2009年11月11日 (水)

IFSA流アーカイブズ=改革切り込み隊長を気取るも、機を見るに敏な橋下徹大阪府知事

◇血気盛んな青年将校を演ずる橋下徹大阪府知事は、マスコミ対策で大成功を収めている。◇IFSAに言わせれば、戦前のそれをも凌駕(りょうが)する反動保守の権化である徹くんだが、世間ではいつしかカイカク革新の星のごとくとらえられてしまっているからだ。

◇いわゆる<改革派知事>のなかではもっとも信頼に足ると思える片山善博慶応大教授(前鳥取県知事)ですら、毎日新聞のインタビューに対してこんな風に言ってしまうほど。

◇「今の47都道府県知事の中で(橋下さんを-筆者註)一番評価しています。他にあんまり評価できる人がいない、ということもありますが」(時代を駆ける・片山善博 「情報発信」の先駆者 橋下知事に助言も・毎日新聞朝刊・2009.07.27)

◇ではIFSA流アーカイブズから、そんなんじゃない!を時系列的に示していくとしよう。◇今回のIFSA通信はかなり長くなるが、分割掲載すると俯瞰(ふかん)しにくくなるのでご了解いただきたい。

★★橋下氏“誤算”? 公明が「推薦」やめ「支持」決定
大阪府知事選・MSN産経ニュース・07.12.26(A)
★★公明、橋下推薦せず自主投票・・・大阪府知事選
過去の過激発言が災い・ZAKZAK・07.12.26 (B)

◇「(府知事選で公明党府議団は橋下徹氏を-筆者註)『推薦』で調整したが、橋下氏のテレビでの過激発言や知事選に『出ない』から『出る』へと前言撤回した問題で異論が相次ぎ、より支援の色彩が弱い『支持』で決着した」(A)。

◇「(前略)同氏の出馬をめぐる経緯や、テレビなどで『2大政党制がいい』(後段参照-筆者註)『日本は核武装すべきだ』と過激発言をしていた事に非難が噴出」。

◇「橋下氏は25日の面談後の会見で、2大政党制発言には『国政においての理想を語ったもので、地方自治体は別』としたほか、核武装発言についても『府知事という立場になれば、法律や非核3原則にのっとって行動する。世界平和を望むのは一緒』と釈明した」。

★★橋下知事、”過激答弁”連発 相次ぎ議事録削除
asahi.com・08.03.11

◇「橋下知事は10日にも共産党府議に『主張を通されたいのなら多数派をとってからぶつけていただきたい』と答弁し、『言い過ぎた』と釈明」。◇「5日の代表質問では知事の権限を越えて『教育委員会に命じる』と答弁し、後に『完全に間違っていた』と謝罪した。これらの答弁は議事録から削除・訂正される」。

★★「東大・京大合格者300人の公立高を」橋下知事
MSN産経ニュース・08.03.13(C)
★★橋下府知事が教育改革説明 教育委員から苦言も
TOKYO Web(共同)・08.03.13(D)

◇「知事は『成績優秀な生徒が集まれば、東大と京大に300人の合格者を出すような学校も出てくる』と述べ、”公立エリート校”づくりを目指す姿勢を強調した」(C)。◇「橋下知事は『きめ細かい指導が必要な子もいる』として小学1年から習熟度別のクラス編成が必要と訴えた」(D)。

◇以上の論議からだけでも分かることは、議会運営や教育のようにたとえ対象ジャンルが異なっても、彼の根っこには<「核武装すべき」に通ずる思想>が通奏低音のように響いているという点だろう。

★★橋下知事「伊丹空港じゃま」 地元市長「暴論だ」
asahi.com・08.09.06
★★橋下知事、ラジオで「クソ教育委員会」
学力調査巡り

asahi.com・08.09.07

◇彼のやり口と口吻(こうふん)を伝えたいだけだから、ここはタイトルだけでにとどめる。

★★橋下知事の重なる過激発言、
与党からも「行きすぎだ」
asahi.com・08.09.09

◇「知事の教委批判は、全国学力調査の結果が発表された8月29日の『このざまは何だ』発言から、急速にボルテージがあがった」。◇「調査対象の小6と中3の国語と算数・数学の結果が、大阪府はいずれも30、40位台だった」。

◇「橋下知事は、市町村ごとの結果が公表されないことをいいことに各教委が対策をとらないのが成績低迷の主因だと断じ、個別に結果を公表するよう市町村教委に圧力をかけ始めた」。

◇「7日のラジオの公開生放送では、『クソ教育委員会』発言が飛び出し、公表しない教委には来年度の予算配分で『差をつける』と言い放った」。

◇「府議会からも批判が出だした。知事を擁立した自民府議は『タレントで生き残ってきたため、常に注目を浴び続けなあかんという強迫観念がある。泳ぎ続けないと死んでしまうマグロみたい』と分析」。

◇「元鳥取県知事で慶応大教授の片山善博さんは、予算権を盾に圧力をかけようとした手法を『許されない』と言う」。

◇「『行政で”江戸の仇(かたき)は長崎で”というわけにはいかない。市町村が結果を公表しないからといって、予算で差をつけるのはスジが通らない。それが許されれば、国は都道府県に、都道府県は市町村に、あらゆることを押しつけることになる。まさにファッショだ』」。

◇まさに正論。◇にもかかわらず、その片山が上記のごとく、全国でいちばんマシな知事と橋下を持ち上げるのだから分からない。

★★またパフォーマンス?
橋下知事「オカンに怒られた」
ZAKZAK・08.09.09

◇「大阪府の橋下徹知事は九日、全国学力テストの市町村別結果公表に消極的な市町村教育委員会などを指した『くそ教育委員会』との発言について、記者団に『以後は使わない』と述べて封印する意向を示し、その理由を『オカン(母親)にこっぴどく怒られた』と説明した」。

◇「ただ、発言自体は『自分としてはそういう意識だ。撤回はしない』と明言した」。

★★橋下知事「PTA解体」撤回 大阪府議会で釈明
MSN産経ニュース・08.09.30

◇「大阪府の橋下徹知事は30日の府議会本会議で、『PTAは解体する』との発言について『(関係者が)不愉快な思いをされたなら撤回する』と述べた」。

★★山口・光の母子殺害:
弁護団賠償請求訴訟・広島地裁判決
口は災い、橋下知事
毎日jp.08.10.02


◇「2日の広島地裁判決は、思い切った言動が身上の橋下徹弁護士(現・大阪府知事)がテレビ番組内で行った発言を『弁護士の使命・職責を正解しない失当なもの』と断じた」。

◇これは、光市母子殺害事件弁護団に対する弁護士時代の橋下発言への判決だ。◇毎日新聞から引用させてもらえば、橋下は07年5月の読売テレビでこうアジっていたという。

「ぜひね、全国の人ね、あの弁護団に対してもし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求かけてもらいたいんですよ」
「懲戒請求ってのは誰でも彼でも簡単に弁護士会に行って懲戒請求を立てれますんで、何万何十万っていう形であの21人の弁護士の懲戒請求を立ててもらいたい」
「懲戒請求を1万、2万とか10万人とか、この番組見てる人が、一斉に弁護士会に行って懲戒請求かけてくださったらですね、弁護士会のほうとしても処分出さないわけにはいかないですよ」さて、橋下本人はこの<懲戒請求>なるものを提出したのかどうか?

★★「朝日が早くなくなれば・・・」
橋下知事が批判エスカレート
MSN産経ニュース・08.10.20

◇「大阪府の橋下徹知事が、3日付の朝日新聞の『橋下TV発言 弁護士資格を返上しては』と題した社説を批判した問題で、橋下知事は20日、出張先の東京で報道陣の取材に応じ、『朝日が早くなくなれば世の中のためになる』などと発言」。

◇また「19日の陸上自衛隊記念行事の祝辞」では、「『人の悪口を言う朝日新聞のような大人が増えれば日本は駄目になる』と述べた」らしい。◇一部あたっている部分があるのでは?(=たしかに高度なる一面の真理だ)といった問題ではなく、府知事・橋下の権力目線にIFSAはいやらしさを感ずるのだ。

◇さて2009年が近づくと、政治の季節へ向けた橋下特有の嗅覚(きゅうかく)がそろりと作動し始める。◇人に悟られないよう、あえてファジーな形を採用しつつ。◇それがこの男の計算高いというか、小ざかしいところだ。

◇まずは自分を知事にしてくれた自民党へのミエミエ・ヨイショから。

★★橋下知事、麻生首相を「全力で支援」
給付金も批判せず
asahi.com・2008.12.17

◇「『全力でお支えします』--。大阪府の橋下徹知事は17日の記者会見で、支持率低迷にあえぐ麻生首相を支持する考えを強調した」。◇「地方分権を進めるとしている麻生首相を応援し、道州制の実現を目指すという」。◇「世論の評価が低い定額給付金についても『批判はしません』と話した」。

◇しかしそれから半年が経過するや、客観情勢もがらっと変わる。◇もちろん、それを先取りするように橋下も。

★★橋下知事、地方分権に期待感
わくわくすると民主党シンポで
TOKYO Web(共同)・09.06.17

◇「大阪府の橋下徹知事は17日、民主党大阪府連が大阪市内で開いたシンポジウムに出席」。

◇「地方分権改革をめぐる党の見解について『明治維新以来の国の形が大きく変わるのではないか。わくわくする』と述べ、期待感を示した」。

◇「橋下知事は次期衆院選で支持する政党を表明すると宣言しており(後略)」。◇「橋下知事が民主党の会合に出席するのは初めて。府知事選では自民、公明両党の支援を受けた」。

★★首長グループ構想:
西日本の知事らは、独走橋下氏に戸惑い
毎日jp.・09.06.26

◇「大阪府の橋下徹知事が打ち上げた、地方分権を旗印とする首長グループの結成と、次期衆院選での支持政党の明確化」。◇「橋下知事は『地方分権には国民の後押しが必要。(これまで)首長は逃げていた』と強気だが、支持が広がるかどうかは予断を許さない」。

★★全国知事会がマニフェストを点数
橋下知事は批判「点数をつけても何も変わらない」
MSN産経ニュース・09.07.01

◇「大阪府の橋下徹知事は1日、全国知事会が各政党のマニフェスト(政権公約)を点数化して公表することを検討していることを明らかにし、『誰に向けて、何のために評価するのかわからない。マニフェストに点数をつけても、何も変わらない』などとと批判した」。

◇この点についてはIFSAもまったく同感。◇ただ今夏の総選挙に向け彼が何を主張していったかを現時点から思い返せば、これまたドッチラケる。◇先頭に立ち、<点数をつけるぞ>のごとく自民や民主に迫っていたのだから。◇ここではまず、「点数をつけても何も変わらない」発言を記憶しておくとしようか。

★★ヤバすぎて中身言えない?
橋下・東国原知事が会談
asahi.com・09.07.04

◇「総選挙での動向が注目される大阪府の橋下徹知事と宮崎県の東国原英夫知事が3日夜、大阪市北区のレストランで会談した」。◇「終了後、両知事は地方分権推進で今後も連携することで一致したことを明らかにしたが、会談の詳細については『言えない話だらけ』と言葉を濁した」。

◇「会談は4日の講演のために大阪を訪れた東国原知事を橋下知事が誘い、橋下知事が行きつけのイタリア料理店で2時間近く意見交換した」。◇「会談後、大阪府庁で報道陣に囲まれた橋下知事は、自民党からの立候補要請に総裁候補の条件を出した東国原知事について『すごすぎる』と感心」。

◇この<すごすぎる>には、おそらく<ばかばかしくて>が付く。

★★なぜ「蜜月にひび」橋下、東国原両知事
MSN産経ニュース・09.07.05

◇そして予想どおり翌日には一転、持ち前の逃げ足の早さが火を噴く。◇「大阪府の橋下徹知事が4日、『首長連合』に宮崎県の東国原英夫知事の参加を求めない方針を明らかにした」。

◇「両知事は地方分権推進で連携し、3日に大阪市内で会談するなど蜜月関係が続いているようにもみえたが、橋下知事は『自民党総裁候補に』と主張した東国原知事と一定の距離を置きだしていた」。

◇3日のレストラン会談後「冗舌だった」そのまんま氏に比べ、「(前略)次いで質問に答えた橋下知事は『東国原知事はすごい。それしかない。すごい』と話すと無言になった。東国原知事に酔っているのでは、と突っ込まれるほどだった」。

◇オレはインテリ、「自民党からの立候補要請に総裁候補の条件を出した東国原知事」などとはレベルが違う、こんなのといっしょにやっていたら早晩ヤバイことに。◇<計算高い本能>がそう叫び、そのまんま氏などもう利用価値ナシ、マイナスだけ、ならばヤワヤワ離別すべしとなったのであろう。

★★詳細はダンマリ
・・・橋下、東国原会談の気になる中身
「単なる食事会」
ZAKZAK・09.07.04

◇「ここのところ、東国原知事は国政転出に意欲を隠さず、出馬条件として自民党に提示した全国知事会のマニフェストを『一言一句違えず盛り込め』から『8割ぐらい』と”安売り”を始めている」。◇「一方の橋下知事は自民党の菅義偉選対副委員長と電話で話し、距離の近さを確認した」。

◇「それだけに、民主党関係者は『両知事はいまのところ自民党別動隊。次期総選挙の最大の争点を”政権交代”から”地方分権”にすり替えようとする自民党の戦略に乗っているのだろう』と危機感を語った」。                  

◇図星!ただ、橋下に過剰反応してしまう民主党的<お粗末危機感>を除けば。◇そしてあの<地方分権>など<政権交代>の前では最後まで話題にもならず、橋下の思惑はすべりまくった。

★★橋下知事、
東国原との連携は「自民、公明応援の猿芝居」
MSN産経ニュース・09.07.05

◇「(前略)大阪府の橋下徹知事は5日、宮崎県の東国原英夫知事との連携について『東国原知事と組めば、自民、公明応援の猿芝居と思われてしまう。連携はない』と述べ、改めて否定した」。

◇「3日夜の東国原知事との会見で、地方分権の実現に向け一緒に行動すると表明しながら、結果的に連携にいたらなかった点について『一緒にやっていきたいという思いはあるが、国民に対する見え方で誤解を生んでしまう行動だった』と弁明」。

◇いざとなればこの調子のよさ。それこそが橋下の<身上>といえよう。

★★橋下知事:モテモテ
・・・民主、公明幹部と次々会談

毎日jp.・09.07.08(E)
★★橋下知事、各党が「奪い合い」
本人は民主評価も、思いは自公寄り?

MSN産経ニュース・09.07.08(F)
★★自公、民主、渡辺喜
・・・橋下争奪バトル三つどもえ

ZAKZAK・09.07.09(G)

◇「『涙が出るほど感動した。”政策を議論する”と言いながら選対委員長と議論するのとは違う』。民主党の原口一博”次の内閣”総務担当は党本部で会談後、記者団に橋下氏を絶賛。自民党との接近ぶりが目立つ東国原英夫・宮崎県知事との違いを強調した」(E)。◇ああ、涙が出るほど気色悪い!

★★橋下知事:都議選、自民惨敗は国民の怒り
毎日jp.・09.07.13(H)

★★全国知事会:「政党支持」見送り
東国原・宮崎県知事提案、賛同者なく

毎日jp.・09.07.13(I)
★★全国知事会:東国原知事は孤立
政党支持採用されず・毎日jp.(J)

◇そして7月12日の都議選で自民党が惨敗するや、風見鶏のベクトルは固まる。◇「大阪府の橋下徹知事は13日、東京都議選の自民党惨敗について、『国民の怒りの表れ。”国政への影響がない”と言う政治家は、辞めた方がいい』と語った」。

◇「橋下知事は『現状が”変わってくれ”という国民の意思は明らか』と述べ、『国政に影響するという危機感があってこそ、現状を変える動きにつながる。(そうでなければ)自公を支持できない』と語った」(以上(H))。

◇「全国知事会(会長、麻生渡・福岡県知事)は14日、東国原英夫・宮崎県知事が提案していた次期衆院選で知事会として特定政党への支持を表明する案を見送った。賛意を示していた橋下徹・大阪府知事も同調せず、賛同者がなかった」。◇「橋下知事は、これまで知事会として政党支持を表明すべきだと主張していた」(I)。

◇「自公民3党のマニフェスト(政権公約)を評価し、知事会としての支持政党表明を求めてきた東国原英夫・宮崎県知事や橋下徹・大阪府知事だが、多くの知事から反対意見が相次いだ」。

◇孤立したそのまんま氏を横目に、「橋下知事も『丸ごとの政党支持は、やるべきでない』と矛を収めた」(以上(J))。◇というより、完全にヒヨッた。

◇しかし先に「マニフェストに点数をつけても、何も変わらない」と断言していたくだんの人物。◇その「橋下知事はマニフェスト評価について、『分権実現は政治闘争。知事会がパワーを持つため、一致団結して点数をつけるべきだ』と主張」(J)というからすっごい。

◇「橋下知事は協議後、報道陣から『政党支持なしで政治パワーになるのか』と聞かれ、『”奴隷(都道府県)に公民権を”という一点突破の流れが知事会に出てきた』と冗舌だった」(J)。

◇しかしこうした一連のドタバタぶり。時系列的に整理してみてはじめて分かることであり、エネルギッシュな橋下の動きを毎日追いかけるだけでは幻惑されるのがオチ。◇彼はその効用を巧みに計算している。◇しかし以下の読売新聞記事はそこをズバッと突いている。

★★東国原氏と知事会など連携・・・橋下知事の思惑
YOMIURI ONLINE・09.07.19

◇「橋下知事『要望書を持って”お願い”なんて意味がない』 自民党は『賞味期限切れ』、民主党には地方公務員改革なんて出来ない--。18日、読売新聞のインタビューに応じた大阪府の橋下徹知事は、政権を争う2大政党を挑発し、衆院選に影響力を発揮しようとの思惑をにじませた」。

★★橋下知事、民主マニフェスト批判の真意は?
MSN産経ニュース・09.07.28

◇「地方分権への意欲を判断基準に衆院選での『支持政党宣言』を目指す橋下徹大阪府知事が、これまで持ち上げてきた民主党の分権構想に対し、手のひらを返したような猛批判を始めた」。◇揺さぶりだか何だか、ほら、おはこの小細工満開である。

◇完全なるウオッチャーにしか読み取られないしっちゃかめっちゃかは意に介さず、その時々のパワーだけで押しまくる戦術にはますます磨きがかかる。

★★橋下知事、支持政党「言わない」 知事会に同調へ
asahi.com・09.07.29

◇「大阪府の橋下徹知事は29日の記者会見で、総選挙での支持政党の表明について『個人では言わない』と述べ、自身の判断は明らかにせず、全国知事会の評価に従う考えを示した」。◇「これまで地方分権に関する政党の政権公約(マニフェスト)で判断するとしていたが、『知事会がまとまることが絶対に必要』と述べた」。

★★有権者に、僕の点数が影響を与えるわけでもない
橋下知事開き直り
MSN産経ニュース・09.07.29

◇「『党議拘束と同じなんですよね』-。再三訴えてきた”支持政党宣言”の意向をあっさり撤回し、全国知事会が出す点数を自らの評価とすると表明した橋下徹知事」。

◇『府民は知事が付けた点数を知りたいはずだ』『理解に苦しむ』。29日の会見では報道陣から疑問の声が相次いだが、知事からは『有権者に対して僕の点数が大きな影響を与えるわけでもない』と開き直りととれる発言も飛び出した」。

★★「首長連合」は民主支持・・・橋下府知事ら発表
YOMIURI ONLINE・09.08.11

◇「大阪府の橋下徹知事と横浜市の中田宏市長は11日、大阪府庁で記者会見し、地方分権政策を巡る自民、民主両党の政権公約(マニフェスト)を検証した結果、衆院選では『首長連合』として民主党を支持すると表明した」。

◇「知事選で自民、公明両党の支援を受けた橋下知事は『自公の応援のマイクは握らない。民主のマイクを握ることまではできない』と配慮を見せた」。

★★橋下首長連合は民主支持
「勝ち馬に…」でも応援せず
ZAKZAK・09.08.12

◇「自民、民主両党のマニフェスト(政権公約)の中で、地方分権改革への取り組みなどを比較した結果、自民より民主の政策を評価したためだという」。◇「ただ、すでに民主党は総選挙で単独過半数をうかがう勢いだけに、『勝ち馬に乗っただけ』との批判も飛び出している」

◇そして最後はこうなった。

★★「投票日まで逃げます」橋下知事、一転沈黙
YOMIURI ONLINE・09.08.26

◇「30日に投開票が迫った衆院選で、大阪府の橋下徹知事が公示後、一転して沈黙を守っている」。

◇「公示までは全国知事会や首長連合を舞台に、各政党に地方分権政策を突きつけ、最後は民主党支持を表明したものの、公示日に『国政に関してはいったん終了』と宣言」。◇「結局、与野党いずれの応援マイクも握らないままで、選挙戦最後の1週間はバンコク、福岡に出張」。◇「『とにかく投票日まで逃げます。大阪にはいません』と、バンコクでは『逃避』発言も飛び出した」。T

★★橋下知事、選挙戦「逃げ」に安堵 タイ出張で
TOKYO Web・09.08.26
★★「みんな頭に来ている」自公”脱走”橋下徹に憤り
公示後にタイ、投開票日まで福岡に
ZAKZAK・09.08.27

◇そしていまは、<★★「カジノも風俗街も大阪が引き受ける」・・・橋下知事・YOMIURI ONLINE・09.10.29>と息巻くのであります。

◇今回はまたあまりに長大なるIFSA通信。◇最後までお付き合いいただきありがとうございます。(敬称略)

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。 

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2009年10月 4日 (日)

マスコミの偽善キャンペーン(2)=<民主党二重権力>批判は何を懸念してのこと?

◇戦後政治史上、実質的にはじめて実現した政権交代。◇だが民主党政権誕生と同時に、ほぼすべてのマスコミが判で押したごとく鳩山由紀夫&小沢一郎の<二重権力>を批判し始めた。◇新聞社やテレビ局によっては<小鳩体制>とか<小鳩政権>と揶揄(やゆ)しつつ。

◇<小鳩>とくりゃ、どこかの幼稚園の名称にありそうで、ひ弱さも漂う。◇ただ、<鳩小>でないところにも彼らなりのイミが込められている。語呂の問題だけでなく。

★★それでも「小鳩関係」が心配だ
政治部長・乾正人
MSN産経ニュース・2009.09.17

「問題は、やはり『小沢一郎』との関係だ」と乾正人は切り出す。

◇「8・30総選挙での民主党の歴史的勝利以来、気になることが一つある。(中略)党内の一部にくすぶり続けていた小沢氏への批判が、魔法のようにかき消えてしまったのだ」。

◇また「小沢氏が幹事長に内定した直後に、テレビに出演した中堅・若手の議員たちは『いい人事だ』と口を揃えた。これまで小沢氏と距離を置いていたベテラン議員も記者たちとのオフレコ懇談の場で、『小沢さんは本当に変わった。二重権力などとんでもない言いがかりだ』と褒めそやした」。

◇民主党内の微妙な空気の変化(=ビビリ感)を紹介した後、産経新聞政治部長はこう書く。◇「それら(小沢+社民党+国民新党徒党等からの圧力と拡散ベクトル-筆者註)をはねのけて鳩山首相が、持ち前の粘りで『脱官僚政治』を実現できるだろうか」と。

◇締めくくりは「『二重権力』構造への危惧が杞憂に終わることを願ってやまない」

◇こうした乾正人の論説にかぎらず、IFSAがどうにも理解できないのは、彼らマスコミはいったい何を<危惧>し、二重権力構造を批判しているのかという点だ。◇そもそも何かを本当に心配したうえで<批判>しているのかさえIFSAは疑問に感じる。

◇彼らマスコミ自身は、二重権力状態というものが世間の絶対善倫理に照らしてバッチリ非難の対象となりうる>とヨムからこそ、まずはたたきやすいものをぶったたいておけ!◇実態はそんなものではないかと、IFSAの生活直観がささやくからだ。

◇というのも、民主党の二重権力をマジに批判するのだとすれば、そのココロは、民主党が最初からコケないよう心配してといったスタンスに立ってのはず。◇逆に、民主党など早く失敗してくれればいいと思うなら、本音は二重権力大歓迎(→政権の空中分解)でなければおかしい。

◇皮肉を込めて言えば、産経新聞はいったいいつから鳩山民主党政権の応援団になったのだろう。◇まあ関連の言説からして、そんなことは考えられもしないけれど。

◇だいいちこの乾政治部長、いつぞやのIFSA通信で紹介したように、以下のような考えをお持ちの人物でもあるのだから。

◇「あの郵政選挙で自民党が空前の勝利を収めてからわずか4年。なぜ、かくも短期間で自民党は凋落(ちょうらく)してしまったのか」への答のひとつとして、彼はこう書いた。

◇「異説ではあるが、私は『ポスト小泉』の安倍晋三、福田康夫、麻生の3代にわたる首相が靖国神社参拝に踏み切れなかったことを最も大きな理由として挙げたい(むろん、福田氏はまったくその気がなかったろうが)」(以上、★★なぜ自民は惨敗したのか 政治部長・乾正人・MSN産経ニュース・09.07.13)。

◇となるとやはり、彼による民主党への二重権力批判は<計算されたアイロニー>ととらえるべきであろう。

◇しかし、民主党政権の二重権力構造批判を展開するのが、産経を代表とする右派系にかぎらぬのは先述のとおり。◇ならば、多くのマスコミがその根拠とするは、<二重権力=アプリオリに絶対悪>と見なす単純絶対善思想(=世論ヨイショ思想)への依拠以外に考えられないだろう。

◇ところが残念なことに、最近の社会はこんな絶対善にそれほど反応しなくなっている。◇それが時代遅れのマスコミにはいまだ理解できていないという現実がある。

◇さあ、ここらで話をいったん現実へ戻そう。◇まず政権をとったばかりの民主党は、いったい二重権力状態なのかどうかと。◇IFSAは当然YES!と答える。

◇いいか悪いかではなく、小沢一郎の持つケタはずれの膂力(りょりょく)で参院選を勝ち抜き、今回の総選挙でも圧勝。◇しかし小沢は単なる選挙職人だから党内で権力を持つな!は、どこの世界でも通るはずがない。

◇小沢がいなければ政権交代など実現しなかったのは自明の理。◇人間的にはまったく魅力のない、好きになどなれない小沢であれ、権力闘争における偉大な貢献度は認めざるをえない。◇そこにはすごみも怖さも漂う。ゆえに、上記のごとき民主党内の空気のユレも出来(しゅったい)する。

◇しかし小沢があのまま代表にとどまり、いま首相の座にあったとしたら?これまた大変なことで、民主党政権が現在のような好感度で迎えられたとは到底思えない。◇鳩山だからこそ何とかうまく回っているといえる。◇そのイミで、目下のところ民主党はついている。

◇現実の話をさらにもうひとつ付け加えれば、<鳩山は内閣、小沢は党と国会>。このようにセパレートするだって?◇そんなことできるわけがないであろう。たとえば、A氏を大臣にと鳩山がいえば、小沢がそれは幹事長代理に・・・・・・・。◇こんな綱引きはいつでも存在する。

◇そして今後の国会運営においても、内閣と党・国会を完全分離などできるわけもない。◇ゆえにかならず衝突が!もしくは、小沢が大人になって何とかくぐり抜けていく!◇そのどちらかしかない。

◇実際は上記のような齟齬(そご)がいたるところで見られるのは想像に難くないとして、それでもIFSAがカマトトぶった二重権力批判に関心を向けないのには理由がある。

◇たとえ二重権力だろうが三重権力だろうが、結果よければすべてOK、アウトプットが悪ければ改めるか、それとも自民党に政権を奪取されるかだけのこと。◇逆にマスコミの好きな一重権力であっても、そのプロセス自体はまったくかわらない。

◇要は権力構造の態様など、われわれには何の関係もないはずなのに、つまらぬ<外形>から絶対善的物さしをあてては悦にいるマスコミのズレズレをこそ、われわれは嗤(わら)わなければならないだろう。

◇たとえば日本を代表する大企業でも、社長がひとりでがんばっているところと、会長-社長のそれこそ<二重権力>で乗り切っているところとがある。◇あるいは、元社長の相談役まで含めた<三重権力>があるかもしれない。

◇読売グループのように、ナベツネがいまだ君臨するところさえある。

◇では後者の企業に対し、エコノミストはすぐさまその態様だけで<批判>を開始するだろうか。

◇大きなお世話とはこのことで、それがプラスに出ているならあくまでも知らん顔、内紛が勃発(ぼっぱつ)したりして業績に影響が出れば<批判>どころかたたきまくる。◇経済界はあくまでさらっとしたものにすぎない。

◇これを再び政治の世界に置き換えると、自民党政権時代、一重権力の内閣など数えるほどしかなかったとの事実にも行きあたる。

◇まずは妖怪的は岸信介が、米国共和党の意を受け、陰に陽に歴代内閣をコントロールしてきた現実は、知られていないながらあまりに大きい。

◇個別でも田中角栄・首相失脚後の闇将軍ぶりは10年以上も継続した。◇これを二重権力をいわずして何といおうか。◇しかし、だからどうしたっていうのだろう。

◇そしてあのやりたい放題だったかに見えるコイズミは、米国ブッシュJr.共和党政権との完全なる二重権力というか、指揮下にすっぽりと入っていた。◇にもかかわらず、二重権力に敏感な絶対善的マスコミが、その不健全さを正面から突いたことはない。

◇ここまでくれば、マスコミによる現下の民主党二重権力批判、もはやお里が知れるといったところではないか。(敬称略)

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2009年9月27日 (日)

マスコミの偽善キャンペーン(1)=<地元無視の八ツ場ダム中止>という情緒的誘導

手前勝手話とはいえ、ここのところ政治素材が続き、書くほうもいささか疲れ気味本当なら<シリーズ・散歩の凡人>やクルマ・カメラの話といきたいところですが、何せ半世紀ぶりの政権交代とくれば、あと2回ほどは政治ネタにお付き合いくださいそれから<散歩>ということで

◇民主党がマニフェストに掲げ、前原誠司国交相が明言した八ツ場(やんば)ダム建設中止に対し、大マスコミ、特にテレビは連日連夜、<はじめに中止ありきはおかしい><地元民の声を聞け>キャンペーンを展開している。

◇これらはすべて、IFSAがいつも指摘する、例の<絶対善=安全地帯>に寄りかかった無思想・無内容な物言いであるのは間違いないが、それにしてもこの露骨さ、さもしさといったらうんざりする。

◇あの田中康夫が長野県知事当選(=2000.10)数カ月後に打ち出した稚拙なる<脱ダム宣言>、その際の異常なまでのテレビ界リアクションを思い出してみれば、彼らの体質はよりクリアとなろう。

◇何とか劇場にしか興味のないテレビメディアは、<ダムはムダ>なる戯れ言に酔いしれるヤッシーを現代の英雄もしくはオピニオン・リーダーに祭り上げたばかりか、康夫ちゃんの先兵となり<はじめに(ダム)建設ありきはおかしい>キャンペーンを全国へ展開しまくった。

<田中康夫と脱ダム>は、少なくとも<コイズミと聖域なきコウゾウカイカク>の前座にふさわしいフィーバーぶりを、当時のテレビ界で体現していたのだ。◇ワイドショーでもニュースでも、まさに朝から晩までといった調子で。

◇皆さんは既にお気づきであろう。◇康夫ちゃんの時の<はじめに建設ありきはおかしい>と、今回の八ツ場ダム関連の<はじめに中止ありきはおかしい>が見事なまでのマ逆であることに。

◇いやそうはいっても、共通点がたったひとつだけある。◇それは両者とも、何の社会科学的秤量(ひょうりょう)を経ない、単なる情緒的&絶対善的反応の産物という点だ。

◇だからIFSAは当時、康夫ちゃん的脱ダム論を執拗(しつよう)なまでに批判しつづけたし、日本自然災害学会の学会誌「自然災害科学」から求められ、<情緒的「脱ダム論」の限界>という論文を寄稿もした。◇ダムをつくるべきかやめるべきかの不毛な二分法を、根底から批判したのだった。

◇今回の八ツ場ダム問題にみられる<はじめに中止ありきはおかしい><地元民の声を聞け>キャンペーンの推進者、日本の軽薄テレビメディアは、激越な反対運動からようやくダム建設へとソフトランディングを果たした地元民を再度引きずり回すな!のキミワル絶対善につくばかりで、ではこの金食いダムがなにゆえ必要か、もしくは、なにゆえ不必要かの議論にはまったく興味を示さない。

◇自分の不勉強ぶりを棚に上げ、情緒論についているほうがよほど楽だし、何より<安全>だと本能的に知っているからであろう。◇そもそも、連日得々とリポートする彼らは、このダムがつくられようとしている吾妻川(あがつまがわ)のことをどれほど知ったうえで語っているのだろう。

◇もしかすると、長野県との県境、群馬県嬬恋村近辺に水源をもつこの川が、30を超える支川を集め、群馬県渋川市であの日本一の利根川に合流するという事実すら把握していないのではないかと心配になる。◇まさか、吾妻川が直接海へ流れ出しているなんて思っていないでしょうね。

◇八ツ場ダムをつくらないと埼玉や東京が水浸し!というからには、利根川合流以後の地形や防災体制を明確に説明してもらわなければならない。◇多摩川水系を除く東京都の河川問題=埼玉県の河川問題との視点から、埼玉平野の河川研究&現場踏破を試みるIFSAにしてみれば、それらが持つ独特の地形からして本当に分かっているの?と問い返したくなる。

◇今回の八ツ場ダム問題は、<まずダムの必要性・不必要性検証ありき>から出発すべきなのであり、その結果、必要性が優位となれば建設を促進する、逆に不必要性に軍配が上がれば、あとは地元民に再びいかなる補償を行うかの問題へとシフトさせる。◇もちろん、物理的ばかりか精神的なファクターをも補償に含めて。

◇ではIFSAはこれをどうとらえるのか。正直言って八ツ場ダムに関する数値的データを集めたわけではないから、ここで社会科学的証明をなすことはできない。◇ただ、現地に3泊もすれば答えが容易に出せるという自信はある。

◇付近を何度も通っている直観からして、八ツ場ダムが無理筋であるのは分かりすぎるほど分かってしまう。。◇おそらく現場を1度でも訪れたことのある人なら、すぐさまエエ~ッ?といった奇異な感にとらわれること請け合いといえるほど、この計画にはムリがミエミエといったあんばい。

◇いくら<反・脱ダム派>のIFSAであっても、この八ツ場ダム建設の必要性だけは、治水面からも利水面からもまったく理解できないと、とりあえず表明しておこう。◇だから民主党が本気になって社会科学的証明をする気にさえなれば、ノンの結論などは朝飯前といえる。

◇八ツ場ダムへの動機。それが47年のカスリン台風大被害にあったことは間違いがない。◇未曾有の大水害を見て、待ってましたとばかり、政治家・官僚・利権団体連合軍の悪のりが始まった。◇根拠レスでムリムリのスタートを、何はともあれアプリオリに切ってしまえ!とばかりに。

国交省・八ツ場ダム工事事務所のHPが子供だましの域を出ないのは、この動機不純が大いに関係していると思われる。◇そしてダム本体よりもすごいのは、日本でも例を見ない道路・鉄道・集落等のインフラをそっくりやり直そうとする異常なまでの規模だ。◇悪のりの何乗がここにある。

◇直観でも分かるこんな木偶(でく)の坊のようなダムより有効とIFSAがこれまで提唱してきたのは、利根川・荒川・隅田川・江戸川・中川のスーパー堤防化!◇それこそが、埼玉平野から東京都へと流下する大河川群の、急を要する公共事業なのである。

◇ゆえに東京オリンピックなどやっている場合ではないと、IFSA通信で論じたばかりではないか。

◇ところで、マスコミの悪質な情緒的誘導は上記外にもうひとつある。◇<総工費4600億円の7割がもう済んでしまっているのに、中止して何になるのか>といったトンデモカマトト論がそれだ。

4600億円の7割を既に使ったからといって、7割分の工事が完了したことにはならない。◇予算の7割のカネを使って3割分しかできていないといったことは起こりえないというのか。◇まさに冗談ヨシコさんの世界だろう。

◇本体工事がいまだゼロの現状で、あと3割以内の工費にてその建造と付帯工事ができるって?◇2004年の総事業費変更(2100億円→4600億円)、その二の舞・三の舞はいずれ近々!と思わないほうがどうかしている。

◇テレビはグダグダ言う前に、残りの3割のカネでいったい何ができるのかを調べてみるべきだろう。◇ちょいとスタッフを動員すりゃ、いとも簡単な作業なのだから。

◇公共事業万能論に依拠する利権誘導型賛成派と、環境のみが絶対のコンクリート嫌悪型ファナティック反対派のどちらにもくみすることなく、民主党政権がどこまで<社会科学&自然科学的アプローチ>を貫けるか、いまがまさに正念場といえよう。

◇それにしても、テレビマスコミを中心とする彼らの調子よさは、今回あたりで弾劾されなければならない。

◇もっとも国民サイドはといえば、康夫ちゃんやコイズミの時代のようなオメデタさが薄れはじめている。

◇それが証拠に、国民に寄り添っているつもりで地元町長の建設中止反対論を称揚してみせるテレビが、いつしか社会より置いてきぼりを食い始めている情況もチラホラ見えてきたりするものだから。

◇とすれば、日本社会は少しずつ健全な方向へ動きつつあるのかもしれない。(敬称略)

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2009年9月11日 (金)

売れっ子ジャーナリスト・上杉隆=国民が嫌悪した<自民党的なるもの>への無自覚

◇6日前、当IFSA通信で【自民党流政治手法への国民的嫌悪=実はコイズミ登場以前から既に顕著なトレンドだった】(09.09.05)をアップロードしたところ、多くのアクセスをいただいた。

◇自民党政治に対して国民がいだく嫌悪とは<利益誘導型>へのそれであり、これ自体、コイズミ登場以前から蓄積されてきたものではあったが、2001年、彗星(すいせい)のごとくあらわれた名優コイズミがまんまとその<うっ屈&閉塞(へいそく)感>をかっさらい、5年半にもわたって籠絡(ろうらく)してしまう。

◇そんななか、歴史に残る05年の郵政解散で国民の嫌悪は<最高度のカタルシス・チャンス>を得る。◇勘違った日本社会は、民営化という<疑似絶対善>へなだれを打ったのだ。◇これでああすっきり!とでもいうかのように。◇さてその結果は!

◇ところが、コイズミ退陣後3年間の自民党政権体たらくと日本社会のハイパー劣化を見させられることとなるお人よし国民は、ようやくにして<世紀の名優・コイズミにだまされた!>とうすうす気づき始める。

◇今回の総選挙の結果は、まさにその延長線上にあった。◇だから、民主党を大勝させた国民の投票行動は<自民党にお灸をすえる>とか<自民党にペナルティーを科す>いったレベルのものではない。

◇IFSAは先日の【自民党流政治手法への国民的嫌悪=実はコイズミ登場以前から既に顕著なトレンドだった】(09.09.05)でそう主張したのだった。

◇そんななか、いま売り出し中で引っ張りだこのジャーナリスト・上杉隆、彼の得意気(とくいげ)な論説に出会う。◇IFSAはへえぇっ~と驚くと同時に、想像通り付け焼き刃の軽い男だなと妙に納得させられた。

◇彼はメルマガ中の優れたメディアであるDIAMOND online(09.08.27=配信は09.28)<全国選挙区で肌で感じた自民への失望 そして民主圧勝への熱狂の不在>と題し、こう書いている。◇もちろん、選挙結果が出る前にあっての執筆である。

◇「日本中の全選挙区の踏破を企図」し、「沖縄県を除く全都道府県を訪問」した結論だとして上杉は誇らしげに論を進める。◇「『どぶ板取材』の末に行き着いた結論は、選挙も、報道も、現場こそが最高の情報の宝庫だという政治の基本であった」とか妙に高揚しつつ。

◇「今回、こうして何十ヵ所もの現場を訪れて気づいたことは、多くの有権者が自民党への懲罰的な意識を持っているということだった」。◇お~お、IFSAの見解とは異なることをいきなり!

◇各新聞は民主300議席を超す勢いなんて書いているが、「日本列島を歩いている筆者にそうした実感はない。とくに民主党選対を訪れても、300を伺う(=IFSAなら<窺う>と表記-筆者註)ような熱狂は感じられない」。

◇「2005年夏、筆者は、郵政選挙で同じように全国を行脚した。その際の狂乱ぶりは、今回のそれとまったく異にするものだった」。◇ここでようやく理解できた。上杉の錯覚の原因が。

◇実際はこうだ。◇あのどんちゃん騒ぎの主役を張った国民は、いつしかあれに自己嫌悪を覚えるようになった。だから当然のこと、今回は<狂乱ぶり>も示さなければ<熱狂>すらそこにはない。◇深く静かに嫌悪感をくぐもらせたのだ。

◇それが軽~い上杉にはまったく見えない。◇たとえ全国を回ったところで、感性と思想に依拠しないそれでは当然というところだろう。

◇「そのために(投票には選挙区と比例の2通が用意されるために-筆者註)、候補者名と政党名でバランスをとる有権者もおり、総じて、世論調査の数字よりも低く出る可能性が高くなるのだ」。

◇「しかも、候補者名については、ベテランの議員になればなるほど、年配の有権者は以前と同じ名前を書く傾向にある。そうなると、強固な地盤を持つ、自民党の方が有利になるという見方が成り立つのである」とかいって、彼は民主300超に疑問を呈している。

◇しかしここで問題にしたいのは、数値的な予想が当たったかどうかのテクニカルな面ではなく、上杉の本質的な認識のほうである。◇そういえば彼は以前にも、こんなおめだいことを書いていたっけ。

◇それを本年5月のIFSA通信【田原総一朗・テリー伊藤らTV界テキトー男が、知ったかぶりだけで民主党代表選を酷評】(09.05.23)から再引用してみよう。

◇<そうかと思えば、最近売り出し中のにわか政治ジャーナリスト・上杉隆が、したり顔で同様の説教を始める(★★民主党は拙速な代表選実施で、政治ショーの最高の演出機会を逃した・DIAMOND online・09.05.15配信)>。

◇<「(前略)選挙期間は実質2日間、それで新代表を選ぶという」。◇「この決定を表現するとすれば、可能な限り、控えめな表現をもってしても、民主党の広報担当者はメディア戦略がいったい何であるかをまったく理解していないか、あるいは、まったくの愚か者であるかのどちらかであることが判明した」>。

◇<「民主党は、代表選という、メディアの注目を集め、自らの党と政策と人材を、国民にアピールする貴重な機会をみすみす逃したのだ」。◇昨年、一昨年と行なわれた自民党総裁選と比較すればそれがどれだけお粗末なものか理解できるだろう>。

◇なのにいま、コイズミ退陣以降のオメデタ自民党総裁選のほうがよほど<お粗末なもの>として世間の笑いものになっているではないか。◇事実、あの時点でも国民はそう燃えてはいなかった。例によってテレビマスコミがあおったにもかかわらず。

◇ここから分かることただひとつ。◇上杉という浅い人間には、安倍や麻生を担いだ自民党的お祭り&イベント志向性がよくお似合いだということ。◇こうした彼に対し、いまや深く静かに沈潜する<国民の自己嫌悪・失望・閉塞感、そして控えめな怒り>をくみ取れといったところで、所詮無理な相談というものだろう。

◇上杉隆は民主党の当選者数を見誤ったという以前に、国民の深層心理に心が届かなかった。◇おそらくは、5年間鳩山邦夫の秘書だったころの視点からいまだ抜け出せていないに相違ない。

◇少し前には、かの定額給付金を「やらないよりはやったほうがいい」と言い放った実績すら持つ。

◇この程度の軽~い政治ジャーナリストが、テレビ業界やマスコミではコメンテーターとしてもてはやされる。◇一部には、民主党政権が彼を取り込むんじゃないかとの推測まで出たりしている。

◇やれやれ、もしこれが本当なら、民主党にとっては大きなマイナスとなること間違いない。(敬称略)

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2009年9月 5日 (土)

自民党流政治手法への国民的嫌悪=実はコイズミ登場以前から既に顕著なトレンドだった

◇今回の総選挙での民主党圧勝を、<自民党へのお灸>とか表現して分かった気の識者がいる。◇こうした口吻(こうふん)の背景に存在するのは、自民がメーンで民主はサブの定式にほかならない。

◇<そのメーンがいささか傲慢(ごうまん)になってきたため、一度アタマを冷やしたらと国民が愛のむちをくれた>とかいう、甘~い認識なのである。◇熱烈な巨人ファンが、優勝を逃したジャイアンツに対し、たまにはいい薬だと自虐気味に言うアレとほぼ同一線上にある。

◇しかしどっこい、戦後を謳歌(おうか)した自民党はもうとっくに時代からずれまくっていた。◇それも最近のことではなく、あのコイズミ登場以前から。◇だからこそ、コイズミという稀有(けう)の座長が必要とされた。

◇それも、たまたまうまいタイミングではまった綱渡りだった。◇しかしコイズミ劇場は5年半も国民を引きつける。というより、国民のほうから虜(とりこ)となった。◇もう事実上崩壊へ向かっていた自民党にとって、これほどの僥倖(ぎょうこう)はなかった。

◇コイズミは、ひびだらけで屹立(きつりつ)する自民党をぶっ壊すといいながら、モルタルでひびを埋め、外壁をリフォームしたにすぎない。◇耐震補強のまったくない厚化粧だけで、自民党は2001年から過ごしてきたのだ。

◇事実、コイズミの5年半も決して順風満帆だけではなかった。◇政権発足後の04年、年金未納問題で苦しくなってきたコイズミは、7月の参院選対策として(=IFSAはそう見る)愚かなる再訪朝を敢行し、外交劇場化を露骨に展開

◇これに怒った当時の福田康夫官房長官が辞任というおまけまでついた。

◇6月には三百代言的<100年安心>の年金改革関連法を成立させるが、翌月の参院選では<自民1議席減の不振>というより、<実質的な敗北>を喫する。◇そして翌05年の郵政選挙にてコイズミお得意の一発大逆転となったわけだ。

◇そうはいっても、モルタルとケバい塗料によるリフォーム厚化粧の内実は変わらない。◇それがわざわいし、国会に鎮座する自民党の議員たちは世間の風すらもう感じることができなくなってしまっていた。◇チルドレンから重鎮にいたるまで。

◇だから今回のように野党へ転落してまで、総理大臣選出に際し<まだ麻生と書く>とか<一致して白紙投票する>とか、どっちにしても党のテイをなさないボロボロ案を恥ずかしげもなく出しては世間から笑われることとなる。

◇完全に内部崩壊してしまっている証左だろう。

◇昨日運転をしながらテレビニュースの音声を聞いていたら、自民党全国幹事長会議においてどこかの県の代表が、「国会議員の先生方にはモウショウ(=多分、猛省のこと)を促したい」と息巻いていた。

◇総裁が総裁なら、地方の代表も同レベルのKY(=漢字読めない)とくる。◇まあそれは冗談として、麻生太郎首相のお詫びの弁がこれまたすっごい。◇どこにも申し訳ないの真情がうかがえない。党員への謝罪にも真実みが感じられない。◇だいいち、本人の悔しさが伝わってこない。いや、悔しさが存在しない。

◇そりゃそうだろう。麻生首相はほぼ任期満了までの約1年、首相の座にあって大満足だったのだから。◇彼の総裁就任目的などそこにしかなかったことは、当IFSA通信が口を酸っぱくして言ってきたところで、だから麻生はぎりぎりまで解散をしないはずとIFSAは昨秋から発信しつづけてきた。

◇マスコミや識者が解散・カイサンと騒ぐなか、今年の夏まで解散はないと主張した人間は日本広しといえどもそうはいまい。◇IFSAの知るかぎり、少なくとも当IFSAとジャーナリストの上杉隆だけはそれを主張していた。

◇なぜ予想が当たったか。答えはひとつ、麻生太郎はそういう人間だから!◇そう、これは政治学的なマターではなく、社会心理学的事柄に属する。◇それゆえ、政治評論家や政治記者たちはほぼ全員が読み違ってしまった。政局ばかりで人間自体を見ていないのだから。

◇この手の<野心?>にとりつかれた麻生を、国民に大人気と勘違っては総裁へ引っ張り上げてしまった自民党。そののピンズレぶりはいかばかりであろう。

◇ピンズレといえばまだまだある。そのひとつを、毎日新聞の金子秀敏・専門編集委員が鋭く突いている。

★★早い話が:負けたわけ、負けるわけ=金子秀敏
毎日jp.・09.09.03

◇「同じ新聞(衆院選投票日の朝刊-筆者註)に自民党の広告が掲載されている。『日本を壊すな』という大見出し」。◇「『偏った教育の日教組』『特定の労働組合の思想』『この国を守りぬく決意』などの文字が並んでいた」

◇「『政権選択』ではなく『体制選択』である。『日の丸か、赤旗か』という踏み絵である。このへんの勘違いが、自民党の敗因のひとつではないのか」。

◇相手の民主党は、自民党脱党組を基軸に、旧社会・旧民社・市民主義・松下政経塾・若手官僚・サラリーマン出身者たちのアマルガムだというのに、自民党の攻撃手段はいまだ冷戦以前の<赤呼ばわり>発想。

◇いまどき、日教組や連合の影響力なんて。だいたい、彼らの組織率ってどれくらいあるんだっけ?◇自民党にとっての<敵>さえしっかり認識できないほど、彼らは現実から遊離してしまっている。

◇その虚妄ぶりを棚に上げ、左翼退治で共闘しましょうよと抱きつかれてもネ!が国民の正直なところだろう。◇そもそも若い人には、何のことやら分かるはずもない。

◇安倍晋三や麻生太郎の時代錯誤ぶりというか宙をさまよう悪癖が、追い詰められると本音の形で出てしまうお粗末さ。◇自民大敗北翌日のテレビでは、高揚した石破茂オタク久々の<軍事的前のめり>ぶりが、たがのはずれた本音全開モードで披露される始末と相成った。

◇この石破オタク、IFSAの記憶違いでなければ、穏健な末吉竹二郎から<その前にやることがあるでしょう>とたしなめられていたっけ。◇現在の自民党の中核を占める連中は、若手も含めてすぐにこのハイパー右派的地点へと回帰してしまう。◇中曾根康弘だって、いざとなればもっと慎重だったというのに。

◇上記毎日新聞の金子はこう結論づけた。◇「国民に『体制選択』を問うのは時代錯誤だ」。◇「すでに前回の郵政選挙は、政策を問う政権選択選挙だった。だから鮮明な政策を掲げた自民党が圧勝したではないか」。◇「それなのに今回、自民党は保守合同時代の体制選択選挙に逆行した。負けるわけだ」。

◇最後にIFSAは、自民・公明連合軍の最大のピンズレ(=国民意識への見誤り)を指摘しておきたい。◇それは現代史年表を少しひもとけばよく分かる。

◇衆院選挙ごとの自民党獲得議席数シェア推移はこうなっている(小数第1位四捨五入)。

1970年代=(1972年・日中解散=55%)(76年・ロッキード選挙=49%=与野党伯仲)(79年・大平の増税解散=49%=自民大敗過半数割れ)

1980年代=(80年・衆参同日ハプニング解散=56%=大平急死も影響して自民大勝・安定化)(83年・田中判決解散=49%=自民惨敗)(86年・衆参同日・死んだふり解散=59%=中曾根自民圧勝)

1990年代=(90年・消費税解散=54%=小沢豪腕)93年・政治改革解散=44%96年・小選挙区解散=48%

2000年代00年・神の国解散=49%03年・マニフェスト解散=49%05年・郵政解散=62%)。◇【註】解散名は毎日新聞夕刊(09.08.18)による。

◇ちなみに1958年から69年までの5回の衆院選における自民党議席シェアは、最低でも57%、最高では63%となり、過半数を割ることはなかった(以上、『戦後史年表 1945~2005』小学館による)。

◇99年には意外なる剛腕の小渕恵三が公明党との連立政権(=実際は自自公)を樹立して一時的に危機を乗り切り絶頂期を迎えるが、それも自自連立解消でガタガタに。◇小渕の急逝で<5人組による密室の話し合い>のなかから、ご存じ森喜朗首相が誕生した。

◇その選考過程(+)神の国発言(+)えひめ丸事故へのトンデモ対応などで世間の批判はピークに達する。

◇こうした間隙をついて突如あらわれたのが、世紀の名優コイズミであった。◇80年代から日本に浸透し始めた<自由主義>がここにおいて全面開花。◇御用学者・竹中平蔵と公明党を巧みに操りつつ、コウゾウカイカクの美名のもと、日本社会を根底からひっくり返していった。

◇厳然たる1票の格差がありながらも、論外の郵政選挙を除き自民党が93年以降一度も50%を超えられない背景には、あの<利益誘導型>に国民がついていっていない現実がある。

◇また96年からは自民党に有利な小選挙区制が始まったというのに、議席獲得40%台の低迷は変わらない。◇コイズミ絶頂の03年ですら49%にとどまるのだから。

◇それは得票率にも如実に示されている。◇05年の狂乱郵政選挙ですら、選挙区の議席数(自民:民主)が219:52と81%:19%なのに、得票数は57%:43%と14ポイントの差でしかなかった。

◇だからこそ、00年の10・11月には無党派の田中康夫福田昭夫がそれぞれ長野県知事・栃木県知事に当選するし、自民党内からすら業を煮やして<加藤の乱>などが起きかけるし・・・・・・・。◇もうとうに、自民党ばなれが水面下で進んでいたのである。

◇この<利益誘導型嫌悪>の国民意識を自民サイドより見事くみ上げたのが、コイズミ-竹中のマジシャン・ペアであった。◇自民党をぶっ壊す・日本的な不合理非効率では世界に勝てない・規制緩和と民営化が日本社会の救世主・コウゾウカイカク完遂のためにはいまの痛みに堪えようではないか・だから福祉関係も切っていく・・・・・・・。

◇思えば、田中康夫の<脱ダム宣言>市場原理主義によるコイズミコウゾウカイカクは、ベクトルこそ違え極端な二元論信奉という点では同根でありきわめてヤバイ!早晩日本社会を破壊する危険なイデオロギーとなる!という観点から02年8月に出版したのが、IFSA初の単著だったという次第。【註】

【註】阿部道生『変わりたい日本人 変わりたくない日本人-日本的閉塞社会論-』(はる書房・02.08)

◇コイズミに反対する、そして田中康夫を弾劾する、IFSAこそ異常ではないかというのが当時のすさまじき潮流で、まさにおまえはひねくれ者の典型!の扱いをうけたのが記憶に新しい。

◇ピーク時、日本人の80%前後がコイズミを支持したし、民主党の議員の半数以上もコイズミを応援するという、それこそ何かに取りつかれたような社会に日本はなっていた。

◇今度首相になる鳩山由紀夫などは、人のよさと政治的甘さを丸出しにし、孤軍奮闘に見えるコイズミを励ましたり支えたりもしていた。何と、テレビを前にした国会の質疑においてさえ。◇このコイズミが、その後の日本社会に何をもたらしたかは、もう付け加えるまでもあるまい。

◇ここで指摘したいのは、以下のような皮肉な現実のほうだ。

◇日本人はバブル崩壊以降、旧来型の利益誘導政治には明確なる嫌悪感を示し始めていたし(=変わりたい日本人)、ただ自分に降りかかるようなリスクだけはとりたくない(=だからこその「変わりたくない日本人」)。◇そのため、先日実現したような脱自民=政権交代にはびびりまくる。

◇そこへ彗星のごとくあらわれた新自由主義のコイズミほど、上記のごときアンビバレントなニーズを満たしてくれる格好の対象はいなかった。◇まさにドンピシャじゃないか。国民が飛びつくのもある意味で当然だった。

◇社会の閉塞感が、国民をコイズミの<理念>へと向かわせた。◇<理念>のうらに、エグイ米国利権や規制緩和派のタナボタ利権がぶら下がっているとも知らずに。◇ましてや、日本社会がガタガタに分断されるなど想像だにせず。

◇国民は戦後の国政史上はじめて、札びらではなく、自民党が標ぼうする<理念>に飛びついた。◇そして自民党はといえば、01年の時点でとうに敗退しているはずが、コイズミのおかげで5年以上も持ちこたえてしまうこととなる。

◇田中眞紀子が、憎き東大出の超エリート外務官僚をこてんぱんにやっつけるのを見ては溜飲(りゅういん)が下がる。これもまた、<理念>からくるカタルシスの一環だった。

◇しかし<理念>自体がペテンそのもの。揚げ句の果てには<郵政民営化>からコウゾウカイカクが開けるなんて大ペテン<理念>にさえ熱狂し、その数年後、さすが自己嫌悪へ陥ることとなる。

◇こうした大失敗を経ながらたどり着いたのが今回の衆院選だ。◇<理念>なるものはどろどろの現実と切り結んではじめて立ち上がるという点を生理的に習得し始めた国民の最初の投票行動。

◇そこを自民・公明はまったく理解できなかった。◇コイズミの失敗は、利益誘導型を排除したこと、だからネジを逆に回すべき。◇定額給付金などはまさにその象徴でしかない。

◇しかし国民のほうはといえば、麻生や細田や石原などの自民党よりもう少し先を行っていた。◇利益誘導型などはとうに10年前から卒業している国民が学習したのは、コイズミ的な<理念>のうさんくささや、田中康夫的市民主義がもつ<絶対善>的なファナティック・イデオロギー。それへの(?)だったからだ。

◇自民党の敗北は、この時点で決まったといっていい。◇そして今回はじめて、<自身に降りかかる変化が怖くて仕方のない国民>も、少しのリスクを負担した。◇<自民党内政権交代>とは別の道を選んだのだから。

◇ここにくるまでには10年以上の時間とコイズミカイカクによる高価な代償を必要とした。◇<理念>と<現実>という複眼的視点の入り口にはじめて立った国民と向き合う民主党。そのしんどさが半端じゃないことだけは間違いがない。◇国民からすれば、選挙による政権のどんでん返しリスクはもはや体験済みなんだし。

◇これら一連の緊張感ある全国民的バトルを経てはじめて、成熟した社会が顔をのぞかせるものと思われる。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年8月27日 (木)

衆院選直前のIFSA的政治談義=21世紀自民党ってどうしてこうもずれているんだろう

◇麻生太郎首相をはじめとする自民党首脳の演説内容、その程度の低さは筆舌に尽くしがたい。◇民主党の公約は<ばらまきだ><財源はどこにあるのか>の批判オンパレードで、自党の思想を堂々と披歴する姿勢などみじんもないのだから。

◇世を覆うつまらぬマニフェスト合戦の弊害だろう、たしかに民主党にもばらまき要素がないとはいえない。◇だがこれまでの50年強、財源などとは無縁に集票マシンとしてばらまくだけばらまき、天文学的数値の借金を積み上げては政権維持に狂奔してきたのはどこの誰だったのか。

<★★麻生首相「民主の公約、ケタ違いのばらまき」・NIKKEI NET・09.07.31>。◇民主党としても、定めし<ばらまき総本家の自民党>にだけは言われたくないといったところだろう。

◇それにしても、政権与党の哲学と思想を横綱相撲で打ち出せない自民党って、もうそれだけで終わっている証左ではないか。◇そう、IFSAが何度も指摘してきたように、21世紀に入った2000年誕生の、サメの何とか首相段階で自民党はすでに枯渇しまくっていたのだ。

◇それがあの奇人変人コイズミの登場で一変。5年5カ月、国民はだまされつづけた。というより、彼に熱狂した。◇そのコイズミ、すべては<アメリカへアメリカへ(+)旧田中派憎し(+)旧郵政省憎し>オンリー。◇執念深いこの男の復讐(ふくしゅう)劇に日本社会全体が付き合わされたというわけだ

森→コイズミ→安倍→福田→麻生といった一連の流れを見るだけでも、自民党の人材払底ぶりは一目瞭然。◇それにはあの悪名高き小選挙区制が大きくあずかっている。◇ひとつの選挙区に同党からは1人の候補者という小選挙区制では派閥が成立しにくい。反主流派ができにくい。すべては首相周辺が党内権力を持ってしまうから。

◇よって、従来あった派閥による人材育成・教育がまったく機能しなくなった。◇それこそぞうきんがけからはじまり、派内の階梯を一歩ずつ上っては専門部会の知識や権謀術数、人脈を身につける。◇もちろん、悪いことも含めて。

◇その<派閥>が、日本人の大好きな例の<絶対善>で巨悪とされたのだからたまらない。◇残ったのは、ひ弱で不勉強な世襲議員やあたまでっかちの口先男ばかり。たとえば石原伸晃のような。

◇思えば最近の<地方分権>とか、コイズミ時代の<構造カイカク>と同じように、あの1988年リクルート事件発覚後<政治改革>が急に叫ばれ、それがいつしか<小選挙区制>実施にすり替えられては<絶対善>的街道をばく進していった。

◇その主唱者は誰を隠そう、あの小沢一郎だった。◇結果として8カ月しかもたない細川政権(=IFSAは小沢カイライと認識)が1994年、「政治改革関連4法案」という形でそれを実現。◇これに否定的というか、何だこのごまかしはと言うような人間は即<反動非国民>へ。◇一時の熱病のなか、日本社会はいつもこうなのだった。

◇日本でも2大政党制を実現とかいいながら、本音は自民党永続のためのツール。◇歴史に残るファナティックなコイズミ郵政選挙ですら、小選挙区制が最大限の効果を発揮した。◇小選挙区での議席数が自民:民主で219:52でありながら、得票数はといえば57:43。◇1票でも多ければ勝ちとなる小選挙区制のゆがみが遺憾なく発揮された。

★★閣僚から弱気発言次々
衆院選 小選挙区制“恨み節”も

TOKYO Web・09.08.26

◇「小選挙区制であることについても『わずかな差でオセロのようにひっくり返る』(石破茂農相)と、逆風下の与党に不利との指摘も」。◇「小選挙区制導入を主導したある閣僚は会見後、『中選挙区制であったなら民主党と結構いい勝負になっていた。小選挙区論者としては複雑だ』と苦しい胸の内を明かした」。

◇語るに落ちたとはこのことで、<絶対善>にこと寄せた自民必勝の詐術ツールが今回はブーメランのように!ってわけだ。◇何だろう、この日本的便宜主義は。

◇上記のような事情から、自民党ではかつてのようなエグイ人材がまったく育っていないだけではなく(=あの舛添要一・小池百合子・石原伸晃・野田聖子ごときが次代のエースってんだから)、コイズミが無意識にも自民党をぶっ壊してくれたおかげで、農業・漁業・中小企業等の旧来からの支持者が離れが加速し、また平成の大合併による市町村議員が激減・・・・・・・。

◇足で稼いでくれる貴重な支え手を失ってしまった。

◇泥臭さをばかにした<グローバルかぶれ>がみずからを滅ぼした典型といえよう。◇日本の風土をいうものを知悉(ちしつ)する小沢一郎が、オーソドックスにもその逆を行くという皮肉な現象が出来(しゅったい)している。

◇生活や風俗や慣習や路地裏をばかにした報いを自民党は受けようとしているのだ。◇その好例は、安倍晋三政権を支えた(いや、支えられなかった)あの<チーム安倍>メンバーに見られよう。

◇山本有二・塩崎恭久・菅義偉・菅原一秀・下村博文・世耕弘成・・・・・・・(星浩『安倍政権の日本』・朝日新書・06.10より)。◇そして「NAIS(ナイス)の会」の根本匠・安倍・石原伸晃・塩崎。◇このお友だちチームでは政府を支えられまい。

◇ではここまで日本社会をぶっ壊し、同時に結果として自民党をもメタメタにしたコイズミはどう言っているのか。

★★小泉氏「政権交代起こっても心配ない」
YOMIURI ONLINE・09.08.06(A)
★★「たまには野党もいい」
小泉流激励、衆院選へ始動

TOKYO Web・09.08.06(B)
★★小泉、遂に白旗宣言!?
「たまには野党も悪くない」
「世代交代進めた上での政界再編が望ましい」

ZAKZAK・09.08.07(C)
★★小泉さん
「自民が『野党ヤダ』なんて冗談じゃない」

YOMIURI ONLINE・09.08.12(D)

◇コイズミいわく、「『(前略)選挙だから勝つ時もあれば負ける時もある。たまには野党の立場に立つのも、そんなに悪い事じゃない』」(A)。◇この手前勝手には党内から批判も強い。たとえば以下のような。

◇「一方で、『ここまで自民党批判が強いのは小泉改革の歪みのせいだ。自分は引退して選挙区を次男に世襲させ、悠々自適。こっちは必死で戦っているのに、気楽なもんだ』(自民党ベテラン秘書)との不満も聞こえてくる」(C)。

◇そんなことなど気にもとめないコイズミいわく、「『(前略)与党を経験したり、野党を経験したりするのも悪くない。民主党だってしょっちゅう批判ばかりしていないで、(与党になって)たまには批判にさらされるのもいい』(後略)」(D)。

◇ただただC調なだけの無責任男コイズミ御大は、いくら彼らの自業自得とはいえ子飼い?たるチルドレンをほったらかしにしてケセラセラ。

◇またもうひとりの張本人・竹中平蔵はとみれば、大臣なのに非国会議員、こりゃ自民党内からなめられるだけとばかり、急ごしらえで参院議員になっておきながら、コイズミ政権終焉とともに任期2/3ほどを残しさっさと辞職。

◇すべてが計算ずくでしかないこの人物の品性が、ここには象徴的にあらわれている。

◇そしていまや、高慢チルドレンで名をはせた片山さつきまでが、<★★「小泉チルドレン」逆風 片山さつき氏、土下座も・asahi.com・09.07.31>では笑う以外になかろう。◇チルドレンと勝手に思い定めていたのは<子>のほうばかりで、コイズミは<親>とも自認していなかったということになる。

◇そりゃそうだろう、あの冷血人間のこと、こちとら最初から分かってら。

◇またチルドレンには、こんな場当たり的な輩(やから)まであらわれた。

★★長崎氏、平沼グループに
小泉チルドレン『郵政』越え合流

TOKYO Web・09.08.12


◇「自民党を離党し、山梨2区から出馬予定の長崎幸太郎前衆院議員が十一日、平沼赳夫元経済産業相を中心とする『平沼グループ』に合流することになった」。

◇「千葉6区から出馬する、自民党を離党した松本和巳元衆院議員も既に合流」。◇「両氏は前回郵政選挙で、郵政民営化推進を訴えて初当選(松本氏はその後に議員辞職)しながら、今回は反対派の中心だった平沼氏と行動をともにする」

◇もうめちゃくちゃ。郵政選挙なるものがいかにいい加減な代物だったかをこれはよく教えてくれる。◇あそこで繰り出された<刺客>にピーピーキャーキャー騒ぎまくった国民とマスコミはいったいどのようにこれを<総括>しようとするのか。

◇おそらく彼らのこと、<総括>などとは無縁であろうが、かといってIFSAはもう怒る気にもなれない。あまりにレベルが低すぎて。

◇では最後に、ボロボロ自民党を象徴する小さなエピソードを3つ紹介しておこう。◇まずは麻生首相森喜朗元首相から。

◇「早野(透) この期に及んでも、自民党は地元利益を言っている。麻生氏のチラシに『筑豊インター来年度完成』なんて書いてあるんだ」。◇「坪井(ゆづる) あとは民主党批判ばかり。森元首相もチラシに、小沢チルドレンを『非正規社員や労働組合の事務員、キャバクラ嬢に至るまで、あまりにも国政をまかすには如何(いかが)かと思われる』なんて書いた(★★なぜ、地殻変動は起きたのか-総選挙、編集委員対談・asahi.com・09.08.26)

◇いまどき、おつむのほどを拝見と言いたくなる低劣な内容ではないか。

◇2番目は例の東国原問題でみそをつけた古賀誠関連。◇<★★古賀氏、選対本部長代理に 引責辞任したのに昇格・TOKYO Web・09.07.23>。◇これだけでは何のことやら分かるまい。前時代的で姑息(こそく)なからくりはこうだ。

◇「選対委員長は組織上、選対本部長(首相)、本部長代理(細田博之幹事長)の下に位置付けられている」。◇「首相は古賀氏の辞意が固かったことから辞任をいったん認めることで古賀氏のメンツを立て、同時に細田氏と同じ本部長代理に充てることで衆院選前に選挙実務の責任者不在という事態を回避した」。

◇3番目は、自民党のインテリ・与謝野馨財務・金融相

◇「記者会見では『民主党の怒濤(どとう)のような波が東京中を襲っている。今の勢いでいくと、国会があたかも一党独裁ということになりかねない』と危機感をあらわに」(★★閣僚たちにも大逆風・・・応援演説、漂う悲壮感・YOMIURI ONLINE・09.08.26)

◇すかさず鳩山由起夫民主党代表が「(前略)『自民党の与謝野財務大臣は”民主党がこんな勢いで勝ってしまうと独裁政治になってしまう”と批判されている。一体、3分の2(の再議決)を何度行使して、国民の声を無視してきた政権なんでしょうか。(後略)』」と切り返したのも当然といえる。

◇安倍・福田と2代にわたって「ボクもうヤダ、やめちゃう!」内閣を輩出した政党だけのことはある。◇要やユルユル。三角大福中時代ではまず考えられなかったような事態に陥っている。

◇今回のIFSA通信、長くなりすぎたからここらでそろそろと思っていたら、ありゃ、本論にふさわしすぎる!最新ニュースが飛び込んできた。

★★自民内で公然と「舛添総裁」待望論
反転のきっかけ狙う

asahi.com・09.08.26

 
◇「自民党内で早くも『舛添総裁』の声が出始めた。人気の舛添厚生労働相を前面に押し出し、自民劣勢が伝えられる総選挙で反転のきっかけをつかもうという思惑がにじむ。選挙期間中に、公然と『総裁交代論』が語られるのは異例の事態だ」。

◇詳しくは記事をご覧いただくとして、これじゃネ。◇21世紀の自民党って、時のうすっぺらな人気者にしかどうしても関心が向かないらしい。◇それをみっともないって思わないんだから、すっごい政党だ。

◇IFSA通信にて何度も書いてきたように、この舛添要一ほどトンデモない人間はいない。◇しかしお好きな方は多いらしい。◇日本人特有の<物事をはっきり言う・コンプレックス>の人々には相当受けるようで。

◇安倍晋三、麻生太郎といった<人気者>首相を体験した現在でさえ、まだまだ懲りておられないとみえる。◇ならばお好きにどうぞって。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年8月 9日 (日)

IFSA注目の<ベタ>記事=<コイズミ流タクシー規制緩和の破綻で国交省真っ青>ほか

★★タクシー増車抑制、新たに31地域指定
国交省、神奈川や愛知など
NIKKEI NET・2009.07.17

◇「国土交通省は17日、タクシーの増車や新規参入を抑制する『特定特別監視地域』に、神奈川県、愛知県、京都府などの31地域を新たに指定したと発表した」。◇「08年7月にも109地域を指定しており、これで特定特別監視地域は計140地域になった」。

◇本年ばかりか、2007年にはすでにこんな記事も。

★★タクシー参入厳格化 6地区で 仙台は新規禁止へ
asahi.com・07.11.20

◇「タクシー業界への新規参入や増車は02年、国による免許制から許可制になった。それをきっかけに首都圏や地方の中核都市で台数が急増。運転手の収入が減る一方で事故が増えていた」。◇そして2008年には・・・・・・・。

★★タクシー新規参入に歯止め
事前規制を復活、法改正へ
asahi.com・08.06.27

◇「タクシーは規制緩和で台数が急増。乗務員の収入減少や事故増加など、弊害が目立つとして『事後チェック』から再び『事前規制』に戻す」。

◇「タクシーは、かつて国が地域ごとの需給をみながら、増車台数を決めていた」。◇「規制緩和で02年2月、参入は免許制から許可制に、増車は認可制から届け出制になり、需給調整や事前審査は事実上なくなった」。

★★タクシー規制:再強化の動き、他分野に波及も
毎日jp.・08.07.03

◇「タクシーの供給過剰問題で国土交通省が3日示した規制強化案は、格差問題を背景に強まっている『規制緩和路線は見直すべきだ』という政府や与野党内の空気を反映したもので、今後、規制再強化の動きが他分野に波及する可能性もある」。

◇しかしマスコミも、以下のような自己保存本能の吐露というか自身への安全弁を忘れない。

◇「ただ、安易な規制強化は消費者にとってマイナスになったり官僚の権限拡大につながるとの意見も強く、規制強化が消費者メリットを損なわないかなどをチェックする仕組みが求められる」と。

◇日本社会というのはどうしてこうも<ゼロか百か>しか考えつかない思考回路を特徴としているのだろう。

◇しかし毎日新聞は、別の箇所での特集で「市場原理機能せず」として以下のようにも書いている。

★★クローズアップ2008:タクシー規制再強化
緩和、ひずみ生む
毎日jp.・08.07.05

◇「タクシー台数や参入は国が地域ごとに調整していたが、02年に大幅に規制緩和された。意欲と能力のある事業者の参入を促し、サービスを向上させる狙いだった」。◇「しかし、現実には台数の大幅増と運転手の待遇悪化など弊害ばかりが目立つ」。

「タクシーは、利用者がサービスの良い事業者を選ぶのが難しいという特徴がある。一方、運転手の賃金は歩合給が主流で、非効率な事業者でも賃金を下げれば利益を確保できる場合が多い。経営者がリスクを負わないため、自由競争を通じた淘汰(とうた)が起きない構造だ

◇毎日による素晴らしい考察というほかはない。◇そればかりか、「作業部会では『(規制緩和で期待された)市場原理は働かなかった』『規制は悪、規制緩和なら善という風潮はおかしい』などの指摘が相次いだ」というから時代は変わっている。

◇御用学者や御用評論家、おかかえの経営者たちでも、もはやこう認識せざるを得なくなったということだろう。

◇そして毎日新聞は最後にビシッと言う。◇「規制の是非に関する議論は、総論から各論に移りつつある。規制緩和や、強化の一辺倒ではなく、妥当な規制の水準、地域ごとの細かな対応など、丁寧な議論が求められている」と。

◇IFSAが拙著刊行以降ずっと主張してきたことが、ここでは率直に語られている。◇こんな当たり前の認識を得るまでに日本社会はほぼ10年を要したし、コイズミカイカクという名の<文化大革命>で壮大なるムダと犠牲、完膚なきまでの荒廃を強要されたのだった。

◇そういえばもう3年以上前の日刊ゲンダイ(電子版)・06.06.28にこんな記事が載っていたっけ。

◇「オリックス会長の宮内義彦(70)が執念をもって主張してきたのがタクシー台数の規制撤廃だ」。◇「96年当時、政府の行政改革委員会規制緩和小委員会座長だった宮内によって台数規制の緩和がスタート。02年には規制改革・民間開放推進会議議長として参入規制を完全撤廃させた」。◇「『利用客の需給バランスに任せればいい』という市場原理主義だ」

(以上、【平成の政商 オリックス宮内義彦の”改革”利権と人脈】タクシー台数の規制撤廃で業界は大混乱>より)

◇そして当の宮内は、政治の世界へもはや顔を出そうともしない。あれだけの出たがり人間が。なぜなのか。◇では話題をかえて以下へ。

★★「メール文化」に問題
カブドットコム不正取引調査委
asahi.com・09.07.28

◇「ネット証券のカブドットコム証券の元社員によるインサイダー取引事件で、弁護士でつくる同社の外部調査委員会が、社長の『独断専行型の経営』や『過剰な情報共有思想』電子メールに頼る社内の『メール文化』が背景にあったとする報告書をまとめた」。

◇「報告書は、知らせるべきでない重要情報を、斎藤正勝社長が全社員にメールで知らせたことが事件のきっかけになったと指摘」。

◇引用部分だけでなく全体としても非常に短い記事なるも、ここからは現代日本社会のいろいろなことが見えてきて実に興味深い。◇背景にはまず、この社長の<独裁>と恐怖政治がありそうに思えるが、ここではそれは問わない。

◇IFSAが関心を持つのは、「過剰な情報共有思想」や電子メール頼りの「メール文化」のほうだ。◇IFSAがまだ企業にいて総務人事部長をしていたころ、なぜかいちツールでしかない社内LANの登場に心躍らせ、「阿部クン、これからはフラットな組織だよ、文鎮型の」と息巻くトップがいた。

◇思わず苦笑してしまったものの、彼の言わんとするのはこういうことだった。◇従来のピラミッド型組織ほど効率の悪いものはない、だがこの電子ツールを駆使さえすれば、係長-課長-部長-本部長-社長といった経路で流れる非効率かつスクリーニングされた情報が、極端にいえば<いち社員→社長>だって可能になる。

◇ピラミッドはもう古い!もう無用!だから解体をというわけだ。◇何をおっしゃるうさぎさん、ピラミッドを無視した企業組織なんて成り立つわけがないと反論しても、こちらは守旧派と見なされ相手にもされない。

◇そこで思い出すのがあのコイズミカイカク。◇<官の独占と規制とが社会の活力を削(そ)いでいる>→<だから規制の大半は廃し、官から民へと権限を委譲する>→ <そうすれば予定調和のように、社会&経済もスムーズに動き始める>ときたもんだ。

◇この伝からすれば、カブドットコムの斎藤とかいう社長、おそらくは以下のように勘違いしたことだろう。

◇(1)オレの方法論は時代の最先端をいっている。(2)メールでの一斉指示や一斉情報公開によって、カイカクのすさまじさと自身の威力を全社的に見せつけてやる。(3)これからの仕事はこういう具合にやるんだと。ついてこれないヤツはさっさと辞めていけ。

◇コイズミにしろこの手の経営者にしろ、<底が浅いほど罪なことはない>を端的に教えてくれるではないか。

★★株主が激怒!!日産ゴーン報酬「高すぎる」
ZAKZAK・09.06.23

◇「日産自動車は23日、横浜市内で株主総会を開き、カルロス・ゴーン社長が『連結決算が赤字となった結果、配当を見送らせていただいたことを心よりおわび申し上げる』と株主に謝罪した」が、「2008年度に取締役10人に総額25億8100万円の報酬が支払われた」という。

◇コイズミカイカク絶賛のご時世にあってはこうしたゴーン流も大人気で、働くならこのくらいの役員報酬は当然、日本では経営者と社員の所得格差が小さすぎると盛んに言われたのは記憶に新しいところだろう。

◇そのメッキが、昨今はボロボロとはげてきている。◇そう、日本はようやく健全化社会へと小さな歩を進め始めたからだ。◇かつてゴーン本を買い求め感激した人たちは、これを投げ捨てることなくもう一度読み返す必要がある。◇日本人の苦手な弁証法を習得するためにも。

《IFSA好みの欄外あるいは論外記事》

★★公園に勝手に自分の銅像!
元福井県議「功績知ってほしかった」
MSN産経ニュース・09.06.25


◇「福井県あわら市の公園『トリムパークかなづ』の敷地内に、県議会議長も務めた元県議、中島弥昌氏(84)が県の許可を得ず、勝手に自分の銅像の建設工事を進めていたことが25日、分かった」。

◇「中島氏は『公園は自分が尽力してできたので利用者に私の功績を知ってほしかった。銅像はあきらめるが、公園近くに土地を買って石碑を建てたい』と話している」。

◇<功績への自己評価銅像>の発想が共同体的で何ともユーモラス。◇でも場所が公立の公園じゃ、やっぱまずいんじゃないの。(敬称略)

★★[IFSA]★★Michio Abe

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2009年7月25日 (土)

IFSAの再フォロー=東国原問題。県議会もようやく問題視。だがどこまで持続するやら

◇当IFSA通信は2009.07.19【IFSAのフォロー=そのまんま居座り・東国原知事を放逐しなくていい?県議会と県民は】をアップロードした。◇当該の本文はリンクからお読みいただくとして、その5日後、asahi.comがこう伝えたので、今回は簡単なフォロー形式にて紹介する。

★★東国原知事、県議が糾弾
「辞職を」「有権者ぼうとく」
asahi.com・09.07.24

◇「宮崎県議会の全員協議会に出席」した東国原英夫知事は平身低頭のおわびモード一色だったらしいが、「(前略)県議からは『有権者を冒涜(ぼうとく)した』『職を辞して県民の信を問うべきだ』などと厳しい意見が相次いだ」。

◇ただ、それよりも興味深いのは以下の部分だ。

◇「出馬せずに県政にとどまった場合に『来年2月の予算を編成したら仕事は終わり。残りの任期はぷらーっと過ごす』などと述べたものの、批判が集まると『支持者にぷらーっと休んだらと言われたから』『言葉足らずだった』と弁明していた」。

◇「ぷらーっと過ごす」の名言は上記IFSA通信でもすでに取り上げたものの、「支持者にぷらーっと休んだらと言われたから」までは知らなかった。◇この意想外な理由を平然と持ち出す(無)神経と(無)知性。やはり宮崎県民は、<イロハからして論外な恥ずべき知事>を擁立していることになる。

◇さらにはもっとすごい発言というか発想まで。◇「田口雄二議員(民主)は、県民フォーラムで『次の知事は(私の)傀儡(かいらい)政権』とした発言について、『知事は県民が選ぶものだ』とくぎを刺した」。

◇悠長にくぎなんか刺している場合じゃないだろうって!

◇まあこうした<糾弾>も、今後数回のガス抜きで終息?◇IFSAのこの観測を何とか裏切ってもらいたいものだが。(敬称略)

★★[IFSA]★★Michio Abe

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IFSAが前から書いてきた石原都知事の都政ぶん投げ疑い。マスコミもようやく本格的に

◇オリンピックの東京誘致に失敗すれば、おそらく石原慎太郎東京都知事は<政権>をぶん投げるのではないか、「責任をとる」などのもっともらしい理由をつけて、とIFSAは書いたことがある。◇そうすれば新銀行東京問題からもするりと逃げおおせることだし。

◇その後に都議選での自民党の惨敗が。◇こりゃさすがに石原へのダメージ大と見たか、「サンデー毎日」(2009.08.02)<石原慎太郎知事「宴のあと」に耐えきれず「10月辞任説」>を筆頭に、マスコミがいろいろなところでぶん投げ説を唱え始めた。

◇「サンデー毎日」の記事は広告で見ただけで中身までは目にしていないから詳細は不明だが、おおよその見当はつく。◇IFSAもまた、都議選の結果がぶん投げをさらに後押しという点では考えを同じくする。

◇それにしても、都議選の結果を受けての石原談話はひどかった。◇テレビで見て記憶されている方も多かろう。

★★都議選:石原知事「大迷惑な結果」
毎日jp.・09.07.13

◇「東京都の石原慎太郎知事は13日、都議選で自民・公明両党が過半数を割り込む結果となったことについて、『大迷惑な結果だ。政府が作った人心の離反のツケを、東京が払わされた』と、報道陣に感想を語った」。

◇「『石原都政への不支持とは受け止めないか』との質問には、『ちょっと違うんじゃないですかね』と否定」。

★★「異常だ、浅薄な選挙」都議選に石原知事不満
YOMIURI ONLINE・09.07.13

◇石原は自民+公明で「(前略)過半数を割ったことについて『国の総選挙の前相撲にされてしまった。東京にとっては大変迷惑な結果』と不満をあらわにした」。

◇麻生太郎首相以下、国政レベルにおける自民党の体たらくがこんな事態を招いた、と懸命になってアピールしている。都政に瑕疵(かし)はないのにと。◇しかし都民ならその多くが感じているように、とんでも新銀行問題や築地市場の強引な移転はけっして選挙の小さなファクターではなかった。

◇自民党のみじめな都議選敗北は、国政半分・都政半分といったところだろうか。◇それに、いままでマゾヒスティックだった都民も、石原の<ハイパー上から目線>にようやく嫌悪感を抱き始めたといえる。◇エラそうな態度は麻生首相の比ではないのだから。

◇プライドだけは人一倍強く、いつもまわりからチヤホヤされていなけりゃ気の済まない性格の石原だから、大半が与党化していた従来の都議会操縦ほど気持ちのいいものはなかった。

◇ゆえに帝王は平然と勘違う。◇「『いったい都政のどこに問題があるのか!』」と(後述の毎日新聞夕刊・09.07.17)

◇それが今回の逆転劇だ。しかも民主党は、昔の石原与党的都議会民主党ではない。◇ことごとくつっかかってくるのは火を見るよりも明らか。◇そこへ石原がアタマを下げてなど、想定すら難しい。◇だから早速以下のような記事があらわれる。

★★都議選 石原知事、議会の重圧 新銀行、築地移転
・・・迫られる政策転換
MSN産経ニュース・09.07.13


◇「東京都議会で、石原慎太郎都知事を支えてきた『与党』自民、公明が過半数割れし、民主が第一党に躍進した」。◇「石原知事の残り任期2年の都政運営に影響が及ぶのは必至だ」。◇「新銀行東京の再建問題や築地市場移転などの重点課題が政策転換を求められる可能性が強まった」。

★★東京五輪招致:民主躍進で計画見直し不可避か
毎日jp.・09.07.14

◇「東京都議選で16年夏季五輪の東京招致に『条件付き賛成』の民主党が第1党に躍進したことで、東京の開催計画も変更を迫られる可能性が出てきた」。

◇「また次期衆院選の結果次第では、立候補ファイルに盛り込まれた政府の『財政保証』を巡って、議論が再燃する可能性もある」。◇民主党の反対で「政府の財政保証を明確にした形で国会の招致決議」がなされていないから。◇そしてついには以下のような観測まで。

★★「石原知事の気力心配」 都庁、重苦しい雰囲気
TOKYO Web(共同)・09.07.13

◇「民主が初の第1党に躍進し、自民と公明で過半数を割った東京都議選から一夜明けた13日、都庁は重苦しい雰囲気に包まれた」。◇「幹部の間では『自公に頼ってきた石原慎太郎知事の気力が持つのか』と去就を心配する声まで飛び交った」。

◇都の局長幹部はこう言っているという。◇「『築地移転は完全に凍結だろう』(後略)」。◇「『知事はもう政権末期。登庁日も嫌気が差して減るのでは』」。◇正確には登庁日が「いまよりさらに減るのでは」というべきところだろうが。

◇「別の局長級幹部は7選を目指した自民都連幹事長の内田茂氏が落選した影響を指摘」。◇「『内田さんは”ミスター都議会”。内田さんが自民の会派や公明をまとめ、知事を支えてきた。内田さんという後ろ盾がなくなれば、知事は政策推進の突破力を失う。3期目の半ばを過ぎ、気力が続くかどうか』と話す」。

◇石原都知事の傲岸(ごうがん)不遜ぶりを堪能したければ、TOKYO MXテレビの金曜日「石原知事定例会見中継」に接するのがいちばん。◇いったい何様なのかと思わないほうが不思議といった光景が展開される。

◇しかしこの皇帝ぶりも、上記<多数派(自民+公明)+内田都連幹事長のような仕切り屋>あってのこと。◇ふんぞり返っているだけで、自分からコツコツ仕事をするタイプでない石原には、都議選以降の状況はつらい。

◇しかも、何だかだいっても勝ち馬にしか乗らない習性が身についてしまっている。◇いくら過激に批判してみせても、最後は権力のほうへというパーソナリティーが備わっている。◇対コイズミでもきまってそうだったとIFSAは記憶する。

◇本当は前回の都知事選でも石原への批判はくすぶっていた。遠慮がちなマスコミも、相当に突っついてはいた。◇だから今回、マグマのようにたまった不満が一気にといった側面もある。

◇オリンピック落っこちだけでも<ぶん投げる>だろうとと見ていたIFSA。それに都議選の惨敗が加われば。◇ぶん投げ説がますますリアリティーを帯びつつあると誰しも感じたとて不思議はあるまい。

◇都の幹部が言っているという石原の「気力が続くかどうか」などより、<頭(ず)を低くして&泥をかぶってにどこまで耐えられるか>がポイントになる。◇まあそれははなからムリだろう。◇首相経験者までをもクン呼ばわりする、おれがオレがの御仁には。

◇「佐野さん(ノンフィクション作家の佐野真一)は言った。『もう知事としてはズタズタでしょう。私は投げ出すんじゃないかと思ってますけどね。知事のイスより、新喜楽(芥川賞選考委員会が開かれる築地の老舗料亭-筆者註)の座布団のほうが断然、居心地はいいはず(後略)』」。(註)

(註)★★石原家の夏 慎太郎知事は今何を思う--
   近づく「太陽」の終演? 毎日新聞夕刊・09.07.17

(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

(追伸)=09.07.24に同文のものをアップロードしましたが、タイトルから<IFSA>の<I>が抜けるというミスがありましたのでいったん削除し、あらためて本日(09.07.25)アップします。内容自体はまったく同一で変更はありません。

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2009年7月19日 (日)

IFSAのフォロー=そのまんま居座り・東国原知事を放逐しなくていい?県議会と県民は

◇当IFSA通信ではここ何回か東国原英夫宮崎県知事を取り上げたが、IFSAの関心はもともと東国原本人にはない。◇あの泡沫候補同然だった人物をここまで押し上げ&持ち上げ、揚げ句は宮崎なんてもう用なしとばかり三流タレントから舌を出される羽目に陥った宮崎県民の共同幻想というか集合表象のほうにこそ、IFSAの主テーマはあるからだ。

◇ただ、これを宮崎県にかぎるのは不公平というもの。◇顧みればもう20年ほど、日本社会は津々浦々<テレビ政治>なる魔手に染まりきってきたわけで(=その白眉はコイズミ劇場)、昨今の<そのまんま東・赤っ恥劇場>など象徴的出来事にすぎない。

◇ところで、先日のIFSA通信・【東国原知事の<赤っ恥劇場>をそのまんまフォローしてみるのも意味なきことではない】(2009.07.16)執筆時には不覚にも見落としていた東国原の重大発言?があらわれたので、まずは紹介するとしよう。

★★東国原知事:転身断念
初々しさが「変貌」 しらける県民
毎日jp.(09.07.15)

◇「発言はエスカレートし、知事から飛び出した『”出るな”と言うなら(残りの任期は)ふらーっとさせてもらうなどの言葉は、知事を今まで支えてきた人たちをしらけさせている」。

◇また、毎日jp.の宮崎版にはこんな記事も見られる。

★★だれやみ日記:県民はお人よしか?
毎日jp.宮崎版・09.07.05

◇「(前略)『知事でいるのは楽』『来年2月の予算編成で知事の仕事は事実上終わり』『出馬しなければ知事の残り任期をフラーっとさせてもらう』などの知事発言(後略)」。◇そして毎日新聞の宮崎支局長はつづける。

◇「知事自身は『国政で頑張れという声が、周囲では大勢だ』と言うが、逆に私の周囲の方は怒りと落胆の声が渦巻いている」。◇「声のバランスは取りたいが、実は知事に好意的な声を拾う方が難しい」。

◇これを聞いてIFSAも少しは安心した。◇知事なんて県産品と観光の<宣伝媒体>で事足れりといった短期的商業主義に、これで少しは<矜持(きょうじ)が勝る>の端緒が開け始めてきたようにもみえるから。

◇しかし実質的に自民党からけられてもなお、東国原は<そのまんま勘違い>を解消させることはなかった。◇いや、彼はおそらく強がりを言っているのではなく、本当に分かっていないのだろう。以下の発言がそれを強く示唆する。

★★東国原知事:次期衆院選への立候補を断念
記者会見し発表
毎日jp.・09.07.16

◇「知事は、(中略)古賀誠・選対委員長から『(マニフェスト盛り込みの要望を-筆者註)100%のむことは厳しい』との趣旨の書簡を受け取ったといい、『自民党からの出馬はお受けできなくなったと述べた」。◇お~お!

◇また「知事は、国政に転身しない場合は残り任期を『ふらーっとして過ごす』と発言したことなどについて『誤解を招く言動をおわびしたい』と陳謝」。◇「今後も知事を続ける考えを明らかにして『県政の発展に全身全霊を傾ける』などと語った」。◇小松政夫のシラケ鳥!

◇また同じ毎日jp.<★★東国原知事:「自民党からの出馬はお受けできない」 会見の主な一問一答>(09.07.16)で、以下のような一問一答を伝える。

◇「Q:知事の国政転出を巡る騒動は2回目。県民の間に生まれている不信感の払しょくに自信はあるか」。◇「A:今回は宮崎県の存在価値、立ち位置を得るために動いた。そのことを理解していただけるよう、場所場所で説明したい」。

◇そうなんですって、宮崎県民の皆さん。◇そんなんでいいんでしょうか。

◇ただ、MSN産経ニュースはこう報じている(★★東国原知事の”国政”騒動に県民うんざり)

◇「宮崎県の東国原英夫知事が衆院選不出馬を表明した16日、国政転身騒動にうんざりした様子の県民は『責任を取って辞職すべきだ』などと厳しく批判した」。◇「中堅の男性職員(56)は、東国原氏が国政転身の意欲を失っていないとの見方を示し、『職員のモチベーションは下がり、知事の求心力も低下しているのが実情だ』と指摘」。

◇県外のIFSAがお節介を言うのも何だが、この際、県議会は<知事不信任決議>をぶちかますくらいの膂力(りょりょく)を示したらどうか。◇ここまでなめられきってなお、東国原氏が生み出す宮崎県版GDPにおすがりするではサマにならないであろう、プライドからして。

◇自身の選挙があぶないから何とかテレビ宣伝をという古賀誠・自民党選対委員長の自己戦術と東国原の野望が遭遇しての<赤っ恥劇場>。◇どうやら両氏とも、動機が不純で成功には恵まれなかった。

★★自民・古賀氏、「弟子」と対決 福岡7区
asahi.com・09.07.19

◇「宮崎県知事の東国原英夫(51)の擁立騒動や、都議選惨敗の責任をとる--。古賀は引き続き党内で選挙戦の司令塔役を果たす考えを示したうえで、『けじめ』を強調した」。◇「しかし、地元では、身内の自民県議からこんな声が上がった。『自分の選挙が危ないからだろう』」。

◇テレビにのせられまくる<何とか劇場>はもういいかげんにというのが今回の教訓。◇皆さんとうにお忘れかもしれないが、あの麻生太郎首相だってはじめは<アキハバラのオタクの皆さん>で一世を風靡し、内閣支持率48%(asahi.com・08.09.25)を記録していたから驚く。

◇ゆえに世間知らずの福田康夫前首相が勘違ってローゼン麻生閣下を指名した。◇それがいまや自党の議員からこう揶揄(やゆ)されるまでに。

◇「ある中堅議員は、麻生首相を宇野元首相にダブらせ、『おそらく(衆院選の-筆者註)応援要請は一つもない。ただ、第一声は党本部ではなく、ホームグラウンドのアキバ(秋葉原)だろう』と皮肉っている」(★★お声かかるか『麻生節遊説』要請、いまだゼロ 小泉さん70回超、あの宇野さんは2回・TOKYO Web・09.07.19)

◇物事の本質は東国原や麻生自身にはない。それどころか国民・県民の側に。◇上記の事実からもそれは明らかであろう。

◇ところで当ブログのアップ寸前、asahi.com(09.07.19)の最新記事に出会った。◇これがまたまたびっくり。やはり東国原はぶっ飛んでいた。

★★東国原知事「国会議員は半分でいい」 苫小牧で講演
asahi.com・09.07.19・17:56

◇「衆院選立候補断念に関しては『(国と地方の)二重行政をなくそうと強硬な手段に出たが、一石を投じて自民党、民主党にマニフェストを出して頂いた」。◇「政治、行政の最大の敵は有権者の無関心ですから。各地の選挙の投票率が10ポイント、20ポイント、軒並み上がっているのはいい傾向』と自らの行動の意義を強調」。

◇恐れ入谷の鬼子母神(きしもじん)とはこのことだろう。◇それにしてもまだ、宮崎から遠く離れた北海道で遊んでいる(いや、稼いでいる)のか、この男は。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年7月16日 (木)

東国原知事の<赤っ恥劇場>をそのまんまフォローしてみるのも意味なきことではない

◇ここのところ何回か、東国原英夫宮崎県知事橋下徹大阪府知事の動向を取り上げた。◇ご存じのように、単純なばかりでさっぱり政治的ヒネリのない東国原は早々にダウン。◇片や橋下は真意を巧妙に隠しつつ、大義名分で立ち回っている。◇しかしそれもいずれ・・・。

◇さて今回はそのまんま東氏のその後について。◇しかし、ぶざまな結果に陥るのが分かりきっていたものを、ホラ見ろとあげつらうほどIFSAはヒマじゃないから、各新聞の電子版から事実経緯を淡々とピックアップし、まずは<愚かさプロセス>の見本市を作ってみたい。

◇<今回の件も結局は国民の問題>といった視点から。

◇地鶏をはじめとした宮崎県特産品&観光のトップセールス(+)在京テレビへの出まくり。◇それを知事の仕事と心得てずっとやってきた東国原自身が、もうそろそろこの手法も先が見えてきたナ、オレほどのものが宮崎ごときにとどまっては、ならば余勢を駆って宿願のお江戸(=国政)へ!と考えたとて不思議はない。

◇それをベースにそのまんま劇場は始まった。◇第一幕は、ご存じ古賀誠・自民党選対委員長(=古賀のために福田康夫前首相が新設した4番目の党役)がわざわざ宮崎県庁を訪れたシーンから。

◇「『私を総裁候補として戦う覚悟はあるのか』。宮崎県の東国原英夫知事は23日、次期衆院選への出馬を要請した自民党の古賀誠選対委員長に、破天荒な要求を突きつけた」(★★衆院選:しゃれ?本気?「私を総裁候補に」 東国原知事が自民・古賀選対委員長の出馬要請に 地元は困惑・毎日jp.2009.06.24)

◇「東国原知事はこのほか、国と地方の税源配分を5対5にするなどの全国知事会の要望を次期衆院選の党政権公約(マニフェスト)に盛り込むよう逆提案。古賀氏は明確な回答をしなかったという」(★★「ガケっ縁」自民、知事頼み 出馬打診に東国原氏「総裁候補なら」・毎日jp.・同上)

◇その1週間後も新聞には、<★★東国原知事まだ国政転身模索 「自民が2条件飲めば」・asahi.com・09.07.02>のタイトルが躍るが、自民党内はもちろん、国民の間でもどっちらけというか冷笑の雰囲気が漂いはじめ、ならば東国原のトンチンカン劇を高みから見てやろう!へと一気に傾く。

◇この流れを若干意外に感じる東国原ではあるものの、慢心からくる勘違いが邪魔をし、いまだ夢からさめない。◇<★★東国原・宮崎県知事:ハードル下げる? 分権提言の採用「90、89%でいい」・毎日jp.・09.07.03>な~んちゃってサ。◇いやそれどころか、勘違いはさらにエスカレート。

◇摂津青年会議所主催の講演会ではこう述べたというからぶったまげる(★★東国原知事が講演 条件のめば自民は衆院勝利、強調・asahi.com・09.07.05)

◇「『国政を変えるには、政府・与党が体質を改善するのが近道』と指摘。『自民党が変わったという証拠を示すのに、東国原さんは能力がある、国を変える情熱が旺盛なので受け入れるとなれば、歴史を変えることになる』と述べ、自分を総裁候補とするとの条件を自民党が受け入れれば、支持率が低迷する同党が衆院選で勝利すると強調した」。

◇ところが09.07.09、新聞はいっせいに<東国原、弱気に>と報道。◇<★★東国原知事:国政転身一転弱気に 「予想以上の逆風だ」・毎日jp.・09.07.09>にはこんなことまで書かれてあった。

◇「知事はまた、『自分は(地方分権を求めて)国にけんかを売った。これが負け戦になって補助金の削減などで仕返しをされるかもしれない。県民サービスが低下すれば私の責任だ』と自らの責任論にも言及した」。◇ビール片手のわれわれ聴衆も思わずずっこけるとはこのことだろう。

◇また、MSN産経ニュース・09.07.09にはこうある。◇「現状を『県民がすんなり快く送り出してくれることはなく、自民党内外も逆風が強い』と指摘」(★★「予想以上に逆風」衆院選出馬問題で東国原知事)

◇さらには、自民党の総裁になろうという人間が以下のようなしっちゃかめっちゃかな発言までするというのだからすっごい(★★「逆風だ」と一転弱気に・・・東国原、結局は不出馬!? ・ZAKZAK・09.07.10)

◇「さらに、自民党が出馬条件をのまず、逆に民主党がマニフェストに知事会の要望を丸飲みした場合、『(民主から)選挙には出ないが、選挙応援はしないといけない。頑張れ、と応援する』と語り、民主党にも秋波を送った」。

◇ここまでくるともう止まらない。◇今度は、霞が関の官僚がオレをつぶしにかかっているとのたまう。◇衰えたとはいえまだまだ優秀な日本の官僚は、そのまんまなんか粉砕の対象にすらしていないというのに。

◇「(前略)『”東国原をつぶせ”というのをすごく感じる。これが霞が関の抵抗。私は吹き飛ばされてしまうと思う』と吐露」(★★「県民の意思もある・・・」 東国原知事が”弱気”発言・ZAKZAK・09.07.11)

◇ところで、<被害者意識>の反対語は何というのだろう。◇東国原の場合はまさにそれだ。◇そしてラストは<★★東国原知事、弱気に? たけし氏「宮崎に帰れ」と一喝・asahi.com・09.07.12>というからしまらない。◇首相にならんという人材がたけしから<一喝>でシュンだってか。

◇そして09.07.12、あの東京都議選・自民党惨敗が決定打となった。◇コトの真偽は別にして、古賀誠=東国原英夫のショボイ<そのまんま劇場>が敗因のひとつとまで酷評されるにおよび。

◇その結果、「自民党幹部は13日、衆院選の日程が決まったことを受け東国原知事に電話で『明日、明後日までに(態度を)決めてほしい』と早期決断を促した」(★★東国原知事:衆院選立候補は「非常に厳しい状況」・毎日jp.・09.07.14)と、見事なまで立場は逆転と相成ったのだ。

◇そしてお相手の古賀誠はヤバイと見るや辞任を表明し、党四役からさっさととんずら。◇そのまんま氏には交渉相手もいなくなってしまった。◇そのまんま宮崎県知事でもやって!とするか。こうなりゃ迷惑なのは県民のほうだろう。

◇県民ももっと怒ったらどうでしょう。バカにするなって。

◇各紙は追い打ちをかけるように、<★★全国知事会:東国原知事は孤立 政党支持採用されず・毎日jp.・09.07.15>とか<★★東国原しょぼ~ん・・・出馬消え、知事会では無視され 古賀、選対委員長の辞意表明・ZAKZAK・09.07.15>

◇希代の名優・コイズミにだまされた大方の国民には、まだ理解の余地が多少はあったにせよ、この三流タレントにまでコロッとやられる一部の宮崎県民と国民、いったいどうなっているんだろう。

◇そもそもIFSAは、観光バスで宮崎県庁へ乗りつけるような人たちの気がしれない。◇今回の件ではじめてあれっ?と気づくようじゃ。

◇自民党次期総裁に舛添要一小池百合子、それに石原伸晃。本質的には上記とかわらない。◇もうそろそろこの手のこと(=テレビ画面による幻惑)は何とかしてちょうだいと思う今日このごろなのであります。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年7月12日 (日)

IFSAのフォロー=橋下知事をヨイショしまくる民主党。みっともないったらありゃしない

◇前回のIFSA通信は【IFSAの<笑止千万>=橋下&東国原知事の魂胆はミエミエ。何が地方分権だって!】(2009.07.06)だった。◇何が絶対善的<地方分権>だ、冗談じゃないの視点から東国原宮崎県知事と橋下徹大阪府知事の動きを批判したが、今回はそのフォローも兼ね、橋下の怪しさに触れていこう。

◇まず前提として、橋下は石原慎太郎をも上回るゴリゴリの超右派というのがIFSAの認識。◇自民党内のハイパー保守イデオローグにあってすらその最先端に位置するというくせに、<民主党も視野>にとはよく言うものだ前回指摘しておいた。

◇だいいち、府知事選では自民・公明に推されて当選している。しかも当時、例の<悪人顔>(東国原談)の古賀誠・自民党選挙対策委員長(=自民党4役)の根回しを受けて。◇それなのになぜ、政党を選択するといったミエミエのパフォーマンスを。◇そう、そこには東国原なんぞとは大違いの周到な計算がある。

◇思惑の第1は、引っ張るだけ引っ張って自身のプレゼンテーションを極大化しようとの狙い。◇それに比例してテレビへの露出度がアップする。◇このようにいろいろブラフをかけてはみても、最終の標的が自民党であるのはいうまでもない。

◇ただこの一見賢そうな政治ゲーム、読み誤れば収拾のつかない事態を招くはずとIFSAは見る。◇策士を自認する橋下も、どうやらそこまでは気づいていない風情アリアリだから、行く末が楽しみではある。

◇ポイントの第2は、橋下自身、民主党本流とはまったく相いれない思考回路の持ち主でありながら、民主が政権を取った場合にはかなりやばい、リスクヘッジしておかなければの、彼特有の計算高さを見逃してはならないという点。

◇そのユレが今回の、民主党に会ったり、公明党に会ったり、最後は古賀に会ったりの行動によくあらわれている。◇最後の古賀との会談では、あの傍若無人の橋下が小さくなっていたっけ。

◇古賀から「じゃあ、握手しよう」なんて見下した感じでいわれ、テレビカメラの前で「へ・へぇ~」ってんだからしまらない。

◇日ごろは猫なで声を出すコワモテ<悪人顔>の古賀親分、今回は本領を発揮し、一歩前へ出たカメラマンに「オマエ、はみ出しちゃダメだよ」とすごんでみせた。◇小心者の橋下としては、この選挙の恩人にはやはり相当にびびりまくることだろう。

◇それにしても、マスコミに対しての<オマエ>。◇「~がだな-」の福田赳夫にて終わったと見られていた政治家コトバが21世紀にもすんなり出てくるのだから、古賀のアナクロぶりはすっごい。

◇一方、こんな橋下など鼻にもかけない民主党!とはいかないところがこれまた情けない。◇鳩山由紀夫代表が 「非常に民主党に近い」とハレンチにも橋下へ秋波を送ったは前回のブログで紹介済みだが、以下の記事に出会うと、ある意味なるほどと納得させらる。

◇前原グループだけでなく、民主党にはこの手のトンデモ人間が相当いるものだから。

★★鳩山代表、橋下知事に秋波
「非常に民主党に近い」
asahi.com・09.07.08(A)
★★自公、民主、渡辺喜・・・橋下争奪バトル三つどもえ
ZAKZAK・09.07.09(B)
★★橋下知事、各党が「奪い合い」
本人は民主評価も、思いは自公寄り?
MSN産経ニュース・09.07.08(C)

◇「橋下徹・大阪府知事が8日、民主党本部を訪問し、同党の原口一博『次の内閣』総務相と意見交換した」。◇「橋下知事は同党の政権公約で国と地方の政策協議について地方に拒否権などを認めるよう要望。原口氏は前向きな検討を約束し、『人気知事』への配慮をにじませた」(A)。

◇「原口氏は会談後、記者団に『涙が出るくらい感激した。真剣に考えて具体的に提案し、戦略的にやっている』と激賞」(A)。

◇「総選挙での『政党支持』を宣言している橋下徹・大阪府知事の争奪バトルが過熱している」。◇「自民、公明両党はもちろん、政権交代を目指す民主党や渡辺喜美元行革担当相らの『第3極』も参戦する三つどもえの展開となっているのだ」(B)。

◇「『地方での”改革の旗手”と協働し、地域主権を実現したい。涙が出るほど感動した』 民主党の原口一博”次の内閣”総務相は8日、橋下知事との会談後、地方分権に対する橋下知事の考え方をこう絶賛」(B)。

◇「橋下氏は会合前、民主党の原口一博『次の内閣』総務担当とも会談した」。◇「原口氏が、『党本部に来てくれて大感激だ』と歓迎すると、橋下氏は『民主党の地方分権の方向性に異論はない』と応じた」(C)。

◇「ただ、原口氏が『税制改正の作業を一緒にやりたい。よろしくお願いします』と”秋波”を送ると『ええ。けど、”はい”と言うとえらいことにるので・・・』とかわした」。◇「(前略)橋下氏をめぐる各党のせめぎ合いは今後も続きそうだ」(C)。

◇この原口、テレビではこんなことも言っていた。◇橋下を評し、「改革の同志としての魂を感じた」(大意)と。◇東国原=古賀、橋下=原口、<笑止千万>という点ではパラレルだろう。

◇話は飛躍するようだが、神奈川県の松沢知事も埼玉県の上田知事も、もとはといえば民主党の国会議員。◇その彼ら、かつて以下のような行動に出たことがあった。

★★石原氏に今夜出馬要請
(全国知事会の-筆者註)会長選で7知事
Chunichi Web Press・05.02.08

◇「神奈川県の松沢成文知事と埼玉県の上田清司知事は、三位一体改革の推進に向け『地方の顔となる存在』として、勝手連を名乗って石原知事支持を表明。各知事に賛同を募っていた」。◇あのゴーマン石原慎太郎が<地方の顔>ってか?どこが。

◇またこの3人は、相互に選挙応援をする仲でもある。◇だから、民主党の中に橋下の思想を支持する人間がいても不思議はない。西村眞悟のような人間まで在籍していた政党なのだから。

◇ただ民主党のマジョリティーが橋下のイデオロギーを受け入れる、それはまずないであろう。◇だって、軽薄な原口一博が狙うように、橋下を引き込んで総選挙の応援をさせる、そうした橋下によるジャックの結果、彼は持論の改憲や核武装論をぶつ・・・・・・・。◇この事態を想定できない民主党って?!

★★「核武装発言は私人としての発言」
橋下知事と民主が大激論
MSN産経ニュース・08.03.06

◇「橋下知事が(就任に2日目の府議会で-筆者註)感情をあらわにしたのは、過去にテレビで核武装発言をしたことについて問われたとき」。◇「『私人としての立場での発言。府知事として公人についた以上は一切、そのような主張をすることはありませんし、とることもできません』と答弁した」。

◇「『立場の問題ではない。真意を聞いている』と切り返され、『私は大阪府知事で、24時間365日公人であり、私人としてのコメントは一切、申し上げません』と語気を強めた」。◇何じゃこりゃ、形式論理にすらなっていない。かつて<2万%出馬はしない>と言いながら、の実績を持つだけのことはある。

◇それから、お得意の徴兵制はどうなるんでしょうかネ。◇大阪府の民主党が本質論で橋下を追及し、本部の原口がヨイショしまくり。◇これは笑える。

◇政界再編まで視野に入れた橋下は、こんな調子だから、土壇場の<計算>でどう動くか分からない要素を多少は秘めている。民主党を踏み台に利用できると見極めれば。◇しかし、政治ど素人の悲しさはついて回るだろう、どの局面においても。自縄自縛状態として。

◇それはともかく、古賀自民党を冷笑できない民主党がここにはある。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年7月 6日 (月)

IFSAの<笑止千万>=橋下&東国原知事の魂胆はミエミエ。何が地方分権だって!

◇そのまんま東こと、東国原英夫宮崎県知事の<勘違い本気発言>には、さすがのお人よし日本国民もくちあんぐりといったところであろう。

★★選挙:衆院選 「ガケっ縁」自民、知事頼み
出馬打診に東国原氏「総裁候補なら」
毎日jp.2009.06.24

「内閣支持率の急落にあえぐ自民党が、次期衆院選対策で、地方の人気知事との連携に動き出した」。◇「自民党の古賀誠選対委員長は23日、宮崎県庁を訪ね、東国原知事と会談し、衆院選に党公認候補として立候補するよう要請した」。

◇「これに対し、東国原知事は『私を次の自民党総裁候補として、衆院選を戦うお覚悟があるのか』などと、逆に条件を突きつけ、結論は出なかった」。

◇東国原が自民党へぶつけた衆院選出馬の条件は、上記「オレを自民党総裁候補にしろ」(+)「地方分権への全国知事会要望を100%マニフェストへ盛り込め」。◇前者は<そのまんま東>によるそのまんま本気。そして後者の地方分権うんぬんは、これぞ便利と引っ張り出したキレイゴト・ワンフレーズとIFSAは見る。

★★東国原・宮崎県知事:ハードル下げる?
分権提言の採用「90、80%でいい」
毎日jp.・09.07.03

◇「衆院選出馬に意欲を示している宮崎県の東国原英夫知事は2日、出馬条件として自民党に地方分権改革案受け入れを求めていることについて『100%とは言いません。90、80%ぐらい』と述べた」。

◇「これまで『一言一句漏らさず』としていた条件を自ら引き下げた形で、『国政転身ありきの安売りか』と冷めた見方も出ている」。

◇ビートたけしのお兄さん、北野大・明治大学教授がテレビでまっとうに述べた「東国原さんのことは弟との関係でよく知っているが、いったい何を勘違いしているんですかね」(大意)の宮崎県知事殿、何としても国政へ転身する、それも高値で!となれば今回しかないの思いはいや増しに、か。

★★東国原氏「僕が行けば負けない」 自民出馬要請で
TOKYO WEB(共同)・09.07.01

◇自民党内の悪評に焦りがつのったのか、「(前略)自民党から立候補を要請されている次期衆院選に関し『僕が行けば自民党は負けない。負けさせない。負けたら地方分権ができない』と述べ、立候補した場合は政権交代阻止に全力を挙げる考えを示した」。

◇「次期党総裁候補にすることなど、自らが提示した条件を自民党が受け入れた場合について『(国民は)党が変わった、変革したと思うだろう』と指摘した」。

◇誇大妄想きわまれり!はおくとして、<東国原が出れば自民は勝つ→自民が勝てば地方分権ができる>とは、ぶったまげの論理展開というしかない。◇ひがしにとっては論理矛盾などこの際どうでもいい。何しろこのオレを自民党の最重要職へつけろ、モタモタせずに・・・・・・・なら理解はできるが。

◇こんな男に足元を見られる自民党、この一事をとってももはや政権政党の矜持(きょうじ)は消えうせているといえよう。

◇宮崎県に<しけ込んでいる>(=宮崎県の人には失礼な言葉づかいでIFSAは不本意だが、東国原の言動はこう宣言しているに等しい!)のはもうイヤ、大好きな権力政党自民党のトップマネジメントとして東京へ舞い戻りたい。◇このアリバイ証明に使われるのが<地方分権>なのであった。

◇うん?<地方分権>?またまた出ました、絶対善的標語が。◇1990年代、自民党のあまりの腐敗を隠すため考案されたのが<政治改革>という名のもとの権力闘争だったし(=そのゆがんだ産物が小選挙区制!)、21世紀初頭、米国的市場原理主義を貫徹するためのキレイゴトが<官から民へ><規制緩和>であったのは記憶に新しい。

◇揚げ句は、コイズミ積年の<旧田中派&旧郵政省>に対する怨念(+)米国への便宜供与として考え出された<郵政民営化>。◇そして今回のカイカクは、突然ごとく<地方分権>ときたもんだ。◇ああ~、また例のヤツね・・・・・・と考えるのが正常なる理路というものだろう。

◇東国原の<地方分権>なんて付け足しもいいところと、まあ大方の人はとらえようが、これが橋下徹・大阪府知事となると、本気度が違うと思ってしまうにちがいない。◇さすがに彼は利口だから、東国原のような単純な発言はせず、仕掛けを一見複雑化して煙(けむ)に巻く。

★★首長グループ構想:
西日本の知事らは、独走橋下氏に戸惑い
毎日jp.・09.06.26

◇「大阪府の橋下徹知事が打ち上げた、地方分権を旗印とする首長グループの結成と、次期衆院選での支持政党の明確化」。◇この手の思わせぶりに、マスコミも国民も振り回される。マニフェストを見て自民か民主かを判断するなんて言われちゃうと、なるほどねと。

◇しかしIFSAは、そんなまわりくどいことやめなさいよと言う。◇あの超右派の橋下が、旧社会党の議員も大勢いる民主党支持なんて、まず想定しにくいからだ。◇体質的に<革新>や<市民>が大嫌いの、自民党に入ったとすればまず筆頭右派の、田母神センセイも真っ青のような橋下徹を忘れてもらっては困る。

◇にもかかわらず民主党は、「(前略)民主党の鳩山由紀夫代表は23日の会見で、橋下知事について『自民党中心に当選された方だが、(地方分権の)考え方は民主党により近い』と秋波を送った」(上記・毎日jp.09.06.24)というからさまにならない。

◇ところで、IFSAには今でも忘れられないことがある。◇橋下がまだ弁護士兼タレントでテレビのワイドショーに出ていた時代のこと。◇新聞と違ってテレビは、ビデオにでもとらないかぎり記録がないから困るものの、橋下はそこで仰天発言を行った。

◇記憶があいまいで申し訳ないが、たしか靖国神社に関する問題だったと思う、天皇の発言された内容が橋下の持論と大きく違っていた。

◇司会者にそこを指摘された橋下はこう言った。◇「私は今でもそう思っていますが、天皇さまがそうおっしゃったのなら、私にとって天皇のお考えは絶対ですからそれに従います」(大意)と。◇おそらくこの種の発想は、天皇にとってもご迷惑と思われる。

★★政党支持に賛同1人 橋下氏、市町村長らと会合
TOKYO WEB(共同)・09.07.01

◇「大阪府の橋下徹知事は1日、府内の市町村長と大阪市内で非公開の会合を開催し、『首長連合』で次期衆院選での支持政党を表明することについて参加を呼び掛けた」。

◇「会合では橋下知事が冒頭、記者団に公開したあいさつで『この時期を逃せば、国の形が変わるチャンスは二度と来ない。国に対して地方は最大の圧力団体になるべきで、そのために必要なパワーは”選挙で応援する、しない”に尽きる』と態度表明の意義を強調した」。

◇上昇志向ギラギラで単純そのものの東国原とはちがい、それなりに策を弄(ろう)する橋下大阪府知事。◇しかしその<策>に自縄自縛となれば、みっともない結果を招く。

◇ただどう転んでも東国原とは段違い、自民党は橋下を高く買う、それはほぼ間違いのないところだから自身に損はない、仕掛けを高度っぽく見せるほうがいい、橋下はそう読んでいるのかもしれない。

◇結論を言えば、絶対善的<地方分権>を持ち出したところで、東国原も橋下も最大の関心事は自身の去就というか値段のつり上げ。◇みずから喧伝(けんでん)するほど日本社会への深刻な思いが伝わってこないのがそれを証している。

◇<地方分権>が現代政治最大のマターだって言いまくるのだから、お里が知れるというものだろう。◇<郵政民営化>が国のトップマターだったのと同様に。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年6月29日 (月)

IFSAの<笑止千万>=麻生首相の「解散はそう遠くない日に」でマスコミ大騒ぎ!ときた

★★衆院選、勝てると麻生首相
・・・都議選負けても責任「感じぬ」
YOMIURI ONLINE・2009.06.25

◇「麻生首相は25日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見し、衆院解散・総選挙の時期について、『解散の時期は言えないが、そう遠くない日だ来る総選挙に勝利して、引き続き責任を持たなければならない』と表明した」。

◇解散は「そう遠くない日だ」って?何なんだこれは。◇現衆院議員の任期満了日は、ご存じコイズミのデタラメ郵政選挙(05.09.11)からまる4年の09.09.10。◇ということは、どうあがいたってあと2カ月少々の話にすぎない。それが明日だろうが9月だろうが、「そう遠くない日」に決まっているだろうよ!

◇それなのにマスコミは大騒ぎ。そもそも、麻生太郎のこんな無意味な発言にピリピリするほうがどうかしている。◇昨今のメディア、いくら話題がない、いや話題をつくれないとはいえ、お粗末を通り越す。

◇騒ぐのは新聞やテレビ、それに当の政治家だけで、国民は知ったことではない。シラケ以外の何ものでもない。

◇「首相は二十五日の講演で、衆院解散の時期について『遠くない時期に』と発言。これも独り歩きし、七月十二日の東京都議選前の衆院解散もあり得るとの空気をいったんつくってしまった(★★首相また迷走!? 自民人事『白紙』・TOKYO WEB・09.06.29)

◇どうでもいいことを勝手に<深読み>してみせるのがプロだとでもいうなら、どうぞご勝手に。◇「東京都議選前の衆院解散もあり得るとの空気をいったんつくってしまった」というが、例によってここには主語がない。

◇だからこその<空気>とはいえ、「つくってしまった」のはやはりそこらの自称プロたちだろう。

◇ところで、麻生太郎の首相就任(08.09)直後から、解散なんてまずないとIFSAはずっと言いつづけてきた。プロたちの卓見をせせら笑いながら。◇昨年の11月総選挙が<常識>とされるなか、そんな無謀な意見を発信してきたのは、私の知るかぎり、このIFSAとジャーナリストの上杉隆くらいのものではなかろうか。

◇IFSAの認識の原基はたったひとつ、社会学的&社会心理学的認識だけであり、政界の事情に通じてのことではない。◇麻生太郎という人間を凝視すれば、彼は解散などまずしないとすぐに分かってしまう。◇それも、IFSAに透視力があってのことではない。

◇<彼は1日でも長く首相の座に座っていたいだけ>!IFSAは解散なしの根拠をそう開示してきた。◇テレビでは、9カ月後のいまごろになってそうした見方を示す評論家がちらほら出てきてはいるが。◇もうここまできてしまえば、彼がたとえ今週解散しようが、IFSAの指摘はドンピシャだったと言い得よう。

◇ところで、総選挙前に自民党総裁(=首相)のくびを再々度すげかよようとの意見が党内にくすぶっているという。◇ブラックジョークではなくマジで。◇それに対する麻生首相のコメントがまたおもしろい。実に大甘の麻生らしくて。

◇いわく、「自民党内に出ている総裁選の前倒し論については、『もう一回、総裁選をやることは、自民党にとって(イメージとしては-筆者註)マイナスになる』と述べ、否定的な考えを示した」(同上・YOMIURI ONLINE)

◇<オレが総裁・総理だ。そのオレをさしおいて総裁選前倒しだって?誰がそんなことを言っているんだ。やれるならやってみろ>。◇言葉づかいは別にして、これくらいのことをズバッとぶち上げられない日本の最高権力者って、もうそれだけで失格ではないか。

◇それを、<再度の総裁選は自民党にとってマイナスイメージになるからやめるべき>って、評論家のように言うんだからすっごい。

◇熾烈(しれつ)な権力闘争をくぐってきたかつての<三角大福中>が聞いたら、いすから転げ落ちることだろう。◇あれだけエグくて強かった自民党もすでに党の体をなしていない、と世間に公言しているようなものではないか。

◇そして麻生をはじめとする自民党幹部には、その自覚すらない。◇結構でした。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年6月26日 (金)

IFSAのフォロー=五輪誘致にみる石原キレイゴト知事。きわまってついに品なき本音が

◇IFSAは2009.06.18、当通信に【五輪招致厳しい!で焦りまくりの石原都知事。記者会見にて持ち前のお下劣さを全開】をアップした。◇今回はそのどうしようもなさに加え、ローザンヌでの五輪招致プレゼンテーションで明らかとなった<本性丸出し>というか、窮迫後の<品なき本音>を取り上げてみたい。

★★16年夏季五輪:招致プレゼン 「東京は最高の舞台」
石原知事、環境と財政アピール
毎日jp.09.06.18

◇スイスのローザンヌにて「(前略)投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員にアピールした」石原慎太郎都知事、「(前略)『4000億円の資金を手元に用意している』と安定した財政面を強調」だとか。◇「英語にフランス語を交えたスピーチを披露し、政府の全面支援を約束する麻生太郎首相のビデオも上映した」。

◇ついに出ました、カネカネカネ。そして政府のお墨付き宣伝。◇とってつけたような平和がどうたら、日本にしかできないオリンピックがどうたら、「世界一コンパクトな(東京)五輪」がどうたらなどはすでにどこかへ吹っ飛び、最後はカネだろうとばかり胸を張ってみせたという次第だ。

◇「コンパクトな配置」などは、オバマ大統領の地元・シカゴも打ち出していることだし、アピール力が弱すぎると石原自身よく分かっているのだろう。◇そうなりゃ、<手元に4000億円>ってわけか?

◇まあ米国(シカゴ)はともかく、スペインやブラジルなどはGDP超大国・日本を前にすりゃゴミ同然、悔しかったら4000億円を凌駕(りょうが)してみろといっているような<札ビラ傲慢(ごうまん)さ>がにじみ出ている。◇この男にふさわしい主張!と見るのがむしろ正しいかもしれない。

◇もうひとつ、石原慎太郎のすがるのが<皇太子による支援>。◇この件はもう10カ月以上も前から石原がこだわりながら、まったく実現しない。◇思えばもう1年近くになろうか、08.07.11、石原はこう息巻いていた。

★★石原都知事:宮内庁に怒る
五輪招致の皇太子さま支援で
毎日jp.・
08.07.11(A)

★★「宮内庁のばかが」とまた批判 石原知事、五輪招致で
TOKYO WEB・08.07.17(B)

◇「16年夏季五輪の招致を目指す東京都の石原慎太郎知事は(中略)、皇太子さまの招致支援に難色を示している宮内庁の姿勢を『役人の出てくる話じゃねえんだ。国家の事業の話だから。僭越(せんえつ)の限りだ』と批判した

◇またまた出ました、いつもの湘南ベランメエが。◇「石原知事は会見で、宮内庁が森元首相の打診にも難色を示していると問われ『宮内庁ごときが出てきてだな、そんなことを言うことは僭越の限りだ。そういう役人が日本を滅ぼしてきたんだ。国民投票したらいいんだよ。圧倒的に皇太子に行っていただきたいに決まっていますよ』と語気を強めた」(以上(A))。

◇石原知事は「(前略)招致活動への皇太子さまの協力は難しいとした宮内庁東宮大夫の見解に触れ宮内庁のばかが余計なことを言って』と批判した」(B)。

◇その1カ月後の昨年8月、スポーツジャーナリスト・谷口源太郎が実にいいことを書き記す。

★★理念なき「東京オリンピック招致」の醜い競争
DIAMOND online・08.08.25

◇文中の小見出しは「最後の切り札は皇室の取り込み?」。

◇「『宮内庁ごときが決めることじゃない。国家の問題なんだから。木っ端役人が、こんな大事な問題、宮内庁の見解で決めるもんじゃない』」をまず紹介し、「石原氏は、オリンピックを招致するのは東京都であるにもかかわらず、まるで国家が招致するかのように話をすり替え、その象徴に皇室を持ってこようとしているのだ」と正面から批判する。

◇「一方、JOC内部にも、皇室を待望する声がある」。◇「『「アジアでの石原さんのイメージは、よくないので票に結び付かない恐れがある。皇太子殿下であればイメージは変わりますから』」。

◇「IOC理事会の評価のなかで東京が最下位だった項目は、IOCの独自調査による招致についての世論支持率だった」。◇「この結果について報道関係者から質問された石原氏は、苛立った様子で、『君たちのせいだよ。メディアが足を引っ張るから』と声を荒げた」。◇恨みがましく弱々しい石原の姿がここにのぞく。

◇「なぜ、オリンピックを招致するのか、という肝心な理念について、石原氏は『理念なんかどうにでもつくれる』と言い放った」。◇そして石原にふさわしくないハト派的理念を、臆面もなく接ぎ木した。超右派をかなぐり捨ててまで。

◇「理念もなくオリンピックを招致するというのは、石原氏には別の企みがあるからだ」と谷口は言う。◇「別の企み」?誰しもすぐに想像のつくことをグダグダ書くほどにIFSAは退屈な良識派ではないから、やめておこう。

◇「企み」の内実がミエミエだからこそ、都民・国民による五輪誘致の支持率が上がらない。ましてやこの時代にオリンピックで日本盛り上げだって?◇もういいかげん開発途上国的発想から抜けだそうよ!くらいには日本社会も成熟しつつあるのだから。

◇しかし、上から目線の石原にはそれがまったく見えない。しゃばの空気が読めない。◇その辺を百も承知の宮内庁は政治的要素を嫌って拒否。◇石原より数段エライとだけは言い得よう。

◇にもかかわらず、今月になっても石原都知事は言い続ける。

◇ローザンヌ・プレゼン出発の成田空港で知事は語った。◇まずは「(前略)招致争いの現状については『専門家の情報だと実に際どい。それぞれのIOC委員の投票基準が違うから、なかなか難しい』と苦笑交じりに分析(後略)」。◇そのうえで・・・・・・・。

◇「また開催都市が決まる10月のIOC総会(コペンハーゲン)に向け『勝つ決め手はこれしかない』と、皇太子ご夫妻の総会出席をあらためて切望した以上、★★石原都知事「懇切丁寧に説明する」 五輪招致プレゼンへ・NIKKEI NET(共同)・09.06.17)

◇自身の利益のためにはどんなことでも!という石原慎太郎の度し難い<我(が)>が顕著なまでにあらわれている。◇こんなものに従えってか?◇そういう役人が日本を滅ぼしてきたんだとあしざまに言われた宮内庁、いったいそれはどっち?と思っていることだろう。

◇日本にとってオリンピックなんぞ、頼むからやってくれと言われて重い腰を上げるくらいでちょうどいい。◇他からむしり取ってくる、日本はそんな段階をとうに過ぎた国なのだくらいの矜持(きょうじ)をもてないのか、連中は。◇おお、なさけない。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年6月19日 (金)

IFSAのフォロー=西川救済・鳩山罷免は、隠しようなきコイズミ・竹中Gからの大圧力

◇IFSAは先日(2009.06.14)【鳩山更迭問題=コイズミ・竹中による恫喝、いまだそんなに怖い?自民党の救いがたさよ】をアップロードした。

◇詳細はそちらをお読みいただくとして、これを裏付ける記事がもうあらわれたので、新コーナー<IFSAのフォロー>として書き記しておきたい。
《註》=なお今後は適宜、<IFSAのフォロー>を掲載することにする。

★★郵政社長人事:「処分」か「辞任」か 自民調整大詰め
毎日jp.・09.06.19

◇「日本郵政の社長人事問題が大詰めを迎えている」。◇「安倍氏(安倍晋三・元首相-筆者註)らが西川氏続投支持の立場を鮮明にするのは、郵政民営化を構造改革路線の旗印にしてきた小泉純一郎元首相に近い議員グループが衆院選を前に自民党を離党するなどの混乱を阻止したいからだ」。

◇「現に小泉氏に近い自民党幹部『官邸が西川氏を辞めさせるのは無理。やれるものならやってみろ。(政局は)大変なことになる』と語った」。◇ついに出ました、公然と。コイズミ・竹中グループの焦りといらつきが!まさにIFSAの言う<恫喝>そのものではないか。

◇それにしても、鳩山邦夫総務相罷免後のバタバタはおもしろい。◇IFSAは同上のブログでこう書いた。

◇「政治的には一件落着のように思えようが、IFSAとしては西川善文への跳ね返りエネルギーは従前の何十倍もに達するはずと予測する」。◇「剛腕だろうが『最後のバンカー』だろうが、そんなものはあの陰湿な閉鎖的特殊銀行業界で通用するものでしかない」。◇「本人は悦に入っていても、かならずや追い込まれるときがこよう」と。

◇鳩山邦夫後任の佐藤勉とかいう総務相も、これまたピンズレでしかない。◇彼は就任の翌日、軽々にもこうした動きをみせた。
<★★佐藤総務相:西川社長の続投容認の考え示す・毎日jp.・09.06.13>

◇麻生首相の意向に沿ってすんなりと、くらいに思っていたのだろう。◇ところが09.06.15の午前中、毎日新聞の衝撃的な世論調査結果(=麻生政権支持率19%&鳩山更迭非評価67%が発表されるや、<★★日本郵政:社長人事 西川社長の再任、一転明言避ける--佐藤総務相・毎日jp.・09.06.15>の体たらく。

◇民間会社だから人事介入はしないと言い続けてきた麻生路線が揺らぎを見せ始める。◇「佐藤総務相の周辺でも『西川社長が身を引くような環境づくりをしないとだめだ』(政府関係者)との声が高まっていた」(上記、09.06.19の毎日jp。)というのだから。

◇揚げ句、佐藤総務相が西川社長に<会長棚上げ案?>を提案したとか、鳩山邦夫の総務相在職中、官邸側から西川会長折衷案を示され蹴ったとか(=これは鳩山本人が証言している)、諸説入り乱れ、政府自民党はもう収集がつかない。

◇いずれにしろ、本日(09.06.19)のマスコミのタイトルに<★★郵政社長人事:「処分」か「辞任」か 自民調整大詰め>とか<★★郵政社長人事:水面下の調整続く>(いずれも毎日jp.)とか、IFSAが予測したごとく西川社長のクビが何らかの形で涼しくなる方向へ向きつつあるものと思われるのだ。

◇あとはあの引退表明したはずの未練たらたらコイズミと竹中平蔵がどこまで再度の巻き返しへ出られるか、ポイントはそこに絞られよう。◇何とぞご健闘のほどを!

◇当の優柔不断(兼)無戦略・無戦術家の麻生太郎首相は、相変わらず<民間会社への人事不介入>といった根拠レスな理由にしがみつきつつ、肝心の党首討論では「(前略)『西川氏のしたことに意見が多々あるのは知っている』と西川氏への不満も同時ににじませた(上記、09.06.19の毎日jp。)というから、いつもながらしまらない。

◇政府自民党のお手並み拝見。IFSAも当分は高みの見物を決めむとしよう。◇いや、西川に関する結論は意外に早いか。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年6月18日 (木)

五輪招致厳しい!で焦りまくりの石原都知事。記者会見にて持ち前のお下劣さを全開

◇IFSAは五輪東京招致がいかにとんでもないことかをさんざん述べてきたし、まあ幸いなことに招致はかなり難しかろうと予測してきた。

◇さらには、石原慎太郎東京都知事がこの責任をとるといった形で都知事を辞任し、例の新銀行東京問題からエスケープするのではといったよた話を、冗談半分・本気半分で加えたこともある。

◇まあそれはともかく、第二次東京オリンピック実現がフウトモ(風前の灯)であるのはどうやら現実に近いようだとIFSAは見ている。

◇<肝心の都民がそれほど熱を入れていない>&<IOC評価委員会独自の世論調査では都のそれよりもかなり低い支持率を記録している>だけでなく、<日本だから、できる。あたらしいオリンピック!>とか、石原の思想と日ごろの言動からはあまりに似つかわしくない<平和に貢献する、世界を結ぶオリンピック・パラリンピック>の、とってつけたようなセールスポイントが足腰の弱さを証明してしまっているのだから。

◇本音のところが発展途上国段階に似たオリンピック特需による<公共事業沸騰>とあっては、上記の高邁(こうまい)かつ上滑り理念も逆にしらっとうつる。◇いくら商業主義全盛のIOCといはいえ、そのくらいの詐術は容易に見抜こう。◇いや、ミエミエの土木重視型であれ、他を圧するだけの熱気が見られれば別であろうが。

◇石原自身も最近、弱気の風を吹かせ始めた。◇ローザンヌでのプレゼンへ出かける石原知事、成田空港でこう語ったという。

◇「招致争いの現状については『専門家の情報だと実に際どい。それぞれのIOC委員の投票基準が違うから、なかなか難しい』と苦笑交じりに分析した(★★石原都知事「懇切丁寧に説明する」 五輪招致プレゼンへ・NIKKEI NET・09.06.17)

◇そんななか、IFSAはひょんなことから、オリンピック担当の都副知事が更迭?されたことを知った。◇新聞記事では<★★【石原知事会見詳報】ハーフタイムだから副知事交代・MSN産経ニュース・2009.06.05><★★石原知事:佐藤副知事に辞令 「知事支えていきたい」・毎日jp.・東京版・09.06.06>のような文字通り地味なものだったから、目にされた人は少なかろう。

◇それでも産経新聞は詳細な記者会見録を掲載しているが、以下は東京都09.06.11にアップした<★★石原知事定例記者会見録・平成21(2009)年6月5日(金)・テキスト版文責 知事本局政策部政策課>から引用するとしたい。

◇その前にまず、谷川健次副知事の更迭?に触れた記事の確認から。

◇「(前略)石原知事は、副知事の谷川健次、山口一久の両副知事に対し、退任辞令を交付」。

◇「同日の定例記者会見で、谷川副知事の退任理由について、都が5月に発行した広報誌上でIOC(国際オリンピック委員会)評価委員会のムータワキル委員長の顔写真を大きく印刷した点に触れ、『誰もあれが誰なのかわからない。誰が興味持ちますか。谷川君だけの責任じゃありませんよ。だけど担当の副知事ということでね』と述べ、谷川副知事の職務内容に不満があったことを示唆した(以上、上記・毎日jp.)

◇「2016年の五輪招致を目指す東京都の石原慎太郎知事は5日の定例会見で、開催都市決定4カ月前に五輪招致担当副知事の辞任を決めた理由について『サッカーで言うとハーフタイムが来た。ミッドフィルダーかフォワードかしらんけど、代えるものは代えて進もうと思う』と述べた」(上記・MSN産経ニュース)

◇ではその内実というかエグイ部分は、都作成の議事録にて拝見させていただこう。

【記者】
先ほどの都議会でですね、副知事人事同意を得たわけですけれども、ここに来て五輪担当の副知事さんがかわることがですね、招致に何か影響が出たら困るなという声があったりするんですけれども、今回の人事の知事のお考え、知事の専管事項なんであれですけれども、お考え…。

【知事】
(IFSAによる略)

【記者】
招致活動においてですね、谷川(健次)副知事のプレゼンスも(存在)あったかとは思うんですけれども、ここでやっぱりあえてかえるに踏み切った・・・。

【知事】
それは人によっていろんな評価があるでしょう。(中略)これはだれの責任ということじゃなくて、結局私の責任かもしらんけども、この間もね、理事会(東京オリンピック・パラリンピック招致委員会理事会)でね、これはやっぱりさすがに森喜朗(元首相)ね、森君がね、私の古い友人だけどね、こんなもの(広報東京都臨時号)だれがつくったって言うの。(中略)

担当の局長がだな、これは何十万部刷っててね、都の広報紙でありましてどうのこうのと言うからね、調査委員会(IOC評価委員会)の女性のですね、モロッコの委員長(ナワル・ムータワキル委員長)の大きなクローズアップがあるわけですよ

よほど若くて超美人ならわかるけど、あの人、元美人ではあるけどね、あれ見て、だれが、これはだれだかわからないんだよ。そんなものがばーんと出てきてね、だれが興味持ちますか。(中略)

やっぱり森君らしいね、指摘がありましたよ。こんなもの、だれがわかるかって。どうせやるならね、石原とね、委員会の委員長が対談してみたら、2人の写真だったらわかるけどね、こんな見も知らない女の顔、ばかっと出してね、だれがこれアトラクトする(人を引きつける)かって

そういう工夫はまあないしね、だから、もう言ってもしようがないんだけど、今、そこらじゅうに立ってる、張ってあるポスターにしたって、勝手に決めてくるからだめだと。全部見せなきゃ。(中略)

そういう、まあね、緻密(ちみつ)なネットワークは、残念ながらまだできてないね、都庁でも、JOC(日本オリンピック委員会)とのかかわりの中でも。

だから、ここでね、やっぱりちょっとね、人心一新してやろうと思ったんです。これは谷川君一人の責任じゃありませんよ。うん。全部の責任だけど、やっぱり担当の副知事で、この辺ちょっとということで、大体一段落しました。(後略)

◇「よほど若くて超美人ならわかるけど、あの人、元美人ではあるけどね」「こんな見も知らない女の顔、ばかっと出してね」・・・・・・・。◇IFSAは、五輪招致活動への影響以前に、こうした発言そのものを石原慎太郎らしい最低レベルのものと考える。聞くのもイヤになるたぐいのそれと。

◇彼は激高するとかならずやすぐさま本性をあらわし、<あたける>といった体のカタルシスに身をゆだねる。◇そう、大物ぶりながらも懐の浅い、どうにもならぬ男なのだ。◇ただ、この程度の人間に東京都民が酔いしれ、つけ上がらせたのだから、あながち石原だけの責任とも言えまい。

◇それからこれは第二義的な問題にすぎないが、開催地決定の答申に大きな権限を持つ評価委員会のムータワキル委員長にこんなコトバを投げつければ結果はどうなるか、普通の企業にいる人間ならイロハのイであろうという点。

◇大商談中の相手先企業、その本部長をあしざまに言う、しかも記者会見で公然と、それでいて成約をと願う・・・・・・・に等しいひどさだ。◇ひからびたチーズのシンキロウ(森喜朗)から、これまた男尊女卑感覚のチクリを投げられたくらいで<しまった!>と逆上し、あと4カ月で結論が出る五輪担当の副知事をばっさりと切る。

◇しかも、この際の最重要人物・ムータワキル委員長を女性蔑視調でからないながらときたもんだ。

◇そればかりか記者会見では、いくらサメの何とかといわれようが一度は首相をやった人間を、<森喜朗>と呼び捨ててみたり<森君>と表現してみたりで、しっかりと自分を高めたつもりになっている。

◇なおIFSAは名前すらまったく知らなかったが、ムータワキル委員長に関する記事を引いておく。

★★16年五輪評価委員長にムータワキル理事
YOMIURI ONLINE・08.09.19


◇「国際オリンピック委員会(IOC)は(中略)2016年夏季五輪の候補都市を視察する評価委員会の委員長に、女性のナワル・ムータワキル理事(モロッコ)を選んだと発表した」。◇「ロス五輪の陸上女子四百メートル障害金メダリストで、ロンドンに決まった12年夏季五輪に続いて同委員長に就任した」。

◇なお石原的異常会見の参考までに、同委員長が来日した際の写真はこちらから。◇それにしても、都の広報誌と<若い>とか<美人>もしくは<それらの逆>と、いったい何の相関関係があるというのだろう。◇信じがたい、この情けなき旧型右派知識人よ。

◇さらにもう一点。大マスコミがほとんど報じなかった直近の世論調査結果を紹介しておきたい。

★★「ラジオ・オピニオン2009」
<2016年東京オリンピック招致に関する
ラジオリスナーアンケート>
(社)日本民間放送連盟・09.05.26

◇「『ラジオ・オピニオン200』<2016年東京オリンピック招致に関するラジオリスナーアンケート>ラジオリスナーは◆2016年東京オリンピック招致に『賛成』46.8%、『反対』48.2%
-『賛成』と『反対』がほぼ拮抗する結果に」(以下略)。

◇「2016年の夏季五輪開催を目指す東京招致委員会は12日、電話による世論調査で、東京開催への支持率が80.9%になったと発表した」(★★東京五輪支持率ピン!8割超・・・2月はIOC調査で56%・YOMIURI ONLINE・09.05.12)というのにネ。

◇そんななか、ブログメジャーの<きっこのブログ>は上記民放連の集計結果に「情報操作の疑い」ありと異議を唱えている。興味ある方はどうぞご覧を。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年6月14日 (日)

鳩山更迭問題=コイズミ・竹中による恫喝、いまだそんなに怖い?自民党の救いがたさよ

◇麻生太郎首相はかつて、<私は郵政民営化に反対だった。だから、総務相というのに私は郵政問題からはずされていた>(大意)と、公の場の国会委員会で口をひん曲げながら力説したことがある。◇しかしその直後、大ブーイングにあって発言を引っ込めた。というより、ごまかした。

◇いくらトンチンカンな麻生とはいえ、郵政民営化に反対だったか否かくらい間違えるはずはない。◇あれは本当のところだったにきまっている。

◇とすれば、反コイズミとしてのレーゾンデートルを意識する麻生が、<郵政民営化後の西川善文体制。そのいいかげんさをあぶり出す><そこから、コイズミ一派による【民営化そのものの野望】というか【隠された意図】が明確に浮かび上がる><結果、コイズミ・竹中路線のインチキぶりをさらすことにより、麻生の存在がふくらむ>・・・・・・、そう考えたとしても不思議はない。

◇その流れの中で鳩山・西川バトルが勃発(ぼっぱつ)、先日の鳩山邦夫更迭(=実質的罷免)においてまずは第1ラウンドの幕が下りた。◇今回のIFSA通信は、鳩山が罷免された2009.06.12翌13日の新聞記事(すべて電子版)だけを頼りに、この問題の本質を析出するとしたい。 

★★首相、当初は「西川交代」
・・・竹中・小泉コンビが封じ込め
YOMIURI ONLINE・2009.06.13

◇「今年2月、首相官邸の執務室。首相は鳩山邦夫総務相と会い、日本郵政の6月の株主総会で西川社長を含む取締役を一新するよう指示した」。

◇「『ポスト西川』の候補として、NTTの和田紀夫会長、生田正治・元日本郵政公社総裁、西室泰三・東京証券取引所会長らの名を記したリストも手渡し、水面下の調整をゆだねた」。

◇「首相の意を受けた鳩山氏は5月に入り、日本郵政の取締役人事を決める指名委員会の一部委員に『首相は西川氏を代えるつもりだ』と伝え、『西川辞任』に向けた多数派工作を始めた」。

◇ここまでは、あの麻生には珍しい正当な感覚と指示である。◇しかし、彼には思想どころか、戦略もなければ戦術もないから、いつものごとくすぐさまといった感じの<頓挫>に見舞われる。◇しかも、お坊ちゃまの鳩山邦夫は、それこそ<正義?>だけの直球一本。あの腰砕け専門男の麻生を信じきるというヘマまでおかした。

◇「『首相と私(鳩山邦夫-筆者註)は社長交代で完全に一致していた。だから私は安心して事を進めてきた』」(★★「一時は首相も社長交代支持」鳩山前総務相・MSN産経ニュース・09.06.13)。◇底抜けの甘さを笑ってもはじまらない。これが鳩山の<持ち味>なのだから。

◇エグさでは人一倍(=というより、エグさしかウリのない)コイズミ・竹中平蔵にあっては、こんな麻生・鳩山連合軍など物の数に入らない。◇「(前略)委員(上記指名委員会の委員-筆者註)を通じて鳩山氏の動きを察知したのは、構造改革の旗振り役だった竹中平蔵・元総務相だった」。◇「竹中氏は小泉氏に相談した」。おお、やはり。

◇コイズミ内閣終焉とともに、選挙で選ばれた政治家稼業をもう用なしとばかりドライに放り出し、慶大教授へ返り咲いた竹中がこんな動きをすること自体、噴飯ものだが、だかつのごとき連中はそんなことお構いなく、麻生・鳩山の画策をひねりつぶしてしまう。◇勝負は瞬時についたのだった。

◇麻生首相が西川善文・日本郵政社長を切れば自民党は財界を敵に回す、と一般には言われる。◇しかし実態は、コイズミ・竹中がすでに財界へ手を打ってあるから、財界は即ブーイングを発するよう仕掛けができているというにすぎない。◇これなかりせば、財界ごときが政府と真正面から戦えるはずもない。

◇同時にというより、麻生にとってはここがいちばん肝心な点だが、西川更迭をやらかせば、いまもって自民党内大勢力のコイズミ一派から総スカンを食う。◇財界などよりこちらのほうがよほどこわい。

◇そこで鳩山邦夫を切れば、自分を総裁へと担ぎ上げてくれた大恩人、「太郎会」会長の邦夫お坊ちゃまとたもとを分かつことになる。◇すなわち、自身最大最強の後ろ盾を失う。◇この閉塞状況へ降ってわいたのが、有名な悪知恵コンビの登場であった。麻生がぐらっときたのも無理はない。

◇「まず動いたのは元首相の森喜朗、前自民党参院議員会長の青木幹雄の重鎮2人だった」。◇「2人は8日夜、都内のホテルで麻生とひそかに会い、こう耳打ちした。『鳩山も西川もどっちもどっちだ。けんか両成敗で一両日中に2人とも切れ。党内は何とかする』」。

◇「2人に背中を押されるように麻生は9日、西川、鳩山の更迭に向け、一気に動き出した」以上、★★更迭劇の舞台裏 「けんか両成敗」か「鳩山切り」か・MSN産経ニュース・09.06.13)

◇「これに『待った』をかけたのが、麻生の腹心である選対副委員長・菅義偉だった」。◇「『けんか両成敗ってどういうことですか。鳩山が一方的にけんかを仕掛けているだけじゃないですか。西川さんを更迭すれば自民党は大変なことになる』」(同上)。

◇「自民党は大変なことになる」とは、言わずとしれたコイズミ・竹中一派、そのパシリでもあるテカテカ・中川秀直があばれだすというもの。◇しかし中川の反乱など買いかぶりもいいところで、どうせ動けやしないとIFSAは見ているのだが。

◇にもかかわらず、この程度のジャブで麻生首相は縮み上がってしまったようだ。うわさでは、鳩山邦夫のあることないことを吹き込んだ人間もいたという。◇敵はさるものひっかくもの、用意周到さと執拗(しつよう)さだけでも麻生・鳩山でははじめから戦いにならない。

◇加えて、すでに引退を表明している元首相・小泉純一郎は西川に電話をかけ、『絶対に辞めてはいけない』と激励」。◇「中川は『西川氏を更迭すれば行動を起こさなければならない』と気勢を上げた」。◇おどおど元首相の安倍晋三までがエラそうに「(前略)10日夜、麻生に電話をかけてこう諭した。『2人を更迭して納得する自民党議員は1人もいないじゃないですか』」(同上)と。

◇そんななか、首相周辺が用意した<最終妥協案>が弱々しく示される。◇だが、どうなろうと何ら生活には困らない真のイミのお坊ちゃま・邦夫がにべもなく一蹴することに。

◇「妥協案とは、日本郵政の西川善文社長が鳩山氏に謝罪した上で、総務省の業務改善命令に対しても徹底した改善計画を出すことと引き換えに、西川氏の続投を認める案」。◇それなら「鳩山氏も辞任せずに済む。政権へのダメージを最小限にとどめるため、首相サイドが鳩山氏に水面下で打診していた」(★★鳩山総務相更迭:西川氏謝罪で続投案 最後の妥協策決裂・毎日jp.・09.06.13)

◇これに対し、お坊ちゃまは水を得た魚のようにまくし立てる。◇「西川さんが私に頭を下げる、謝罪をする。そんなバカなことないでしょう? 西川さんが謝罪をすべきは国民に対してであって、私に対してではないんですよ」(★★「正しいと思ったことが通用しなかった」 鳩山氏の発言・asahi.com・09.06.12)

◇鳩山邦夫の他意がどこにあろうとも、形の上でこれほどの正論もなかろう。◇さすがというか、自民党のシニカル公家・伊吹文明はいいところを見ている。◇「(前略)伊吹文明元幹事長『国民の感情からすると、鳩山氏の主張のほうがストンと胸に落ちると思う』と今後の(鳩山更迭による-筆者註)影響を懸念する」(★★鳩山総務相更迭:広がる内閣批判・毎日jp.・09.06.12)

◇ともあれ、政治的には一件落着のように思えようが、IFSAとしては西川善文への跳ね返りエネルギーは従前の何十倍もに達するはずと予測する。◇剛腕だろうが「最後のバンカー」だろうが、そんなものはあの陰湿な閉鎖的特殊銀行業界で通用するものでしかない。

◇本人は悦に入っていても、かならずや追い込まれるときがこよう。◇<鳩山の言い分が間違っていたからこそ鳩山は罷免された>って?国民の大半がそうはとらえていないところに、大きな火種が隠されているのに、世間の心が分からない特殊業界出身の大物はおそらくそのことにすら気づかないであろう。

◇いまだコイズミの亡霊におそれおののく大新聞ですらこう書かざるを得ないほど、事態はひどいところにある。◇勝ったはずの西川が負ける!世の中をなめきった数字オンリーの大物バンカー?その行く末が見えるようだ。

★★落ちた信頼、描けぬ戦略
・・・西川続投・日本郵政は先行き不安
YOMIURI ONLINE・09.06.12

◇「日本郵政では今年1月以降、不祥事が相次いでいる」。◇「保養宿泊施設『かんぽの宿』売却を巡る不手際や、30万~40万件と推測される簡易生命保険の不払いの発覚、障害者団体向け割引制度を悪用した郵便法違反事件の摘発などだ」。

「企業法務に詳しい弁護士の一人は『普通の民間会社なら、どの不祥事も社長の引責に発展してもおかしくない』と話す」

★★自民、内閣支持率低下の懸念広がる
・・・「麻生降ろし」再燃も

YOMIURI ONLINE・09.06.13

◇「首相周辺には、『首相の決断は中川氏らに”反麻生”に走る口実を与えない意味では効果があった』という見方がある」。◇「しかし、党内には鳩山氏と同様、日本郵政の西川善文社長の経営責任を問う声が少なくない」。

★★【鳩山更迭】郵政民営化に曲折も、
西川氏の責任再浮上も
MSN産経ニュース・09.06.12

◇「(前略)西川氏に対しては『かんぽの宿』売却問題などで経営責任を求める声はくすぶっており、鳩山氏が辞任したことで、今度は西川氏への風当たりが強まる事態が予想される」。

◇「しかし、経済界には『鳩山氏との対立で西川氏のイメージも傷ついた』(財界幹部)との声もあり、『剛腕』で知られた大物銀行家は厳しい局面に追い込まれている」。

★★西川郵政、続く多難 総務省としこりも
鳩山総務相辞任
asahi.com・09.06.12

◇「『かんぽの宿』問題に端を発した鳩山総務相と日本郵政・西川善文社長の対立は、鳩山氏の辞任で幕を閉じた」。◇「ただ、『国民の財産の不当な安売り』という批判が、一定の支持を得たのは事実だ。混乱で西川氏の描いた経営戦略は大きく狂った。所管官庁とのしこりも残った」。

09.06.12~13に限定した上記IFSA流新聞スクラップからも、どこに物事の本質があるかがうかがえるのではなかろうか。

◇たとえば、本日(09.06.14)のTBS系<サンデーモーニング>では、正統派のような顔をして体制ヨイショ派の幸田真音が<日銀総裁人事の時もそうでしたが、政治によるゴタゴタはいいかげんに・・・・・・・>(大意)と言ってみせたり、テレビ朝日系<報道ステーション>の古舘伊知郎がしたり顔で<民営化そのものには反対はないのですが>と述べてみたり。

◇あえて核心には踏み込まないこうした人々の職業的セキュリティー&みすぼらしさを、鳩山邦夫罷免劇総体が見事に突いている。

◇にもかかわらず政府与党は、<日本郵政は民間会社ですから社長人事に口は出しません>など、相変わらずすっとぼけたことを言っては本質を糊塗(こと)しようともがく。◇いったいどこの世界に、国が100%株主の民間会社などあるものか。子どもでも分かろう。

◇なお、IFSAがなぜ当時からコイズミ郵政選挙&郵政民営化に大反対してきたかは、過去何度も論じた当IFSA通信のバックナンバーにてご覧いただきたい。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年6月 7日 (日)

鳩山総務相の日本郵政社長更迭問題でも<核心へは踏み込まず>を順守するテレビ界

◇現役の法相でありながら「自分の友人の友人がアルカイダ」と言ってみたり(=ただもしかして、これは本当かもしれない)、在任時のその他もろもろの言動、これは相当に変な男だと思っていたし、麻生太郎を支える議員の会「太郎会」会長というだけでも鳩山邦夫現総務相が噴飯ものであるのはもう明らか。

◇が、コト郵政問題への対応に関するかぎり、IFSAとしては評価せざるを得ない。◇というより、現時点での鳩山邦夫をIFSAは買っている。◇彼自身が胸を張るように、日本郵政・西川善文社長問題で鳩山はけっして間違ったことを言っていないからだ。

◇周知のように、IFSAはコイズミの郵政民営化を全否定してきた。◇絶対善的<民営化>に名を借りた竹中平蔵的国有財産の売り飛ばしと、コイズミの対郵政私怨、それらをミックスさせてうまく利用した自民政権保持戦略に対し。◇詳しくは当IFSA通信のバックナンバーをご覧いただきたい。

◇そして政府が<三顧の礼>で迎えたとされる(=本当か。西川はしめしめと喜んでやってきたのではないか)旧住友銀行(現・三井住友銀行)の大ボス・西川善文は、銀行時代の子飼い連中を日本郵政へ招き入れ、勝手放題を始める。

◇それは、融資先を救済すると称しつつ、<タテヨコ計算至上主義あたま>の持ち主たちを進駐軍として企業へ送り込む手法と何ら変わりはない。◇しかも相手先は<国>そのものなのだから、進駐軍にとってはまことにオイシイ。

◇鳩山邦夫は毎日新聞のインタビュー(全面記事)でこう語っている(★★特集ワイド:愚問ですが 日本郵政の社長「続投」 鳩山邦夫さんに聞く・毎日jp.・2009.06.06)

◇「私は民営化賛成論者です。どうしてそれをみんな分かってくれないのか。民営化前後に、非常に汚れた部分があったから、それを奇麗にしている。小泉(純一郎元首相)さんなんかには『郵政民営化を奇麗にしてくれてありがとう』って表彰状をもらいたいくらいです」。◇「西川さんを代えたら民営化が後退するように言われるが、まったく逆じゃないか」。

◇「改革を推し進めた竹中平蔵(慶大教授・元総務相)さんが普段おっしゃっていることは、もうかることは善、もうからないことは悪、というカサカサした発想」。◇「小泉改革は光だけでなく影の部分も強く、友愛の物差しからするとちょっと点数は低い。小泉さんは偉大な改革者として尊敬していますが」。

◇だからマスコミが鳩山邦夫を批判するのであれば、鳩山の言う「非常に汚れた部分」だけでなく、郵政民営化という大事業がそもそも内包する本質的な「汚れた部分」も視野に入れたうえで、それでもなお鳩山の行動はおかしいと論を展開していかなければならない。◇真正ジャーナリズムとしては。

◇そこまで踏み込まなくてはマスコミとしてのイミがないであろう。現象面をささっとなでてお茶を濁しているだけでは。◇いやIFSAは、マスコミたるもの郵政民営化に反対すべきと主張しているのではない。◇賛成なら賛成でいい、その論拠をぶれず明確に提示すればいいだけのこと。相手の顔色など見ずに。

◇しかし彼らには、人に言えないスティグマがある。◇(1)郵政民営化選挙当時、マスコミの大半は<民営化>を絶対善のポジションから支持した。単にそれが大衆ウケする<民営化>だからという理由で。◇(2)しかしいまや、コイズミや竹中の旗色はきわめて悪い。だからマスコミも、そうそうやすやすと<郵政民営化美化>にはくみしにくい。

(3)だからその点だけはあいまいにしておきたいのに、トンデモ鳩山が出現したため困惑を隠せない。◇(4)そこでとるべき手はひとつ。郵政民営化是非の本丸は見てみぬふりをして脇へおき、鳩山邦夫の手法をめぐる強引さのみをあげつらう。テクニック批判へと特化する。◇(5)そうすればマスコミ自身への跳ね返りを避けられる。

◇この傾向は特にテレビに顕著で、たとえばフジテレビ系のモーニングショー(=表現が古すぎるか)司会者は、「西川氏の後任となると、はたしてなり手がいるのか」など、いち周辺事情をメーンテーマのごとくしたり顔ですりかえ、深読みしたつもりになる。

◇西川に本当に問題があるのなら、後任がいようがいまいがそんなことは関係がない。◇まったくの大きなお世話であり、まずはやめさせるべきか否かを検討するのが順序というものだろう。◇また女性のコメンテーターはこんなことを言った。「この問題は国民の最大関心事とは思えない。(だからこんなに大騒ぎをする鳩山さんは理解しがたい)」と。

◇周辺事情をメーンへとすりかえる手合いはほかにも大勢いる。◇鳩山邦夫の真意はどこにあるのか、それがどうも怪しいと。◇そりゃそうだろう、鳩山クラスの政治家が、何の他意もなく純粋な正義感のみで今回の行動を起こしていると思うほどIFSAもうぶではないのだ。

◇ならば、鳩山の<怪しい動き>を白日の下に剔抉(てっけつ)してみればいいじゃないか。◇自民党内で鳩山を支えているのは誰々で、財界人で糸を引いているのは誰だと具体的にあげてみれば。また、彼の隠された大きな戦略は何だと。◇大マスコミなら、そんなこととうにお分かりのはずなのだから。

◇しかし実のところ、それはどうでもいい。◇鳩山の<隠された意図>がどこにあろうが、今回の西川問題に限定して彼が正しいことを言っているのなら(=それがたとえ形式的にであれ)、IFSAはそれを支持するというか、それを利用してでもコトを動かすほうにつく。

◇政治とか権力闘争というのはそういうものだ。◇純粋じゃないって?笑わせちゃいけない。

◇テレビ界の偽善者たちは本丸へ踏み込めば大けがをすることを熟知しているから、どうでもいい周辺事情へ大衆の目を向けさせては、自身を安全地帯へと導く。◇どうせ鳩山邦夫は孤立している。マジョリティーを敵に回す愚だけは避けよ!というテーゼからすれば、現時点では鳩山をたたくのが常道というわけだ。

鳩山邦夫の動きに対するコイズミグループの総力をあげた巻き返し。◇目下のところそれが効を奏しているという事実を知らぬマスコミがいるとしたら、それははなからジャーナリズム失格というものだろう。

◇きれいごとだけが最大価値のテレビマスコミは、<核心だけからはエスケープしろ><周辺の絶対善は本丸のごとくに擬装して利用しつくせ>を忠実に実行している。◇テレビ朝日系の「報道ステーション」、古舘伊知郎も朝日新聞の一色清も、まあそんなお気楽なノリでいい子ぶっていたっけ。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年6月 3日 (水)

IFSA注目の<ベタ>記事=<橋本聖子が外務副大臣&答弁不可>ほか(09.05.30現在)

★★米巡視船の派遣 政府「把握せず」
ソマリア沖
TOKYO WEB・2009.05.29

◇「(前略)二十八日の参院外交防衛委員会で、米国が巡視船をソマリア・アデン湾の海賊対策に派遣している事実を日本政府が把握していなかったことが分かった」。◇「米沿岸警備隊のホームページ」にそれが載っているのに、という。

◇「ところが、外務省の梅本和義北米局長は『沿岸警備隊が出ているとは聞いたことがない』と答弁。ホームページを確認後、梅本氏は『逐一フォローしていなかった』と弁明した」。◇とぼけているのか、それとも本当に把握していなかったのか。

◇日本ではなにゆえに海上保安庁の巡視船派遣でなく自衛艦をといわれるが必定だから、知っていながらすっとぼけてと考えるのがまあまっとうだが、日本の弛緩(しかん)した外務省のこと、てんから知らなかったことも十分に想定される。◇いや、IFSAとしてはそのほうに妙なリアリティーを感じてしまう。

◇米沿岸警備隊といえば、マンハッタン島の西を流れる大河・ハドソン川の対岸(=ニュージャージー州)に係留された米巡視船の美しさを思い出した。◇米軍艦も海上自衛艦もなるほど機能美的にはそれなりだが、そこには当然凶器のにおいがつきまとい、好きになれない。

◇それに比べれば米国も日本も、巡視船は丸腰(+)最小限の威嚇的&自衛的武器だけだから、逆にきりっとしている。◇横浜海上保安部の超大型巡視船「しきしま」も、それから齢(よわい)20ながら日本海の境海上保安部(鳥取県)で第二の人生を送る1000トン級「おき」(=前身は横浜の「のじま」)も同様に清楚(せいそ)そのものだ。

◇進歩派連中とはちがってソマリア海賊対策は必須と考えるIFSAだが、巡視船派遣をすっ飛ばしていきなり自衛艦!と意気込む与党防衛族の異常さと薄汚さだけは見過ごすわけにはいかない。

◇中学時代から消防車オタクのIFSAは、消防車と巡視船を同一線上のかっこよさと認識している。

★★橋本聖子副大臣、核実験答弁しどろもどろ
asahi.com・09.05.25

◇「25日午後の参院予算委員会で、橋本聖子外務副大臣北朝鮮の核実験に関する答弁でしどろもどろになり、質疑がたびたび中断」。◇中曾根外相がベトナムへ行って留守のため代役を迫られてというが、彼女の「しどろもどろ」には妙にリアリティーがある。◇まさに目に浮かぶようといった形容がふさわしかろう。

◇ただ正直に言えば、橋本聖子が外務副大臣とはこの記事ではじめて知った。◇それにしても、事務的な相手をしなければならない外務官僚も気の毒なことよとIFSAなどは思ってしまう。◇やってられないでしょうね、まったく。

◇「橋本氏は、民主党の富岡由紀夫氏から政府の方針を問われ、『毅然(きぜん)と対応する』と答弁」。しかし、『具体的に』と説明を求められても、『しっかりとした対応』『毅然とした態度で』といった発言に終始し(後略)」。

◇「結局、河村氏(官房長官-筆者註)や外務省幹部が駆けつけ、答弁を引き受けた」。

副大臣や政務官!大義名分を並べ立てながらも、結局はかつての政務次官を水増ししただけのこと。政治家のポストを増やしただけのこと。◇その分、<部屋+秘書+公用車+労務費+経費>じゃ、たまったものではない。

◇この水増しも、かつての省庁再編も、すべては絶対善を標ぼうする虚構でしかなかった。◇と同時に、橋本聖子のような人物を国会議員に選ぶ選挙民の神経を横におくわけにはいかない。

★★都水道局が東京五輪PR
宣伝費倍の18億円計上
TOKYO WEB・09.05.07

◇「東京都水道局が宣伝費として2009年度当初予算に08年度の倍の18億7000万円を計上、CMなどを通じて水道事業だけでなく、10月に開催都市が決まる16年夏季五輪の招致活動もPRすることが7日、分かった」。

◇石原慎太郎都知事の愚にもつかぬ五輪入れあげにつき、IFSAは当通信でもう何度も批判してきた。◇その彼は、誘致合戦における東京の不利な状況にあせりまくり、またこれを見る取り巻き都幹部どもがここぞとばかりヨイショして散財を重ねる。◇悪循環が止まらないどころか、スケールアップしていくからタチが悪い。

◇「しかし水道局は公営企業会計で水道料金が収入源。多額の経費で、本業以外もPRすることに疑問の声も出そうだ」ばかりか、都バスにはカムカム五輪のラッピングを施しまくるし、都営地下鉄車内には都からの関連広告をずらっと。

◇動機不純の五輪誘致だけで信じられないほどのカネを使っているというのに、かてて加えて、成算の立たない一発逆転へ湯水のごとく都のカネをつぎ込まれてはたまったものではない。

◇石原慎太郎という人物、ヒトのカネとなれば景気がよくなる性分とはいえ、まったく冗談じゃないのだ。

★★皇居前のAIGビル、日生が1000億円で買収へ
ZAKZAK・09.05.08

◇これでもう完全に、皇居前の美しい光景は破壊されてしまうことだろう。どうせ例の再開発(=オフィスタワー化)がらみに決まっているのだから。◇AIGビルとともに品のよさを支えつづけたパレスホテル(+オフィス)は、いまや塀で囲われ、中ではぶっ壊しが進行している。

◇もちろん、これくらいで嘆いたりするIFSAのほうがどうかしている?くらいは分かっている。◇パレスホテルとAIGの双方に隣り合っていた当時の高層ビル(=旧日本鋼管ビル)などはもうとうに倒され、先週現在、新ビルの鉄骨が組み上がり始めているのだから。

◇何なのだろう、このスクラップアンドビルドで成り立つ日本の社会というのは。◇厳密には、彼ら得意の<経済合理性>にすら反しているとIFSAは推測するのだが。◇それにしても、こうした<経済>をインフラとする日本社会の心性って、やはり醜い。

★★就職人気企業、JR東海が初の首位
トヨタは急落96位
asahi.com・09.04.08

◇リクルートの調べでは、「(前略)業績悪化が顕著な電機・自動車メーカーは軒並み後退。前年6位のトヨタ自動車は96位まで落ち込むなど、学生の安定志向が強まっている」。

◇「安定的な人気があるのは金融業界で、3大メガバンクを含む銀行・損保計5社が10位以内に入った。電機ではパナソニックが15位に踏みとどまったものの、いずれも前年は20位以内だった日立製作所が26位、ソニーが29位、シャープが55位、キヤノンが77位と落ち込みが目立つ」。

◇付け加えるコメントもない。ばかばかしくて。◇銀行へ入り、せいぜい取引先のメーカーへ意地悪でもしてろって!

《IFSA好みの欄外あるいは論外記事》

★★【盧前大統領死亡】自殺、亡命、暗殺、投獄
・・・悲劇多い歴代韓国大統領
MSN産経ニュース・09.05.23

産経新聞ソウル特派員・黒田勝弘のユニークな筆致にIFSAは引きつけられた。

◇彼は、「今回の盧武鉉氏の場合、在任中の金銭疑惑が原因になっているが、全斗煥、盧泰愚両氏のような財閥企業などからの巨額政治資金疑惑というのではない」「夫人や息子など家族、親戚(しんせき)が、以前から知り合いの業者から金銭的支援を受けていたというものだ」としたうえでこう書く。

◇「そこで盧武鉉氏の支持者たちは『昔の大統領疑惑に比べるとたいしたことはない』『いわば生活型犯罪だ』などと弁明、擁護している」。◇「しかしそれだけに、同じ疑惑でもスケールが小さく見栄え(?)はよくない」。◇朝日新聞では間違っても言えないせりふだろう。だが再び、リアリティーがある。

★★鳩山代表、候補者調整でうっかり発言
国民新激怒で釈明
asahi.com・09.05.29

◇民主党の新代表が「(神奈川1区での-筆者註)国民新党との一本化の見通しを早まって口にし、同区で競合する国民新党の反発を招いた」というのが問題の中心だが、これを取り上げるIFSAの関心はそこにはない。

◇鳩山発言に怒りまくったという国民新党代表代行・エキセントリック亀井静香の絶妙の皮肉を紹介したいだけである。

◇「29日の両党(=民主党・国民新党-筆者註)の幹部協議でも、民主党の菅直人代表代行、岡田克也幹事長らに(亀井静香は-筆者註)『今日は(出席は)地球人だけか』とこぼし、『宇宙人』とも呼ばれる鳩山氏への不快感を示したという」。

★★すき家ゼンショー、告発した店員を告訴
「飯5杯盗んだ」
asahi.com・09.04.15

◇「店のご飯を無断で食べたなどとして、牛丼チェーン『すき家』を展開するゼンショー(本社・東京都港区)が、残業代不払いで同社を刑事告訴した仙台市の女性店員(41)を、窃盗などの疑いで仙台地検に刑事告訴していたことが分かった」。

◇「地検はすでに店員を不起訴としており(後略)」は当然にせよ、何だろうこのセコイ会社は。◇心臓を患ってから<すき家・なか卯>や、コテコテメニュー中心のココスへは行かないからいいけど、ここにトップの思想が反映しているのは間違いない。

◇会社に盾突くヤツは絶対に許さないという、ワンマン会社にありがちな思想が。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月28日 (木)

毅然たるを演出する舛添厚労相のオポチュニストぶり。あのインフル対応をはじめとして

◇なぜか首相にしたい人の上位にいつもあげられる舛添要一厚労相。だがそのいいかげんさについては、当IFSA通信、しつこいくらいに論じてきた。◇最新のものとしては2009.05.09【新型インフルへの対応は政治的<好機>とばかり高揚する舛添厚労相。お里が知れる】がある。

◇自民党の中で一頭地を抜く(=総理候補へ効率よく近づく)にはどうすべきか。そればかりを考えているこの男は、本能的ともいうべき勘のよさでシンボリックな事象へ飛びつく。◇しかしいかんせんモノを見る目が単純なため、ということは社会心理学的なイミで底が浅いため、すぐ馬脚をあらわすことに。

◇そう、本当のところは勘が悪いのである。もっといえば、<人間>が見えていない。◇だから今回の新型インフルエンザでも、IFSAの予測どおり大恥をかき、あとからぶつぶつ言い訳にこれつとめること となる。みっともないったらありゃしない。

◇今後も風見鶏で生きていこうというなら、あの大勲位・中曾根康弘くらい徹底していなければネ。

◇その一例。先のIFSA通信でも指摘したように、横浜市の高校生が新型インフルエンザ感染第一号(疑)となった際の舛添のはしゃぎっぷりといったら、そりゃ尋常じゃなかった。

★★【新型インフル】エンジン全開の舛添厚労相、大丈夫?
TOKYO WEB・09.05.01

◇「新型インフルエンザ問題で、舛添要一厚生労働相連日早朝や深夜に緊急記者会見を開くなど『エンジン全開』で対応している」。

◇「『国民が一丸となって協力すれば、この見えない敵であるウイルスとの戦いに必ず勝てる。ぜひオールジャパンで全員の力を合わせてウイルスと戦いたい』」。◇「1日午前の閣議後会見。テンションが高めの舛添氏は新型インフルエンザ対策を勇ましい勝負事になぞらえ、全力で取り組む姿勢を強調した」。

◇いったい何に淵源するのだろう、このリキは。

◇そして「舛添氏は新型インフルエンザ問題について『私から国民に一刻も早く正確な情報を伝える』としており、重大事案は、舛添氏が発表するのが鉄則(後略)」とされた。◇最高潮が見込めるパフォーマンスだけは役人ごときに渡さない!の決意が読み取れ、ほほ笑ましくもばかばかしくなるではないか。

◇だから記者発表資料がとうにできていても、事務局から報道陣へ渡してしまうのは御法度。◇「『大臣が来るまではダメ』」で待たされることと相成る。本末転倒このうえない。◇そして横浜の高校生はノン新型インフルと分かるや、もはやニュースバリュー(=パフォーマンスバリュー)なしとばかり厚労相殿はお出ましにならないのだった。

◇水際作戦など幻想、ポイントは国内診療体制の確立にありとは、当初から多くの疫学者が述べてきたところ。これは結果論ではない。◇しかしそこを突かれた舛添は負けん気だけを全開にさせ、「もし成田等の検疫体制をゆるめて死者が出たら、だれが責任をとるのか」(大意)と開き直った。

◇ここには舛添をはじめとする厚労省の無責任体質、すなわちアリバイ証明体質が如実にあらわれている。◇もし彼らが「死者が出たらどうするのか」を本気で心配しているのなら、たとえ近畿地方で患者が発生したとて検疫体制は続行しなければならないことになる。

◇しかし彼らは突然、成田検疫を放り出してしまった。その時、実は彼らに何のロジックもなかったことが明らかとなった。何で厳重な空港検疫を行ってきたかに関するそれが空無!◇いや、彼らに百歩譲れば、こうは言えよう。<強毒性かもしれないうちは検疫を強化・続行>→<弱毒性と分かった段階で検疫は中止。国内医療体制整備へとシフト>。

◇しかし彼らはこの論理にもつかなった。◇とにかく水際での勝負一本槍。なるほど、テレビの画像的には勇ましくてかっこうがいい。テリー伊藤にほめられそうなまでに。

◇現役の厚労省検疫官ながら厚労省の方針を弾劾する木村盛世はこう述べる。

★★新型インフルエンザ疑いという「汚名」
木村盛世オフィシャルWEBサイト・09.05.05

◇「すなわち、今回は弱毒性で通常のインフルエンザと変わらない病気があたかも天然痘レベルのとんでもなく恐ろしい伝染病として社会的なレッテルを貼られているのです」。

◇「先日、国内初の患者か?と騒がれた横浜の高校生については高校名や実名も探し当てられています。患者のプライバシーをまったく考慮しない国や地方自治体の不用意な会見や発言が、今回の病気を既にスティグマ化しているのです」。

◇「その元凶をつくっているのが『検疫で一人も国に入れない!』と狂気のさたで騒いでいる厚労省です。このスローガンは『日本に1人でもカゼの患者が出たら日本は玉砕する』と言っているくらい愚かなのです」。

◇木村の主張は09.05.16の同サイト<★★検疫を主張した人の責任はどこに?>でさらに激しさを増す。◇「国がやるべきことは、『一人の患者も国内で出さない』とこ(こと-筆者註)ではなく「いかに広がりを少なくするか』です。このためには今の無駄な『検疫』を止め、国内患者の対応にすべてを注ぐべきです」。

◇そしてあるべき「国内患者の対応」を語った後、「それにしても女性同伴した政治家が引責辞任をするなか、『検疫オンリー』を主張した健康局長ならびに専門医委員会の専門家が何の責任追及もされないのはおかしな話です」と。

◇「税金の無駄という点においても社会的混乱を招いたという点においても、女性同伴よりはもっと大きな罪を負っているはずです」。

木村盛世といえば、『厚生労働省崩壊』(講談社・09.03)で一部から注目されていた厚労省現役の医系技官で、その勇気たるや大したものと思うが、IFSAの直感(直観)としてはどこかエキセントリックな部分も見えないわけではない。

◇本はすでに買い求めてあるので、彼女についての全体的な評価は読後あらためてということにしよう。

◇さてでは、パフォーマー・舛添のその後はどう推移したか。◇東京新聞がこう伝えてくれる。

★★舛添氏、国内の注意喚起で反省 新型インフル対応
TOKYO WEB・09.05.25

◇「舛添要一厚生労働相は25日の参院予算委員会で、これまでの新型インフルエンザ対応について『今回の教訓を組織として次に渡していかないといけない。今反省して言えば”すでに(国内に)入っているかもしれない”ともっと言っておけばよかったかなと思う』と述べた」。

◇この学者的客観性を装った対応こそが実はくせものなのであり、<水際での封じ込め>に力み返っていた当事者がこの期に及んで「”すでに(国内に)入っているかもしれない”ともっと言っておけばよかったというんだから、いくらお人よしの国民とはいえ、舛添マジックにこれ以上だまされてはいけない。

◇この一事だけからも、舛添要一のレベルというか人間性が透けてみえようというもの。

◇ところで話はかわり、なぜか急に飛び出してきた厚労省分割案。◇これに関する彼の<変遷>を少々紹介し、今回は筆をおくとしよう。

◇「年金記録問題や後期高齢者医療制度への対応に連日追われる舛添氏は『省庁を再編し、厚労省を(年金、労働、医療の)三つに分割すべきだ』とも述べ、柔軟な対応の必要性を強調した」(★★舛添厚労相「年金省できてもいい」・asahi.com・08.04.26)。

◇「舛添厚生労働相は7日、『厚生労働省は大きすぎる。雇用から年金から全部。省庁の再編成を考えないといけない』と述べ、年金省・厚生省・労働省の三つに分割するプランを示した」(★★舛添厚労相、省の解体言及 厚生、年金、労働に3分割案・asahi.com・09.03.08)

◇「大臣自らが担当省庁の解体に言及するのは異例で(後略)」(同上)あるにもかかわらず。◇かと思えばその2カ月半後には・・・・・・・。

◇「舛添要一厚生労働相は21日の経済財政諮問会議で、麻生太郎首相が主張する厚労省の分割について『そう簡単にできない』と述べ、慎重に検討する必要があるとの姿勢を示した」(★★舛添氏、厚労省分割に慎重・MSN産経ニュース・09.05.22)

◇「舛添厚生労働相は26日午前の記者会見で、麻生首相が意欲を示す厚生労働省の分割について、『議論不足だ。拙速でやるべきではない』と述べ、急いで結論を出すことには慎重な姿勢を示した」(★★厚労省分割「拙速でやるべきではない」・・・舛添大臣・YOMIURI ONLINE・09.05.26)

◇「舛添氏は『内閣の一員なので、最終的には首相の指示に従う』としたものの、『厚労省だけの問題ではない。省庁再々編をやるべきだ』と語り、厚労省が分割論の中心であることに警戒感を示した」(★★厚労省分割案:舛添厚労相が否定的な見解・毎日jp.・09.05.26)

麻生首相は、<憎き厚労省>を解体するから国民の皆さん1票を!と見るからに頼りない画策を試みるし、他方の厚労省内部には「(前略)力の弱い省が二つできるだけ、という不安もある。かつて分割を口にした舛添厚労相も、19日の閣議後会見では『1人の大臣でできないというなら、国土交通省も同じだ』と述べ、警戒感を示した」(★★厚労省分割:「解体」で不信解消・・・首相、政権公約に・毎日jp.・09.05.21)という、打算にだけ発した政府内ねじれ現象が。

◇ただ、厚労行政はどうあるべきかの視点がない点では両者見事なまでに一致している。

◇ふにゃふにゃ麻生はともかく、時系列的にウオッチしつづけなければ危なくてしようがない野心家・舛添要一がここにはいる。◇そしてわが日本人および日本社会は、この種の<フットワークのいい>人物にコロッとだまされやすい特性を持つ。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月25日 (月)

変節・田原総一朗。舌の根の乾かぬうち、今度は<鳩山新体制を支持しています>

昨日(2009.05.24)テレビ朝日系サンデープロジェクトで、あのトンデモ田原総一朗がまたまた平気で変節した。◇いや、<変節>などという高級なものではない。世の風向きを感知しつつ、ほとんど無意識の状態で180度主張を変えた。◇あたかも本能的きゅう覚を誇るかのように。

◇速記録をとったわけではないから、その部分の大意を順不同で記してみよう。◇大意とはいえ、もちろんのこと論旨は正確に伝えられていると確信する。

◇民主党の岡田克也新幹事長を前に、田原は言った。◇「さあ、鳩山新体制ができました」。◇「選挙に勝つために多分、小沢さんはやめて鳩山新体制になった」。

「私は、鳩山さんのこの新体制は支持しています」

◇「小沢さんは民主党きっての選挙のプロ。ただ、政策はほとんど何もない人ですよね」。◇「小沢さんは選挙のどさ回り(=IFSA使用の共同通信社ソフトでは「注意、不快用語等」と表示される)で、東京にはいるなと」。

◇「政策はここにいる岡田さんや野田さん、この辺がやっている」。

◇たった1週間前のサンプロでは、<鳩山由紀夫が民主党代表になろうものなら、小沢一郎のもろカイライ政権!ゆえに民主は絶対それを避けねばならぬ。岡田以外に選択肢はない・・・・・・・>とほえまくっていた御仁から飛び出したのが本日の発言私は、鳩山さんのこの新体制は支持しています」)だから驚く。◇毎度のこととはいえ。

親小沢・反小沢の作為的二分法で鳩山由紀夫と岡田克也を引き裂き得意顔だった田原は、あっけらかんともうどこにもいない。◇おそらくは、代表選直後の大手新聞社による世論調査にびびったのであろう。こりゃヤバイと。

◇<変節>前の田原の主張、詳しくはぜひとも一昨日(09.05.23)のIFSA通信【田原総一朗・テリー伊藤らTV界テキトー男が、知ったかぶりだけで民主党代表選を酷評】をご覧いただきたい。

◇こんな男をまわりが持ち上げ、本人もまた、テレビ界のオピニオンリーダーと大きく勘違いする。◇オポチュニストぶりも大概にし、そろそろメッキはげはげを自覚したらいかがだろう。◇そして周辺もまた、ヨイショなどしていないでレッドカードをぶちかましたら?(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月23日 (土)

田原総一朗・テリー伊藤らTV界テキトー男が、知ったかぶりだけで民主党代表選を酷評

◇前回のIFSA通信【あの親小沢・反小沢キャンペーン=きれいごとマスコミが<自民党的政治>を支える皮肉】(2009..05.18)では、<民主党の新代表はオカダ・オカダ!>と叫ぶ大新聞のピンズレぶりを中心に論じた。

◇岡田克也のクリーン度人気を自民党はもっともイヤがる、だから政権交代のためには鳩山ではなく岡田!なんて妄言が大手を振るのだからまことに恐れ入る。◇昨今のプロ記者たちの政治センスってこの程度なのかと。

◇そして今回のIFSA通信は、それよりもっとひどいテレビマスコミを中心に・・・・・・・。

◇そこでまずは、テレビ朝日系サンデープロジェクト(=以下、いずれも09.05.17の番組)から。◇毎度のこととはいえ、田原総一朗のひどさといったら目を覆うばかりで、本人がまったく感じていないだけ気の毒になってしまう。

◇田原は<検察着手を好機と小沢一郎の無条件排斥へ>をテーゼに、ゲストたちの巻き込にとりかかった。◇というより、ゲストも自分と同意見、だからコトは簡単、そう信じて疑わないかのようだった。◇小沢的影響下からフリーな<クリーン岡田>、彼をかつがぬ民主党なんてそもそもおかしいんじゃないか、だれが考えたってそうだろうといった具合に。

◇しかし、小沢への生理的嫌悪ムンムン男に反旗を翻したのは、ここのところフニャフニャしきりの高野孟。今回ばかりは毅然とし、マスコミこそおかしいと食ってかかった。◇それに加勢したのが、いまや自民党のスポークスマン然たる財部誠一とくるからおもしろい。

◇彼らは大略こんなふうに言った。◇<永田メールでガタガタになった民主党を参院選でよみがえらせ、党内を統一し、総選挙では政権交代一歩手前といわれるまでに育て上げたのはどこのだれだったか。もちろん小沢一郎をおいていないじゃないか>。

◇<あの西松問題で小沢の秘書が逮捕される以前、すなわち2月の下旬まで、小沢リセットとのたまった人間などマスコミの世界でいったいどこにいたことやら>。

◇それが秘書逮捕の一事で一転、小沢一郎は極悪人とされ、小沢的なるものまでこの際一掃せよとばかりマスコミは共闘体制を確立する。◇まるでこれまでのウサを晴らすかのように大キャンペーンへ打って出たというのが今回の怪奇現象の背景だ。

◇これを視野に入れた高野&財部のまっとうなる指摘に、田原は虚を突かれたかのごとくたじろぐ。◇表情にもそれがあらわれていた。カメラはその動揺ぶりを見逃がさずとらえる。

◇そして田原から出たコトバとは、「ここには小沢応援団がかなりいるんだ、へぇ~」(大意)。皮肉っぽく言ってみるのが精一杯といった風情だった。◇出演者全員が、小沢ケシカラン!岡田ウエルカム!の<予定調和>だとばかり信じきっていただけに、ショックも大きかったのだろう。

◇かくもアタマが空っぽの虚像・田原。政治家からセンセイ・センセイとおべんちゃらをこかれ、各地の後援会に呼ばれては地方の惨状を体得した気になる。◇またあるときは旧全共闘系回顧集会で珍重されたりもする。

◇日本社会ばかりか日本の思想界まで、テレビで有名ならgood!の原理で動いているからよくしたもの。◇田原総一朗はこれにうまく乗っかっては知識人ぶっている。

◇同日のTBS系サンデーモーニングでは、司会の関口宏がテレビ界の常識をなぞるかのように、「政権を取りにゆく民主党がこれでいいんですかね」なんて世論おもねりの空疎な決まり文句を発し、悦に入っていた。

◇これには国際政治学者の浅井信雄が、「非小沢・反小沢と区分けしたがるのはマスコミの特性。それより小沢の功績(=選挙に強い&党内の引き締め)を客観的に評価しなければ」(大意)とシニカルに応じた。

◇すかさず写真家の浅井慎平が「鳩山由紀夫新代表は久しぶりに人間としてまともな話をしていた。友愛なんて恥ずかしくていえないのに、素直でむしろ新鮮」(大意)と、冗談めかしつつもマスコミ界の悪習(=クリーンとカイカク大好き)を笑いのめす。

◇IFSAの見た限りでは、上記数人くらいの出演者が現実直視の発言をなしたものの、メーンスストリートはご多分に漏れず、とんでも人間が仕切っていた。◇たとえば世紀のオポチュニスト(=ご都合主義者)・テリー伊藤(=TBS系サンデージャポン)のように。

◇<テレビで効率よく売り込むには!>。この1点にしか関心のないテリーは、まさにオレの領域とばかり得意げにぶちあげてみせる。◇<たった2日間の選挙戦が問題。それに投票日を土曜にもってこず週明けまでのばしていたら、土・日は民主のテレビジャックとなろう。広告宣伝効果からして、いったいどれほどの金額に換算できたことやら>(大意)。

◇テリー伊藤本人は手だれのつもりだろうが、発言の底の浅さにはシラケドリが飛ぶ寂しげな雰囲気まで漂う。◇そうかと思えば、最近売り出し中のにわか政治ジャーナリスト・上杉隆が、したり顔で同様の説教を始める(★★民主党は拙速な代表選実施で、政治ショーの最高の演出機会を逃した・DIAMOND online・09.05.15配信)

◇「(前略)選挙期間は実質2日間、それで新代表を選ぶという」。◇「この決定を表現するとすれば、可能な限り、控えめな表現をもってしても、民主党の広報担当者はメディア戦略がいったい何であるかをまったく理解していないか、あるいは、まったくの愚か者であるかのどちらかであることが判明した」。

◇「民主党は、代表選という、メディアの注目を集め、自らの党と政策と人材を、国民にアピールする貴重な機会をみすみす逃したのだ」。◇「昨年、一昨年と行なわれた自民党総裁選と比較すればそれがどれだけお粗末なものか理解できるだろう」。

◇何じゃこりゃ。あの安倍晋三・福田康夫電撃辞任後のデキレースというか茶番劇を煎じて飲めってか。◇冗談よしこさんだろう、まったく。

◇「とりわけ昨年秋の総裁選は、麻生太郎、与謝野馨、小池百合子、石原伸晃、石破茂の5氏が出馬して、華やかな選挙戦を行なったのはメディア戦術の勝利であった」。◇「候補者たちは連日テレビを中心にメディアに登場し、各々の政策をぶつけ合って、マスコミはそれを徹底的に報道した。さらに公開討論会を行ない、全国を遊説して回った」。

◇「結果、新総裁が選ばれた頃には、二代連続で無責任な辞任をした前総裁の存在は消えてしまっていた」。◇オイオイ。だから促成栽培の売れっ子評論家ほど困ったものはないっていうのだ。

◇それにだいいち、テレビ媒体をただで使って自己宣伝する、そんなイロハをいまどき「メディア戦略」なんて大仰に言う神経のほうがよほどアナクロだろう。◇民主党の広報といえどもその程度は百も承知。しかしそれを上回る事情があったとしか考えられない。

◇代表選2日後の毎日新聞はこう伝えている。<★★世論調査:首相にふさわしいのは鳩山氏34%麻生氏21%・毎日jp.・09.05.18>

◇「次の衆院選で勝ってほしい政党の質問では民主党が56%で、代表選前の12、13日に行った前回調査比11ポイント増となり、自民党の29%の2倍近くに達した」。◇「民主党は小沢一郎前代表の公設秘書逮捕で傷ついた党のイメージを小沢氏の辞任と代表選の実施によって回復させたといえそうだ」

◇田原総一朗・テリー伊藤・上杉隆らには予期せぬ数字だったろう。ありゃ!といった結果が早々に出てしまった。

◇テレビ戦略上、代表選をもっと引っ張っていれば&岡田克也が選ばれていれば、民主党はこんなものじゃない!56%どころか80%?知ったかぶりの彼らはこう強弁するのだろうか。ぜひ聞いてみたいものだ。

◇上記毎日新聞に限らず、産経新聞読売新聞も、メディアは意想外の調査結果に直面し、ぶったまげているに相違ない。◇しかしIFSAに驚きはない。メディアがいくらフレームワークにはめようとしても、世間のほうがなぜかさめきっている。◇それらについては次回以降で詳しく。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月18日 (月)

あの親小沢・反小沢キャンペーン=きれいごとマスコミが<自民党的政治>を支える皮肉

◇今回の<小沢一郎辞任><民主党代表選>プロセスで明らかになったのは、日本の大マスコミがいかにダメか、いいかげんか、深くものを考えていないかであった。◇さすがのIFSAも、ここまでひどい破廉恥ぶりとは認識しておらず、反省させられた。

◇ともかく、情けないを通り越してあきれまくった。大マスコミという<知>の劣化に対し

◇こうした情況下、IFSAがすぐ思い出したのは、2001年4月のコイズミ内閣誕生劇。◇<聖域なき構造改革>や<恐れずひるまずとらわれず>など、カイカクをちりばめた惹句(じゃっく)に人々は吸引され、マスコミは広報役を買って出てそれを下から支えつづけた。◇あの歴史に残る珍現象のことだ。

◇日本人はさわやかっぽいプレーズが大好き、だからマスコミはそれを先取りしてははやしたてる。◇カイカクとかクリーンとか、蒸留水的いい子ちゃんファクターがちりばめられれば、条件なしの絶対善とばかり日本社会は心酔してしまう。

◇それが政治世界のダイナミズムにあって何をもたらすかなど考えもしないし。◇世論と大マスコミをめぐる構造はこのようにできている。郵政民営化騒動などその典型だろう。

◇さてそれを念頭におきながら、今回の民主党代表選マスコミ大キャンペーンを見ていくとしよう。

★★【ポスト小沢】民主党代表選 消せぬ小沢の影
MSN産経ニュース・09.05.15

◇「小沢一郎代表との距離感が異なる鳩山由紀夫幹事長岡田克也副代表の両陣営とも、表向きは『”親小沢”対”反(非)小沢”の選挙ではない」としている。だが、大詰めを迎えた15日の選挙運動の現場に、小沢氏が落とす影は濃く、今さら隠しようもない」。

◇「代表選に伴い、民主党岡山県連が独自に実施している同県内の党員・サポーターに対する電話調査(14日分)では、70%弱の支持を集めたA議員が20%台のB議員を大きく引き離した」。◇「代表選規則に従い具体名は伏せられているが、A議員は岡田、B議員は鳩山だとされる」。

◇「『鳩山さんだと小沢さんの続きになるので良くない』『鳩山さんは小沢さんに近いから、岡田さんが良いと思います』・・・」。◇「調査記録をみると、鳩山を拒否する理由には小沢との『近さ』が挙げられているのが目を引く」。

◇ダーティー小沢に近い鳩山はダメ、クリーン岡田はgood!。民主党岡山県連も産経新聞もそう言いたいようだ。◇では理由は?クリーンだから。ハハハ。

◇コイズミの時は、自民党地方支部からほうはいとわき上がった<新鮮さがイチバン>の声を中央が急きょ拾い上げ、たまたま大成功へとつながった。◇サメの脳みそとまで言われたボロボロ政権と自民党幹部の大スキャンダル、それを払しょくするためのいちかばちかに国民はコロッとなびいていったわけだ。

◇どうやら、それが今回の民主党代表選にも適用できるかのような錯覚にマスコミは陥っている。◇しかし決定的にちがうのは、民主党とは<生まれてはじめてというか、事実上、戦後史ではじめて政権を狙おうという野党>だということ。

◇真ん前には、衰えたとはいえ老かいな自民党がデンと控えている。◇最高度の権力闘争がいま要求されているのである。

◇ならば、クリーンがどうだイメージがどうだより、だれが代表になれば自民党を倒す可能性がアップするか、その一点が代表選のポイントにされるべきは当然といえよう。◇もっと具体的に述べれば以下のようになる。

(A)引きつづき自民党に政権を担わせたい側にあっては自民党にとってくみしやすい人物が民主党代表になってくれること、それがいちばん。◇(B)民主党に政権をとらせたい側にあっては=相手の自民党がいちばんいやがる人物を代表に据えること、それがいちばん。

◇上記産経新聞にかぎらず、今回はほぼすべての大マスコミが<反小沢?>の岡田を応援しているようだが、彼らはみな、この(A)か(B)かを明らかにせず、理念的な格好だけをつけては論じている。◇だからすべてがウソっぽくなってしまう。

(A)か(B)かはおいておきながら、いやそこからは逃げておきながら、まずはクリーン&クリーン。◇すなわち、憎き小沢的なもののリセットが至上命令化している。◇そうした体たらくからすれば、以下のようなダラ談話を無批判にのせる新聞が登場しても驚くことはなかろう。

★★「岡田氏は逃げない、鳩山氏は逃げる」消費税巡り財務相
asahi.com09.05.15

◇「与謝野財務相は15日の閣議後の記者会見で、民主党代表選に立候補表明した鳩山由紀夫幹事長、岡田克也副代表の消費増税をめぐる発言について、『岡田さんは逃げない、鳩山さんは逃げる。これが私の率直な印象』と述べた」。

◇与謝野はまずこう示唆している。◇<岡田は逃げない。だから岡田がgood!><なのにダメ民主党は小沢のしがらみが強く、岡田を選びきれない><民主党ってこの程度の政党。これが政権をとるって?冗談か>と。◇鳩山当選を見据え、まずマイナスイメージを付与している。

◇この発言に接し、与謝野が心から岡田を評価しているなどと思う人間がいたとしら単なる政治素人でしかなかろう。◇老練な与謝野の本心は、あの選挙に弱い純粋お坊ちゃま岡田にぜひ登場してほしい、そうなりゃ短期的に民主の人気が上がったとしても、岡田執行部はかならずひねりつぶせる、敵失も起こりえようし。

◇鳩山当選をけん制すると同時に、できれば岡田へと世論誘導しているのだ。

◇この発言を念頭においたうえで、上記<(A)引きつづき自民党に政権を担わせたい側にあっては自民党にとってくみしやすい人物が民主党代表になってくれること、それがいちばん>へ戻ってもらうと分かりやすいだろう。

◇しかし、<引きつづき自民党に政権を担わせたい>読売や産経等を除く大マスコミは、この与謝野発言を岡田当選への後押しメッセージのように報じて恥じない。◇どうやら昨今のプロ政治記者たちは、カマトトのフリをしているのではなく本気のようだから救いがない。

◇それにこの際もうひとつ、与謝野がよく言うよ!にも触れておこう。◇財政規律派を気取っていた与謝野が旗振り役となった今回のジャバジャバ補正予算はいったい何だ。◇その張本人が、消費税から逃げる・逃げないだって?おととい出直せであろう。

◇ただ、こんな正直すぎる意見のあったことも伝えておきたい。◇それは<★★【ポスト小沢】甘利氏「岡田氏ならやりやすい」・MSN産経ニュース・09.05.15>

◇「甘利明行政改革担当相は16日午前の記者会見で、民主党代表選で鳩山由紀夫幹事長が選出された方が与党に有利ではないかとの質問に対し『自民党は岡田克也副代表の方がやりやすい岡田氏が代表になったら、相当、民主党内に混乱が起きる』と述べ、岡田氏が選出されることに期待感を示した」。

◇それはさておき、鳩山由起夫が新代表になるや、こんな記事まであらわれたた。

★★二重権力・色付きすぎ・・・「小沢傀儡」予想相次ぐ与党
asahi.com・09.05.16

◇「政府・与党からは、小沢前民主党代表を幹事長として支えた鳩山新代表は、小沢氏の『傀儡(かいらい)』になると予測する声が相次いだ」。

◇「自民党の菅義偉選挙対策副委員長は『小沢さんの思い通りになったんじゃないか。鳩山代表になっても、小沢さんの存在感がますます大きくなる。今までは小沢さんの下で一元化された権力がまさに二重権力になる』と指摘」。

◇「同党の古賀誠選挙対策委員長も『岡田さんに比べると鳩山さんの方が影響力が残るのは間違いない』」。◇「公明党幹部も『鳩山さんは小沢さんの色が付きすぎている。傀儡批判をどう防ぐのか。簡単じゃない』」。

◇朝日はこういった内容をただ流すだけで何のコメントも付さない。まるで与党のくちを借り、自身の主張を言わせているかのようでもある。◇しかしどうだろう。この白っぽさは。

◇自民党の真意は、<ある意味で鳩山がなってくれてよかった。小沢傀儡!と攻めやすいから>ではなく、政治技術的に御しやすい岡田ではなく大変なことになったに相違ない。◇自民党がいちばん恐れるのは、敵の中に存する、小沢一郎や亀井静香のごとき<自民党的なるもの>なのだから。

◇<小沢的なるもの>は自民党にとっていちばんやばいし、事実、小沢的が浸透したからこそ民主党もここまで足腰が多少鍛えられた。◇その小沢路線を今回のどさくさでリセットできないのであれば・・・・・・。西松事件でうまくいったと思ったのに。

◇自民党が必死になるのも理解できよう。◇たとえば<★★傀儡批判 揺さぶりへ 与党、民主の回復を警戒・TOKYO WEB・09.05.17>のように。

◇この程度の初歩的な暗喩(あんゆ)が読めない大新聞エリート記者って、まったく困ったものだ。

◇マスコミによる<絶対善的市民主義としての岡田待望論>大合唱自民党はこれに対して内心ほくそ笑む→結果としてこの偽善市民主義が自民党を支える・・・・・・・というアイローニーに、クリーン大好き人間は気づかない。

産経新聞政治部長・乾正人<(★★【小沢代表辞任に思う】まだ早い「さらば、一郎」MSN産経ニュース・09.05.12>でこう書いている。

◇「ゼネコンから多額の政治献金を受け、資金管理団体が高額の不動産を所有するという小沢氏の政治スタイルは、民主党が否定してきた『古い自民党』となんら変わらない」。◇「果たして民主党は、『小沢的なるもの』から脱却できるのだろうか」。

<小沢的なるもの=古い自民党的なるもの>と産経の政治部長は言っている。◇ということは、彼は<古い自民党的なるもの>に絶望し、新たなる民主党に期待している、<小沢的なるもの>をかなぐり捨てた新生民主党に政権をとってもらいたいと本気で考えている、そうなるのだろうか。◇まさかそんなこと。

◇私が書いた上述の(A)(B)をもう一度見直してもらいたい。◇ここをあいまいにしたままのクリーン幻想論というイデオロギーを、もうそろそろわれわれは疑うべきではないか。

◇民主党代表選に関するテレビマスコミのひどさについても触れたかったが、長くなりすぎた。◇次回のIFSA通信へ譲るとしよう。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生

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2009年5月14日 (木)

絶対善的<倫理&説明責任>で小沢を攻めさえすりゃ自身は安全!と心得る大マスコミ

◇西松建設関連での小沢一郎民主党代表秘書逮捕以降、テレビを中心とする大マスコミのスタンスはあまりに児戯に類するものだった。◇いや、児戯だからこそ<純粋>、ゆえに世間にウケル、だから批判するマスコミ自身はド安全。それをよく知っての行状といったほうが正しかろう。

◇<ゼネコンからあれほど多くのカネをもらうなんて><いったい何に使ったというだろう><その疑問に対し、小沢は説明責任を果たしていないではないか><これほど政治倫理が問われている時はないというのに>だからこそ、<小沢辞任後の民主党代表選では、脱小沢的なもの・非小沢的なものが求められている>・・・・・・・。

◇いいかげんカマトトぶるのはやめにしたらどうか。いい大人がみっともないったらありゃしない。◇小沢がダーティーぽいって?何をいまさらだろう。そんなことはだれでもが直感するところで、西松事件なんぞに教えてもらわなくても十分にわかっている。

◇問題は、<ダーティーっぽい>のか<ダーティー>なのかということ。両者は決定的にちがう。◇もっとはっきりいえば、今回の小沢の行為が究極的に法に触れるのかどうかということ。◇IFSAはそれでしか判断しない。

◇いや私はちがう、法への抵触うんぬん以前に、小沢のあの姿勢というか方法論が許せない!というなら、マスコミは西松事件などの尻馬に乗るのではなく、もっと前々から小沢を正面より攻撃してくるべきだったではないか。◇小沢的なるものを世間から葬り去りたいというのなら。

◇豪腕といってはこわがり、小沢をまともに批判すらできない、この腰の引けた連中の常套手段はただひとつ。◇<小沢的=田中角栄>という図式を何の証明もなく持ち出すことにつきよう。◇あげくは言うに事欠き、野党のくせにもらった額が多すぎるだって。

◇いまやボロボロに批判される絶対悪的角栄ですら、<彼は小学校しか出ていない(=厳密には多少ちがうはずとIFSAは認識)><だから庶民の気持ちが分かる><すなわち角栄は庶民の味方>といったハイパー単純式を武器とし、田中角栄こそ今太閤!と持ち上げまくったのはどこのどなたでしたっけ。

◇今回の秘書逮捕事件に発する、<野党としては多すぎる?政治献金。いったい何に使ったことやら>式マスコミ流問いかけを、小沢への好悪を別として客観的に整理すれば以下のようになろう。

前回の参院選勝利を含めた選挙戦へ投入した。これからの選挙への軍資金として備蓄している。私的に使った。

◇最後のものは論理的可能性からする理念型として述べただけで、実際のところはまったく不明。◇かつて週刊誌にちょろちょろたたかれたことがあったと記憶するが、本当に怪しいと思うのなら、資金豊富な大マスコミのこと、グダグダと安全地帯から絶対善的遠吠えをしていないで徹底究明すればいいではないか。

◇この<何に使った?>問題、<私的に使った>がないのであれば、あとはどうぞご勝手にの世界となろう。◇もちろんのこと、有権者買収等の不法は別にして。

◇以上、ここまでの記述はアウトプット範ちゅうの問題だったが、もうひとつ、インプット段階の問題が残る。◇というより、今回の逮捕劇はこここそがインチキ!と検察は判断したわけだ。◇逆に小沢一郎は、とんでもない、法にのっとりすべてオープンに報告しているじゃないかと。

◇この辺に関する今回の摘発の可否は、法廷での論争にゆだねるしかなかろう。◇この時期(時機)なぜ最大野党党首の小沢だけを狙い撃ち?なぜ自民党の大物へは手が伸びない?といった消しがたき政治的色合い以外はネ。

★★「やや乱暴では」「一罰百戒の意義」
・・・検察OBの評価分かれる
YOMIURI ONLINE・2009.03.25

◇「東京地検の特捜部長時代にゼネコン汚職事件の捜査を指揮した宗像紀夫・中央大法科大学院教授は、『特捜部は、従来の価値基準を変えて摘発した』と批判的だ」。◇「『政治資金規正法上、最も悪質なのは、収支報告書に記載しないヤミ献金。今回は、献金自体は記載されており、透明化の義務はある程度果たされていた』と指摘」。

◇この事件以来、的確な指摘で名をあげてきた「(前略)元検事の郷原信郎・桐蔭横浜大法科大学院教授」も同様の指摘をしたうえで、「『(前略)ヤミ献金ではないので悪質性は低く、罰金刑が妥当。検察は、なぜ今回の事件を摘発したか十分に説明する義務がある』と指摘した」らしい。

◇他方、「元最高検検事の土本武司・白鴎大法科大学院長」や「元東京地検特捜部長の河上和雄弁護士」は、手の込んだ悪質な事件だとして摘発の「意義」を強調している。

◇いずれにしろこれほどビミョーな事件に、当事者たる小沢一郎が異議を唱えないことのほうが不思議というものだろう。◇にもかかわらず、マスコミは<説明責任を果たせ>の一点張り。

◇いや、マスコミばかりではない。民主党内からも何とかの一つ覚えのように<説明責任・説明責任>。◇21世紀に入って頻繁に使われ始めたこのコトバ(=説明責任)ほど気色の悪いものはないとIFSAは常々思っているのだが。

◇なんだこれは!また例により、accountabilityからくる生煮えのカタカナ概念にきまっていよう。◇企業の不祥事が表ざたになるたびに使われるコンプライアンスなんかと同様の。◇もうそろそろ、こんなものに頼ってその場をごまかすのはやめにしたらどうだろうか。

◇ではなぜ日本人は<説明責任>が好きなのか。理由は簡単、それを求めた自分への跳ね返りがないからだ。◇真っ正面から批判すれば、当然のこと自身も巻き込まれ、ある場合には逆襲にあうかもしれない。◇しかし免罪符のように<説明責任>と言っていれば痛くもかゆくもない。

◇小沢一郎のケースに話を戻せばこうなる。◇小沢に<説明責任>を求めたとして、ではどういう状態にいたったら<説明が完ぺき>と彼らは承認するのだろう。◇IFSAとしては、要求する人間にそれを聞いてみたい。

◇多分こういうことになるはずだ。◇それではまだ説明が足りない・・・・・・・のエンドレスな繰り返しに。◇要は、<私がやりました、私が悪うございました>と謝罪しないかぎり、<説明責任>を果たしたとは認められない、と。

◇だからこそIFSAは、気色悪いという。◇ならば最初から、「ウソ言ってるんじゃないよ。世間様に向かってきちっと本当のことを話せよ」と要求したほうがずっと早いしすっきりしている。つまらない間接話法ではなく。◇だが、求めるほうにはそれだけの覚悟など天からない。

今回の件は絶対に許せないとマスコミが本気で思うなら、明日からでもおそくはない、こう追及したらよかろう。◇<西松からの献金を隠すため、意図的にダミー団体を使ったのではないか><献金された巨額?のカネを私的に流用したのではないか>と。

◇でも、そんなこと怖くてとてもできないだろう。名誉棄損で訴えられたらそれこそ大変と。◇だから<政治倫理>や<説明責任>といった、人畜無害なキレイゴトで逃げている。◇加えて、ちゃっかり正義漢ぶってもいる。何たるしたたかさというか、セコさよ。

◇いやもしかして、それはIFSAの買いかぶりかもしれない。<今回の件は絶対に許せないとマスコミは本気で思う>のくだりすら、単なるアリバイ証明のポーズということも十分考えられるのだから。◇世論へ迎合するには怒ってみせるがイチバン!とばかりに。

◇そう思えば、<説明責任なるものどこかクサイ!>の裏側も見えてこよう。◇テレビマスコミのお家芸ともいえる予定調和からの出発。<説明責任>なるフニャフニャ概念こそ、その主役としてまさにうってつけなのだった。

◇こんな火の粉の降りかからぬいい子ちゃん的キャンペーンを大々的に打つヒマがあったら、二階俊博経産相問題への独自取材競争(+)ザル法としての政治資金規正法徹底言及、マスコミはそうした基底部から地道に崩していくべきなのだ。

◇しかしその彼ら、どうしてだか<本質>からは逃げまくり、<小沢的なるもの>へご執心とくる。◇ただこれとて、民主党の代表選が終われば自然消滅するは目に見えている。◇毎度のことながら、刹那刹那またセツナの思いつきキャンペーンに終始するからであります。わがテレビメディアは。

◇ここで最後にひとこと。IFSAは当通信にて過去何度も、小沢一郎の功罪を語ってきた。◇民主党を、足腰の強くエグイ政党へ育て上げるためには、小沢的<どぶ板>(+)<ダーティーっぽさ>こそ建設途上必要悪なのだと。◇というより、松下政経塾流脇アマお坊ちゃまでは百年待っても政権はとれないと。

◇政治の世界の権力闘争とはそういうものだから。◇米国の大統領予備選を見ればそれはよく分かろう。

◇しかし古舘伊知郎的テレビは今日も主張している。◇今度こそ(非小沢的)クリーンな指導者にぜひ出てきてもらいたい!ってな具合に。◇それこそ、な~んちゃってではないか。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月 9日 (土)

新型インフルへの対応は政治的<好機>とばかり高揚する舛添厚労相。お里が知れる

◇だれが次の首相にいいですか?のアンケートでは、コイズミとともに舛添要一厚労相石原伸晃の名前が必ずあがる。◇あ~、よりによってなぜこんな最悪の連中が。IFSAは何もエラそうに言っているわけではない。◇しかしその際にアタマをよぎるのは、<民度>という誤解を招きやすいコトバ。

民度=「ある地域に住む人々の、生活水準や文化水準の程度」(スーパー大辞林・電子版)。◇民度=「人民の生活や文化の程度」(広辞苑・電子版)。◇民度=「国民、住民の生活の貧富や文明の進歩の程度」(スーパー・ニッポニカ・電子版)。

◇ここにあるのはいずれも<進歩>という物さしをあててのもの。しかしIFSAのニュアンスはちょっとちがう。◇政治分野での意識に限っていえば、<政治的密度>とか<政治的熟度>といったものになろうか。◇そう、定量的というより定性的なそれの・・・・・・・。

◇多くの日本人が首相候補やリーダー候補の判断基準としてあげる最大の資質といえば、<物事をはっきり言う>に尽きる。◇内容以前に、とにかく<はっきり言う>。だから、コイズミがいちばん!といった当然の流れになるのだ。◇彼ほど空疎なことをはっきり言う人間などそうざらにはいないのだから。

◇逆から見れば、日本人は日ごろ、いかにものをはっきり言っていないことか。そのコンプレックスが上記のような人気投票にあらわれるとは、拙著においてしつこく分析したところだった。

◇かくも国民に人気の舛添要一は、かつて『母に襁褓(むつき)をあてるとき』(中央公論社・1998.01)なる介護本を書き、相当に注目された。◇しかし当IFSA通信で数回批判したように、この著作は舛添の人間性を完膚無きまで世間へ知らしめるトンデモ本であった。

◇中身はといえば、遠い故郷にいる母親をオレはこれだけ苦労して看護し、またそのためにこれだけの大金を投じた。翻って兄弟は何だ!のクレームと糾弾が中心をなす。◇しかも、カネにまつわるそれがメーンだから、しらけることこのうえない。

◇そしてIFSAの手元には、同人の『介護で後悔しないための、お金と心得がわかる本』(PHP研究所・99.09)がある。吹き出すようなタイトルだが、舛添にはお似合いといえよう。

◇その舛添厚労相、豚インフルエンザ(=現在は新型インフルエンザ)がらみの会見でいやにテレビへ出まくるし、また、毅然たるさまを装う会見の表情としぐさがやけに芝居がかってクサイなと直感していたら、MSN産経ニュースが内幕をきちっと報じてくれた。

◇その経緯を時系列的に追ってみれば以下のようになる。

★★【新型インフル】「落ち着いて行動してほしい」
舛添厚労相会見
MSN産経ニュース・09.05.01


◇深夜の厚労相会見要旨をピックアップすると・・・・・・・。◇「横浜市から通報があり、新型インフルエンザ感染の疑いと分かった。患者は横浜市在住の17歳の男子高校生」。◇「国内で発生したので、行動計画にのっとって対策を強化したい。正確な情報が入ればお伝えするので、落ち着いて行動してほしい」。

◇これ自体は別にどうってことはない。◇ただ注目すべきは、大臣会見が5月1日の未明であるという点だけ。

★★【新型インフル】「危機管理なってない」
舛添厚労相が横浜市に怒り・MSN産経ニュース・同上

◇舛添厚労省は会見で、「(前略)感染の疑いがあると診断された横浜市の男子高校生(17)に関する市の対応について、『(市から厚労省に)遺伝子を調べるPCR検査は解析不能との答えがあった後、電話が通じなくなった。組織として危機管理の体をなしていない』と声を荒げ、連携不足にいら立ちを隠さなかった」。

◇「1日未明の厚労省で開かれた緊急会見で『極めて遺憾』などと横浜市を厳しく批判していた舛添厚労相。8時間後の閣議後会見でも怒りが収まらなかった」。

★★【新型インフル】「しっかりしてほしいのは厚労相の方」
知事が痛烈批判・MSN産経ニュース・同上

◇「『厚生労働相の勇み足だ』」。松沢成文神奈川県知事が怒ったらしい。◇「『最終の検査結果が出ていないのに(国の)行政が一方的に騒ぎ、パニックになった』と、厚労相を厳しく批判した」。

◇「松沢知事は『混乱を自ら招いたのに現場の対応が悪いというのは、大きな不満を覚える。しっかりしてほしいのは厚労相のほうだ』」とも語ったという。

◇これら一連の事実を報じた後、産経新聞はシニカルにこう書く。

★★【新型インフル】エンジン全開の舛添厚労相、大丈夫?
MSN産経ニュース桑原雄尚)・同

◇「新型インフルエンザ問題で、舛添要一厚生労働相が連日早朝や深夜に緊急記者会見を開くなど『エンジン全開』で対応している」。◇「厚労省の職員からは『難解な感染症の話を国民に分かりやすく説明してくれる』と評価する声が高まっている」一方、「舛添氏の政治姿勢を『パフォーマンスが過ぎる』と見る向きからは、冷ややかな反応も」。

◇「『国民が一丸となって協力すれば、この見えない敵であるウイルスとの戦いに必ず勝てる。ぜひオールジャパンで全員の力を合わせてウイルスと戦いたい』」。◇「テンションが高めの舛添氏は新型インフルエンザ対策を勇ましい勝負事になぞらえ、全力で取り組む姿勢を強調した」。

◇例の横浜市対応「こき下ろし」場面では、「会見を聞いていた厚労省側に緊張が走った。横浜市側にどんな事情があったかを把握しないままの『遺憾表明』は強すぎないか-。危機感を覚えた厚労省幹部は、広報室職員に『早く会見をやめさせろ』と指示を飛ばしたほどだった」。

◇「実際には横浜市の担当職員は報道機関などの問い合わせ対応に追われており、舛添氏の怒りは『的はずれ』な面もあったようだ」と産経は伝える。

◇産経新聞系のZAKZAK(09.05.02)はその間の事情についてこう書く(★★舛添vs中田インフルバトル「感染疑い」対応めぐり )。◇「厚労省では、感染疑い例が出た場合、遺伝子検査の結果が判明した段階で患者の情報を公開する予定だったが、実はこの時点では、横浜市側から確実な判定結果の報告は届いていなかった」。

◇「緊急会見は、同省担当者から『疑いが濃厚』との連絡を受けた舛添氏の方針で開かれたのだ」。なるほど、ありそうなことで目に見えるようだ。◇「このため、横浜市の担当者はテレビのテロップで舛添氏の会見が始まることを知り『驚いた』という」。◇「会見自体、舛添氏と中田氏(中田宏横浜市長-筆者註)が同時会見する方向で調整中だった」。

◇舛添の前のめりを象徴するもうひとつは、「『私から国民に一刻も早く正確な情報を伝える』」に発する「重大事案は、舛添氏が発表するのが鉄則」。◇そのためもあり、「1日未明の記者会見でも、すでに準備された報道発表資料を早く見たい報道陣と、『大臣が来るまではダメ』と必死で粘る事務方がバトルを繰り広げた」というから、あまりに度が過ぎる。

◇オレがオレがにとどまらず、政治家としてのステップアップ好機を逃すなが丸見えで、かわいそうになるくらい。◇しかし野心家(兼)権力大好き人間の舛添的感性は、そうしたあからさまな行状など何とも思いやしない。◇彼なりの目的を達成するのが第一義なのだから。

◇だが、横浜市の高校生の件が新型インフルに該当しないと分かるや、「(前略)その発表の記者会見は舛添氏ではなく、なぜか厚労省の担当室長だった」というから露骨も露骨。◇「厚労省内からは『大臣は自分に都合の悪い話になると表に出てこない』(中堅職員)との声も聞こえている」。

◇ギラギラ舛添をめぐるこの種の笑い話。MSN産経ニュース(★★【見えない敵-広がる新型インフル(上)】役立つか「行動計画」・09.05.02)は上記にとどまらずまだまだ教えてくれる。◇産経は実にえらいのだ!

◇「厚労省は1日、これまで異なる課ごとに、対応にあたっていた新型インフルエンザ担当が一堂に会して仕事できるよう、会議室を整備した。それに合わせて大臣訓辞がセットされた」。

◇「訓辞開始予定は0時45分。事務次官を筆頭に、担当者ほぼ全員にあたる約120人が、仕事を中断して会議室に集められた」。◇「ところが訓辞が始まったのは1時13分。120人は30分近く、手持ちぶさたに大臣の到着を待った」。

◇「会議室の隅の方で、若手職員同士が小声でささやく。『こんなことで、時間をつぶしている場合じゃないと思うけど・・・・・・・』」。

◇その後、横浜市でのような新型インフル<疑い>のケースが頻出しているが、舛添大臣みずから昼夜を分かたず会見にたったという話は寡聞にして存じ上げない。

◇これが国民に人気のある政治家。いや、これだからこそ人気の出る政治家というべきだろうか。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月 2日 (土)

何が五輪!荒川・隅田川の破堤対策=石原知事のリードすべきはその種の根本マター

★★荒川:堤防決壊なら地下鉄97駅水没
毎日jp.・2009.01.23(A)
★★荒川決壊なら都内地下鉄97駅浸水、大半水没
・・・防災会議
YOMIURI ONLINE・09.01.23(B)

◇「中央防災会議の『大規模水害対策に関する専門調査会』は23日、大雨により東京都内で荒川の堤防が決壊した場合について、地下鉄の浸水被害想定をまとめた」。◇「現在の止水対策だけでは、17路線97駅(延長約147キロ)がほぼ水没する可能性があり、決壊後わずか3時間余で大手町駅など都心の駅に水が流れ込む場合もあることが分かった」(A)。

◇「200年に1回の頻度で発生する恐れがある大雨(流域の平均雨量が3日間で約550ミリ)を想定した」(A)。◇「国による水害の地下鉄被害の予測は初」(B)。

◇ところで、「地上の被害がないのに駅や駅につながる地下道などが浸水するのは、後楽園や神保町、霞ヶ関、六本木など。地上よりも早く浸水するのは35駅で、大手町では地上よりも7時間早く濁流が到達し、完全に水没すると予測された」(B)。

◇その理由は「地下鉄が『下水管』のようになり、被害が急速に広がる危険性があることも分かった」(A)から。◇足立区の堤防が決壊した場合は北千住駅の水深が5メートル程度に達して大きな水圧が発生し、トンネルに流入した水が一気に都心へ移動」(A)。

◇そのため「約3時間で大手町駅、約4時間で東京駅が浸水(後略)」(A)。◇「(前略)霞ヶ関や六本木など44駅では、地上は浸水しないのに、駅や駅につながる地下街が水没する可能性が高いとも判明した」(B)。

◇いずれも本年1月の記事だが、はたしてどれだけの人が目にしたことだろうか。もしくは、読んでもどれほど印象に残っていることだろうか。◇だいいち、事件や芸能関係だとすぐ大騒ぎするテレビ媒体などは、この手の地味~な話題にまったく関心を向けない。

◇しかし、<東京低地や埼玉平野、そしてそこを縦横に流れる諸川>の研究もしているIFSAは、この記事にがつんとやられた。◇荒川・隅田川堤防がいつ破れてもおかしくはないとの危機感は人一倍もってきたつもりでも、地下鉄のトンネルが導水管の役目を果たし、まるでウオーターシュートのように大量の水が都心の地下街へ急速流入するとは!

◇地下鉄駅への降り口がマンホール、線路が巨大なる下水道に変化するというわけである。

◇たとえば足立区の千住あたりで荒川(=旧称荒川放水路)隅田川(=旧称荒川)が破堤したとしよう。荒川と隅田川にぎゅっとはさまれ、まるで中之島状態にある北千住の町などはひとたまりもない。◇そして記事のように、東京メトロ千代田線・北千住(地下)駅から水はどっと都心へ。

◇隅田川の右岸(都心側)が破堤となれば、日比谷線・千代田線・つくばエクスプレスの地下駅はまず危ない。◇それから、浅草の東京メトロ銀座線駅や都営浅草線駅も危険ゾーンに入ってこよう。

◇いずれにしろ、都心部ではいままで考えられなかったような人的・物的被害が発生することとなろう。◇もちろんのこと、J関係する地下街やJR東京地下駅もほぼ全滅。復旧までにどれだけの日数を要するか見当もつかない。

◇しかし今回の記事の眼目は<地下鉄のトンネルを通って激流が都心へ>にあるため、逆に視点が<地下>にとどまってしまうおそれがある。◇本質はいうまでもなく、破堤の影響を即受ける、<地上>での地域住民の命と多大なる物損の問題だ。◇とんてもない悲劇が発生するであろうことは想像に難くない。

◇ただ、都民はそんな重大な水害など念頭にもおいていないことだろう。というのも、戦後このかた60年強、北区岩淵(赤羽)より下流の荒川や隅田川がはんらんした経験をもっていないのだから。◇安全はもう日常になってしまっている。

◇そう、これは大正13年(1924)に大枠がほぼ完成、昭和5年(1930)に完工なった荒川放水路と岩淵水門のおかげなのだ。◇幾度とないそれまでの大被害に業を煮やした政府は、荒川放水路開削という世紀の大事業に打って出た。◇多くの反対と住民の犠牲のもと、まさにそれは突貫工事で行われた。難工事そのものばかりか、土地の強制収用面でも。

◇技術屋のトップはお役人の青山士(あきら)。その活躍は高崎哲郎『技師・青山士(あきら)の生涯』(講談社・94.05)に詳しい。◇また、足立区の小学校で先生をしていた絹田幸恵の『荒川放水路物語』(新草出版・90.11)も住民側の視点として参考になる。

◇それはともかく、完成からもう80年近く。荒川・隅田川とも堤防の強化につとめてきたとはいえ、まだまだスーパー堤防化にはほど遠いし、逆にあちらこちらでほころびも目立っている。◇何をおいても国&東京都が真っ先に取り組むべき公共工事であることだけは間違いがない。

◇それを怠れば、上記記事のような惨事ばかりか、沿岸地域の大惨事は免れないのだから。◇マクロ的には、国の機能も日本経済もマヒするほどのハイパー被害をこうむる。

◇07.11.23、東京の三田にて「利根川サミット」なる集会が開かれた。◇栃木・群馬・埼玉からは県知事が、茨城・千葉・東京からは知事代理のお役人が出席。関東地方に戦後最大の水害をおよぼしたといわれる<カサリーン台風>(1947年)被害を2度と繰り返すなの合い言葉のもと、啓蒙活動を展開した。

◇IFSAも出席したが、利根川が再度決壊すれば(=カサリーンの時は渡良瀬川との合流点付近だった)埼玉県とともに甚大な影響を受ける東京都の石原慎太郎知事は欠席。◇テレビが取り上げない渋い話題はごめんだよ、オレが出るほどの集会かといわんばかりの、慎太郎氏の行動パターンを強く印象づけたシーンだった。

◇そこで示された資料によれば、もしカサリーンと同規模の台風が襲い、利根川の土手が切れた場合の被害は、以下のように想定される。【註】*カッコ内はカスリーン台風時。*数字にはすべて<約>がつく。

◇浸水域内人口=230万人(60万人)。◇被害額(一般資産+農作物等)=34兆円(70億円)。

◇あのカサリーン台風時、利根川の東遷・荒川の西遷といった瀬替えにより、もはや主流の座を奪われていちローカル河川の地位に落ちた元荒川(もとあらかわ)・古利根川(ふるとねがわ)・中川等の<過去の川>に沿って水は忠実に流れ、埼玉平野・東京低地のかつての自然地理を思い出させる結果となったのだった。

◇そう、最終氷期を経て後氷期の縄文海進(有楽町海進)がもたらす増水により現出した奥東京湾。海は栃木県にまでおよんだその後、若干寒冷化して海は後退(縄文海退)、いまのような歴史時代の関東平野があらわれたという具合になっている。

◇カサリーン台風による水(溢水)はまさに、海進・海退が生んだ地質学的通路をなぞったともいえよう。

◇カサリーンが教えるように、コトは荒川だけでなく、関東の首根っこにある利根川の堰堤強度問題も避けて通れない。◇そう不安感をあおるなヨといったレベルではない現実的なマターであるだけに、緊急性は高い。◇これぞ真の意味でのハード的公共事業!IFSAはそう考える。

★★16年東京五輪の支持率伸び悩む
全国67%、都内は55%
TOKYO WEB(共同)・09.04.30

◇「共同通信社が28、29両日に実施した全国電話世論調査で、2016年夏季五輪の東京開催に賛成する回答が全国で67.8%にとどまり(後略)」。◇「さらに東京都での支持率は、全国より10ポイント以上低い55.6%で、各種イベントやテレビCMなどのPR活動にもかかわらず、支援が広がっていない現状をうかがわせる結果となった」。

◇この全国ベースでの<賛成>のなかには、「『どちらかといえば賛成』が27.5%」も含まれている。◇「16年五輪招致は4都市が争っているが、2月に各都市がIOCに提出した詳細な開催計画を記した立候補ファイルでは、地元の支持率はシカゴが77%、マドリードが89%、リオデジャネイロが82%で、東京は69%で最低だった」。

◇前述の洪水対策があるから五輪はすべきでない!などIFSAは単純なことは言わない。◇そういう論法をとるなら、社会福祉やインフラの整備が完成しないかぎり、五輪は開けないことになるからだ。◇その論法は、五輪は永遠に招致するなと言っているに等しい。進歩的知識人によくあるところの。

◇ただ、世の中にはバランスというものがある。いまの東京の<バランス>はどうなのか。1964年時点のような<バランス=ハード・ソフト両面の投資効果>を備えているのか。

◇都もその説明が困難と悟っているからこそ、「日本だからできる。あたらしいオリンピック!」などと、いまいちどころか、とってつけたような広告代理店的コンセプトを前面に出してみたり、石原には似つかわしくない、というより苦しまぎれの<平和>を持ち出してみたり、都営地下鉄や都バスをポスターで埋めてみたり・・・・・・・。

◇石原慎太郎に「戦後60年平和を貫いてきた日本で五輪を開催することにより、平和の尊さを世界に訴える」(★★16年夏季五輪:東京招致立候補ファイル 競技施設、都心部に集中・毎日jp.・09.02.14)なんぞ言われても、な~んちゃっての世界ではないか。

◇オリンピック誘致に失敗すれば<責任をとって>都知事をやめる結果、新銀行東京問題はチャラに。◇案外そうなるのではとIFSAは勝手に思い描く。

◇まあそれはそれとして、東京の大水害と2度目のオリンピック開催。◇大河川は国の直轄事業範囲だから、都は直接関与できないだって?冗談よしこさんだろう。

◇それより何より、都民ならびに国民は、首都圏の大水害とオリンピック!この問題のバランスをラジカル(根本的)にどう考えるのだろう。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年4月26日 (日)

わずかばかりの支持率上昇でお下劣全開の麻生首相。朝日新聞に毒づいたつもりで馬脚

★★麻生首相:気力充実?
支持率もバー通いも回復 周辺は「舌禍」警戒
毎日jp.2009.04.24

◇「麻生太郎首相が夜のバー通いを4月以降、増やすなど、気力を取り戻したかのような行動が目立つ」。◇「報道各社の世論調査で内閣支持率が軒並み20%台に戻るなど回復基調にあることに加え、09年度補正予算案の審議入りにめどがつくなど、衆院解散・総選挙に向け攻勢に出られる環境が整ったと判断しているためとみられる」。

◇「毎日新聞の世論調査では内閣支持率は24%(3月は16%)にまで回復し、NHK調査では30%にまで戻った」。

◇24%や30%で<回復>と騒ぐマスコミもマスコミで、昨年の暮れだったか20%台に落ち込んだ際、「政権維持の危険水域とされる30%を大きく割り込んだ」(★★麻生内閣支持21%、不支持73% 衆院選比例投票先、民主が自民逆転・NIKKEI NET・08.12.29)と報じたのはどこのだれ?といった調子だが、それよりも注目すべきはご本人・麻生太郎の<人間>そのもののほうだろう。

◇カネがあるのだから、高級ホテルで食事をしようが高いバーで飲もうがどうぞご勝手にとしても、「こうした上り調子を背景に、4月に入ってからの首相のバー通いもペースが上がっている」(上記・毎日jp.)いう首相の軽~い心性には思わず笑いがこみあげる。

◇その意味で、同・毎日jp.記事が示した棒グラフ&折れ線グラフはシャレがきいていて出色ものだった。◇題して<麻生首相の”バー通い”と内閣支持率の推移>。その相関を示そうと涙ぐましい努力をしている。

◇ところで、危険水域のぎりぎり水面にまで<回復>しただけ、それも敵失でというのに、ノリノリの麻生太郎氏は、周辺の<舌禍懸念>をよそに彼流はしゃぎを止められない。◇それも憎めないようなそれとしてではなく、持ち前の下劣さを全開させるといった風の無意識なる方法で。

★★【麻生首相ぶら下がり詳報】靖国神社への真榊奉納
朝日新聞に説明する必要ない」(21日夜)
MSN産経ニュース・09.04.21


【靖国神社真榊奉納】(一部のみ引用)

--過去には何度も参拝されているが、今回、例大祭に参拝、参列ではなくて・・・
 (秘書官)「名前、名前(を言ってから質問して)」
 「まず、自分の名前を言ってから、質問をやってよ」
--朝日新聞です。
 朝日新聞? あぁ、見ない顔ですね。初めて見る?」
--いえ、何度も質問している
 「あっ、そう」
--過去には何度も参拝していると思うが、今回、真榊奉納という形にした理由を改めて聞きたい
 「あの、真榊料を納めるか、そのとき、自分で行くか、理由を朝日新聞に説明する必
 要は感じませんので、
お答えは致しかねます

◇そしてその翌日、麻生のピンズレ朝日アレルギーは一層エスカレートする。◇ここには、朝日新聞を進歩派の急先鋒(=麻生に即してもっとエグく表現すれば、朝日は<左翼>もしくは<アカ>のリーダー)と見なして得意顔のアナクロ麻生がおり、おかしくなる。◇おいおい、いまだ朝日が敵かよ!

★★【麻生首相ぶら下がり詳報】
「朝日新聞。おお。そういえば、昨日もいたね。
印象ない顔だったけど」(22日夜)
MSN産経ニュース・09.04.22

【海賊法案】(一部のみ引用)

--朝日新聞です。海賊対処法案だが・・・
 「朝日新聞。おお。そういえば、昨日もいたね。うん。昨日はどこへ行った? 印象な
 い顔だったけど。
おお。(昨日、質問した朝日新聞社の記者が手を挙げる。首相はそ
 の方を向いて)あの顔?あぁ、そうだったっけ。あまり印象に残らない顔の人だな、と思
 ってたんだけど。はい

◇お下劣の証明など、これだけでもう十分だろう。◇朝日を批判するならするでいい。IFSAなんぞは朝日への批判オンパレードだから。◇しかし上記の言いぐさを、一国の首相のなす<批判>と認める人間がどれほどいようか。

◇批判はもちろん、皮肉にすらなっていないではないか。◇われわれの時代の小学生がやっていた<おまえのかあさんデベ○>と同一次元なのだから。

◇これに対し、良識派?の加藤紘一がクレームをつけたという。◇さすがに、見るに見かねたというところなのだろう。いくらなんでも、ラベルいやレベルがひどすぎるとして。

★★首相のぶら下がり対応「ひどい」 加藤紘一氏が苦言
asahi.com・09.04.25

◇「自民党の加藤紘一元幹事長は24日、TBSの番組収録で、麻生首相が毎日実施している『ぶら下がり会見』での首相の対応に苦言を呈し、『テレビで毎日放送されたら大変なことになる。すぐに改めるべきだ』と述べた」。

◇「こうした状況を受けて河村官房長官は24日夜、首相と会い、『若い記者をぞんざいにしないように。名指しはやめてください』と助言した」。

◇当の朝日新聞はその「ひどい」内容には触れることなく、「首相は21日のぶら下がり会見で、靖国神社への真榊(まさかき)奉納の真意を聞われ、『朝日新聞に説明する必要は感じない。お答え致しかねます』などと答えていた」ときれいごとで逃げている。

◇さらには首相の言葉として、「『(前略)だいたい私の息子ぐらいの世代だから』と述べ、『傲慢(ごうまん)』とも指摘される記者への対応は、親しみの裏返しだと強調した」と紹介する始末。◇どこまでも微温的で済まそうとの魂胆をあらわにしている。

◇前述の産経新聞記事を目にした人間であれば、何じゃこりゃといったところだろう。◇だから朝日はダメなんだと、IFSAは朝日を<批判>する。◇こんなところにも端的に朝日新聞の体質があらわれているのだから。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年4月19日 (日)

IFSA注目の<ベタ>記事=<小物・亀井静香のエキセントリック>ほか(09.04.12現在)

★★「書かないなら会見出ないで」
国民新党が一部の記者排除
YOMIURI ONLINE・2009.03.18

◇「国民新党は18日(3月18日-筆者註)の定例記者会見の際、先に発表した緊急経済対策を報道しなかったことを理由に一部報道機関の出席を拒否した」。

◇「同党の亀井静香代表代行は、記者会見に先立つ党本部での両院議員総会の冒頭、13日に発表した経済対策について『みんな集まって誠心誠意やった結果を発表した。全力をかけているものを1行すら載せない社は、会見なんか聞いてもらう必要はない』と語った」。

◇「記者会見場でも亀井氏が『1行も書かないなら会見しても意味がない』と改めて出席を拒んだため、朝日新聞、産経新聞など経済対策を報じなかった新聞社や民放の記者は、記者会見に出席しなかった」。

◇亀井静香は時々まっとうなことを言ったりもするが、内に秘めたるエキセントリックな性格はいかんともしがたく、こんなとんでもない子供じみたことを平気でやってのける。

◇彼が自民党政調会長時代であったろうか、米国在住の霍見(つるみ)芳浩・ニューヨーク市立大学教授とテレビ討論して評判を落とした、大昔のエピソードが忘れられない。

◇何が気に入らなかったのか、亀井は突然怒りだし、警察官僚体質そのもののどう喝的目線で霍見を罵倒、性格的な弱さを世間に披露してしまった。◇この瞬間湯沸かし器的ぶち切れとへその曲げ方に限れば、民主党の小沢一郎とどこか似ているのかもしれない。◇いや、小沢はもう少しシニカルで陰性だけれど。

★★逆ギレ亀井、記者締め出し
・・・小党だからとバカにするな
「徹夜で考えた政策報じてない」
ZAKZAK・09.03.19

◇「会見で亀井氏は、拒否の理由について『徹夜で考えた経済対策を報じないのはおかしい』と怒りをぶちまけたが、野党記者クラブは(1)会見は開かれた環境で行われるべきだ(2)取材、報道の価値判断は報道機関が決める-として、同党に抗議することを申し合わせた」。

◇「亀井氏は常々、『党に関する記事が少ない』と周囲に漏らしており、この日も出席を拒んだ記者らに『小党だからとバカにするな』と言い放った」。

◇これではまるで、国民新党のことを新聞やテレビで<宣伝しろ>と強要しているようなもの。◇載せる載せないの価値判断はメディアの勝手。「徹夜で考えた」など何の関係もない。

◇かつて、<介護は家庭でするもの。それが日本社会の美風>と言い放った男に似つかわしいズレズレぶりである。

★★国民新党、記者会見を再開
asahi.com・09.03.25

◇「国民新党は25日の定例記者会見にあたり、朝日新聞を含む多くの報道機関に対する会見への出席拒否を解除した」。◇拒否された朝日新聞以下、国民新党からの謝罪がなければ今後いっさい会見には出ない!となぜ突き放せないのか。◇情けないったらありゃしない

★★早い話が:妄言批判という佞言=金子秀敏
毎日jp.・09.03.19


◇「『済州島を買っちまえ』という小沢一郎・民主党代表の発言をみんなでたたいている」。◇「産経新聞は1面で『内外から”妄言”批判』」と書いた。韓国の反日主義におもねった見出しだ。妄言批判の裏に韓国への佞言(ねいげん)を感じる」。◇「あれ? 同僚の山田孝男専門編集委員も『冗談と聞き流せない』(16日付コラム「風知草」)と神経をとがらせている」。

◇「『買っちまえ』は話し言葉だ。書き言葉なら『投資せよ』だ。済州島のゴルフ場やホテルの株、不動産をいま買えば円高メリットがある。これは単純な経済的事実である」。◇「買うといっても、領有権はどの国でも売っていない」。

◇「小学生レベルの常識だが、もしかして(小沢発言を批判した-筆者註)麻生首相は、済州島の領有権を買うと勘違いしているのではないか」。

◇「話には前後の脈絡がある。そもそも済州島買いの発端は、日本の対馬にある。対馬は、ウォン高・円安の時代に韓国人観光客が殺到した。韓国企業も不動産やホテルなど『対馬買い』に走った」。

◇こういう<正論>を平気で書ける、もしくは書くのを許す社風があるから、毎日新聞は健全だ。◇しかも、同僚の記事にかみつく。これ以外にも、毎日では記者同士が公然とやりあっている。

◇だからIFSAとしては、この苦しい時代、毎日新聞が経営的に持ちこたえてくれることを心から願っている。

★★都心オフィスに”2009年問題”の影
電子報道部 魚住大介
日経産業新聞online・09.04.01

◇「東京都心の一等地に立つ高級オフィスビルで賃貸料の下落が本格化してきた。業績の悪化したテナント企業の多くは、賃料など固定費削減に必死で、賃料が高額な高級オフィスは、真っ先に移転や縮小が検討されている。一段の賃料下落につながりかねない状況だ」。

◇詳しいことは同記事をご覧いただくとして、都心にニョキニョキの異常かつ醜悪なるタワーオフィス(バブルの塔)のばかばかしさについては、このFSA通信、しばしば論じてきた。◇残念ながらあのバブル崩壊の教訓などここでは何も活かされていないし、今後もまた繰り返すことであろう。それだけは容易に予測できる。

◇大手町の一等地では、まだそれほど古くない旧日本鋼管ビルをさっさとぶっ壊し、すでに基礎を立ち上げ始めている。◇隣の清楚かつお堀にお似合いだったパレスホテルは取り壊すべく囲い中。◇あ~、情けない風景よ。

★★原子力学科:大学で復活
温暖化対策で脚光「技術者不足」
早大・東大・・・新設や改称
毎日jp.・09.03.16

何だろう、この節操のなさは!◇いや、IFSAは原子力学科の復活について非難しているのではない。そうではなく、世論というか社会の共同幻想におもねり、原子力学から撤退してしまったという<さもしさ>を指し、そう呼ぶのだ。

◇IFSAとしては、原子力発電は当分の間<必要悪>であると主張してきた。◇環境に優しい風力発電だって?ごますんじゃないと言い続けてきた。◇そんななか、進歩的知識人たちの動向はどうであったか。

◇彼らの論拠は唯一、原子力発電など推進する先進国は日本のみ、見てみよ、欧州ではみんな撤退しているではないか!◇それがどうだろう。原油価格の高騰もあり、また環境問題もあり、頼りとしてきた欧州諸国が原子力へ回帰と相成る。

◇だから上記の大学も、お墨付きを得たとばかりに「原子力学科」の復活へとなだれ込む。

◇こうしたなか、日本社会が要求すべきは、電力会社と経産省における徹底したマイナス情報の開示&何重もの安全投資&こと原子力行政に冠する限り、<政治>はいっさい排除!◇当然のこと、情報の非開示には法的罰則をもってあたる。そのための法的整備を。

<絶対善としての原子力発電拒否>を貫くのなら、大幅な停電を覚悟のうえでお願いしたい。

★★就職人気企業、JR東海が初の首位
トヨタは急落96位
asahi.com・09.04.08

◇「(リクルート発表の『来年3月に卒業予定の大学生を対象にした就職志望企業ランキング』によれば-筆者註)JR東海が初の1位になるなど、不況の影響を受けにくい鉄道、電力、通信などのインフラ関連企業が順位を上げた」。◇「一方、業績悪化が顕著な電機・自動車メーカーは軒並み後退。前年6位のトヨタ自動車は96位まで落ち込むなど、学生の安定志向が強まっている」。

◇「安定的な人気があるのは金融業界で、3大メガバンクを含む銀行・損保計5社が10位以内に入った」。◇メーカーは、超有名企業であってもがた落ち。◇ここにもIFSA言うところの<日本人の表層と深層>が大きく立ちはだかっている。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年4月16日 (木)

ショート&IFSA=政治イベント屋・田原総一朗もKY(漢字読めない)ってんだから大笑い

◇IFSAは最初から全然評価していないどころか、能力的にも品性的にも最低の男だと思い続けてきた田原総一朗。◇世間一般でもようやく本性が見破られ始めたのか、ネットをのぞくと相当の悪評が書き込まれている。

◇その田原、毎週日曜日のサンデープロジェクト(テレビ朝日系)では、<用意された>資料自体を深く読み込めていない実態をしばしば暴露し、赤っ恥をかいているが、本人はそう見られていることに気づく様子もなく得意満面、威張りっ放しとくるから、もはやマンガチック次元を通り越している。

◇この男の唯一の見せ場?は、他局や他の評論家ではけっして呼べない、もしくは来てくれないゲストをオレが引っ張ってきた、オレだからこそ彼らは欣喜雀躍、スキップでやってきた!を冒頭にひとくさり述べるくだりだろう。

◇「この人は自民党随一の政策通」、「防衛問題では民主党で彼の右に出る者はない」と歯の浮くようなお世辞をかましつつ、オレじゃなきゃこんな大物はホイホイと来やしないぜと、政治イベント屋としての力量?を誇ってみせる。◇いまや視聴者の多くが白けきるイントロであるのも知らず、田原はこれのみをレーゾンデートルと心得ているようだ。

◇こんな男をありがたがり、ホイホイとついていく出演者も、これまた同じ穴の何とかではあるけれど。

◇そんななか先週の日曜日は、どうだオレの企画力と吸引力は!とばかり、あの竹中平蔵(=言わずと知れたコイズミの懐刀兼切り込み隊長)とリチャード・クー(=麻生太郎のブレーン)という天敵を向かい合わせ、そのショービジネスはスタートした。

◇師匠格の中谷巌にはさっさと転向され、頼みのコイズミはもはや権力がた落ち、揚げ句は郵政民営化のやばさで追い詰められた平蔵は、機会さえ与えられれば弁明にこれつとめるとばかり能弁をフル回転、他方のクーはこれまでの冷や飯を一気に挽回と、裏返ってしまう甲高い声に一層の磨きをかける。

◇それはそれでつまらなくもないが、ファーストステージで飛び出した田原総一朗のKY(=漢字読めない)には及ぶべくもなかった。

◇例によってスタッフが用意したであろう資料を得意気に解説し始める田原。◇そのなかで出たのは、麻生政権経済政策の<大盤振る舞い>をご丁寧に2度も<おおばんぶるい>と発語。◇言い間違えろと言われても、なかなかすんなり思いつくものでもなかろう。ああ~。

◇自民党の代議士連中といっしょになって写真を撮り、新左翼系の集会にはオーソリティーのような顔をして登場する。◇田原という男、中身がピーマンだからこその所業といえよう。

◇サンプロのなかでふたことめには飛び出す、「いまや地方の声は○○ですよ。講演に行くと必ず聞かされる」うんぬんの低次元。◇駅や空港まで黒塗りで迎えに来てもらい、バカ高い講演料でテレビタレントとしてのうんちくを披露する、そして地方の名士に囲まれての会食・・・・・・・。◇冗談じゃないのだ、これで地方が分かったなんて言われた日にゃ。

◇地方在住の人びとは、全国区のテレビに出ているなんてことでありがたがらず、大名旅行のあんたなんかに分かられてたまるか!と一発かませてやればいいのだ。

◇そして毎週のこと、田原ご自慢のサンプロ・イベントが終了するや、彼はテレ朝の男女アナウンサーに対して必ずこう問いかける。「どう、分かった?」。◇そんな程度の話、分かんねわけねえだろうと彼らは叫びたいところだろうが、局アナである以上、おかげさまで勉強させていただきました!と言わざるを得ない。

◇しかし完成鈍き田原にはそれが見えない。◇彼は本気で、おれたちの高度な話、分かった?理解できた?一般大衆用にはもう少しかみ砕いたほうがよかった?とマジで尋ねているのだから。

◇田原が今後一気に凋落(ちょうらく)するかどうか、それこそが日本社会の政治レベルをはかる最良のバロメーターといえよう。(敬称略)

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2009年4月10日 (金)

本日のZAKZAK記事。前回のIFSA通信<自民党日和見政治家批判>とドンピシャ一致

◇IFSAは一昨日の2009.04.08【反麻生を気取りながら腰の定まらぬ<自民党日和見政治家>たち。そのオモシロ言行録】をアップした。

◇すると本日(09.04.10)、わが愛読するZAKZAK(夕刊フジ電子版)にこんな記事が。◇題して<麻生「5月解散」一直線・・・加藤、中川、武部ブレまくり 政権批判封印>

◇なぜか産経新聞とは思想的・内容的に一線を画する夕刊フジだが、いいところを突いている。

◇時流に乗るだけの<自民党インチキ政治家>批判。どうか上記2リンクにて読み比べいただきたい。

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年4月 8日 (水)

反麻生を気取りながら腰の定まらぬ<自民党日和見政治家>たち。そのオモシロ言行録

◇小沢一郎民主党代表の秘書逮捕でウキウキざんまいの政治家が民主党内には相当数いる。◇そのばかさ加減については前回のIFSA通信・【小沢秘書逮捕で民主党内反小沢派がウキウキ。<政治>を知らないふ抜けた連中だ!】(2009.04.04)で詳述したからそちらをご覧いただくとして、当然のことそれは敵方自民党にも及ぶ。

◇自民党が小沢の大失策に拍手喝采(かっさい)、もしくはその仕掛けの大成功に大喜びは自然の流れにせよ、これを契機に反麻生を気取る連中が麻生批判の手をゆるめる、この無原則・無節操ぶりが何ともおかしい。◇では彼らの麻生批判とはそもそも何だったのか、お里が知れようというものだ。

◇そんなのは自明の成り行き、二世議員を中心とする昨今のひ弱なメンバーを見れば!のごもっともなコメントはひとまず脇へおき、早速彼らの言行録をフォローすることから始めよう。

◇「麻生太郎首相に批判的な自民党の加藤紘一元幹事長山崎拓前副総裁中川秀直元幹事長ら『政界再編論者』に手詰まり感が漂っている」。◇「定額給付金が焦点になった08年度第2次補正予算案の衆院採決で自民党に造反の動きはなく、離党が確実視される渡辺喜美元行革担当相への同調者も出ない見通しで、『攻め手』を欠いているためだ」。

◇「加藤氏は10日、山形県鶴岡市での後援会会合で、定額給付金について『自民党議員は強い賛成ではなく、公明党に近々選挙でお世話になるから賛成する』と指摘しながらも、『自分も含めて自民党からそんなに造反する人は出ないだろう』と語った」。

◇「定額給付金の撤回を主張していた山崎氏は今年になって容認に転じた」(以上、★★自民:政界再編論者に手詰まり感 遠のく衆院選、造反なく・毎日jp.・09.01.10)。

◇「29日(09.01.29-筆者註)昼の町村派総会で中川氏は、いつになく深々と頭を下げてあいさつを始めた」。◇「中川氏は消費税問題でみせた麻生太郎首相への痛烈な批判をこの日は”封印”した。派の結束を訴えることで、代表世話人を自分から降りる考えはないことを強調した」(★★町村派、中川氏めぐり内紛が激化 来週にも集団指導体制解消・MSN産経ニュース・09.01.29

◇「経済成長と財政再建を優先する『上げ潮路線』の勉強会を、中川氏は派内に発足させた」。◇「森氏(森喜朗元首相-筆者註)の『あまり派手にやらない方がいい』との忠告に、中川氏は打ち明けた。『民主党の前原誠司前代表野田佳彦元国対委員長らと話はついている。上げ潮路線の政策なら、彼らとブリッジ(橋)を架ける新党を作れる』(★★自民町村派:勝者なき抗争 集団指導体制解消・毎日jp.・09.02.07

◇「同派最高顧問の森喜朗元首相から睨まれ一時は動きを封じ込まれた中川氏だが、郵政民営化見直し発言で首相の求心力が急低下したため、麻生降ろしを仕掛ける好機ととらえているようなのだ」。

◇「中川氏は10日(09.02.10-筆者註)の自身のブログで麻生首相が見直しを検討している民営化会社の4分割について、『民営化の根幹である4分社化の完遂への意思表明を鮮明にすることが内閣支持率上昇への第一歩だ』と首相批判を再スタート」。

◇「12日夕には、郵政民営化を決定した小泉純一郎元首相らとつくる民営化推進派の会合で気勢を上げる予定だ」。◇「小泉氏の威光をバックに、復権となるか!?」(★★”郵政見直し”好機と気勢・・・中川秀、麻生批判を再加速・ZAKZAK・09.02.12

◇「自民党の加藤紘一元幹事長は二十六日(09.02.26-筆者註)、都内で講演し、次期衆院選前後の政界再編について『麻生政権の支持率の低下とともに、政界再編という局面も、新党をつくる局面も終わった』と述べた」。

◇「加藤氏はその理由として『今や民主党は単独で政権を取れるという状況に入ってきた』ことを指摘」(以上、★★政界再編『終わった』 加藤紘一氏が断念宣言・TOKYO Web・09.02.27)。

◇そして小沢代表の秘書・大久保隆規が09.03.03逮捕されることに。◇これを機とし、民主党の反小沢派(非小沢派ではない)&自民党がソワソワぶりを即開始。◇不思議なことに、麻生太郎首相への支持率が若干アップ。もちろん、テレビの誘導力は大きい。

◇さらにはそれ以上に不思議なことには、自民党内反麻生派が急にトーンダウンというか、麻生批判に急ブレーキときたもんだ。

★★中川秀氏「春解散なら現総理で戦う」
反麻生色を弱める
asahi.com・09.03.31

◇「自民党の中川秀直元幹事長は31日(09.03.31-筆者註)、(中略)春に衆院解散・総選挙に踏み切る場合は、麻生首相のもとで臨むことを容認する考えを示した」。◇「違法献金事件による民主党支持率の低下を受け、『麻生首相では総選挙を戦えない』とする姿勢を修正したものだ」。

◇記事によれば「武部勤元幹事長も」同様の考えを示し、「『麻生降ろし』の動きは沈静化した格好だ」

★★「5月解散」言及で「反麻生」勢力がトーンダウン
”降ろし”小休止「現総理で戦う」
ZAKZAK・09.04.02

◇「麻生太郎首相が『5月衆院解散』の可能性に言及したことで、与野党が浮足立ち始めた」。

◇「特に、自民党の武部勤、中川秀直両元幹事長ら「反麻生」勢力は、新グループを作るなどアピール活動に躍起だが、『5月解散ならば選挙の顔は麻生首相』とトーンダウンしており、毎度のことながら迷走気味だ」。

◇「武部氏は一時、『新しいリーダーを立てる』と鼻息が荒かったが、この日は『首相が会見で言ったことは的を射た話だ』と5月解散に賛意を示し(後略)」。

◇「党内では『なんでも”新しい”をつければいいというものではない。選挙の前に、よくも悪くも目立つという以外の効果があるとは思えない』(中堅)などと、冷たい声が相次いだ」(自民党にも鋭い人間はいる(1)-筆者註)

◇「一方、中川氏や塩崎恭久元官房長官は首相が進める国家公務員制度改革に異論を唱え、『反麻生』としての存在感を高める戦略だ。両氏は今国会にも法案を議員立法で提出する構えだ」というが、ここにもまた<自民党にも鋭い人間はいる(2)>が登場する。◇たとえばこんな具合に。

◇「議員立法についても、党内手続きが必要で『中川氏は所属する町村派でも影響力を失っており、協力する議員は少ない。騒ぐだけ騒いでお蔵入りになる、いつものパターン』(ベテラン議員)とみられている」。

◇最後に、究極の日和見脆弱男で小泉政権時代には絶えず「総理がおっしゃっているんですから」を連発し失笑を買った石原伸晃の場合を見ておこう。

◇「『自民党国会議員の7割から8割が、麻生政権で選挙をやって与党にいられるのかと疑問を持っている。私たちは、がけっぷちにある』 石原伸晃幹事長代理は5日(08.12.05-筆者註)、自らのパーティーでこう語った」。

◇「前日、所属する山崎派幹部に『24人の会(渡辺喜美・塩崎恭久らを中心とする中堅・若手の麻生批判的会合-筆者註)に参加したいが、どうすればいいか』と相談し、引き留められていたという」(以上、★★揺らぎ始めた「3分の2」 政権に見切り、分派活動・asahi.com・08.12.09)。

◇この発言は、小沢問題など発生していない昨年12月のこと。ではこの軽~い石原お坊ちゃま、現在は何と言っていることか。◇想像するに、「麻生首相を全力で支えよう、自民党議員として」だろう。

◇それにしても、風見鶏よりよほどひどいこんな男が、<だれを首相にしたい?アンケート>でいつも上位に食い込むフ・シ・ギ!◇まさに日本人の表層と深層そのものである。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年4月 4日 (土)

小沢秘書逮捕で民主党内反小沢派がウキウキ。<政治>を知らないふ抜けた連中だ!

◇小沢一郎ヤメロコールのダメさ加減については、前回のIFSA通信・【カマトトぶった小沢批判など百害あって一利なし。批判者のスタンスが問われているのに】(2009.04.01)で詳細に論じたゆえそちらをご覧いただくとして、今回は小沢一郎秘書逮捕を契機とする民主党内一部政治家たちの悪ノリに焦点を当てるとしよう。

◇まずは彼らに特有の最低なるはしゃぎっぷりから。◇出演者は言うまでもなく、長老・仙谷由人リーダー・前原誠司と相場が決まっている。◇仙谷については【毎度腰の定まらぬ民主党・仙谷由人=絶対善的カッコマンは政治性ゼロのご都合主義】(09.03.11)ですでに多くを指摘済みだが、ここではその後の動きを中心にフォローしていく。

◇ああその前に、上記(09.03.11)IFSA通信にて引用した2本の記事を紹介しておこう。◇タイトルだけからも彼らの<節操>が分かろうという象徴的なものである。◇<★★民主・仙谷氏が小沢氏批判、代表交代の可能性に言及・YOMIURI ONLINE・09.03.08><★★急変:ダミー献金事件 辞任論、影ひそめ 小沢代表進退、様子見の民主・毎日jp.・09.03.10>

◇こぶしを振り上げてみせたり、日和ってみたり。なぜ日和りだしたかと聞けば、自民党の二階俊博経産相サイドにもヤバさが及び始めたゆえというから、底の浅さが知れる。◇さて、連中の<非政治的>小情況の流れをメディアから収集していこう。

◇「党県連代表の仙谷由人衆院議員(徳島1区)は7日夜、徳島市内で開いた国政報告会で、『我々とはけたの違うお金を集めて軍団を養い、政治闘争を勝ち抜いてきた。そういう人をトップに選んだ。間違っていたと思う時は不明を恥じて反省しないといけない』と発言」。

◇そして「『自戒を込めて、これから、本物の政権を担う政党を作らなければならない』と、代表交代の可能性に言及した」(以上、★★小沢代表進退 民主県内関係者厳しい声も 「秘書起訴ならやむを得ぬ」・YOMIURI ONLINE・09.03.10)。

◇「民主党の前原誠司副代表は十四日夜、京都市の集会で、小沢一郎代表の公設秘書が西松建設の巨額献金事件で逮捕されたことに関連し『たとえ合法でも、あれだけの献金をもらっていいのかという問題はある。私には考えられない金額だ』と、小沢氏の政治姿勢に苦言を呈した」(★★小沢氏の献金 考えられぬ額 前原氏が苦言・TOKYO Web・09.03.15)

09.03.24に小沢が代表続投を表明すると、「(前略)前原誠司副代表が『すんなり了と言うわけにはいかない』と指摘」。

◇「横光克彦衆院議員は24日昼の代議士会で『今回の問題で民主党への信頼や期待が失われつつある。新生民主党で衆院選を戦うことこそが、民主党のためであり、国民のためだ』と述べ、小沢氏に辞任を求めた」。

◇「小宮山洋子衆院議員は24日夜、『政権交代を実現して日本を良くするため、代表は辞任すべきだ。謝りながら、言い訳しながらの選挙では勝てない。小沢氏が検察と戦うのは自身の問題で、小沢氏の裁判闘争と政権を取るための民主党の戦略は別だ』と痛烈に批判した」(以上、★★民主党内くすぶる辞任論、衆院選に不安根強く・YOMIURI ONLINE・09.03.25)。

横光克彦といえば、テレビの国会中継をずっと見てきたIFSAにとっては印象深い男である。あまりといえばあまりのカッコマンとして。◇ご存じのように彼は社民党の衆院議員だったが、その質問態様ときたら、持って回った口調だけがウリの中身はピーマンで肝心の毒はゼロ。◇かつての民社党でさえあれほどひどいのはマレというほどの代物だった。

◇その横光、社民党副党首でありながらもさっさと党に見切りをつけ、民主党へのくら替えと相成った。◇いくらなんでもそんな見境のない軽量男に批判されたら、小沢もたまるまい。

◇「3日の秘書逮捕以降、党内の小沢批判や小沢辞任論は封印されてきたが、24日はまるでそれが『解禁』されたかのようだった」。

◇「24日夜の常任幹事会では、副代表の前原誠司が小沢に強くクギを刺した。『違法かどうかは別として、1社(西松建設)から巨額な献金を受けている事実が明らかになった。道義的な責任は国民の間に残っている。すんなり”了”というわけにはいかない』」(以上、★★【民主党解剖】第2部 小沢ショック特別編 「ガラスの結束」にほころび「責任残っている」・MSN産経ニュース・09.03.25)。

◇「(前略)副代表の前原誠司に近い中堅議員はこう言い放つ。『小沢さんたちは政権交代は次が最後のチャンスだと思っているが、僕にとっては違う。次でなくてもいい。それより(政治とカネの問題で)リスクのある小沢さんを選び、担いだ責任をとってもらいたい』(★★【民主党解剖】第2部 小沢ショック(3)崩れた楽観的シナリオ・MSN産経ニュース・09.03.25)

◇出ました!ついに出ました!仙谷・前原グループの本音が。◇そう、政権なんて次でなくてもぜ~んぜんいいのだ。蒸留水のようにキレイな党の体質実現こそが最優先課題なのだから。◇ところで民主党って、<次の次でもいい>なんてゆとりを見せていられる政党なのかって!ほんと笑わせてくれるワ。

◇「前原誠司副代表率いる『凌雲会』は、『次の内閣』文部科学担当の小宮山洋子衆院議員が25日の段階で『おわびしながらでは選挙に勝てない。一番いいのはお引きいただくことだ』と辞任論の口火を切った。同会は反小沢の急先鋒である仙谷由人、枝野幸男両元政調会長を抱えている(★★森健ショック!不満爆発寸前、反小沢派ゲリラ戦警戒
 千葉県知事選、民主候補は惨敗・ZAKZAK・09.03.30)

◇その枝野が言う。◇「(前略)小沢氏が多額の企業献金を受けていることについては『政治体質が私と百八十度違う。我が党の党首にはふさわしくないと一貫して思っている』と語った」(★★小沢氏の進退、世論の受け止め次第と強調 民主・枝野氏・asahi.com・09.03.28)

◇かと思えば、「小沢氏と距離のある仙谷由人、枝野幸男両氏は30日、記者団に千葉県知事選の受け止めを聞かれても沈黙を保った。小沢氏に公然と辞任を求めた小宮山洋子氏も質問に応ぜず素通りした」というブレブレぶりだから驚かされる。

◇「西松建設巨額献金事件に絡む公設秘書の起訴後も続投表明した小沢一郎代表は辞任をちらつかせながら延命を図る低姿勢路線を徹底。続投に公然と批判する声はひとまず収まった」(以上、★★小沢氏、「低姿勢」で延命狙う 辞任におわせ批判封じ込め・NIKKEI NET・09.03.31)な~んて、小沢の「低姿勢路線」が反小沢派一時退却の理由とはとても思えないのだが。

◇ともあれ、前原グループなる絶対善的同好会など、<政治>にかかわる闘争集団の端くれにすらなり得ないこと、それだけは確かといえよう。◇相手は衰えたりとはいえ、何せ海千山千の自民党なのだから。

◇IFSAが前々から提言しているように、前原グループまとめて、一刻も早く自民党へ移籍されんことを。◇売り時をはかっていると行きそびれますよ。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年4月 1日 (水)

カマトトぶった小沢批判など百害あって一利なし。批判者のスタンスが問われているのに

◇良識派ぶっては話をややこしくし、絶対善に逃げ込むのはいいかげんやめにしたらどうか。◇新聞・テレビを覆いつくす小沢一郎金権体質批判のことだ。

◇<政治>とか<国際関係>、本来は透徹したリアリズムで論じられるべき対象が、偽善者然とした絶対的倫理もしくは絶対善的視点からのみ断罪される。◇得意気にそれを<断行>する人間にあっては、これほどナルシスチックで気持ちのいいものはないだろうし、また同時に、自身は絶対に傷つかないという安心感もひそかな支えになってくれていることだろう。

◇この病理現象を説明するため、唐突ながらもプロ野球を例にとってみる。◇たとえば熱烈な巨人ファンがいたとして、現監督がいま、法ギリギリのアンチ倫理的なことをしたと仮定しよう。そのときファンはどうするか。◇こんな監督が即刻辞めないのはけしからんと、阪神や中日ファンへくら替えするか。

◇巨人ファンが最初に考えるのは、現監督更迭によるそろばん勘定(=パワー分析)にちがいない。◇問題の監督が辞めれば戦力は圧倒的にダウンしてしまう、だから少々ひっかかっても彼に続行させるがひとつ。◇ふたつめは、こんな監督じゃ結局のところ士気にもかかわる、当面のダウンには目をつぶってでも更迭して出直すべき。

◇しかし、いまのマスメディアは上記2方法をとらず、ともかく監督は辞めろ、それでなければ阪神や中日へ早く乗り換えよとファンを誘導している。◇加えてミエミエの世論調査などをし、人心は圧倒的に監督更迭を求めていると報じまくる。

◇そりゃそうだろう、<西松建設から巨額の献金を受けている小沢一郎、彼は党首(代表)を辞めるべきか?>とダイレクトに質問され、いや辞める必要はない!と大きな戦略・戦術をもとに即答できる日本人がいったいどれだけいることか。◇にもかかわらず、<辞める必要なし>と判断する人が20数%も存在というのは、IFSAにあって逆に驚異的な数字と映る。

◇IFSAのスタンスはこうだ。◇今回の小沢秘書逮捕は、その象徴的な意味合いにおいて明らかなる<国策捜査>世にあまたある駐車違反のうち、小沢関連のそれだけに絞り込んで摘発したに等しい。しかも検察が直接道路へ繰り出してそこには偶発性がみじんも感じられない。

◇だからこの手の形式的罪=微罪(といっても、IFSAは駐車違反でつかまるのはゴメンだから、たとえ10分でも100円パーキングへ入れる!)に対し、<絶対善>を発動させるなんて、お門違いもはなはだしい(註)
(註)=今回のものは形式犯ですらない、法的にはまったく犯罪にあたらないと言明する元検事がいるのも事実で、論拠には相当の説得力がある。となれば、駐車違反にすら相当しないことに。

◇では、小沢一郎が党首(代表)の座にとどまる、もしくはそこから退く、その判断基準は奈辺に。◇そう、そんなことは選挙における戦略・戦術論で判断するのがいちばんということになろう。◇総選挙に向かって辞めるのが得か損か。辞めるとしたらどのタイミングがいちばん有利か。

◇ということは、どのタイミングで辞めれば自民党に対し最大のダメージを与え得るか。

◇国家資格・選挙士・最上級を手にする小沢にあっては、当然このことを考えているだろう。辞めることを前提にして。◇となれば、麻生自民党が軽々にも勝てると勘違いし、無謀な解散に打って出る前後の一瞬。それを逃す手はないというに尽きよう。

◇おそらくは政治記者たちもそんなこと重々承知しながら、カマトトぶって世論におもねり、早く辞めろの大合唱にくみするフリをする。◇何とも薄汚いサラリーマンたちではないか。

◇要するにわれわれ国民は、絶対善を武器にフラフラしたりすることなく、きたるべき総選挙で自民に勝たせたいのか民主に勝たせたいのかをはっきりさせること、それに尽きよう。◇にもかかわらず、マスコミがそのフラフラをあおりまくっている。

◇では最後に、<小沢によるこの巨大なる微罪>に触れて今回は締めくくるとしよう。◇マスコミも前原誠司らのお調子者たちも、小沢の金額が異常すぎるとかいってそこだけを責めようとしている。◇しかし残念ながら、法律(政治資金規正法)がそうなっているのだから金額の多寡などで攻め落とすことはできない。単なる情緒的うさ晴らし以外には。

◇だがそうはいえ、今回狙い撃ちにされた駐車違反が尋常ならざることはたしかで、路地の入り口にデッカイ10トンダンプカーがどかっととまっていては、そりゃ注目を浴びる。

◇ただそのダンプカーを築き上げたのが、企業<選挙<国民という流れのもとにあることだけは間違いのない事実で、それはブーメランのように国民へ還ってこなければならない社会現象といえた。

◇マスコミも国民も、そこから目をそむけるようにし、田中角栄の秘蔵っ子・小沢一郎!のみで本質から逃れようとする。しかしそうはいくまい。◇だいいち、若手代議士に秘書が10人もって?そんな大勢のスタッフが手足となり、毎日いったい何をしている?何のためにそれだけの人員が必要?

◇それを不思議と思わない感覚のほうがよほど不思議だろう。◇小沢秘書逮捕はそこを突いてきているのだ。普遍的な問題として。

◇それからもう一点。なぜ民主党に小沢一郎が必要かという根本問題が残っている。◇それについては、民主党の甘ちゃん・カッコマン連中による<非どぶ板選挙・どぶ板逃亡選挙>の愚、それをIFSAはこれまでも散々論じてきたから、詳しくはそちらをご覧いただくとして、当面は小沢流でなければ政権など絶対に奪えない!その現実だけは厳然たるもの!IFSAはそう言い続けてきた。

◇最近は薄まったとはいえ、小沢の人を食ったようなヘラヘラ笑い、肝心な時のエスケープや雲隠れ、首相を決めるために宮沢喜一たちを呼びつけては面接を実行したという前代未聞の不遜な行状(=行く方も行く方だが)等、どだいあの手の男は虫が好かない・・・・・・・、IFSAもその点では人後に落ちないが、では選挙に勝つために彼ほど<もっともらしい論理をそれなりに組み立てられる人間>(+)<選挙を泥臭く戦える人間>が小沢以外、民主党内にいるか。

◇エグイ小沢のかわりに、乳児用ウエハースのような衛生無害な御仁を党首(代表)に持ってきて選挙に勝てるなら、そりゃ今日にでも替えるべき。◇IFSAの視点はそこに尽きる。

◇かといって、清潔志向の日本社会無党派層にあっては辞めずには勝ち目が薄い。◇だからこその、入念にタイミングをはかった戦術的辞任。◇IFSAはそう見ているし、そうすべきと思う。

◇なお、絶対善的機軸をめぐる民主党・自民党のお粗末右往左往については、次回にまわすとしたい。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年3月28日 (土)

ショート&IFSA=麻生首相の駄本『とてつもない日本』が赤丸急上昇というからたまげる

★★麻生首相の著書、「とてつもない」売れ行き
ネット掲示板”祭り”呼びかけで
MSN産経ニュース・2009.03.11

◇「麻生太郎首相が外務大臣時代の平成19年6月に出版した『とてつもない日本』(新潮新書)が10日、全国で爆発的に売れるという珍現象が起こった」。◇「これまでの発行部数は約20万部だが、支持率の低迷とともに現在はほとんど『死んだ状態』(出版関係者)だった」。◇「ところが、アマゾンの書籍ランキング(11日現在)で1位に急浮上」

◇「この背景は、ネット掲示板『2ちゃんねる』で火がついた『3月10日に本屋で麻生太郎の本を買おう!』という”祭り”」の影響というからあっけにとられる。◇とてつもない不況下、こんな呼びかけに714円も投じる「とてつもない日本人」がいるなんて、いくら勝手にどうぞの世界とはいえシャレにならない。

◇念のためアマゾンの読者レビューをのぞいてみれば、この再ブーム?に乗った人たちからのものだろう、オマージュの嵐ときた。◇しかしこうした「とてつもない日本人」の行動も、純ちゃんまんじゅうや晋ちゃんまんじゅうを想起するだけで、ああこの国にあっては当然の現象だろうなと思い返すことになる。

◇それにしても、ブックオフの100円コーナーですら触手が伸びないバカボン(ばか本)に火が付くとはネ。すっごい社会である。

◇ところで、ポスト安倍はいったい誰かなんて言っていたあのころ、何のフシギもなくこんな記事が掲載されていた事実に目をやるのもムダではなかろう。

★★お菓子から著書まで続々登場・・・大人気「麻生グッズ」
「ポスト安倍」最有力で存在感
ZAKZAK・07.07.14

◇「07年参院選で安倍自民党の大苦戦が伝えられるなか、”麻生株”が急騰している。大敗なら、安倍晋三首相の退陣論が噴出するのは必至で(後略)」。◇「その(ポスト安倍候補の-筆者註)一人、麻生太郎外相(66)が応援演説や出版界で、存在感を急速に増しているのだ」。◇「党内からは、『すでに首相が代わったかのようだ』(中堅)との声まで聞こえてきた」。

◇皆さんお忘れかもしれませんが、そうだったんですよ、実際問題!◇「麻生氏の演説は、昨年の自民党総裁選の際、東京・秋葉原の演説で『オタク』の心をわしづかみにし、安倍陣営も『レベルが違う』と舌を巻いたほど定評がある」。

◇「市井の人気を示す便乗商品も続々と登場している。『純ちゃんまんじゅう』で有名になった大藤(東京)は参院選後、3種類の麻生ストラップがオマケに入る新商品『漫画王』(限定発売・税別600円)を発売する」。

◇「麻生氏をモチーフとした同社の『太郎ちゃんの牛乳カステラ』や『太郎ちゃんの暴れまがり明太子せんべい』は、合計で5万4000個を売るヒット商品となっていた」。

◇かようなおめでたき国民性がそう簡単に治ることはなかろう。◇そこへ毎度のこと、ちょうちん持ちの知識人が加わるから、ばかばかしさが倍加されることに。

◇「『2ちゃんねる』に詳しい札幌国際大学の大月隆寛教授は『インターネットの世界には、物見高いけれど無責任、それでいて正義感も持っていた江戸の町人気質が感じられる。マスコミの激しい麻生たたきに対して、町人気質が異議を唱え、多くの賛同者を生んだと考えるべきだ』と解説する」(上記・MSN産経ニュース)

◇何だこりゃ。江戸の町人気質まで持ち出して、ってか。牽強付会を超える強引さで、ちっとも説得的ではない。◇この珍現象に便乗し、麻生を擁護したいという下心がミエミエなだけで。

◇なお、大月隆寛のどうしようもないダメさ加減については、1月のIFSA通信【<時流>だけが頼りのお調子文化人(1)=怪しげな民俗学者・大月隆寛がヘンカク?・09.01.07】でじっくりと取り上げたから、ぜひそちらをご覧いただきたい。

◇そこへいくと、怪著『とてつもない日本』の出版社はあっさりしたもので、逆にリアリティーをかもし出す。◇「一方、版元の新潮社『ただただ困惑している』とコメントしている」(上記・MSN産経ニュース)と。◇そうでしょうとも。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★ 

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2009年3月21日 (土)

ETCで高速千円だの、地デジチューナー無償支給?だの、国民はおちょくられっ放し!

◇土日祝・普通車以下ETC限定の高速料金1000円制度が、東京湾アクアラインと本州四国連絡高速道路で先行スタートした。

★★上限1000円:アクアラインなど先行開始 利用者大幅増
毎日jp.・2009.03.20
★★高速道路料金:「通行料1000円」で海ほたるに行列
--東京湾アクアライン
毎日jp.・09.03.21

◇おめでたさだけがウリのテレビ局は、ほんの一部を除き、例によってこの光景をハッピー・ハッピーと無批判状態で報じている。◇そのインタビューにこたえるのは、人のよさそうなというか、いともカンタンにだまされそうなといった風情の、コイズミ信奉者的脇甘おっさんとおばさんばかり。◇なかには時々、オバカっぽい若者も混じる。

◇理屈に裏打ちされた民主党の高速道路料金無料化案を、やれバラマキだ・環境破壊だとあしざまに非難しせせら笑ってきた自民党が、突然てのひらを返してこんなセコイ選挙対策(=だからこその2年限定)へ打って出た。◇しかも、主目的たるETC全車装着実現を巧妙な形でからめながら

◇政府与党の思惑のメーンはあくまでもETC、サブは高速料値下げによる人気取りなのだが、当然のこと彼らは、それを逆であるかのように見せかける。◇喫緊の経済対策としての高速料金値下げそのためのツールとしてのETCといった具合に。◇だからこそ、ツールの設置に補助金を出しましょうなど、殊勝っぽく見せちゃって。

◇だがちょっと考えれば、これはおかしいと気づくはず。◇経済浮揚策の一環なら、なぜETC車に限定するのか、キャッシュ払い車を排除するのか。◇それから、トラック等の商用車や観光バスはなぜ対象外なのか。そう、それはほとんどが既にETC設置済みだから。

◇これだけでも、国民をなめきった愚策と見定めるべきだろう。◇そのカラクリについては前々回のIFSA通信【本道から大スライス。ETC推進に隠された不純な動機=最初からデタラメだったのだ!】(09.03.14)で詳述したゆえ、そちらをご覧いただくとして、ここでは少々補足的に述べるとしたい。

◇ミエミエの選挙対策でありながら、定額給付金同様<ちっとも効かない選挙対策>としての1000円料金制。◇政府はたしかに選挙対策としての1000円料金制を意識してはいるし、あわよくば支持率アップへと期待してもいるが、隠された本音があくまでETC完全装着誘導にあるのを見落としてはならない。

◇「購入費助成は国交省所管の財団法人・高速道路交流推進財団が実施。3月12~31日の間、四輪車95万台、二輪車5万台の計100万台を上限に、1台あたり四輪車5250円、二輪車1万5750円を助成する」。

◇「同推進財団は旧日本道路公団から独占的にサービスエリアなどの業務を受注していた団体が前身。ため込んでいた資産の使いみちの一つとして、国交省からETC助成への拠出を求められた」。◇「約340億円の資産のうち最大約60億円を出す」★★ETC助成「売り切れ」続出 希望者殺到に国交省平謝り・asahi.com・09.03.20)

◇この天下り・ワタリ財団、SA・PAからの上がりを一説には400億円ほども積み増しし(=ということは、使いたい放題使ったあとでもこれだけ残ったということ!どれだけ悪質に取りすぎてきたことやら)、2013年度には<偽装解散>をするという。

◇国はまさにこの埋蔵金に目を付け、そこから60億円もの巨費を拠出させては、究極のETC政策貫徹へなだれ込もうとの算段らしい。

◇そんなことつゆ知らずのお人よし国民は、助成に大喜び。マスコミはここぞとばかりあおり、助成金目当ての客はカーショップへ走ってETCを付けにゆく。◇うかれテレビは、じゃあそれまで全額自費で付けてしまった人々との不公平性はどうなるんだ!の初歩的疑問すら呈することがない。◇もちろん政府は完全にシカト。

◇そして第2段。ETCはこんなにいいでしょうと、海ほたると本四連絡橋で先行実施しての大宣伝。◇いつもの手で、本州四国各県の関係者がはっぴ姿でお祭り気分を盛り上げてくれたりする。

◇しかしそこはお役所仕事で間が抜けているから、カーショップのETCは限定期間前に売り切れ続出状態となり、また助成金の公式申し込み用紙も払底して、目の前に品物があっても助成が受けられないというマンガ的事態まで発生。

◇事前のメーカー在庫確認などまったくしていなかったと官僚は平然とのたまい、国交相は4月まで延期しますからと泥縄ぶりの糊塗に異例の姿勢を見せる。◇しかし国交相の平身低頭は、国民に謝ってのそれではない。とにかくETCを早く付けさせたいの一心から出たこと。しつこいようだがそこがコトの本質だ。

◇前々回のIFSA通信で述べたように、行政としてはとにかくETCを全車に装着させたいのだから。◇しかもその良き副作用として、ETCを運用するもうひとつの天下り・ワタリ組織<道路システム高度化推進機構>が潤いまくるしかけになっていることだし。

◇ETCさえ完備されれば、高速料金政策など将来意のまま、かつきめ細かく<改悪>できるし、第二の公共事業ともいえるスマートICもバンバンつくれる。首都高や阪神高速の小刻みな料金制も実行できる。

◇さらには、料金所の渋滞環境対策・無人化・経理の合理化がETC本来の目的であったにもかかわらず、<道路システム高度化推進機構>のような天下り・ワタリ組織をつくって、ETCメーカー・販売店・クレジット会社の上に君臨させたりもできる。◇実においしい商売へ化けさせられるのだから始末が悪い。

◇このように、大きな政治的背景を持ったETCとその実現へ向けた小手先の詐術(=ETC装着助成や高速道路料金の大幅割引き)、こうした<一連の疑惑の行動>とまさにパラレルなもうひとつの雄、それが地上デジタルだ。

◇いっこうに普及しない地デジ対応に業を煮やした与党は、つい最近こんなことを言い始めた。

★★地デジ普及策、大盤振る舞い? 経済対策の目玉に浮上
asahi.com・09.03.19

◇「地上デジタル放送の普及策が、政府・与党の追加経済対策の目玉に浮上してきた。総選挙に向けてお茶の間の関心の高い話題でアピールする思惑が垣間見え、政権内の『地デジ論争』は過熱気味だ」。

◇「口火を切ったのは、公明党だ。地デジ対応テレビに買い替える際に国が中古アナログテレビを1台2万円で買い取る案を16日に作成。事業規模は4800億円にのぼり、自民党から『バラマキだ』(幹部)との批判が噴出した」。

◇「自民党の状況も似たりよったりだ。党国際競争力調査会(会長・尾身幸次元財務相)は、対応テレビに買い替える人に2万円のクーポン券を配る案を17日に作成」。◇またまた「桜が咲くころには景気回復」で大恥をかきながらエラそうなままの尾身、あの不遜な男の登場か。

◇ちょっとおもしろいのは以下のくだり。◇「総務省幹部は『政策には品格と知恵が必要。”カネをやるからテレビを買い替えろ”というのは通らない』と冷ややかだ」。

ここにもまた、<もともとは無理筋だった地デジ>が闇の中にどかっと横たわっている。大きな政治的思惑を秘めて。◇アナログハイビジョンで十分なのに、何で大金をかけて地デジ?何が双方向?あんなもの、大した利用価値はないのに。

◇こう言いたい人は業界にもいっぱいいるだろうが、どうやら米国からの圧力=コイズミによる追従もあり、公然と語れる環境にはないらしい。

◇ただ、さすがのオメデタ国民も、この地デジ政策にだけはのせられない。◇ゆえに対応機の普及がちっとも進まない。政府与党が焦るのもムリはなかろう。◇そこで出てくるのが、またもやお得意の上記<にんじん政策>ときた。

◇しかし国民もさるもの。大不況要因ばかりか、ウサギ小屋でのあのバカデカ液晶は不釣り合い・不具合とようやく気づき、こんな自衛策へ出てきた。◇good!ではないか。

★★地デジチューナー、2月の販売3倍 TV買い替えず節約
NIKKEI NET・09.03.08

◇「ブラウン管テレビでも地上デジタル放送が視聴できるチューナーの販売が急増している」。◇「1万円前後からと低価格化が進んだことから、テレビを買い替えずに節約につなげようとする消費者が増えている」。

◇寿命もこないのに、テレビなんて買い替えてまでみるものじゃない!この健全なる精神よ。◇ジャパネットのタカタ社長も大弱りといったところだろう。またまた下取り価格を積み増ししなければ。

◇それより何より、亀山モデルで天狗だったシャープと、その誘致に100億円近い莫大(ばくだい)な税金をつぎ込んでは敵前逃亡をした前三重県知事の北川正恭・早大教授もいまや大汗かとIFSAは想像する。

◇こうしたETCと地デジへの怪しい誘導。◇だが定額給付金受領のごとく、値引かれた高速は淡々と利用し、くれるチューナーは淡々ともらい、そのうえで背景となる政治的意図だけは醒めた目で正確に見据える。

◇それこそが成熟した国民と、ここではシニカルに言っておこう。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年3月17日 (火)

IFSA注目の<ベタ>記事=<解散を求める絶対善的合唱だけ?>ほか(09.03.08現在)

★★何が目的で首相の座にしがみつくのか
Today's Gendai メール・2009.02.23

◇いままでの首相とはまったくパラダイムを異にする麻生太郎首相に対し、政府へのダイレクトな批判をウリにする日刊ゲンダイがさっぱりさえないとは、IFSAがかねてから指摘したところである。◇たとえば昨今のゲンダイは、こんな泣き言に終始している。

◇「世論調査でも『麻生辞めろ』の数字が急増中。4月までにはクビが決定的なのに、自分からは辞める気はなく、一体何が目的で首相の座にしがみつき、居座り続けるのか。今、解散・総選挙をやれば敗北必至と知りながら、この男が居座り続けるほどに景気は最大の危機に突入する」。

◇この繰り言を読むために130円を払う人は少なかろう。部数は相当に落ちているのではとIFSAは想像する。◇加えて、エロ記事満載の大人のページがまったくもって堕落の極みとくる。◇宇能鴻一郎センセイの偉大なるワンパターン小説を連載していたころからすれば隔世の感がある。

◇そうは言っても、マンネリながらシニカルな突っ込みでサラリーマン時代お世話になった日刊ゲンダイのこと。毎日配信されるToday's Gendai メール見ては週に一度ほど近くのコンビニへ行き、パスモでパシャッと買ってはみるものの、満足させられたためしはない。

◇「一体何が目的で首相の座にしがみつき、居座り続けるのか」なんて言ったところで、彼の就任当初からIFSAが言っているごとく、<目的は1日でも長い首相の座>なんだから辞めるわけがない。◇当然、わざわざ解散してまで負け戦に向かうわけがない。◇<1日でも長い首相の座!>。確信犯ほど強いものはないのだ。

◇野党はそれを前提に作戦を立てるべきはいうまでもないのに、例によってスタンスがふらつきっ放し。◇<あるべき論>など通じるわけもない相手とまずは認識する、そうした揺るぎなき視座を保持したうえで戦略・戦術を練り上げる・・・・・・・。だがそれが民主党には欠けている。

◇だから民主党は足腰が弱いと、蔑(さげす)みもしくは憐憫(れんびん)の目で見られることになる。◇解散、解散って浮き足立っていないで、正攻法でど~んとぶちかますのが近道だというのに。

◇解散しろ・解散しろって絶対善ぶりつつ吠えてみたところで、あのデタラメ郵政解散で得た2/3以上の理不尽パワーは微動だにしない。◇<1日でも長く首相の座を!>の麻生的願望を支えてやっているのは、ほかならぬあの郵政トンデモ選挙自体なのだから。

◇現在の情況はすべて国民が呼び寄せたものとの<現認>から出発する、他人のせいにしないで。◇これだけでも政治のシーンはからりと変わるはず、IFSAはそう見ている。

★★こんにゃくゼリー:死亡男児の両親、
マンナンライフを提訴
asahi.com・09.03.03

◇「こんにゃくゼリーで窒息死した兵庫県内の男児(当時1歳9カ月)の両親が3日、『大きさ、硬さ、容器の形状に設計上の欠陥がある』として、製造元の『マンナンライフ』(本社・群馬県)と永井孝社長らを相手に、製造物責任法(PL法)に基づく計約6240万円の損害賠償請求訴訟を神戸地裁姫路支部に起こした」。

◇「訴状によると、男児は昨年7月29日、祖母宅で、凍らせた『蒟蒻畑(こんにゃくばたけ)マンゴー味』をのどに詰まらせて病院搬送されたが脳死状態になり、9月20日に多臓器不全で死亡したという」。

「『のどをふさぐ大きさ』『かみ砕きにくくのみ込みにくい硬さと弾力』」に問題があったとのことらしいが、日本もいよいよ米国流訴訟社会へ入ったのかとの思いを禁じ得ない。

◇これに対する表向きの反応は、企業けしからん。だが本心は、そうはいってもね・・・・。◇とはいえ、日本の風土にあっては、そんな本心の表明などなかなか許されるものではない。

「こんにゃく入りゼリーの事故-幼児、高齢者はとくにご注意!-」(06.11.13・国民生活センター:公表)を事前に読む人なんてそうはいないにせよ、幼児や高齢者にこの食品ははたしてどうなのだといった基本的な<生活直感>が鈍化しつつある現実は否定できなかろう。

★★日本最北、牛丼チェーン店進出 札幌から陸路5時間
asahi.com・09.03.02

◇「北海道稚内市で2月末、牛丼チェーンの『すき家』が日本最北の牛丼店を開店した」。◇「商圏人口の少なさや輸送コストの壁が、チェーン展開する飲食店の進出を阻んできた同市だが、運営する『ゼンショー』(東京)は『採算性はある』と強気だ」。

◇帯広空港から稚内までレンタカーで走った経験のあるIFSAとしては、稚内という自然・人文地理学上の厳しさが肌で分かるし、同時にまた、逆張りを敢行する「センショー」の判断にも興味をそそられる。◇お節介ながら、何とか成功させてもらいたいと願っている。

◇「チェーン展開する小売店は一定地域内に集中的に店舗を置き、効率化と認知度を高めてシェアを拡大する『ドミナント戦略』という手法をとることが多い。しかし、人口4万人弱で札幌市からトラックで5時間以上かかる稚内市への進出は難しく、市内のコンビニエンスストアは道内資本のセイコーマートだけ」。

◇そういえば、道内のコンビニって<セイコーマート>だらけですね。

《IFSA好みの欄外あるいは論外記事》

★★鳩山「国家的損失、トキを焼き鳥で食べるような話」
東京中央郵便局取り壊しに異議
ZAKZAK・09.02.27

◇一時はとんちんかんなことばかり言っていた鳩山弟(邦夫)だが、ここのところなぜかさえている。◇「トキを焼き鳥で」。これまたなかなかエスプリがきいた表現と感心した。

★★更衣室にビデオカメラ、高校教諭を逮捕
・・・自分も映って発覚
YOMIURI ONLINE・09.03.06

◇自身が勤務する沖縄県立高校の女性用「脱衣場とシャワー室に計3台の小型ビデオカメラを隠し、盗撮していた」が、「カメラの映像に石川容疑者自身が映っていたため犯行が発覚」したという。◇以上!コメントなし。(敬称略)

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2009年3月14日 (土)

本道から大スライス。ETC推進に隠された不純な動機=最初からデタラメだったのだ!

★★ETC:助成100万台分50億円 国交省
毎日jp.・2009.02.28

◇「政府が3月に経済対策として実施する高速道路料金引き下げに合わせ、国土交通省は27日、自動料金収受システム(ETC)の新規購入者に対し、100万台分(約50億円)の助成を実施することにした」。

◇「1月末現在の全国のETC搭載車は約2260万台で全体の約3割。ETC搭載車に限定される高速道路料金引き下げに便乗することで、搭載率アップを狙う」。

◇われわれ東京にいる人間にあっては有料道路だらけのためETCの利用価値は相当に高いが、たとえばの話、北海道の人、岩手県の人、富山県の人、熊本県の人の場合、ビジネスなどで頻繁に利用でもしないかぎり、ETCをつけるメリットはほとんどないのが実態だろう。

◇だから、ETCの利用率は全国で77%で、自動車保有台数に対するETC搭載車の割合は約3割という偏った現実となる(★★ETC:「新車に標準装備を」・・・高速道路6社が要望書・毎日jp.・09.03.12)

◇後に述べるETC本来の趣旨からすれば、これは何ら異常なことではなく、問題とするに足らない。◇しかし為政者にとっては我慢がならない。なぜか。◇<ETCの隠された趣旨>、それに反するからだ。

◇それゆえ、税金から助成金をばんばん放出してみたり、<新車にETCを標準装備させよ>と言ってみたりして、一刻も早くほぼ100%実現!の本音を隠そうともしない。◇われわれのようにずいぶん昔、もちろん自費にて取り付けた人間たちとの整合性などてんから無視してまで、その急ぐこと急ぐこと。

★★ETC取り付け助成スタート
首都高会社は無料キャンペーン
YOMIURI ONLINE・09.03.12

◇「地方の高速道路で土日・祝日の普通車料金を上限1000円とすることを柱とした大幅な料金割引が実施されるのを前に、ETC(ノンストップ自動料金収受システム)機器の購入・取り付けに対する助成が12日(中略)始まった」。

◇四輪車なら5250円の補助を行い、「約100万台分の普及を図るというもの」。◇さらには「(前略)首都高速道路会社も同日から、東京都世田谷区内などの3会場で、財団の助成に同社独自の助成を上乗せしてETC機器を無料提供するキャンペーンを始めた」。

◇一見よさそうな大盤振る舞いだが、ふざけきった施策ではないか。◇まず第1は、既述のごとく、全額自費で(=それが当然であろう!)取り付けた人間は非常にアタマにくるという点。公平さに欠けるという点。

◇第2は、「財団の助成」なるものがいったいどこから出されるのか、また首都高速会社の「上乗せ」はという点。◇「助成の財源は、13年度までに解散する同省所管の財団法人『高速道路交流推進財団』の保有資産を活用する」(上記、毎日jp.・2009.02.28)とはいえ、もとは国民から取り上げたカネにほかならない。

◇要は、そのときばったりの恣意性というか無原則、デタラメにすぎない。

◇まずはそもそも論からいこう。この恐ろしく便利なETC、その導入の国家的思惑は奈辺(なへん)にありや。

◇IFSAはこう考える。(1)料金所に発する渋滞解消(+)結果としての環境寄与(2)料金所における人件費の削減(+)道路会社の管理費削減。結果としての高速料金値下げ。(3)そしてその他として、料金システムのフレキシブルな運用(=たとえば、<何とか割り引き>とか)。

◇しかし実態はどうか。というより、当初から国がもくろんできた本意とは。◇まずはETCのためのシステム開発にかかわる天下り組織の新設(+)ETCを運営する天下り組織(=たとえば道路システム高度化推進機構)という甘い汁の創出。◇そして、ETC装着から得られるテラ銭の魅力。これは2年ほど前まで、装着時の上納金という形で実施されていた。

◇加えて、ETCにより可能となる上記(3)<=料金システムのフレキシブルな運用>という本丸。◇このムチを手にしたいからこそ、彼らは深夜割引や通勤割引といった、1冊のパンフレットをつくらねば分からぬほどの複雑なアメをETC装着車だけに与え、1日も早いETCの全車装備へと突っ走るのだった。

◇首都高速道路会社が「ETC機器を無料提供するキャンペーン」なんてのも、明日にでも首都高の距離別料金制導入!といった強い願望のあらわれにすぎない。◇釣った魚にエサはやらないどころか、その魚からの<思いのまま搾取状態>が到来するのを夢見て。

◇そう、<ETC完全装備以降は国のやりたい放題!>と筋書きは最初から決まっていた。

◇ではここで視点を変え、以下のような<とんでも事件>を取り上げるとしよう。

★★スマートIC欲しい 税金使い『カラ通行』
TOKYO Web・08.04.07

◇「高速道路のサービスエリア(SA)などを利用して車の出入り口を造る『スマートインターチェンジ』(IC)」。◇「国交省は今後、五千億円を投入して約二百カ所の建設を目指すが、建設基準の不透明さが浮き彫りになっている

◇「国土交通省は実験段階で車の利用実績が認められたとして、すでに全国三十一カ所で本格導入したが、中には地元の自治体職員が公用車を使って”実績”を水増しし、常設化にこぎ着けたところもあった」。◇舞台は「福島県会津美里町の磐越道・新鶴(にいつる)スマートIC」という。

◇「『「町民の税金で”カラ通行”しないと成り立たないICを国民の税金で造る。二重の無駄遣いですよ』 そう怒る元町議の鹿野敏子さん(55)(後略)」。

◇しかし「長谷川緑・同町建設課長は『ICは二十年越しの悲願。アクセス道の整備に一億円かけており、ICが閉じたらパーになる。(水増しは)数字を出すにはやむを得なかった。地元には必要だし、会津観光の利便性も増す』と話している」。

◇最後の段落に、日本社会の体質が如実にあらわれている。◇建設土木中心の公共事業も先細りそこで<スマートIC>なる耳あたりのいい、文字どおり<スマートで環境に優しい?>公共事業で起死回生をしかし無人の<スマートIC>はETC車でなければ通過不可能だからその前提として、ETCの普及が至上命令。

◇これは一例だが、国がETCを急ぐ実情がここにも存する。◇そしてくせ者の<スマートIC>誘致合戦が白熱化し、われもわれもと手をあげる。◇しかしこれを負担するのは、いつものように税金とくる。新幹線・空港・高速道路・港湾・橋りょう・・・・・・・と同根であるのは言をまたない。

◇「スマートICはサービスエリアなどの空き空間を利用し間隔の長いIC間に設けるもので04年度以降、39カ所(4カ所は休止)で試験導入されている」。◇「ICは高速道路会社の負担で設置するのが原則だが、スマートICは地方からの設置要望も多いため国費を投入」。

◇「年内にまとめられる道路整備中期計画には08年度から10年間、毎年20~30カ所のスマートICを設置する方針が盛り込まれる見通しだ」(以上、★★ETC:高速道の利用率が7割突破 ただ普及率は2割強・毎日jp.・07.10.14)。◇データ的には少々古すぎる記事とはいえ、フムフム、いつものアレかという直感に誰しもがいざなわれよう。

◇スマートICに関しては、以下のような記事にも出会った。

★★スマートIC:飛彈河合PA、導入断念
実験での利用者が少なく
毎日jp.・岐阜版・09.02.17

◇「国と県、市などでつくる協議会は16日、スマートICの本格運用を断念した」。◇理由として「目標は1日平均157台だったが、約60台にとどまった」があげられているが、IFSAの注目したのは「1日平均157台」という目標のほう。

◇実質稼働の1日を15時間としても、1時間あたり10台?何じゃこりゃ。◇それにスマートICといえば建設費はばか安と思われがちだが、とんでもはっぷん、立派な大公共事業という説もあるし。

◇ところで、そこらの進歩的知識人とはちがい、技術の進歩を素直に称揚する、便利なものはすぐに使う・・・に徹するIFSAは、かなり早い時期からETCを装着したうえで、<彼ら>のやり方をじっくりと観察してきた。

◇まず連中が行った嫌がらせとは何か。◇たとえば大混雑の首都高。まだETCがほとんど普及していない時期だったというのに、ただでさえ少ない料金所のゲートにETC専用をいくつか設け、非装着者の渋滞を助長してくれたものだ。◇イヤならすぐにでもETCをつけなさいといわんばかりの誘導のため。◇効果てきめん、非装着者用ゲートは長い列となった。

◇しかし、こうした<ETCの隠された趣旨>、不純な意図をドライバーは十分認識しながら、日本人はけっして怒らない。◇だから相手は、そこへぐいぐいつけ込んでくる。

◇またもうひとつ。彼らはハイウェイカード(ハイカ)をさっさと廃止した。偽造カード被害にたまりかねてといった風情を装いながら。◇しかしそんなものは理由にもならない。偽造への防御策を講ずればいいだけのことだから。◇本心はいうまでもなく、ETCへの転換インセンティブにすぎない。

◇あの魅力のプレミアムにんじん(=IFSAが愛用した5万円券で5万8千円分というあれ)はものの見事にチャラとされ、わけの分からぬETCポイント制へと勝手に移行。当然、レートは低いとくる。◇キタナイといったらありゃしない。というより、権力の乱用だ。

◇こうしたETC史の延長線上に、麻生政権の定額給付金的人気取りデタラメ施策(=ETC普通車に限り、高速1000円乗り放題)が始まる。しかも2年間の時限立法で。◇詳しくは<★★高速料金、1000円下回る区間を半額に・・・国交省・ZAKZAK・09.01.16>を参照願いたい。

◇民主党の高速道路無料化案に対し、財源をどこに求めるのだ、バラマキそのものじゃないかと口を極めてののしっていた自民党の幹部たちが、今度は一転、上記のような無原則施策へ打って出た。◇毎度のこと、そこには政治哲学の片鱗(へんりん)すらうかがえない。

◇しかも、コイズミ猪瀬直樹がこれぞ民営化と自画自賛した旧道路公団の変質(=こんなものは民営でも何でもない!)、そこの料金体系へ国が勝手に手を突っ込むという大矛盾を、彼らはいったいどう説明するというのか。

◇いくら国からの補填(ほてん)があるとはいえ、じゃあたとえば、国は小田急電鉄の運賃をみずからの意思で9割カットできるのか。◇コイズミじゃないけど、笑っちゃうよまったくだ。

◇ETCという優れたイノベーション・ツールを、マクロ的視点から善政へ向け使いこなすことなく、泥まみれにしてなお恥じない与党政治家と官僚たち。◇日本社会の救いのなさはここにも象徴的にあらわれている。(敬称略)

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2009年3月11日 (水)

毎度腰の定まらぬ民主党・仙谷由人=絶対善的カッコマンは政治性ゼロのご都合主義

★★民主・仙谷氏が小沢氏批判、
代表交代の可能性に言及
YOMIURI ONLINE・2009.03.08

◇「民主党の仙谷由人・元政調会長は7日夜、徳島市での国政報告会で、小沢代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件について、『我々とはケタが違う金を集め、政治闘争に勝ち残ってきた人をトップに選んだ。間違いだったと思えば、不明を恥じて反省しないといけない。自戒を込め、これから本物の政権を担う政党を作らなければならない』と述べた」。

◇当然のこと、「小沢氏を厳しく批判し、代表交代の可能性に言及したもの」だが、この仙谷、反小沢の急先鋒(せんぽう)というより、前原誠司・枝野幸男らとの<ブツブツ・グジュグジュ・コラボレーション>結成といったネクラな存在として確固たる地歩を占めている。

◇小沢一郎を「政治闘争に勝ち残ってきた人」と揶揄(やゆ)するのなら、仙谷はさしずめ「政治闘争に負け残ってきた人」といえようか。

◇相当に濃い全共闘体験を持ちながら、政治力もなければ実行力もない。◇あるのは平板な知性とそれを背景とした絶対善的心情の吐露、そしてネガティブでひ弱な権力かすめ取り志向。◇だからいつも王道を歩めない。もちろん、泥をかぶってのどぶ板選挙も大の苦手とくる。まさに菜っ葉のこやし(=かけごえだけ)的存在なのだ。

◇西松建設問題における小沢の大ピンチ。待ってました!好機到来!と踏むなら、ここを先途と戦いを挑めばいい。◇「間違いだったと思えば、不明を恥じて反省しないといけない。自戒を込め(後略)」なんて姑息(こそく)なことを、それも自身の選挙区で弱々しく述べてみたりしないで。

◇ところがどっこい、その2日後には、腰の引けたこの発言すらもう撤回(もしくは回収)ときた。◇犬の遠ぼえにもならない上記発言をも修正にかかろうというのだから、誰しも笑う以外になかろう。

★★急変:ダミー献金事件 辞任論、影ひそめ
小沢代表進退、様子見の民主
毎日jp.・09.03.10

◇「民主党内で9日、小沢一郎代表の辞任論はいったん影をひそめ、『様子見』を決め込む動きが広がった。西松建設の違法献金事件を巡り、漆間巌官房副長官(63)のオフレコ懇談問題に加え、自民党の二階俊博経済産業相側にも捜査が及ぶ可能性がでてきたためだ」。

◇「『反小沢』の急先鋒(せんぽう)と目される仙谷由人元政調会長は9日夕、小沢氏の進退問題について国会内で記者団に『我々には選任責任がある。この程度のことは織り込み済みだったのではないかと指摘。『もう少し確定された事実が出てこないとあれやこれや言えない』と語った」。

09.03.08のYOMIURI ONLINEと09.03.10の毎日jp.。さっと読み比べるだけで、仙谷という政治家の本質が明らかとなろう。

◇この政治的トンチンカンぶりは、永田メール事件でお粗末の極みを天下にさらした前原誠司・民主党代表(当時)とも通底する。◇だから、そうした<どうしようもなさ>のよしみで仲良しに。そう解釈すればいいのだろうか。

◇以前にも指摘したように、このきれいごと集団のひとり枝野幸男は、過去に(=民主党政調会長代理時に)こんなことを書いていた。◇以下は枝野幸男「国会の変質、野党の無力」(山口二郎編著『日本政治 再生の条件』・岩波新書・01.06)による。

◇「全体として言えることですが、スキャンダルを追及することへの熱意は低いんです。私自身、国会でKSD問題を取り上げたことは一度もありませんし」。

◇「もちろん大事な問題だと思いますよ。でも、たとえば金融政策を組み立てながら、政府の矛盾点を追及するといったことと較べると、まったく面白くないそういう意識が私には強い。それは若い政治家一般に言えることだと思います」。

◇「野党の若手政策通であるといわれる枝野幸男」(山口二郎)、それゆえの高踏的発言と思えば実にシンボリックではないか。◇そして枝野がせせら笑う「スキャンダル」で自党の党首秘書が東京地検に逮捕され、ピンチに立たされている。◇何とも皮肉なことと言わざるを得ない。

◇自民党の旧宮沢派にも匹敵する仙谷たちのお公家集団。◇党としてエグイ選挙を勝ち抜く気概や胆力もないくせに、インテリぶりをちらちらさせてのご満悦。◇百害あって一利なしとはこのことだろう。

◇しかもこの「凌雲会」の連中が自民党筋にいちばん近いときている。◇前原たちは早く自民党に吸収されてしまえ!IFSAが以前から言いつづけてきたことである。(敬称略)

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2009年3月 6日 (金)

IFSA注目の<ベタ>記事=<「かんぽの宿」問題での朝日の転向>ほか(09.02.22現在)

★★社説ウオッチング:「かんぽの宿」売却
朝日、消えた総務相批判
毎日jp.・論説委員・岸本正人・2009.02.15

◇「日本郵政(西川善文社長)は、『かんぽの宿』70施設を一括譲渡するオリックス不動産との契約を白紙撤回した。(中略)鳩山邦夫総務相が契約見直しを求める考えを表明してから1カ月余り。この間、売却、入札への疑問・疑惑が次々と明らかになり、日本郵政が契約撤回に追い込まれるという異例の経過をたどった」のはご存じのとおり。

◇しかし当初、大新聞の反応には相当のばらつきがあった。◇毎日新聞によれば、自身は「毎日、『情報公開』で一貫」なるも、「(前略)朝日、日経両紙『理由が不明確で納得できないのは、鳩山氏の”待った”の方ではないのか』『西川社長が説明した内容は、しごくもっともに思える』(ともに朝日『総務相の姿勢は到底納得できない』『所管大臣が入札結果に堂々と介入するのは常軌を逸している』(ともに日経などと、総務相を強く批判した」という。

◇朝日・日経には「(前略)日本郵政への注文や指摘はなく、総務相批判一色となっている」のがよく分かる。◇asahi.com(09.01.18)から当該社説<★★かんぽの宿-筋通らぬ総務相の横やり>の一部を再録しておこう。とにかくすっごいから。

◇「これに対して(鳩山邦夫総務相の横やりに対して-筆者註)西川社長が説明した内容は、しごくもっともに思える。赤字が毎年40億~50億円あり、地価が急上昇しない限り、早く売る方が有利だ。一括売却でないと不採算施設が売れ残り、従業員の雇用が守れない。全国ネットとした方が価値も上がる。最高額で落札し、雇用を守る姿勢が最も明確だったのがオリックスだ--」。

◇「宮内氏は規制緩和や民営化を推進してきた。官僚任せでは構造改革が進まないため、当時の政権が要請したものだ。過去の経歴や言動を後になってあげつらうのでは、政府に協力する民間人はいなくなってしまう」。◇お~お、しらっとよく言うよ、まったく。コイズミコウゾウカイカク、支持なの批判なのどっちなの。そうか、是々非々ってか。

◇しかし約2週間後から、<転向>へ向けた朝日新聞のウオーミングアップが始まる。
◇続篇としての社説といえば、題して<★★かんぽの宿売却―徹底調査と公表で道開け・asahi.com・09.01.31>。◇タイトルからして、いかなるカーブを切れば自己正当化できるかといった思惑が丸見えである。

◇苦しまぎれの叙述部分をピックアップしてみよう。◇「売却に対する鳩山総務相の『待った』は、根拠が不明確で納得できない日本郵政は入札が適正だったというのなら、徹底した調査と結果の公表で、それを証明するしかない」。◇オ~、前回は西川社長を「しごくもっとも」と誉めそやしたくせに、今度は一転、日本郵政へ振るという身体の強さよ。

◇「だが、公開の入札を行い、いちばん有利な売却条件を落札とするのだから、それが安くても、現状での市場の判断として受け入れる以外にないのではなかろうか。『もっと高く売れる』というなら、そういう買い手を見つけて来るしかない」と、未練がましさもいまだ手放さない。

◇そして突然、マクロの話題へギアチェンジする。まるで目くらましのように。◇「これほど巨額の損失を出すことになった責任はどこにあるのか。郵貯や簡保の客から預かったお金を、収益性を無視して施設建設に投じた放漫な官業ビジネスと、そうした施設を選挙区へ誘致してきた政治家こそ責めを負うべきだろう。この点も含め、総務相には問題の全体像を見てほしい」。◇トホホ。

◇しかし、みずからの大ポカというか大恥もやはり気になって仕方がないようで、かわいそうなくらいの右往左往ぶりを露呈。◇「もちろん以上の議論は、入札が適正に行われたことが大前提である。談合のような不正や不適切な事務処理があったなら話は別だ」とか、「日本郵政にも注文がある(後略)」とか言っちゃって。

◇そんなスタンスの定まらない人間に「注文がある」なんて言われても、誰が耳を傾けよう。◇して、西川全面擁護の09.01.18・社説から約1カ月後の09.02.14・社説、シリーズ3度目になって<★★「かんぽの宿」白紙―西川郵政は説明つくせ>朝日新聞はこう述べたのだ。

◇「年初に総務相が『待った』をかけて40日近く。ひとまず収拾の方向になった。ただし、西川社長が『公明正大に進めている』と胸を張った入札は、一連の経緯が明らかになるにつれ(何たる人ごと-筆者註)、むしろ謎めいた部分が出てきた」。

◇「西川郵政は今回に限らず経営情報を出し渋り、官業体質へ逆戻りしてきた。この手痛い失敗を機会に、民間会社として自立の道を歩む決意を新たにしなければならない」。◇「手痛い失敗」は朝日の社説のほうではないか。

◇そして彼らはこう結ぶ。「だが、採算を度外視して造った施設がしだいに古くなり、地価も下落を続けているのだ。売却方法の工夫でカバーできる範囲は限られている。売却をやり直しても大幅な損失が生じる恐れを覚悟しておく必要があるだろう」。

◇な~んちゃっておじさんの末路はやはりうら寂しい。◇先の毎日新聞は遠慮がちにこう書く。「最新の朝日の社説からは総務相への批判が消えた。代わって、入札に『謎めいた部分が出てきた』とし、入札への『疑念』や白紙撤回の経緯などについて『納得できる説明』を日本郵政と西川社長に求めた」。

◇この<ずるずる転向>からIFSAは大いなる示唆を受け取る。◇まずは朝日新聞が当初、なぜ一方的に日本郵政の肩を持ったのかという点。◇それは大朝日とはいえ、この時点ではまだ<入札>に関するいかがわしい情報を入手していなかったからだって?そりゃないでしょう。

◇たとえ百歩譲り、もしそうだったとしても、本来記者が持つべき最低限の想像力っていったい何なのだろう。◇クサイ!が直感(直観)できなければ、ハナからジャーナリスト失格ではないか。

◇これらのことを勘案すれば、<郵政民営化を”後戻り”させるヤツはけしからん、犯罪的だ!>のコイズミ・竹中平蔵流イデオロギーが朝日新聞の論説委員をもがっちりとらえてはなさなかった、それがぶざまな認識の根因をなしたととらえる以外にない。

◇しかも、オリックスがせっかく買ってくれるというこの好機を逃せば赤字がますますふくらむといった<大きなお世話>の絶対善的思い入れが、余計に<鳩山的邪魔者>排除の心理を後押しするといったオマケまでついて。

◇そう、朝日新聞をはじめとする大マスコミがいかにコイズミ流構造カイカク幻想に毒されてきたか、その動かぬ証左がここにあるのだ。◇しかし、郵政民営化のひどさがこんなにもあからさまになると、もはや口をぬぐうこともできない。

◇だからやむなき<転向>もひとのせいとばかり、「入札に『謎めいた部分が出てきた』」、「入札への『疑念』や白紙撤回の経緯などについて『納得できる説明』」が皆無な~んちゃって、本来なされるべき自己批判からするり逃避しようと試みる。

◇こんないいかげんなメディアを、進歩的文化人ばかりか一般のサラリーマンや市井の人までがいまだ気に入っている、ありがたがっている。その心がIFSAには理解できない。◇2000世帯近い私のマンションでも、朝日新聞日経新聞がバイクで毎日大量に運ばれてくる。日本的市民の良心と日本的企業経営の良心を乗せて。

◇真のイミでの批判精神が欠如する日本社会。朝日と日経の宅配はまさにそれを象徴するようで、IFSAには何とも興味深い社会現象なのである。

★★「小泉発言は犬の遠ぼえ」民主・岡田副代表が批判
MSN産経ニュース・09.02.22

◇民主党の岡田克也副代表は、「定額給付金の財源を確保する2008年度第2次補正予算関連法案の衆院再議決に欠席する考えを表明した小泉純一郎元首相について、『反対なら、なぜ自民党内で議論しないのか。犬の遠ぼえのように、遠くで言うのはおかしい』と厳しく批判した」。

◇コイズミについては、ここ2回連続で論じたから繰り返さない。◇ただひとこと、<郵政への追及はもうやめろ!続けるなら定額給付金で造反するぞ!>のサインをコイズミが必死の形相で発信しながら、それが微細なる効力をすら生まなかったという現実。◇それだけはここに記しておこう。

★★新銀行東京:また支援?条例案、都が提出へ
焦げ付き補てんで
毎日jp.・09.02.12

◇「『東京都と地域の金融機関とが連携して実施する金融支援に関する条例案』。都が「主として都内において営業活動を行う銀行、信用金庫、信用協同組合』と連携、中小零細企業の資金繰りを支援する」。

◇「同局担当者は『特定の金融機関をターゲットにしたり排除するものではなく、幅広く参加していただきたい』と話し、新銀行も対象になりうると説明している」。◇「都の担当者は『特定の金融機関をターゲットにしていない』と説明するが、新銀行へのさらなる公的支援を可能にする内容で、論議を呼びそうだ」。

◇新銀行東京についてIFSAはしつこいほど取り上げてきた関係上、石原慎太郎都知事と都の官僚が、どう逃げようかにばかり神経を集中させているのを知っている。

◇「条例案は新銀行を念頭に?そんなのゲスの勘ぐりだよ、ばかばかしい!ハハハ」といった慎太郎特有の湿った高笑いも、残念ながらもう通じないところまできているのにネ。

★★知りたい!:仏ミシュランが選んだ日本の絶景
新宿御苑や高尾山、京都と同格三つ星
毎日jp.・09.02.21


◇「渋いところでいえば、木曽路の宿場町である妻籠、奈良井、馬籠が星一つを獲得」は順当なところだろうが、IFSAが惹(ひ)かれたのは、「三つ星には新宿御苑や高尾山も選ばれた。新宿御苑は『繁華街に隣接しているのに静寂が保たれ、多くの庭園が楽しめる』。高尾山は『山頂からの東京や富士山の眺めは絶景』と紹介している」のくだり。

◇「(前略)新宿歌舞伎町といった、観光スポットと呼べそうもないところまで目配りしているのも特徴だ」も、ばっちりさえている。◇日本人的固定観念に害されないフレキシブルな視点が何ともおもしろい。京都と高尾山や歌舞伎町を並列視するようなそれが。

◇われわれ日本人がフランスへ行き、高尾山や歌舞伎町的なものを<絶景>に選抜する奔放さ。◇そうした自由を保持し得ようか。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年3月 4日 (水)

天才マジシャンの威光形なし。焦りまくりのコイズミは「郵政の2/3を勝手に使うな」ときた

◇小泉純一郎元首相の焦りの原因が肝心の<構造改革の大失敗>などにないことは、前回のIFSA通信=【コイズミこそ「笑っちゃう」=読み違いばかりで焦りの色濃い現代の<東照大権現>さま】(0909.02.27)で詳細に述べた。

竹中流市場原理主義というイデオロギーに乗っかったのは一生の不覚、現に社会はこんなボロボロ状態に陥っているのだから・・・・・・・。◇コイズミにそんな意識などあるわけもないのは明らかだし、口先男の竹中平蔵にいたっては、イデオロギーの実現がまだまだ不足しているから日本社会はよくならないのだ!と、どこかの教祖のようなことを吹き回っている。

◇しかし同時に、コイズミ・竹中は間違いなく焦りまくっている。◇規制緩和民営化、小さな政府という浅薄なスローガンに隠された本物のエグイ実態とからくりが、かんぽの宿や東京中央郵便局舎のぶっ壊しを契機に白日のもとにさらされる、それを恐れているからにほかならない。

◇そう、化けの皮のはがれるのがヤバイということ。◇今週日曜日のサンデープロジェクト(テレビ朝日系)で、国民新党・亀井静香を相手にムキになり、マジ顔で立て板に水のごとく空疎な内容を開陳しまくった竹中平蔵の姿がそれを見事なまでに象徴していたといえよう。

◇攻撃は最大の防御とばかりの悲壮さと拡張の低さ。◇慶應義塾大学はこんな男をいつまでも看板教授にしておいて恥ずかしくないのかと、ついからかいたくなる。

◇前回も指摘したように、早々(はやばや)とともいうべきコイズミの引退表明、そして息子への破廉恥な禅譲。◇いまとなっては、コイズミにあってあれほどの読み違いはなかったに違いない。◇よく知られた川島正次郎・自民党元副総裁(=佐藤栄作総裁時代の)の名言が示唆的だ。

「サルは木から落ちてもサルだが、選挙に落ちた代議士はただの人だ」[土屋繁『自民党派閥興亡史』(花伝社・2000年)より]。◇鳩山邦夫&麻生太郎のタッグによって郵政がこんな風に展開されようとは想像だにしなかった軽~いコイズミは、いまひしひしと<ただの人>の怖さを予感していることだろう。

◇その焦燥感が、もはや恫喝(どうかつ)にすらなり得ない以下の発言を促したとIFSAは考える。◇TOKYO Web(共同)<★★給付金再議決なら本会議「欠席」 小泉元首相・09.02.18>により、それを見てみよう。

◇「小泉氏は会見で『参院と意見が異なった場合に、3分の2(以上の議席による衆院再議決)を使ってでも成立させることに若干、異論がある。(再議決の)本会議が開会されれば欠席する』と明言した」。

◇「麻生首相の郵政民営化見直し発言などの対応について『今の自民党の議席がどういう過程で得られたのか理解していないのではないかと危惧している』と不快感を表明。『だから(自らが衆院通過時に)賛成したのと違