと鳩山がいえば、小沢がそれは幹事長代理に・・・・・・・。◇こんな綱引きはいつでも存在する。

◇そして今後の国会運営においても、内閣と党・国会を完全分離などできるわけもない。◇ゆえにかならず衝突が!もしくは、小沢が大人になって何とかくぐり抜けていく!◇そのどちらかしかない。

◇実際は上記のような齟齬(そご)がいたるところで見られるのは想像に難くないとして、それでもIFSAがカマトトぶった二重権力批判に関心を向けないのには理由がある。

◇たとえ二重権力だろうが三重権力だろうが、結果よければすべてOK、アウトプットが悪ければ改めるか、それとも自民党に政権を奪取されるかだけのこと。◇逆にマスコミの好きな一重権力であっても、そのプロセス自体はまったくかわらない。

◇要は権力構造の態様など、われわれには何の関係もないはずなのに、つまらぬ<外形>から絶対善的物さしをあてては悦にいるマスコミのズレズレをこそ、われわれは嗤(わら)わなければならないだろう。

◇たとえば日本を代表する大企業でも、社長がひとりでがんばっているところと、会長-社長のそれこそ<二重権力>で乗り切っているところとがある。◇あるいは、元社長の相談役まで含めた<三重権力>があるかもしれない。

◇読売グループのように、ナベツネがいまだ君臨するところさえある。

◇では後者の企業に対し、エコノミストはすぐさまその態様だけで<批判>を開始するだろうか。

◇大きなお世話とはこのことで、それがプラスに出ているならあくまでも知らん顔、内紛が勃発(ぼっぱつ)したりして業績に影響が出れば<批判>どころかたたきまくる。◇経済界はあくまでさらっとしたものにすぎない。

◇これを再び政治の世界に置き換えると、自民党政権時代、一重権力の内閣など数えるほどしかなかったとの事実にも行きあたる。

◇まずは妖怪的は岸信介が、米国共和党の意を受け、陰に陽に歴代内閣をコントロールしてきた現実は、知られていないながらあまりに大きい。

◇個別でも田中角栄・首相失脚後の闇将軍ぶりは10年以上も継続した。◇これを二重権力をいわずして何といおうか。◇しかし、だからどうしたっていうのだろう。

◇そしてあのやりたい放題だったかに見えるコイズミは、米国ブッシュJr.共和党政権との完全なる二重権力というか、指揮下にすっぽりと入っていた。◇にもかかわらず、二重権力に敏感な絶対善的マスコミが、その不健全さを正面から突いたことはない。

◇ここまでくれば、マスコミによる現下の民主党二重権力批判、もはやお里が知れるといったところではないか。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年9月27日 (日)

マスコミの偽善キャンペーン(1)=<地元無視の八ツ場ダム中止>という情緒的誘導

手前勝手話とはいえ、ここのところ政治素材が続き、書くほうもいささか疲れ気味本当なら<シリーズ・散歩の凡人>やクルマ・カメラの話といきたいところですが、何せ半世紀ぶりの政権交代とくれば、あと2回ほどは政治ネタにお付き合いくださいそれから<散歩>ということで

◇民主党がマニフェストに掲げ、前原誠司国交相が明言した八ツ場(やんば)ダム建設中止に対し、大マスコミ、特にテレビは連日連夜、<はじめに中止ありきはおかしい><地元民の声を聞け>キャンペーンを展開している。

◇これらはすべて、IFSAがいつも指摘する、例の<絶対善=安全地帯>に寄りかかった無思想・無内容な物言いであるのは間違いないが、それにしてもこの露骨さ、さもしさといったらうんざりする。

◇あの田中康夫が長野県知事当選(=2000.10)数カ月後に打ち出した稚拙なる<脱ダム宣言>、その際の異常なまでのテレビ界リアクションを思い出してみれば、彼らの体質はよりクリアとなろう。

◇何とか劇場にしか興味のないテレビメディアは、<ダムはムダ>なる戯れ言に酔いしれるヤッシーを現代の英雄もしくはオピニオン・リーダーに祭り上げたばかりか、康夫ちゃんの先兵となり<はじめに(ダム)建設ありきはおかしい>キャンペーンを全国へ展開しまくった。

<田中康夫と脱ダム>は、少なくとも<コイズミと聖域なきコウゾウカイカク>の前座にふさわしいフィーバーぶりを、当時のテレビ界で体現していたのだ。◇ワイドショーでもニュースでも、まさに朝から晩までといった調子で。

◇皆さんは既にお気づきであろう。◇康夫ちゃんの時の<はじめに建設ありきはおかしい>と、今回の八ツ場ダム関連の<はじめに中止ありきはおかしい>が見事なまでのマ逆であることに。

◇いやそうはいっても、共通点がたったひとつだけある。◇それは両者とも、何の社会科学的秤量(ひょうりょう)を経ない、単なる情緒的&絶対善的反応の産物という点だ。

◇だからIFSAは当時、康夫ちゃん的脱ダム論を執拗(しつよう)なまでに批判しつづけたし、日本自然災害学会の学会誌「自然災害科学」から求められ、<情緒的「脱ダム論」の限界>という論文を寄稿もした。◇ダムをつくるべきかやめるべきかの不毛な二分法を、根底から批判したのだった。

◇今回の八ツ場ダム問題にみられる<はじめに中止ありきはおかしい><地元民の声を聞け>キャンペーンの推進者、日本の軽薄テレビメディアは、激越な反対運動からようやくダム建設へとソフトランディングを果たした地元民を再度引きずり回すな!のキミワル絶対善につくばかりで、ではこの金食いダムがなにゆえ必要か、もしくは、なにゆえ不必要かの議論にはまったく興味を示さない。

◇自分の不勉強ぶりを棚に上げ、情緒論についているほうがよほど楽だし、何より<安全>だと本能的に知っているからであろう。◇そもそも、連日得々とリポートする彼らは、このダムがつくられようとしている吾妻川(あがつまがわ)のことをどれほど知ったうえで語っているのだろう。

◇もしかすると、長野県との県境、群馬県嬬恋村近辺に水源をもつこの川が、30を超える支川を集め、群馬県渋川市であの日本一の利根川に合流するという事実すら把握していないのではないかと心配になる。◇まさか、吾妻川が直接海へ流れ出しているなんて思っていないでしょうね。

◇八ツ場ダムをつくらないと埼玉や東京が水浸し!というからには、利根川合流以後の地形や防災体制を明確に説明してもらわなければならない。◇多摩川水系を除く東京都の河川問題=埼玉県の河川問題との視点から、埼玉平野の河川研究&現場踏破を試みるIFSAにしてみれば、それらが持つ独特の地形からして本当に分かっているの?と問い返したくなる。

◇今回の八ツ場ダム問題は、<まずダムの必要性・不必要性検証ありき>から出発すべきなのであり、その結果、必要性が優位となれば建設を促進する、逆に不必要性に軍配が上がれば、あとは地元民に再びいかなる補償を行うかの問題へとシフトさせる。◇もちろん、物理的ばかりか精神的なファクターをも補償に含めて。

◇ではIFSAはこれをどうとらえるのか。正直言って八ツ場ダムに関する数値的データを集めたわけではないから、ここで社会科学的証明をなすことはできない。◇ただ、現地に3泊もすれば答えが容易に出せるという自信はある。

◇付近を何度も通っている直観からして、八ツ場ダムが無理筋であるのは分かりすぎるほど分かってしまう。。◇おそらく現場を1度でも訪れたことのある人なら、すぐさまエエ~ッ?といった奇異な感にとらわれること請け合いといえるほど、この計画にはムリがミエミエといったあんばい。

◇いくら<反・脱ダム派>のIFSAであっても、この八ツ場ダム建設の必要性だけは、治水面からも利水面からもまったく理解できないと、とりあえず表明しておこう。◇だから民主党が本気になって社会科学的証明をする気にさえなれば、ノンの結論などは朝飯前といえる。

◇八ツ場ダムへの動機。それが47年のカスリン台風大被害にあったことは間違いがない。◇未曾有の大水害を見て、待ってましたとばかり、政治家・官僚・利権団体連合軍の悪のりが始まった。◇根拠レスでムリムリのスタートを、何はともあれアプリオリに切ってしまえ!とばかりに。

国交省・八ツ場ダム工事事務所のHPが子供だましの域を出ないのは、この動機不純が大いに関係していると思われる。◇そしてダム本体よりもすごいのは、日本でも例を見ない道路・鉄道・集落等のインフラをそっくりやり直そうとする異常なまでの規模だ。◇悪のりの何乗がここにある。

◇直観でも分かるこんな木偶(でく)の坊のようなダムより有効とIFSAがこれまで提唱してきたのは、利根川・荒川・隅田川・江戸川・中川のスーパー堤防化!◇それこそが、埼玉平野から東京都へと流下する大河川群の、急を要する公共事業なのである。

◇ゆえに東京オリンピックなどやっている場合ではないと、IFSA通信で論じたばかりではないか。

◇ところで、マスコミの悪質な情緒的誘導は上記外にもうひとつある。◇<総工費4600億円の7割がもう済んでしまっているのに、中止して何になるのか>といったトンデモカマトト論がそれだ。

4600億円の7割を既に使ったからといって、7割分の工事が完了したことにはならない。◇予算の7割のカネを使って3割分しかできていないといったことは起こりえないというのか。◇まさに冗談ヨシコさんの世界だろう。

◇本体工事がいまだゼロの現状で、あと3割以内の工費にてその建造と付帯工事ができるって?◇2004年の総事業費変更(2100億円→4600億円)、その二の舞・三の舞はいずれ近々!と思わないほうがどうかしている。

◇テレビはグダグダ言う前に、残りの3割のカネでいったい何ができるのかを調べてみるべきだろう。◇ちょいとスタッフを動員すりゃ、いとも簡単な作業なのだから。

◇公共事業万能論に依拠する利権誘導型賛成派と、環境のみが絶対のコンクリート嫌悪型ファナティック反対派のどちらにもくみすることなく、民主党政権がどこまで<社会科学&自然科学的アプローチ>を貫けるか、いまがまさに正念場といえよう。

◇それにしても、テレビマスコミを中心とする彼らの調子よさは、今回あたりで弾劾されなければならない。

◇もっとも国民サイドはといえば、康夫ちゃんやコイズミの時代のようなオメデタさが薄れはじめている。

◇それが証拠に、国民に寄り添っているつもりで地元町長の建設中止反対論を称揚してみせるテレビが、いつしか社会より置いてきぼりを食い始めている情況もチラホラ見えてきたりするものだから。

◇とすれば、日本社会は少しずつ健全な方向へ動きつつあるのかもしれない。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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