勝ち馬・麻生に乗っただけの自民党。そのとがは十分想定内=なのにマスコミは!(完)
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<麻生首相が早期解散などできないのは最初から予想された=なのにマスコミは!(上)>(08.11.08) & <福田流客観認識のピンズレ→麻生首相は解散などしたくない=なのにマスコミは!(中)>(08.11.13) & <麻生首相、「選挙パンダ」としても失格。いまや自民の恥=なのにマスコミは!(下-1)>(08.11.19) & <歴代まれなる泡沫首相を選挙用に担ぎ上げた自民党=なのにマスコミは!(下-2)>(08.11.30)
◇連載を開始した2008.11.08からほぼ25日。この間にも麻生太郎首相をめぐる状況はぐんぐんと悪くなっている。まさに日一日といった感じで内閣の劣化が。◇この勘違いイカレお坊ちゃま、こんなはずではと今ごろ盛んに首をひねっていることだろう。
◇だって、オレは<下々の皆さん>という大衆に絶大な人気がある、オレがべらんめえで話せばどっとウケル。しかも福田のことを大嫌いだった友軍・公明党はオレに絶大なる信頼を寄せている。◇何たってオレが幹事長時代、両党で定額給付金の素案を作ったくらいの仲なのだから。
◇とくれば、自民総裁選の大イベントから総選挙へ一気になだれ込むことで、負けないことは間違いなし。◇だがそうは問屋が卸さなかった。
◇そういうことなら、せっかく獲得した総理の座を短期間で明け渡すなど論外のガイ。徹底的に居座ってやろうじゃないか。いいあんばいに<世界金融危機>もやってきてくれたことだし。◇<経済の麻生>で打って出りゃ、活路は開けよう。まさに太郎ちゃんにしかできない独擅場(どくせんじょう)が待っているのだから。
◇しかし勘違いも甚だしい。世上での麻生のKYは、<漢字読めない>ばかりか<経済読めない>にまでたちまち発展してしまった。◇本当のところは、KZW(経済ぜんぜん分かんない)だったからだ。◇そりゃそうでしょう、何代目かの志村けんばり白塗り○○殿が若くしてちょこっと社長をやったくらい、そんなことで分かられたんじゃ、こっちだってたまらない!
◇「元々、自民党内には『財政再建派VS上げ潮派』という経済政策の路線対立が存在したが、『バラマキ』の麻生首相は蚊帳の外だった。麻生首相は、福田政権末期に公明党と組んで突如この路線対立に乱入しただけだ」(★★民主党への安易な挑発が、麻生首相の経済対策を困難にする・上久保誠人・DIAMOND online・08.10.14)。
◇しかし皮肉なことに、ここ2日ほどの自民党の動きを見ると、ここで言う「バラマキ」がいつしか主流に化してしまっている。◇道路特定財源の一般財源化(=IFSAはこれ自体本末転倒と非難し続けてきた)するものの、一般財源化されたそれを再び道路に使おうというのだから、白昼堂々といおうか、心底ぶったまげる。
◇「『バラマキでもモチまきでも豆まきでも1年は(財政支出を)まいて、経済が生き残らなければならない。改革派であろうがなかろうが、これが正しい』」。◇「2日午前、平成21年度予算案をめぐる自民党政務調査会全体会議を終えた後、”小泉チルドレン”で構造改革派とみられてきた片山さつき衆院議員は記者団にこう強調した」(★★自民「歳出増の大合唱」 衆院選を意識 首相に路線転換仕掛ける・MSN産経ニュース・08.12,03)。
◇ハッハッ、これだけでも自民党はもう完全にぶっ壊れている。◇にもかかわらず麻生は、記者相手のシーンでだけはまことに元気がいい。品のない<おだ>が通用すると思っている。◇そうしたやりとりの一端をのぞいてみよう(★★「あんた、ひっかけようと思ってるわけ?」 2日の首相・asahi.com・08.12,02)。
◇【道路特定財源の一般財源化】について
--総理がかねておっしゃっていた(地方が-筆者註)自由に使えるお金とは・・・
「それは全然別の話です」
--別というのは地方交付税を念頭に置いていると。
「基本的には・・・。何回も言わせないで、お願いだから。何か、あんた、ひっかけようと思って聞いてるわけ? あのね、もう1回言いますから、これ、最後にしようね。ずーっと同じ質問してるんだから。ぼくは、ずーっと、同じことしか言ってない(後略)」。
◇【米新政権】
--総理、総理。
「もう、いい加減にしろ」
(以下略)
◇これはほんの一例に過ぎず、いつだったか例の給付金がらみ、麻生の口から「子持ち」なるコトバを聞いたときには、このひとことにて首相失格とIFSAは断じた。◇しかし記者会見で表面上強がってみせる麻生も、よく聞いてみると結構小細工をろうしているのが分かる。
◇彼の口癖のひとつは、「たしか~だったと思いますが・・・」。◇数字や年代などをわざわざアバウトに言い、さも本人の記憶のようにリアリティーを持たせる。しかし実は、直前ブリーフィングによるにわか仕込み。◇これはあくまでもIFSAの想像だが、おそらく当たっていよう。◇マンガ人間の精いっぱいの知恵か。
◇<★★麻生首相:「経済うまくいけば、2年後にも消費税上げ」・毎日jp.・08.11.11>などもそれに類した表現といっていい。◇3年後には消費税上げと大見えを切ったものの、またまた大物ぶって!と誰も信じてくれなさそうなので、それでは逆張りの一手と2年へ短縮をちらつかせる。
◇さらにはこんなものもある(★★麻生首相:「来春以降解散」示唆 タイミングに手詰まり感・毎日jp.・08.11.15)。
◇「首相は同行記者団に対し、野党の対応次第で早期解散に踏み切る可能性も否定しなかった」。◇「あくまで解散のフリーハンドは持ち続けるという宣言の意味合いがあったが、自民党首脳は『バランスを取り、言葉を散らしたんでしょ』と解説し、早期解散の可能性をあっさり否定した」。◇ドンピシャで見抜かれているのだ。
◇福田康夫が自慢した<客観性>や<あなたとは違うんです>による麻生見立ては、結果としてこの程度のものでしかなかった。◇しょせんはペランペランの麻生太郎氏を突出させるだけに終わったのだから。
◇だがこれらをもっとマクロから客観的に見れば、こうも言えよう。◇<当事者みずからシラケきった自民総裁選>+<麻生人気への自民党幻想>。◇そしてその根本は、小泉純一郎登場以前(=2000年時点)に賞味期限(もしくは消費期限)がとうに切れていたあの自民党、それをさらに苦しめている<どうにもならない郵政バブル選挙の不条理>。
◇こんな自壊の自民党に対し、オドオド民主のていたらくもこれまた度しがたいものがある。◇自民党に対しては、墓穴を掘るまで勝手にやってろ!とぶん投げておけばいいものを、いま選挙がないと勝てないのだ!のあせりまくり。◇だから、首相のぶれ方次第で民主党の国会運営も柔軟になったり強硬になったりのフランフラン。
◇IFSAに言わせれば、民主党は真の意味の<政局>を把握し得ていない。◇そんななか、安倍・福田とは違ってケンカ好きの太郎ちゃんは、どこかで引っかけてやろうと解散時期を計算しているにちがいない。◇1日も長く首相をやりたいが、自身の性格上、民主のウラをかき、ぎゃふんと言わせてもやりたい!の衝動もまた抑えきれない。
◇解散を夏まで引っ張るか、それとも与党幹部すら誰も考えないような意外性で自己陶酔目的を遂げるか、まあそういったところだろう。◇麻生にとっての<政局>とは、そんな程度の次元にすぎない。
◇それに引きずり回されているのがマスコミ。いいように遊ばれている。◇だからコワモテの日刊ゲンダイも、1面で毎日のように<このおバカ首相を1日でも早く辞めさせないと日本は大変なことになる>式のキャンペーンを張るだけ。それしかできていない。
◇おもしろそうな記事の時には、ゲンダイから送られてくるサマリー・メールにより近くのファミマへ買いに出かけるIFSAだが、このメリハリのなさでは行く気にもなれないというもの。
◇解散時期にお悩みの大マスコミ政治部記者の皆さんには、麻生への社会心理学的解明をまずおすすめします。(完)
★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★