IFSA注目のマイナーな記事=悲惨な児童虐待。子どもを「私有物」とさせない規範をこそ
◇全国紙のHPから気になる記事を収集し、PCへ保存する作業を毎日行ってほぼ6年になるが、そのなかに「子ども・青少年・虐待・いじめ・児相問題」というタイトルのファイルがある。◇当然ながら、ここにデータが蓄積されていくことほどつらいことはない。そんななか、以下の報道が飛び込んできた。
★★転落死:3歳児がベランダから 両親はパチンコ中 大阪
(Mainichi INTERACTIVE・2007.04.02)
◇「玄関は施錠されていたが、室内からベランダに出る扉は半分ぐらい開いていた」ので、まだ3歳の女児がベランダに出、エアコンの室外機にのぼって転落したのではないかという。◇女の子は、両親を求めてベランダの柵から下を見やったのだ、と私などは考えてしまう。想像するだけで悲しい話である。◇「同じマンションに住む主婦は『両親はパチンコの常連客だったよう。○○ちゃん(筆者註-記事は実名)が靴もはかずにエレベーターに1人で乗って”お父さんは”と捜しているので、心配したことがあった』と話した」という事実が、そのことを暗示している。
◇不用意にもベランダ側を開けていって→ベランダに危険な台をおいて→いや、そもそもパチンコがけしからん。即物的な反応はいろいろあろう。◇しかし第一義的には、3歳の子をほったらかして外出(遊びだろうが仕事だろうか)してしまうその神経。◇生まれたばかりの赤ちゃんが寝ている間、20分ほどスーパーへ食事の買い物にといったものとは根本的に違うのだ。◇04.02のテレビ朝日「報道ステーション」で古舘伊知郎*がいみじくも言ったように、まさに「子どもが子どもを育てている」状態といえる。 (*「舘」の左側は「舌」ではないのだが、PCに文字はなし)
◇まあ、こうした人間を生まないための、幼少期よりの教育も含めた社会構造の変革が根本だとしても、喫緊の課題は、子どものいのちをいかに社会的に守っていくかだろう。◇このケースは物理的虐待ではないにせよ、「ネグレクト」という名の虐待に近い。何しろ「靴もはかずにエレベーターに1人で乗って”お父さんは”と捜しているので、心配したことがあった」というのだから。◇普通、3歳児がそんなことをしていたら、これはもう極限状態と認識されてしかるべきだろう。多分、近所でも話題になっていたと思われる。
◇私の上記PCファイルは、子どもが犠牲になる記事で埋められているが、そこから気になるタイトルを抜き書きすればこうなる。
★★止まらない児童虐待 過去最高、前年比1000件増(Chunichi Web・06.06.29)
◇「二〇〇五年度に全国の児童相談所が児童虐待に対応した件数は、三万四千四百五十一件(前年度からの繰り越し分を含む)で、過去最高だった前年度(三万三千四百八件)を千件以上、上回ったことが二十九日、厚生労働省の集計(速報値)で分かった」。
★★児童養護施設パンク寸前に 虐待急増で緊急避難(Chunichi Web・06.03.30)
★★【関連】『まるで野戦病院』 心に傷 子ども続々(同)
★★児童虐待:警察庁通達 子供の救済優先 児相に重荷、被害続き
(Mainichi INTERACTIVE・06.09.26)
◇「04年の改正児童虐待防止法は、虐待があったとみられるだけで国民に通告を義務づけたが、親が児童相談所の立ち入り調査を拒否した場合などに、警察官がドアをこじ開けるなど強制的に家庭に立ち入ることについては、虐待に取り組む弁護士らからも『裁判所の許諾が必要』などの意見が強く見送られた」。◇「『ドアを施錠し立ち入りを拒む親に児相や警察がどこまでできるか。関係法令を政府全体で見直すべきだ』。首都圏のある児童養護施設の施設長は話す。この施設のここ2年間の入所児十数人のほぼ全員が、虐待の被害児童だ。施設長は『当直の夜の見回りで、眠りながら涙を流したり、泣き叫ぶ子を見ることがある。それでも寝顔を見ながら”よく生きてきた”と思う』と話している」。
◇そんななかでまた起きてしまった以下の事件。これは記憶に新しい。
★★京都・3歳餓死 「おむつ取れずしつけ」同居の女、供述
★★死亡時、平均体重の半分 京都・長岡京の3歳児虐待事件
(いずれもasahi.com・06.10.23)
◇たった3歳の子に、おむつが取れないためのしつけと称して食事を与えない。◇論ずる以前の異常ぶりだが、児相はまたまた以下のような体たらくなのであった。
★★京都3歳餓死:通報5件、児相動かず 住民の声生かせず
(Mainichi INTERACTIVE・06.10.24)
★★児童相談所に民生委員から通報4回 3歳虐待死事件
(asahi.com・06.10.25)
◇日本という国の<公>は、「やり過ぎ」によるマイナス査定をおそれるあまり、判断に迷う場合は間違いなく、減点の少ない「やらなさ過ぎ」につく。◇だから当然のこと、法でしっかり規定されているもの以上の踏み込みはしない。たとえ目の前で、子どもがひどい虐待を受けているのが自明だとしても。◇それどころか、法で定められていてさえシカトするケースも多々見られる。ストーカー事件における警察の対応など、その最たるものだろう。
◇だからこそ、残念ながら、どうしてもという分野へは、進歩主義者の反対を押し切ってでも「法」を制定するしかないのだ。いのちを救うために。◇そしてその前に、弱者としての子どもは、社会規範の欠落したバカ親の私有物ではなく、社会のものだという認識を各人に徹底させる必要があろう。◇今度は保守主義者からの、「それではあまりに社会主義的!」の批判に抗しつつ。◇ここでもまた、どうしようもない教条主義的な進歩主義者と保守主義者とが、双方から日本の社会を阻害する現実に直面することとなる。
◇先日、横の路地から手も挙げず、私の前に入ってきた若夫婦のクルマを見て驚いた。◇運転の父親が2歳くらいの幼児をひざに乗せ、ハンドルを握らせている。◇シートベルトうんぬん以前の問題で、いざというときには子どもをエアバッグがわりに使おうという魂胆だろう。◇いや、そこまでもアタマが回っていないから救いがたい。◇こういうのは直ちに検挙。そうした法律が早急に求められる。そのために官憲国家と指弾されようが、それは大いに結構なことではないか。(敬称略)
★★[IFSA]★★阿部道生
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