2009年10月11日 (日)

IFSAの予想どおり慎太郎五輪はドボン=そうなった必然性を一度振り返っておかねば!

150億円(いや、一説には400億円[註])ともいわれる巨費を投じた東京五輪誘致は、ほら見ろ、だから言わないことではといった感じで大敗した。◇IFSAは過去何度か、当通信でそのばかばかしさを論じてきたが、今回は毎日新聞の記事だけを頼りに敗退の必然性を総括しておきたい。

◇もちろんもっと多元的な見方も成立しようが、過去の報道を丹念にフォローしていれば、たとえ毎日新聞1紙だけからでも見えてくるものは想像以上に豊かなはずだ

[註]きっこのブログ(09.10.03)<五輪惨敗で石原都知事の責任重大>と題してこう書き記す。◇「今回の招致活動では、単なるジオラマ制作に5億円もかけ、50人もの関係者に1着30万円のスーツを配るなど、都民の血税を湯水のごとく使い続けたため、東京都の発表している150億円という予算を大幅に超え、一部では400億円超える血税がドブに捨てられたと言われている」。

◇手始めは、五輪誘致の不純な動機から。

◇「石原知事が都議会で五輪招致を宣言したのは05年9月。銀行税やディーゼル車規制に代表される華々しい都政運営が鳴りを潜め、人気にも陰りが出始めたころだ」。◇「『知事の、知事による、知事のための五輪』。トップダウンで決まった立候補は、そんなふうにも揶揄(やゆ)された」(★★消えた東京五輪:招致失敗の波紋/上 残り1年半、知事を待つ嵐・毎日jp.・2009.10.04)

◇「今年初め、招致に慎重な民主党都議が党中央に冷静な対応を文書で求めたことを知ると、知事は都議会の一室でこの都議らを呼び止め、『みていろよ、恥をかくからな』とののしった」(同上)。◇どちらが恥をかいたかは歴然であろう。

◇動機のひとつは、石原人気沈没へのこのような一発逆転策。しかし彼の意図はそれにとどまらない。◇「五輪招致の目的についても石原都知事は、東京の再生によって日本国の底力を世界に示し、国威を発揚させる、と力説している」(★★2016年東京五輪招致をどう考える・谷口源太郎・毎日新聞朝刊・09.04.03)からだ。

◇そしてこの上にかぶさってくるのが、例の経済効果[=註]という妖怪であるのは言をまたない。◇だから産業界は事前に50億円ものカネを出したのだし、五輪開催による不動産価格の値上がりを見込み、皮算用に余念のない人士も大勢いたに相違ない。

[註]=「五輪を開催した場合の経済波及効果を、都は全国で2兆8000億円(うち都内で1兆6000億円)と試算したが(後略)」(★★クローズアップ2009:三たび招致失敗 日の丸五輪、遠のく夢・毎日jp.・09.10.04)

◇だから、以下のような本末転倒そのものの嘆息が役人からもれたりもする。◇「五輪招致というエンジンを失った今、都の幹部は言う。『開催を想定した都市像は、東京が直面する問題の解決をさまざまに織り込んでいた。これに代わる目標は、すぐには見いだせない』(★★消えた東京五輪:招致失敗の波紋/中 残る借金と未利用地・毎日jp.・09.10.04)

町村敬志・一橋大大学院教授にこう指摘されるまでもなく、何ともお粗末な話というしかない。◇「本来、独自の理念を持っているはずのスポーツイベントが、都市開発の道具としてしか語られないのは不自然だと思う。さらに言えば、五輪のようなイベントにしか、都市の未来を託せない思考にこそ、問題があるのではないか」(★★2016年東京五輪招致をどう考える・毎日新聞朝刊・09.04.03)

◇しかし不純な動機は以上の3点ばかりでなかった。◇そこには、これまた妖怪のようなスポーツ界もからんでくる。

◇「国際オリンピック委員会(IOC)の総会で、東京五輪の招致に失敗したことは、スポーツ界にとって、トップ選手強化の『大義』が失われたという側面を持つ」。

◇「上村春樹・選手強化本部長は『16年五輪の国別メダル数で3位以内に入るには、12年ロンドン五輪で5位になっておく必要がある』と説明。ロンドンでは14~16個、幻となった東京で25~30個の金メダルが必要と具体的な目標も掲げた」。

◇「08年北京五輪で日本が獲得した金メダルは9個で、国別ランキング8位」。◇東京五輪を想定し、それ向けの「強化費増額への期待があったはずだ」(以上、★★敗北の衝撃:16年招致/中 強化費増額に暗雲 JOC構想「大義」失い・毎日jp.・09.10.06)と記者は書いている。

◇お~お、日本全国すべては東京での五輪開催にかかっているってか?◇ダメだ、メダル数激増までが招致の動機!ってんじゃ。◇また彼らの背景に、以下のような考え方があるというから、IFSAはフレッシュな感じをもって驚かされる。

◇「JOCの福田富昭副会長は『これまでは火山の爆発で溶岩を流れさせ、底辺を広げようという考え方だった。この方が”ボトムアップ”の方法より、コストがかからない』と持論を展開し、新政権のスポーツ政策に注目している」(同上)。◇何とも安直な思考法。やはりこれじゃ日本のスポーツはネ、とあらためて感心させられる。

◇さて、以上のような思惑がいくつもからまれば、世界に発信すべき<理念>とやらが笑止千万なものに堕するのは理の必然といえよう。◇「環境に配慮した五輪」やら「コンパクトな五輪」やら、そうした理念でも追いつかないとなれば、平和憲法をせせら笑う石原慎太郎、恥じらいもなくこんなものまでをも持ち出した(=当IFSA通信にて既報)。

◇「招致の理念について石原都知事は『どうにでも書ける』と、理念のなさをさらけ出し、メディアなどから批判された」。◇「揚げ句の果てに作文されたのが、『平和に貢献する 世界を結ぶオリンピック・パラリンピック』という理念だった」(谷口源太郎・同上)。

◇しらじらしい<平和>はともかく、得意満面の<環境>ですら、「太陽光パネルなど最新技術を駆使した環境対策を強調する東京に対して、IOCの評価委員は『我々は国連ではない』と冷ややかだった(★★16年夏季五輪:東京落選 南米初、リオ選出・毎日jp.・09.10.03)てな調子で一蹴(いっしゅう)されてしまうといった案配(あんばい)。

◇そりゃそうだろう、何でも言えばいいってものじゃない。◇評価委員の皮肉は実にいい線をいっている。

◇そんななか、今日、昼食のそば屋でスポニチを読んでいたら、美輪明宏が辛辣(しんらつ)な石原慎太郎五輪批判を展開していた。◇そのなかで特におもしろかったのは、コペンハーゲンでの石原プレゼンに触れた部分。

◇あんな都職員への訓辞のような演説でウケるわけはないだろう、と。◇傲岸(ごうがん)不遜、ひとに頭を下げるなど体験したこともない男が、とってつけたようにお願いをしたところで、ミエミエは避けようがないというわけだ。

◇その石原が、先の総選挙応援演説でけなしまくった敵陣の鳩山由紀夫首相に頼み込み、デンマークへのご足労をお願いしたのだから、よほど万策尽きていたとみえる。

◇鳩山首相はといえば、この際、石原に貸しを作っておくのがいちばん。◇もしくは、人のせいにするのが得意な石原のこと、誘致失敗の戦犯にされてはかなわないから、勝算のないセレモニーへも出かけていった。◇加えて、<気分転換も兼ねて>といった鳩山一流の遊び心も加わり。

◇それらをひっくるめた成り行きのすべてを、国民は淡々とながめていた。◇今回の石原独り相撲はまあそんなところであったといえよう。

◇おごれるもの久しからず。◇責任をとっての辞任はないと開き直る石原慎太郎に対し、そうもいかないという情況がこれから展開されるはずとIFSAは見る。◇まずは最低でも150億円という、常識を超えた<使途精査>から。

◇へたに辞任し、次期東京都知事から洗い出しをされるのも怖いし、プライド高き男、議会からの攻撃にさらされるのもゴメンだし。◇さらにはそこへ新銀行東京問題も加わるし。

◇エラそうな石原の相克はつづく。(敬称略)

★★[IFSA]★★Michio Abe

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2009年8月30日 (日)

まるで化石のような日本のイデオロギッシュ右派=衆院選に彼らは焦りまくっている

◇自民党の凋落(ちょうらく)に発する民主党への政権交代?に対し、まるで革命前夜のような危機感を懐いているのが、どうやら日本のハイパー右派らしい。

◇テレビに出てくる分かりやすい顔ぶれでいえば、石原慎太郎・三宅久之・屋山太郎、それに金美齢たちだろうか。◇彼らの主義主張を一律には論じられないものの、トレンドをつかむには好適であろうとIFSAは考える。

◇IFSAの見るところ、彼らに共通するのは判で押したような<社会的正義感>の突出で、だからいい加減な官僚へは大罵倒、それがたとえ自民党議員であれ少々規範からはずれているものへは容赦なき批判が浴びせられる。

◇加えて彼らは口調も態度も押し出しが強いときているから、バッサバサといった感じの<絶対善的規範>で政治家をぶったぎる。◇その相手が野党であるのはもちろんだが、時にはあたかも戦術のごとくに、自民党の大物をやり玉にあげたりもする。

◇これを見た<物事をはっきり言えない・コンプレックス>的日本人のなかに、溜飲(りゅういん)を下げる人たちが出てきても不思議はない。◇IFSAからすればあれほど安全弁な論客はいないと見えるのに、実態を知らない人にあっては若干危険なにおいも漂うらしく、それがまた人気と共感を呼ぶ。

◇そうしたハイパー右派の特徴は、一見過激を装いつつも、最終的には敵と味方がはっきりしているという点にある。◇本人たちはおそらく否定するだろうが、IFSAの見立てでは彼らの立脚点は1980年代初頭まで全盛だったゴリゴリの反共主義。◇それをいまだに引きずっているというか、彼らはその現役でもある。

◇いわば岸信介の傍流といえばイメージしやすいだろうか。◇ただ岸の時代とは違い、ソ連や東欧共産圏はとっくに自壊し、日本ばかりか各国の左派勢力もメッタメタ。◇ハイパー左派などとっくにこけたというのに、日本のハイパー右派だけはかつての亡霊を敵にいまだ力み返っているというわけだ。

◇だからマンガチックでガラパゴス的と相成る。◇日本に左派がいなくなった1990年代以降、彼らハイパー右派は左派的な<市民主義者>を相手に論争を仕掛けるというか、彼らに対してシニカルに問いかけてきた。

◇あなたたち、いつまで旧社会党のような<非現実的>言辞を弄しているの?と得意気に。◇かつての田嶋陽子や脱ダムの田中康夫らはいい標的だった。◇しかし田嶋陽子などは中途半端にイデオロギッシュなものだから、連中の挑発に乗っては延々と戦いに引き込まれる。

◇彼らハイパー右派に対しては、こう言い返してやれば済むものを。

◇<もはや実態のない共産イデオロギー、そのアンチにいつまでしがみついているんだ。私だって共産主義イデオロギーなんぞ、最初から信じてもいない。だからそんなものを批判されたって痛くもかゆくもない。もともと私には無縁なんだから>と。

◇<それよりハイパー右派の皆さん、論敵に向かって毎度のように「それは現実的な議論じゃない、偏頗(へんぱ)なイデオロギーで視線が曇った空論だ」と批判しつづけながら、その実、ガラパゴス的反共イデオロギーにいまだ依拠するのはそっちのほうではないか!>と。

◇そう切り返すだけの政治的体験というか思想的な幅が<市民主義者>にはないゆえ、コロッとやられてしまうことになる。◇というより、<市民主義>もまたもうひとつのプチ・イデオロギーにすぎないから、イデオロギー同士の戦いが不毛にならざるをえないのはそれこそ理の当然といえよう。

◇彼らハイパー右派たち、リアリスティックを装いつつも最後の砦(とりで)は<自民党政権(+)米国依存>と相場が決まっている。◇それでいて、憲法は米国が日本へ押しつけたものゆえけしからん。◇だが、アフガニスタンやイラクへは米国流の民主主義をぐいぐいと押しつけよ!か。

◇こうした人たちにとって、許し難いというか不安でならないのが民主党政権の誕生だ。◇安倍政権誕生で一時はぐっと盛り上がったと思ったら、あっという間のずっこけ。◇あとは雑誌の『諸君』がつぶれたりして鳴かず飛ばずの日々に、政権交代とまであっては、その危機感というか喪失感、いかばかりであろう。

◇たとえば、月刊誌「WiLL」(ワック刊)の最新号(2009年9月号)は、総力特集として「民主政権で日本沈没!」を組み、アンチテーゼに余念がないというか、むしろ悲壮感さえ漂わせている。

◇同誌には「全録音 田母神俊雄 原爆の日に広島で敢えて核武装を論ず」も掲載されていたりして、なるほどという感じ。◇トンデモ航空幕僚長だった田母神が即右派文壇の英雄になってしまうほど、ここでは人材払底に見舞われているようだ。

◇ずいぶんと前置きが長くなってしまった。◇今回のIFSA通信、その目的は以下の主張を紹介するところにあった。◇産経新聞政治部長・乾正人<★★なぜ自民は惨敗したのか>と題して書いたMSN産経ニュース(09.07.13)から引用してみよう。

◇なお、ここでいう<惨敗>はもちろん衆院選のそれではなく、先日(09.07.12)の都議選のことを指している。◇産経の政治部長は言う。

◇「予想されたこととはいえ、自民の惨敗、民主の躍進という都議選の結末は、有権者の怒濤(どとう)のような国政への怒りの表れ以外の何ものでもあるまい」。◇「次期衆院選も都議選と同じような結果になるのは目に見えている」。

◇「あの郵政選挙で自民党が空前の勝利を収めてからわずか4年。なぜ、かくも短期間で自民党は凋落(ちょうらく)してしまったのか」の自問に対しては、*小泉改革の弊害*リーマンショック*郵政民営化のゴタゴタ*自民人材払底の現実・・・・・・・を彼はあげる。

◇ここまではそうは異論があるまい。問題は唐突に持ち出される以下の<理由>にある。

「異説ではあるが、私は『ポスト小泉』の安倍晋三、福田康夫、麻生の3代にわたる首相が靖国神社参拝に踏み切れなかったことを最も大きな理由として挙げたい(むろん、福田氏はまったくその気がなかったろうが)」

◇「小泉氏は、総裁選出馬時の公約を守って中国や韓国が強く反発するのを承知の上で、在任中、靖国参拝を続けた。むろん、国民の中にも反対派は少なからず存在したが、内政的には『ぶれない指導者』を強く印象づけ、高支持率の基盤をつくった」。

◇しかしハイパー右派の安倍は、首相になると靖国参拝をヒヨった。◇麻生は「『保守政治家』を自任する」のに「参拝する気配はない」。◇「このため自民党支持者の一部は、『他国に遠慮して戦没者の慰霊もできない指導者』と麻生首相らを見放している」

相次ぐ地方選での自民敗北は、経済政策の失敗だけでは説明できない。自民党が掲げる旗が不鮮明になり、精神的な背骨を失っていると古くからの支持者が判断しているためではないか

◇ここにもまた、透徹した眼を求めながら自身はさっさとイデオロギッシュな世界へと逃げ込んでしまう右派の心性が象徴的にあらわれている。

◇乾政治部長が首相の靖国参拝を切望するのは自由だが、安倍・麻生がヒヨッた、だから自民党への支持が激減した!◇いったい論理的にそれをどう説明できるというのだろう。精神主義は別にして。

◇この産経新聞の奇妙な論説を、上記ハイパー右派へのIFSA的考察と照らし合わせる時、何か交差するものがあれば今回のIFSA通信の目的は達せられたといえよう。

◇もし安倍政権が継続していれば、この手のハイパー右派的主張と行動がメーンストリームとなっていたに相違ない。◇何しろ安倍政権誕生時の彼らの熱気といったらすごかったから。◇まるで憲法改正の突破口が開けたとでもいうような。(敬称略)

【補  遺】

◇あと10数分で衆院選の投票が終わる。◇おそらくは民主党の鳩山政権が誕生しよう。◇ただそれと同時に、自民党による鳩山献金疑惑追及が執拗(しつよう)なまでになされると思われる。◇鳩山は持ちこたえるか、それともまたすぐに首相がかわるか。

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年7月25日 (土)

IFSAが前から書いてきた石原都知事の都政ぶん投げ疑い。マスコミもようやく本格的に

◇オリンピックの東京誘致に失敗すれば、おそらく石原慎太郎東京都知事は<政権>をぶん投げるのではないか、「責任をとる」などのもっともらしい理由をつけて、とIFSAは書いたことがある。◇そうすれば新銀行東京問題からもするりと逃げおおせることだし。

◇その後に都議選での自民党の惨敗が。◇こりゃさすがに石原へのダメージ大と見たか、「サンデー毎日」(2009.08.02)<石原慎太郎知事「宴のあと」に耐えきれず「10月辞任説」>を筆頭に、マスコミがいろいろなところでぶん投げ説を唱え始めた。

◇「サンデー毎日」の記事は広告で見ただけで中身までは目にしていないから詳細は不明だが、おおよその見当はつく。◇IFSAもまた、都議選の結果がぶん投げをさらに後押しという点では考えを同じくする。

◇それにしても、都議選の結果を受けての石原談話はひどかった。◇テレビで見て記憶されている方も多かろう。

★★都議選:石原知事「大迷惑な結果」
毎日jp.・09.07.13

◇「東京都の石原慎太郎知事は13日、都議選で自民・公明両党が過半数を割り込む結果となったことについて、『大迷惑な結果だ。政府が作った人心の離反のツケを、東京が払わされた』と、報道陣に感想を語った」。

◇「『石原都政への不支持とは受け止めないか』との質問には、『ちょっと違うんじゃないですかね』と否定」。

★★「異常だ、浅薄な選挙」都議選に石原知事不満
YOMIURI ONLINE・09.07.13

◇石原は自民+公明で「(前略)過半数を割ったことについて『国の総選挙の前相撲にされてしまった。東京にとっては大変迷惑な結果』と不満をあらわにした」。

◇麻生太郎首相以下、国政レベルにおける自民党の体たらくがこんな事態を招いた、と懸命になってアピールしている。都政に瑕疵(かし)はないのにと。◇しかし都民ならその多くが感じているように、とんでも新銀行問題や築地市場の強引な移転はけっして選挙の小さなファクターではなかった。

◇自民党のみじめな都議選敗北は、国政半分・都政半分といったところだろうか。◇それに、いままでマゾヒスティックだった都民も、石原の<ハイパー上から目線>にようやく嫌悪感を抱き始めたといえる。◇エラそうな態度は麻生首相の比ではないのだから。

◇プライドだけは人一倍強く、いつもまわりからチヤホヤされていなけりゃ気の済まない性格の石原だから、大半が与党化していた従来の都議会操縦ほど気持ちのいいものはなかった。

◇ゆえに帝王は平然と勘違う。◇「『いったい都政のどこに問題があるのか!』」と(後述の毎日新聞夕刊・09.07.17)

◇それが今回の逆転劇だ。しかも民主党は、昔の石原与党的都議会民主党ではない。◇ことごとくつっかかってくるのは火を見るよりも明らか。◇そこへ石原がアタマを下げてなど、想定すら難しい。◇だから早速以下のような記事があらわれる。

★★都議選 石原知事、議会の重圧 新銀行、築地移転
・・・迫られる政策転換
MSN産経ニュース・09.07.13


◇「東京都議会で、石原慎太郎都知事を支えてきた『与党』自民、公明が過半数割れし、民主が第一党に躍進した」。◇「石原知事の残り任期2年の都政運営に影響が及ぶのは必至だ」。◇「新銀行東京の再建問題や築地市場移転などの重点課題が政策転換を求められる可能性が強まった」。

★★東京五輪招致:民主躍進で計画見直し不可避か
毎日jp.・09.07.14

◇「東京都議選で16年夏季五輪の東京招致に『条件付き賛成』の民主党が第1党に躍進したことで、東京の開催計画も変更を迫られる可能性が出てきた」。

◇「また次期衆院選の結果次第では、立候補ファイルに盛り込まれた政府の『財政保証』を巡って、議論が再燃する可能性もある」。◇民主党の反対で「政府の財政保証を明確にした形で国会の招致決議」がなされていないから。◇そしてついには以下のような観測まで。

★★「石原知事の気力心配」 都庁、重苦しい雰囲気
TOKYO Web(共同)・09.07.13

◇「民主が初の第1党に躍進し、自民と公明で過半数を割った東京都議選から一夜明けた13日、都庁は重苦しい雰囲気に包まれた」。◇「幹部の間では『自公に頼ってきた石原慎太郎知事の気力が持つのか』と去就を心配する声まで飛び交った」。

◇都の局長幹部はこう言っているという。◇「『築地移転は完全に凍結だろう』(後略)」。◇「『知事はもう政権末期。登庁日も嫌気が差して減るのでは』」。◇正確には登庁日が「いまよりさらに減るのでは」というべきところだろうが。

◇「別の局長級幹部は7選を目指した自民都連幹事長の内田茂氏が落選した影響を指摘」。◇「『内田さんは”ミスター都議会”。内田さんが自民の会派や公明をまとめ、知事を支えてきた。内田さんという後ろ盾がなくなれば、知事は政策推進の突破力を失う。3期目の半ばを過ぎ、気力が続くかどうか』と話す」。

◇石原都知事の傲岸(ごうがん)不遜ぶりを堪能したければ、TOKYO MXテレビの金曜日「石原知事定例会見中継」に接するのがいちばん。◇いったい何様なのかと思わないほうが不思議といった光景が展開される。

◇しかしこの皇帝ぶりも、上記<多数派(自民+公明)+内田都連幹事長のような仕切り屋>あってのこと。◇ふんぞり返っているだけで、自分からコツコツ仕事をするタイプでない石原には、都議選以降の状況はつらい。

◇しかも、何だかだいっても勝ち馬にしか乗らない習性が身についてしまっている。◇いくら過激に批判してみせても、最後は権力のほうへというパーソナリティーが備わっている。◇対コイズミでもきまってそうだったとIFSAは記憶する。

◇本当は前回の都知事選でも石原への批判はくすぶっていた。遠慮がちなマスコミも、相当に突っついてはいた。◇だから今回、マグマのようにたまった不満が一気にといった側面もある。

◇オリンピック落っこちだけでも<ぶん投げる>だろうとと見ていたIFSA。それに都議選の惨敗が加われば。◇ぶん投げ説がますますリアリティーを帯びつつあると誰しも感じたとて不思議はあるまい。

◇都の幹部が言っているという石原の「気力が続くかどうか」などより、<頭(ず)を低くして&泥をかぶってにどこまで耐えられるか>がポイントになる。◇まあそれははなからムリだろう。◇首相経験者までをもクン呼ばわりする、おれがオレがの御仁には。

◇「佐野さん(ノンフィクション作家の佐野真一)は言った。『もう知事としてはズタズタでしょう。私は投げ出すんじゃないかと思ってますけどね。知事のイスより、新喜楽(芥川賞選考委員会が開かれる築地の老舗料亭-筆者註)の座布団のほうが断然、居心地はいいはず(後略)』」。(註)

(註)★★石原家の夏 慎太郎知事は今何を思う--
   近づく「太陽」の終演? 毎日新聞夕刊・09.07.17

(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

(追伸)=09.07.24に同文のものをアップロードしましたが、タイトルから<IFSA>の<I>が抜けるというミスがありましたのでいったん削除し、あらためて本日(09.07.25)アップします。内容自体はまったく同一で変更はありません。

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2009年7月 6日 (月)

IFSAの<笑止千万>=橋下&東国原知事の魂胆はミエミエ。何が地方分権だって!

◇そのまんま東こと、東国原英夫宮崎県知事の<勘違い本気発言>には、さすがのお人よし日本国民もくちあんぐりといったところであろう。

★★選挙:衆院選 「ガケっ縁」自民、知事頼み
出馬打診に東国原氏「総裁候補なら」
毎日jp.2009.06.24

「内閣支持率の急落にあえぐ自民党が、次期衆院選対策で、地方の人気知事との連携に動き出した」。◇「自民党の古賀誠選対委員長は23日、宮崎県庁を訪ね、東国原知事と会談し、衆院選に党公認候補として立候補するよう要請した」。

◇「これに対し、東国原知事は『私を次の自民党総裁候補として、衆院選を戦うお覚悟があるのか』などと、逆に条件を突きつけ、結論は出なかった」。

◇東国原が自民党へぶつけた衆院選出馬の条件は、上記「オレを自民党総裁候補にしろ」(+)「地方分権への全国知事会要望を100%マニフェストへ盛り込め」。◇前者は<そのまんま東>によるそのまんま本気。そして後者の地方分権うんぬんは、これぞ便利と引っ張り出したキレイゴト・ワンフレーズとIFSAは見る。

★★東国原・宮崎県知事:ハードル下げる?
分権提言の採用「90、80%でいい」
毎日jp.・09.07.03

◇「衆院選出馬に意欲を示している宮崎県の東国原英夫知事は2日、出馬条件として自民党に地方分権改革案受け入れを求めていることについて『100%とは言いません。90、80%ぐらい』と述べた」。

◇「これまで『一言一句漏らさず』としていた条件を自ら引き下げた形で、『国政転身ありきの安売りか』と冷めた見方も出ている」。

◇ビートたけしのお兄さん、北野大・明治大学教授がテレビでまっとうに述べた「東国原さんのことは弟との関係でよく知っているが、いったい何を勘違いしているんですかね」(大意)の宮崎県知事殿、何としても国政へ転身する、それも高値で!となれば今回しかないの思いはいや増しに、か。

★★東国原氏「僕が行けば負けない」 自民出馬要請で
TOKYO WEB(共同)・09.07.01

◇自民党内の悪評に焦りがつのったのか、「(前略)自民党から立候補を要請されている次期衆院選に関し『僕が行けば自民党は負けない。負けさせない。負けたら地方分権ができない』と述べ、立候補した場合は政権交代阻止に全力を挙げる考えを示した」。

◇「次期党総裁候補にすることなど、自らが提示した条件を自民党が受け入れた場合について『(国民は)党が変わった、変革したと思うだろう』と指摘した」。

◇誇大妄想きわまれり!はおくとして、<東国原が出れば自民は勝つ→自民が勝てば地方分権ができる>とは、ぶったまげの論理展開というしかない。◇ひがしにとっては論理矛盾などこの際どうでもいい。何しろこのオレを自民党の最重要職へつけろ、モタモタせずに・・・・・・・なら理解はできるが。

◇こんな男に足元を見られる自民党、この一事をとってももはや政権政党の矜持(きょうじ)は消えうせているといえよう。

◇宮崎県に<しけ込んでいる>(=宮崎県の人には失礼な言葉づかいでIFSAは不本意だが、東国原の言動はこう宣言しているに等しい!)のはもうイヤ、大好きな権力政党自民党のトップマネジメントとして東京へ舞い戻りたい。◇このアリバイ証明に使われるのが<地方分権>なのであった。

◇うん?<地方分権>?またまた出ました、絶対善的標語が。◇1990年代、自民党のあまりの腐敗を隠すため考案されたのが<政治改革>という名のもとの権力闘争だったし(=そのゆがんだ産物が小選挙区制!)、21世紀初頭、米国的市場原理主義を貫徹するためのキレイゴトが<官から民へ><規制緩和>であったのは記憶に新しい。

◇揚げ句は、コイズミ積年の<旧田中派&旧郵政省>に対する怨念(+)米国への便宜供与として考え出された<郵政民営化>。◇そして今回のカイカクは、突然ごとく<地方分権>ときたもんだ。◇ああ~、また例のヤツね・・・・・・と考えるのが正常なる理路というものだろう。

◇東国原の<地方分権>なんて付け足しもいいところと、まあ大方の人はとらえようが、これが橋下徹・大阪府知事となると、本気度が違うと思ってしまうにちがいない。◇さすがに彼は利口だから、東国原のような単純な発言はせず、仕掛けを一見複雑化して煙(けむ)に巻く。

★★首長グループ構想:
西日本の知事らは、独走橋下氏に戸惑い
毎日jp.・09.06.26

◇「大阪府の橋下徹知事が打ち上げた、地方分権を旗印とする首長グループの結成と、次期衆院選での支持政党の明確化」。◇この手の思わせぶりに、マスコミも国民も振り回される。マニフェストを見て自民か民主かを判断するなんて言われちゃうと、なるほどねと。

◇しかしIFSAは、そんなまわりくどいことやめなさいよと言う。◇あの超右派の橋下が、旧社会党の議員も大勢いる民主党支持なんて、まず想定しにくいからだ。◇体質的に<革新>や<市民>が大嫌いの、自民党に入ったとすればまず筆頭右派の、田母神センセイも真っ青のような橋下徹を忘れてもらっては困る。

◇にもかかわらず民主党は、「(前略)民主党の鳩山由紀夫代表は23日の会見で、橋下知事について『自民党中心に当選された方だが、(地方分権の)考え方は民主党により近い』と秋波を送った」(上記・毎日jp.09.06.24)というからさまにならない。

◇ところで、IFSAには今でも忘れられないことがある。◇橋下がまだ弁護士兼タレントでテレビのワイドショーに出ていた時代のこと。◇新聞と違ってテレビは、ビデオにでもとらないかぎり記録がないから困るものの、橋下はそこで仰天発言を行った。

◇記憶があいまいで申し訳ないが、たしか靖国神社に関する問題だったと思う、天皇の発言された内容が橋下の持論と大きく違っていた。

◇司会者にそこを指摘された橋下はこう言った。◇「私は今でもそう思っていますが、天皇さまがそうおっしゃったのなら、私にとって天皇のお考えは絶対ですからそれに従います」(大意)と。◇おそらくこの種の発想は、天皇にとってもご迷惑と思われる。

★★政党支持に賛同1人 橋下氏、市町村長らと会合
TOKYO WEB(共同)・09.07.01

◇「大阪府の橋下徹知事は1日、府内の市町村長と大阪市内で非公開の会合を開催し、『首長連合』で次期衆院選での支持政党を表明することについて参加を呼び掛けた」。

◇「会合では橋下知事が冒頭、記者団に公開したあいさつで『この時期を逃せば、国の形が変わるチャンスは二度と来ない。国に対して地方は最大の圧力団体になるべきで、そのために必要なパワーは”選挙で応援する、しない”に尽きる』と態度表明の意義を強調した」。

◇上昇志向ギラギラで単純そのものの東国原とはちがい、それなりに策を弄(ろう)する橋下大阪府知事。◇しかしその<策>に自縄自縛となれば、みっともない結果を招く。

◇ただどう転んでも東国原とは段違い、自民党は橋下を高く買う、それはほぼ間違いのないところだから自身に損はない、仕掛けを高度っぽく見せるほうがいい、橋下はそう読んでいるのかもしれない。

◇結論を言えば、絶対善的<地方分権>を持ち出したところで、東国原も橋下も最大の関心事は自身の去就というか値段のつり上げ。◇みずから喧伝(けんでん)するほど日本社会への深刻な思いが伝わってこないのがそれを証している。

◇<地方分権>が現代政治最大のマターだって言いまくるのだから、お里が知れるというものだろう。◇<郵政民営化>が国のトップマターだったのと同様に。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年6月26日 (金)

IFSAのフォロー=五輪誘致にみる石原キレイゴト知事。きわまってついに品なき本音が

◇IFSAは2009.06.18、当通信に【五輪招致厳しい!で焦りまくりの石原都知事。記者会見にて持ち前のお下劣さを全開】をアップした。◇今回はそのどうしようもなさに加え、ローザンヌでの五輪招致プレゼンテーションで明らかとなった<本性丸出し>というか、窮迫後の<品なき本音>を取り上げてみたい。

★★16年夏季五輪:招致プレゼン 「東京は最高の舞台」
石原知事、環境と財政アピール
毎日jp.09.06.18

◇スイスのローザンヌにて「(前略)投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員にアピールした」石原慎太郎都知事、「(前略)『4000億円の資金を手元に用意している』と安定した財政面を強調」だとか。◇「英語にフランス語を交えたスピーチを披露し、政府の全面支援を約束する麻生太郎首相のビデオも上映した」。

◇ついに出ました、カネカネカネ。そして政府のお墨付き宣伝。◇とってつけたような平和がどうたら、日本にしかできないオリンピックがどうたら、「世界一コンパクトな(東京)五輪」がどうたらなどはすでにどこかへ吹っ飛び、最後はカネだろうとばかり胸を張ってみせたという次第だ。

◇「コンパクトな配置」などは、オバマ大統領の地元・シカゴも打ち出していることだし、アピール力が弱すぎると石原自身よく分かっているのだろう。◇そうなりゃ、<手元に4000億円>ってわけか?

◇まあ米国(シカゴ)はともかく、スペインやブラジルなどはGDP超大国・日本を前にすりゃゴミ同然、悔しかったら4000億円を凌駕(りょうが)してみろといっているような<札ビラ傲慢(ごうまん)さ>がにじみ出ている。◇この男にふさわしい主張!と見るのがむしろ正しいかもしれない。

◇もうひとつ、石原慎太郎のすがるのが<皇太子による支援>。◇この件はもう10カ月以上も前から石原がこだわりながら、まったく実現しない。◇思えばもう1年近くになろうか、08.07.11、石原はこう息巻いていた。

★★石原都知事:宮内庁に怒る
五輪招致の皇太子さま支援で
毎日jp.・
08.07.11(A)

★★「宮内庁のばかが」とまた批判 石原知事、五輪招致で
TOKYO WEB・08.07.17(B)

◇「16年夏季五輪の招致を目指す東京都の石原慎太郎知事は(中略)、皇太子さまの招致支援に難色を示している宮内庁の姿勢を『役人の出てくる話じゃねえんだ。国家の事業の話だから。僭越(せんえつ)の限りだ』と批判した

◇またまた出ました、いつもの湘南ベランメエが。◇「石原知事は会見で、宮内庁が森元首相の打診にも難色を示していると問われ『宮内庁ごときが出てきてだな、そんなことを言うことは僭越の限りだ。そういう役人が日本を滅ぼしてきたんだ。国民投票したらいいんだよ。圧倒的に皇太子に行っていただきたいに決まっていますよ』と語気を強めた」(以上(A))。

◇石原知事は「(前略)招致活動への皇太子さまの協力は難しいとした宮内庁東宮大夫の見解に触れ宮内庁のばかが余計なことを言って』と批判した」(B)。

◇その1カ月後の昨年8月、スポーツジャーナリスト・谷口源太郎が実にいいことを書き記す。

★★理念なき「東京オリンピック招致」の醜い競争
DIAMOND online・08.08.25

◇文中の小見出しは「最後の切り札は皇室の取り込み?」。

◇「『宮内庁ごときが決めることじゃない。国家の問題なんだから。木っ端役人が、こんな大事な問題、宮内庁の見解で決めるもんじゃない』」をまず紹介し、「石原氏は、オリンピックを招致するのは東京都であるにもかかわらず、まるで国家が招致するかのように話をすり替え、その象徴に皇室を持ってこようとしているのだ」と正面から批判する。

◇「一方、JOC内部にも、皇室を待望する声がある」。◇「『「アジアでの石原さんのイメージは、よくないので票に結び付かない恐れがある。皇太子殿下であればイメージは変わりますから』」。

◇「IOC理事会の評価のなかで東京が最下位だった項目は、IOCの独自調査による招致についての世論支持率だった」。◇「この結果について報道関係者から質問された石原氏は、苛立った様子で、『君たちのせいだよ。メディアが足を引っ張るから』と声を荒げた」。◇恨みがましく弱々しい石原の姿がここにのぞく。

◇「なぜ、オリンピックを招致するのか、という肝心な理念について、石原氏は『理念なんかどうにでもつくれる』と言い放った」。◇そして石原にふさわしくないハト派的理念を、臆面もなく接ぎ木した。超右派をかなぐり捨ててまで。

◇「理念もなくオリンピックを招致するというのは、石原氏には別の企みがあるからだ」と谷口は言う。◇「別の企み」?誰しもすぐに想像のつくことをグダグダ書くほどにIFSAは退屈な良識派ではないから、やめておこう。

◇「企み」の内実がミエミエだからこそ、都民・国民による五輪誘致の支持率が上がらない。ましてやこの時代にオリンピックで日本盛り上げだって?◇もういいかげん開発途上国的発想から抜けだそうよ!くらいには日本社会も成熟しつつあるのだから。

◇しかし、上から目線の石原にはそれがまったく見えない。しゃばの空気が読めない。◇その辺を百も承知の宮内庁は政治的要素を嫌って拒否。◇石原より数段エライとだけは言い得よう。

◇にもかかわらず、今月になっても石原都知事は言い続ける。

◇ローザンヌ・プレゼン出発の成田空港で知事は語った。◇まずは「(前略)招致争いの現状については『専門家の情報だと実に際どい。それぞれのIOC委員の投票基準が違うから、なかなか難しい』と苦笑交じりに分析(後略)」。◇そのうえで・・・・・・・。

◇「また開催都市が決まる10月のIOC総会(コペンハーゲン)に向け『勝つ決め手はこれしかない』と、皇太子ご夫妻の総会出席をあらためて切望した以上、★★石原都知事「懇切丁寧に説明する」 五輪招致プレゼンへ・NIKKEI NET(共同)・09.06.17)

◇自身の利益のためにはどんなことでも!という石原慎太郎の度し難い<我(が)>が顕著なまでにあらわれている。◇こんなものに従えってか?◇そういう役人が日本を滅ぼしてきたんだとあしざまに言われた宮内庁、いったいそれはどっち?と思っていることだろう。

◇日本にとってオリンピックなんぞ、頼むからやってくれと言われて重い腰を上げるくらいでちょうどいい。◇他からむしり取ってくる、日本はそんな段階をとうに過ぎた国なのだくらいの矜持(きょうじ)をもてないのか、連中は。◇おお、なさけない。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年6月18日 (木)

五輪招致厳しい!で焦りまくりの石原都知事。記者会見にて持ち前のお下劣さを全開

◇IFSAは五輪東京招致がいかにとんでもないことかをさんざん述べてきたし、まあ幸いなことに招致はかなり難しかろうと予測してきた。

◇さらには、石原慎太郎東京都知事がこの責任をとるといった形で都知事を辞任し、例の新銀行東京問題からエスケープするのではといったよた話を、冗談半分・本気半分で加えたこともある。

◇まあそれはともかく、第二次東京オリンピック実現がフウトモ(風前の灯)であるのはどうやら現実に近いようだとIFSAは見ている。

◇<肝心の都民がそれほど熱を入れていない>&<IOC評価委員会独自の世論調査では都のそれよりもかなり低い支持率を記録している>だけでなく、<日本だから、できる。あたらしいオリンピック!>とか、石原の思想と日ごろの言動からはあまりに似つかわしくない<平和に貢献する、世界を結ぶオリンピック・パラリンピック>の、とってつけたようなセールスポイントが足腰の弱さを証明してしまっているのだから。

◇本音のところが発展途上国段階に似たオリンピック特需による<公共事業沸騰>とあっては、上記の高邁(こうまい)かつ上滑り理念も逆にしらっとうつる。◇いくら商業主義全盛のIOCといはいえ、そのくらいの詐術は容易に見抜こう。◇いや、ミエミエの土木重視型であれ、他を圧するだけの熱気が見られれば別であろうが。

◇石原自身も最近、弱気の風を吹かせ始めた。◇ローザンヌでのプレゼンへ出かける石原知事、成田空港でこう語ったという。

◇「招致争いの現状については『専門家の情報だと実に際どい。それぞれのIOC委員の投票基準が違うから、なかなか難しい』と苦笑交じりに分析した(★★石原都知事「懇切丁寧に説明する」 五輪招致プレゼンへ・NIKKEI NET・09.06.17)

◇そんななか、IFSAはひょんなことから、オリンピック担当の都副知事が更迭?されたことを知った。◇新聞記事では<★★【石原知事会見詳報】ハーフタイムだから副知事交代・MSN産経ニュース・2009.06.05><★★石原知事:佐藤副知事に辞令 「知事支えていきたい」・毎日jp.・東京版・09.06.06>のような文字通り地味なものだったから、目にされた人は少なかろう。

◇それでも産経新聞は詳細な記者会見録を掲載しているが、以下は東京都09.06.11にアップした<★★石原知事定例記者会見録・平成21(2009)年6月5日(金)・テキスト版文責 知事本局政策部政策課>から引用するとしたい。

◇その前にまず、谷川健次副知事の更迭?に触れた記事の確認から。

◇「(前略)石原知事は、副知事の谷川健次、山口一久の両副知事に対し、退任辞令を交付」。

◇「同日の定例記者会見で、谷川副知事の退任理由について、都が5月に発行した広報誌上でIOC(国際オリンピック委員会)評価委員会のムータワキル委員長の顔写真を大きく印刷した点に触れ、『誰もあれが誰なのかわからない。誰が興味持ちますか。谷川君だけの責任じゃありませんよ。だけど担当の副知事ということでね』と述べ、谷川副知事の職務内容に不満があったことを示唆した(以上、上記・毎日jp.)

◇「2016年の五輪招致を目指す東京都の石原慎太郎知事は5日の定例会見で、開催都市決定4カ月前に五輪招致担当副知事の辞任を決めた理由について『サッカーで言うとハーフタイムが来た。ミッドフィルダーかフォワードかしらんけど、代えるものは代えて進もうと思う』と述べた」(上記・MSN産経ニュース)

◇ではその内実というかエグイ部分は、都作成の議事録にて拝見させていただこう。

【記者】
先ほどの都議会でですね、副知事人事同意を得たわけですけれども、ここに来て五輪担当の副知事さんがかわることがですね、招致に何か影響が出たら困るなという声があったりするんですけれども、今回の人事の知事のお考え、知事の専管事項なんであれですけれども、お考え…。

【知事】
(IFSAによる略)

【記者】
招致活動においてですね、谷川(健次)副知事のプレゼンスも(存在)あったかとは思うんですけれども、ここでやっぱりあえてかえるに踏み切った・・・。

【知事】
それは人によっていろんな評価があるでしょう。(中略)これはだれの責任ということじゃなくて、結局私の責任かもしらんけども、この間もね、理事会(東京オリンピック・パラリンピック招致委員会理事会)でね、これはやっぱりさすがに森喜朗(元首相)ね、森君がね、私の古い友人だけどね、こんなもの(広報東京都臨時号)だれがつくったって言うの。(中略)

担当の局長がだな、これは何十万部刷っててね、都の広報紙でありましてどうのこうのと言うからね、調査委員会(IOC評価委員会)の女性のですね、モロッコの委員長(ナワル・ムータワキル委員長)の大きなクローズアップがあるわけですよ

よほど若くて超美人ならわかるけど、あの人、元美人ではあるけどね、あれ見て、だれが、これはだれだかわからないんだよ。そんなものがばーんと出てきてね、だれが興味持ちますか。(中略)

やっぱり森君らしいね、指摘がありましたよ。こんなもの、だれがわかるかって。どうせやるならね、石原とね、委員会の委員長が対談してみたら、2人の写真だったらわかるけどね、こんな見も知らない女の顔、ばかっと出してね、だれがこれアトラクトする(人を引きつける)かって

そういう工夫はまあないしね、だから、もう言ってもしようがないんだけど、今、そこらじゅうに立ってる、張ってあるポスターにしたって、勝手に決めてくるからだめだと。全部見せなきゃ。(中略)

そういう、まあね、緻密(ちみつ)なネットワークは、残念ながらまだできてないね、都庁でも、JOC(日本オリンピック委員会)とのかかわりの中でも。

だから、ここでね、やっぱりちょっとね、人心一新してやろうと思ったんです。これは谷川君一人の責任じゃありませんよ。うん。全部の責任だけど、やっぱり担当の副知事で、この辺ちょっとということで、大体一段落しました。(後略)

◇「よほど若くて超美人ならわかるけど、あの人、元美人ではあるけどね」「こんな見も知らない女の顔、ばかっと出してね」・・・・・・・。◇IFSAは、五輪招致活動への影響以前に、こうした発言そのものを石原慎太郎らしい最低レベルのものと考える。聞くのもイヤになるたぐいのそれと。

◇彼は激高するとかならずやすぐさま本性をあらわし、<あたける>といった体のカタルシスに身をゆだねる。◇そう、大物ぶりながらも懐の浅い、どうにもならぬ男なのだ。◇ただ、この程度の人間に東京都民が酔いしれ、つけ上がらせたのだから、あながち石原だけの責任とも言えまい。

◇それからこれは第二義的な問題にすぎないが、開催地決定の答申に大きな権限を持つ評価委員会のムータワキル委員長にこんなコトバを投げつければ結果はどうなるか、普通の企業にいる人間ならイロハのイであろうという点。

◇大商談中の相手先企業、その本部長をあしざまに言う、しかも記者会見で公然と、それでいて成約をと願う・・・・・・・に等しいひどさだ。◇ひからびたチーズのシンキロウ(森喜朗)から、これまた男尊女卑感覚のチクリを投げられたくらいで<しまった!>と逆上し、あと4カ月で結論が出る五輪担当の副知事をばっさりと切る。

◇しかも、この際の最重要人物・ムータワキル委員長を女性蔑視調でからないながらときたもんだ。

◇そればかりか記者会見では、いくらサメの何とかといわれようが一度は首相をやった人間を、<森喜朗>と呼び捨ててみたり<森君>と表現してみたりで、しっかりと自分を高めたつもりになっている。

◇なおIFSAは名前すらまったく知らなかったが、ムータワキル委員長に関する記事を引いておく。

★★16年五輪評価委員長にムータワキル理事
YOMIURI ONLINE・08.09.19


◇「国際オリンピック委員会(IOC)は(中略)2016年夏季五輪の候補都市を視察する評価委員会の委員長に、女性のナワル・ムータワキル理事(モロッコ)を選んだと発表した」。◇「ロス五輪の陸上女子四百メートル障害金メダリストで、ロンドンに決まった12年夏季五輪に続いて同委員長に就任した」。

◇なお石原的異常会見の参考までに、同委員長が来日した際の写真はこちらから。◇それにしても、都の広報誌と<若い>とか<美人>もしくは<それらの逆>と、いったい何の相関関係があるというのだろう。◇信じがたい、この情けなき旧型右派知識人よ。

◇さらにもう一点。大マスコミがほとんど報じなかった直近の世論調査結果を紹介しておきたい。

★★「ラジオ・オピニオン2009」
<2016年東京オリンピック招致に関する
ラジオリスナーアンケート>
(社)日本民間放送連盟・09.05.26

◇「『ラジオ・オピニオン200』<2016年東京オリンピック招致に関するラジオリスナーアンケート>ラジオリスナーは◆2016年東京オリンピック招致に『賛成』46.8%、『反対』48.2%
-『賛成』と『反対』がほぼ拮抗する結果に」(以下略)。

◇「2016年の夏季五輪開催を目指す東京招致委員会は12日、電話による世論調査で、東京開催への支持率が80.9%になったと発表した」(★★東京五輪支持率ピン!8割超・・・2月はIOC調査で56%・YOMIURI ONLINE・09.05.12)というのにネ。

◇そんななか、ブログメジャーの<きっこのブログ>は上記民放連の集計結果に「情報操作の疑い」ありと異議を唱えている。興味ある方はどうぞご覧を。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月 2日 (土)

何が五輪!荒川・隅田川の破堤対策=石原知事のリードすべきはその種の根本マター

★★荒川:堤防決壊なら地下鉄97駅水没
毎日jp.・2009.01.23(A)
★★荒川決壊なら都内地下鉄97駅浸水、大半水没
・・・防災会議
YOMIURI ONLINE・09.01.23(B)

◇「中央防災会議の『大規模水害対策に関する専門調査会』は23日、大雨により東京都内で荒川の堤防が決壊した場合について、地下鉄の浸水被害想定をまとめた」。◇「現在の止水対策だけでは、17路線97駅(延長約147キロ)がほぼ水没する可能性があり、決壊後わずか3時間余で大手町駅など都心の駅に水が流れ込む場合もあることが分かった」(A)。

◇「200年に1回の頻度で発生する恐れがある大雨(流域の平均雨量が3日間で約550ミリ)を想定した」(A)。◇「国による水害の地下鉄被害の予測は初」(B)。

◇ところで、「地上の被害がないのに駅や駅につながる地下道などが浸水するのは、後楽園や神保町、霞ヶ関、六本木など。地上よりも早く浸水するのは35駅で、大手町では地上よりも7時間早く濁流が到達し、完全に水没すると予測された」(B)。

◇その理由は「地下鉄が『下水管』のようになり、被害が急速に広がる危険性があることも分かった」(A)から。◇足立区の堤防が決壊した場合は北千住駅の水深が5メートル程度に達して大きな水圧が発生し、トンネルに流入した水が一気に都心へ移動」(A)。

◇そのため「約3時間で大手町駅、約4時間で東京駅が浸水(後略)」(A)。◇「(前略)霞ヶ関や六本木など44駅では、地上は浸水しないのに、駅や駅につながる地下街が水没する可能性が高いとも判明した」(B)。

◇いずれも本年1月の記事だが、はたしてどれだけの人が目にしたことだろうか。もしくは、読んでもどれほど印象に残っていることだろうか。◇だいいち、事件や芸能関係だとすぐ大騒ぎするテレビ媒体などは、この手の地味~な話題にまったく関心を向けない。

◇しかし、<東京低地や埼玉平野、そしてそこを縦横に流れる諸川>の研究もしているIFSAは、この記事にがつんとやられた。◇荒川・隅田川堤防がいつ破れてもおかしくはないとの危機感は人一倍もってきたつもりでも、地下鉄のトンネルが導水管の役目を果たし、まるでウオーターシュートのように大量の水が都心の地下街へ急速流入するとは!

◇地下鉄駅への降り口がマンホール、線路が巨大なる下水道に変化するというわけである。

◇たとえば足立区の千住あたりで荒川(=旧称荒川放水路)隅田川(=旧称荒川)が破堤したとしよう。荒川と隅田川にぎゅっとはさまれ、まるで中之島状態にある北千住の町などはひとたまりもない。◇そして記事のように、東京メトロ千代田線・北千住(地下)駅から水はどっと都心へ。

◇隅田川の右岸(都心側)が破堤となれば、日比谷線・千代田線・つくばエクスプレスの地下駅はまず危ない。◇それから、浅草の東京メトロ銀座線駅や都営浅草線駅も危険ゾーンに入ってこよう。

◇いずれにしろ、都心部ではいままで考えられなかったような人的・物的被害が発生することとなろう。◇もちろんのこと、J関係する地下街やJR東京地下駅もほぼ全滅。復旧までにどれだけの日数を要するか見当もつかない。

◇しかし今回の記事の眼目は<地下鉄のトンネルを通って激流が都心へ>にあるため、逆に視点が<地下>にとどまってしまうおそれがある。◇本質はいうまでもなく、破堤の影響を即受ける、<地上>での地域住民の命と多大なる物損の問題だ。◇とんてもない悲劇が発生するであろうことは想像に難くない。

◇ただ、都民はそんな重大な水害など念頭にもおいていないことだろう。というのも、戦後このかた60年強、北区岩淵(赤羽)より下流の荒川や隅田川がはんらんした経験をもっていないのだから。◇安全はもう日常になってしまっている。

◇そう、これは大正13年(1924)に大枠がほぼ完成、昭和5年(1930)に完工なった荒川放水路と岩淵水門のおかげなのだ。◇幾度とないそれまでの大被害に業を煮やした政府は、荒川放水路開削という世紀の大事業に打って出た。◇多くの反対と住民の犠牲のもと、まさにそれは突貫工事で行われた。難工事そのものばかりか、土地の強制収用面でも。

◇技術屋のトップはお役人の青山士(あきら)。その活躍は高崎哲郎『技師・青山士(あきら)の生涯』(講談社・94.05)に詳しい。◇また、足立区の小学校で先生をしていた絹田幸恵の『荒川放水路物語』(新草出版・90.11)も住民側の視点として参考になる。

◇それはともかく、完成からもう80年近く。荒川・隅田川とも堤防の強化につとめてきたとはいえ、まだまだスーパー堤防化にはほど遠いし、逆にあちらこちらでほころびも目立っている。◇何をおいても国&東京都が真っ先に取り組むべき公共工事であることだけは間違いがない。

◇それを怠れば、上記記事のような惨事ばかりか、沿岸地域の大惨事は免れないのだから。◇マクロ的には、国の機能も日本経済もマヒするほどのハイパー被害をこうむる。

◇07.11.23、東京の三田にて「利根川サミット」なる集会が開かれた。◇栃木・群馬・埼玉からは県知事が、茨城・千葉・東京からは知事代理のお役人が出席。関東地方に戦後最大の水害をおよぼしたといわれる<カサリーン台風>(1947年)被害を2度と繰り返すなの合い言葉のもと、啓蒙活動を展開した。

◇IFSAも出席したが、利根川が再度決壊すれば(=カサリーンの時は渡良瀬川との合流点付近だった)埼玉県とともに甚大な影響を受ける東京都の石原慎太郎知事は欠席。◇テレビが取り上げない渋い話題はごめんだよ、オレが出るほどの集会かといわんばかりの、慎太郎氏の行動パターンを強く印象づけたシーンだった。

◇そこで示された資料によれば、もしカサリーンと同規模の台風が襲い、利根川の土手が切れた場合の被害は、以下のように想定される。【註】*カッコ内はカスリーン台風時。*数字にはすべて<約>がつく。

◇浸水域内人口=230万人(60万人)。◇被害額(一般資産+農作物等)=34兆円(70億円)。

◇あのカサリーン台風時、利根川の東遷・荒川の西遷といった瀬替えにより、もはや主流の座を奪われていちローカル河川の地位に落ちた元荒川(もとあらかわ)・古利根川(ふるとねがわ)・中川等の<過去の川>に沿って水は忠実に流れ、埼玉平野・東京低地のかつての自然地理を思い出させる結果となったのだった。

◇そう、最終氷期を経て後氷期の縄文海進(有楽町海進)がもたらす増水により現出した奥東京湾。海は栃木県にまでおよんだその後、若干寒冷化して海は後退(縄文海退)、いまのような歴史時代の関東平野があらわれたという具合になっている。

◇カサリーン台風による水(溢水)はまさに、海進・海退が生んだ地質学的通路をなぞったともいえよう。

◇カサリーンが教えるように、コトは荒川だけでなく、関東の首根っこにある利根川の堰堤強度問題も避けて通れない。◇そう不安感をあおるなヨといったレベルではない現実的なマターであるだけに、緊急性は高い。◇これぞ真の意味でのハード的公共事業!IFSAはそう考える。

★★16年東京五輪の支持率伸び悩む
全国67%、都内は55%
TOKYO WEB(共同)・09.04.30

◇「共同通信社が28、29両日に実施した全国電話世論調査で、2016年夏季五輪の東京開催に賛成する回答が全国で67.8%にとどまり(後略)」。◇「さらに東京都での支持率は、全国より10ポイント以上低い55.6%で、各種イベントやテレビCMなどのPR活動にもかかわらず、支援が広がっていない現状をうかがわせる結果となった」。

◇この全国ベースでの<賛成>のなかには、「『どちらかといえば賛成』が27.5%」も含まれている。◇「16年五輪招致は4都市が争っているが、2月に各都市がIOCに提出した詳細な開催計画を記した立候補ファイルでは、地元の支持率はシカゴが77%、マドリードが89%、リオデジャネイロが82%で、東京は69%で最低だった」。

◇前述の洪水対策があるから五輪はすべきでない!などIFSAは単純なことは言わない。◇そういう論法をとるなら、社会福祉やインフラの整備が完成しないかぎり、五輪は開けないことになるからだ。◇その論法は、五輪は永遠に招致するなと言っているに等しい。進歩的知識人によくあるところの。

◇ただ、世の中にはバランスというものがある。いまの東京の<バランス>はどうなのか。1964年時点のような<バランス=ハード・ソフト両面の投資効果>を備えているのか。

◇都もその説明が困難と悟っているからこそ、「日本だからできる。あたらしいオリンピック!」などと、いまいちどころか、とってつけたような広告代理店的コンセプトを前面に出してみたり、石原には似つかわしくない、というより苦しまぎれの<平和>を持ち出してみたり、都営地下鉄や都バスをポスターで埋めてみたり・・・・・・・。

◇石原慎太郎に「戦後60年平和を貫いてきた日本で五輪を開催することにより、平和の尊さを世界に訴える」(★★16年夏季五輪:東京招致立候補ファイル 競技施設、都心部に集中・毎日jp.・09.02.14)なんぞ言われても、な~んちゃっての世界ではないか。

◇オリンピック誘致に失敗すれば<責任をとって>都知事をやめる結果、新銀行東京問題はチャラに。◇案外そうなるのではとIFSAは勝手に思い描く。

◇まあそれはそれとして、東京の大水害と2度目のオリンピック開催。◇大河川は国の直轄事業範囲だから、都は直接関与できないだって?冗談よしこさんだろう。

◇それより何より、都民ならびに国民は、首都圏の大水害とオリンピック!この問題のバランスをラジカル(根本的)にどう考えるのだろう。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年3月11日 (水)

毎度腰の定まらぬ民主党・仙谷由人=絶対善的カッコマンは政治性ゼロのご都合主義

★★民主・仙谷氏が小沢氏批判、
代表交代の可能性に言及
YOMIURI ONLINE・2009.03.08

◇「民主党の仙谷由人・元政調会長は7日夜、徳島市での国政報告会で、小沢代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件について、『我々とはケタが違う金を集め、政治闘争に勝ち残ってきた人をトップに選んだ。間違いだったと思えば、不明を恥じて反省しないといけない。自戒を込め、これから本物の政権を担う政党を作らなければならない』と述べた」。

◇当然のこと、「小沢氏を厳しく批判し、代表交代の可能性に言及したもの」だが、この仙谷、反小沢の急先鋒(せんぽう)というより、前原誠司・枝野幸男らとの<ブツブツ・グジュグジュ・コラボレーション>結成といったネクラな存在として確固たる地歩を占めている。

◇小沢一郎を「政治闘争に勝ち残ってきた人」と揶揄(やゆ)するのなら、仙谷はさしずめ「政治闘争に負け残ってきた人」といえようか。

◇相当に濃い全共闘体験を持ちながら、政治力もなければ実行力もない。◇あるのは平板な知性とそれを背景とした絶対善的心情の吐露、そしてネガティブでひ弱な権力かすめ取り志向。◇だからいつも王道を歩めない。もちろん、泥をかぶってのどぶ板選挙も大の苦手とくる。まさに菜っ葉のこやし(=かけごえだけ)的存在なのだ。

◇西松建設問題における小沢の大ピンチ。待ってました!好機到来!と踏むなら、ここを先途と戦いを挑めばいい。◇「間違いだったと思えば、不明を恥じて反省しないといけない。自戒を込め(後略)」なんて姑息(こそく)なことを、それも自身の選挙区で弱々しく述べてみたりしないで。

◇ところがどっこい、その2日後には、腰の引けたこの発言すらもう撤回(もしくは回収)ときた。◇犬の遠ぼえにもならない上記発言をも修正にかかろうというのだから、誰しも笑う以外になかろう。

★★急変:ダミー献金事件 辞任論、影ひそめ
小沢代表進退、様子見の民主
毎日jp.・09.03.10

◇「民主党内で9日、小沢一郎代表の辞任論はいったん影をひそめ、『様子見』を決め込む動きが広がった。西松建設の違法献金事件を巡り、漆間巌官房副長官(63)のオフレコ懇談問題に加え、自民党の二階俊博経済産業相側にも捜査が及ぶ可能性がでてきたためだ」。

◇「『反小沢』の急先鋒(せんぽう)と目される仙谷由人元政調会長は9日夕、小沢氏の進退問題について国会内で記者団に『我々には選任責任がある。この程度のことは織り込み済みだったのではないかと指摘。『もう少し確定された事実が出てこないとあれやこれや言えない』と語った」。

09.03.08のYOMIURI ONLINEと09.03.10の毎日jp.。さっと読み比べるだけで、仙谷という政治家の本質が明らかとなろう。

◇この政治的トンチンカンぶりは、永田メール事件でお粗末の極みを天下にさらした前原誠司・民主党代表(当時)とも通底する。◇だから、そうした<どうしようもなさ>のよしみで仲良しに。そう解釈すればいいのだろうか。

◇以前にも指摘したように、このきれいごと集団のひとり枝野幸男は、過去に(=民主党政調会長代理時に)こんなことを書いていた。◇以下は枝野幸男「国会の変質、野党の無力」(山口二郎編著『日本政治 再生の条件』・岩波新書・01.06)による。

◇「全体として言えることですが、スキャンダルを追及することへの熱意は低いんです。私自身、国会でKSD問題を取り上げたことは一度もありませんし」。

◇「もちろん大事な問題だと思いますよ。でも、たとえば金融政策を組み立てながら、政府の矛盾点を追及するといったことと較べると、まったく面白くないそういう意識が私には強い。それは若い政治家一般に言えることだと思います」。

◇「野党の若手政策通であるといわれる枝野幸男」(山口二郎)、それゆえの高踏的発言と思えば実にシンボリックではないか。◇そして枝野がせせら笑う「スキャンダル」で自党の党首秘書が東京地検に逮捕され、ピンチに立たされている。◇何とも皮肉なことと言わざるを得ない。

◇自民党の旧宮沢派にも匹敵する仙谷たちのお公家集団。◇党としてエグイ選挙を勝ち抜く気概や胆力もないくせに、インテリぶりをちらちらさせてのご満悦。◇百害あって一利なしとはこのことだろう。

◇しかもこの「凌雲会」の連中が自民党筋にいちばん近いときている。◇前原たちは早く自民党に吸収されてしまえ!IFSAが以前から言いつづけてきたことである。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2008年6月 4日 (水)

IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事(08.06.01現在)

先々週分の「<ベタ扱い>的重要記事(2008.05.25現在)」が他の連載の影響で週末掲載となった関係上、先週分も間をおかぬアップになりますこと、ご了承ください

★★【主張】自衛隊機派遣 日中の問題点克服しよう
MSN産経ニュース・08.05.31

◇中国四川大地震の被災地支援のため自衛隊の輸送機C130を派遣する件、判で押したように右から左まで、マスメディアはエールを送っていた。◇IFSAも、自衛隊機を中国へ送ったからといってそれ自体はどうということもないと思っている。◇問題は、その背後にうごめく日中両政府、とりわけ福田内閣の思惑のほうだ。

◇そして後述のように、この安直なスキームはすぐに破綻をきたす。◇そこでまずは、それに対する反応を、右の代表・嫌中国派の産経新聞に見てみよう。◇それは国境を越えた<ヒューマニズム>調から始まる。

◇「準備を進めていた空自にとっては肩すかしになったが、4500万人以上が被災した大地震の惨状はさらに広がっている。テント、毛布、食糧などは極端に不足している」。◇「日本としては日中政府間で積み残しの課題があるにしても、持てる力をすべて発揮していきたい」。◇すばらしき絶対善。異論をはさむ余地はない。

◇そして続ける。米露韓は救援軍用機をすでに中国へ飛ばした。それなのに日本は!と悔しさのにじむトーンに。◇「結果的に中国が日本だけを拒否した形になったことは否めない。日本の国民感情を傷つける結果になったともいえ、残念である」。◇産経にしては、いつにないやんわりとした対中国批判だ。

◇だが「日本の国民感情を傷つける結果になった」って、これは本当だろうか。少なくともIFSAは、ちっとも傷ついていないし、何の感慨もわかないのだが。◇第三者的なきれいごとはなおも続く。

◇「感情的な反発に走るだけでは両国間に真に建設的な関係を構築することはかなわない」。いつも感情的丸出しの右派にこう言われてしまうと、まさにオヨヨ(古すぎるか)だ。◇「中国側には国内政治への思惑もあったのだろうが、自衛隊を受け入れることで過去のわだかまりを払拭(ふっしょく)する好機にしてほしかった」。◇ずいぶんと大人的に見せる、しかし上に立った言い方だ。

◇「自衛隊の被災民支援や人道復興支援活動は、現地の人たちと同じ目線に立つなどして派遣先での住民の信頼を勝ち取っている」。◇中国も国際公共財といわれる自衛隊に学ぶ意味合いはあった」。◇ここまでくると、理由なき優越感の押し売りがミエミエで、聞いているほうが恥ずかしくなる。◇彼らが自衛隊派遣に熱心だった理由、それが透けて見えるようではないか。

★★社説:空自・中国派遣 隣国として最大限の支援を
毎日jp.・08.05.29

◇ではリベラル派の雄ともいえる毎日新聞はどうか。◇毎日は、自衛隊機の派遣には当然ながら大賛成。しかしそれより、筆に力の入っているその具合へとIFSAの興味は向かう。◇「これまで防衛交流で自衛隊幹部が訪中したことはあるが、自衛隊の部隊が中国国内に足を踏み入れたことはない」。◇「装備した自衛隊の派遣が実現すれば歴史的な出来事となる。大きく出たものだ。

◇「戦前の旧日本軍による侵略の歴史から、中国国内に依然として自衛隊に対する強い拒否感があるのは事実だろう。自衛隊の活躍が両国民の信頼醸成につながることを期待したい」。◇「自衛隊の活動が、首脳合意(5月の胡錦濤国家主席訪日時の-筆者註)を実現する大きな一歩となるのは間違いない」。◇これまた絶対善のオンパレードのような主張である。

◇そして勢い余ってか、フライング気味の文章へと突入。IFSAに言わせれば、客観的であるべき記者がセンチメンタルな心持ちになっているとしか思えない。◇「どの国も外国の軍事組織が入国することには神経質になるものだ。そして、中国の閉鎖的な体質は他国以上だ」。◇「その中国政府が自衛隊派遣を打診してきたのは、地震被害が予想を大きく上回っているからだろう。日本としてもこの期待に応えなければならない」

◇この高揚感は、ますますの飛躍を見せる。◇「自衛隊の派遣は、儀礼的な交流を超えて、実質的な信頼醸成を一気に進める可能性もある」。◇「そして、両国関係の緊密化は、中国が日本をはじめとするアジア諸国と利害を共有する国家として国際社会に登場する環境整備ともなる」。◇だがこの派遣はあっさりとポシャり、裏側の事情が明らかとなった。◇しかも、同じ毎日新聞が冷徹にリポートしてくれるから皮肉だ。
           
★★四川大地震:自衛隊機派遣見送り
「成果」焦った?日本
毎日jp.・08.05.31

◇「政府が中国・四川大地震の被災地への自衛隊機派遣を見送った背景には、中国側の『要請』をめぐるボタンの掛け違いがあった」。◇「その中で、政府内には歴史的な外交成果を狙う焦りも存在し、それが『自衛隊派遣』の独り歩きを招いた側面もありそうだ」。◇IFSAにとっては推測通りの事情だが、社説(=毎日新聞論説委員)の見解では中国政府が自衛隊派遣を打診してきた」(前出)のじゃなかったっけ?

◇「(前略)ある政府関係者は『要請したのは中国軍の少佐』と明かす」。◇少佐は防衛省だと3佐に相当し、陸海空幕僚監部の課長にも満たないレベル」。◇「初の自衛隊派遣という歴史的な局面で、課長にも満たない軍人が要請してきたことになる」。◇これなら、「要請」どころか船場吉兆的<ささやき>、もう少し高級に言っても、せいぜいがサウンド程度だろう。

◇「『少佐と聞いた時、この話は大丈夫なのかと感じた』と政府関係者」。◇「首相周辺も『中国政府が意思決定したものでも、権威あるものでもなかった。その意味では最初から自衛隊派遣の要請はなかったとも言える』と語る」。◇「つまり、単なる打診だった可能性があるのだが(後略)」。

◇しかし日本政府にとっては渡りに船。相手が課長クラス以下だろうがかまわない。これを奇貨として進めるにしくはなし。◇そう考えたとしても何の不思議もない。◇しかも、お得意の<米国追従・一体化>思想がこれに加われば、まさにオニカナ(鬼に金棒)ではないか。

◇「そのころ、米軍はC17輸送機でハワイから支援物資を四川省・成都まで空輸し、中国軍関係者の出迎えを受けていた」。◇「『米軍も受け入れているわけで、過去の経緯からあまり自衛隊を特別扱いしすぎる必要はない』(外務省幹部)との楽観論が広がり、大々的に報道されたこともあって政府はどんどん前のめりになっていった」。◇分かりますねえ、コイズミ時代から引きずる日本政府のこのお気持ち。

政府関係者は『中国から求められた』と口をそろえたが、実際には日本側が持ち出していた」。◇「12日の地震発生の直後、政府は(1)資金援助(2)物資援助(3)緊急援助隊の派遣(4)医療チームの派遣--の4提案とともに『自衛隊の派遣を要請してはどうか』と提案した」。◇自作自演のやらせが結局ずっこけただけの話なのだ。

◇「外務、防衛両省には『実現すれば日中関係にとって画期的で、関係改善の象徴的出来事になる』と色めく幹部がいた」。◇そう、日本政府や官僚って、いまやこの程度なのだ。◇その背景を知ってか知らずか、マスコミは左右を問わず大応援ときたもんだから恐れ入る。

◇先の毎日新聞社説など赤っ恥ものなのに、派遣見送り後の社説(★★社説:空自派遣見送り 支援重ね信頼関係強めよう・毎日jp.・08.06.01)では堂々たる言い訳を<主張>している。◇現場の記者(古本陽荘)による上記の優れた記事に学んだらどうだろう?

★★ハマコーで医療制度をPR・・・自民がテレビCM発表
ZAKZAK・08.05.28

◇「党OBで、政界の暴れん坊として知られた『ハマコー』こと浜田幸一元衆院議員(79)を起用。来月8日投開票の沖縄県議選に向け、告示の30日から同県内で放映する」。◇自民党広報局長の野田聖子が記者たちを大勢集め、得々とこのビデオを紹介するのを、IFSAもテレビで見た。

◇すっごいセンスと脱帽するしかない。自民党支持者といえども、このCMが選挙にプラスと思う人はそうはいまい。◇それだけ自民党がズレズレになっているということだろう。◇それにしても野田聖子って、時代センスのないダッサイ女性。まだ40代だというのにネ。

「~自民党はおじいちゃん、おばあちゃんを大事にする政党なんだろ。だから制度をつくったんだろ。困ったことは直せばいい。かわいい子ども達のためにも『頼むよ自民党!!』 ~」(自民党HPより)。◇興味のある方は、<自民党HP→自民党ムービーチャンネル→自民党CM「長寿医療制度編」>より、ハマコーセンセイご出演のCFをご覧ください。

《IFSA好みの欄外あるいは論外記事》

★★「消費期限過ぎてもOK」町村”脱線発言”連発
ZAKZAK・08.05.26

◇町村官房長官による一連のピンズレ発言はともかく、この記事の横にアマゾンが、『KY辞典』なる本の広告をうっており、IFSAには大受けだった。◇コンピュータで配置しているのだろうか。いくらソフトが優秀とはいえ、機転がききすぎるようにも思えるが。

★★「メタボめった刺し」福島県チラシ作り直し
MSN産経ニュース・08.05.31

◇メタボキャンペーン自体、政治的すぎて科学的根拠は疑問だらけ。◇にもかかわらず、上級官庁から指示されれば率先して何でもしてしまう自治体には感心させられるばかりである。

★★[IFSA]★★阿部道生

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2008年5月21日 (水)

IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事(08.05.18現在)

★★政府・与党、「後期高齢者」低所得者の負担軽減など検討
YOMIURI ONLINE・2008.05.13

◇「福田首相は12日午後の政府・与党連絡会議で、『全体的に大きな問題があるとは思わないが、個々に見れば問題点が発生しているのは事実だ。(年金からの)天引きがある6月13日までに、集中点検して運用面で改善したい』と述べ、法改正などは行わない範囲で見直しを進める考えを示した」。

◇「公明党の太田代表も『高齢者の医療を守るためにも、骨格は維持する必要がある。利用者の立場から、改善すべきは改善すべきだ』と同調した」。

◇大筋において問題がない制度なら、そのまま堂々と進めばいいだけのこと。マイナーな修正など総理大臣マターではない。◇しかし内心はあわてふためき、パッチワークで何とかおさめられないかとバタバタしている。◇それをよくあらわす二律背反的表明が、上記の発言というわけだ。

◇ではここにいたるまでの福田の認識ははたしてどうだったか、若干振り返ってみよう。◇年金問題をキリリ追及する民主党の蓮舫参院議員に対し、「いたずらに不安をあおるな」と臆面(おくめん)もなく言い放った安倍晋三前首相と同様、福田二世もまた、後期高齢者医療問題に鈍感そのものだった。◇「後期高齢者医療制度」を「長寿医療制度」と言い換えれば一件落着!くらいの認識しか持ち合わせていなかったのだから。

◇そんなコトバの遊びはかえって反発を強めるだけという生活感覚すら、この<お年寄りお坊ちゃま>には縁なきものであり、たった3週間少々前の4月末時点でまだこんなことを言っていた。

◇「福田首相は(中略)与党内からも見直しを求める声が出ている後期高齢者医療制度について『制度の考え方は悪くない』と述べたうえで、『もう少し実態を見極めたうえで判断すべきだ』との考えを示した」。◇「『具体的に実施するうえで不都合があるとわかってくれば、考えることがあるかもしれないが、いま軽々に決める段階ではない』とも語った」(★★後期高齢者医療制度 首相「考え方は悪くない」・asahi.com・08.04.26)

◇そして翌27日の衆院山口補選で自民党候補が惨敗するや、ようやくコトの重大さに気づいたのか、前記読売新聞記事のようなく<改善>連呼を始める。◇しかし、このトンチンカンな政府部内では福田などまだいいほうなのかもしれない。◇あの根拠レスなプライド男(町村信孝官房長官)の感度やいかに?

◇「町村官房長官は12日の記者会見で、堀内氏の主張(文藝春秋08.06号における堀内光雄論文-筆者註)について、『それではどうしたらいいのか、という提案があるようには受け取れなかった。古い仕組みに戻るだけというのは、政治的には答えになりえない』と語り、凍結は受け入れられないとの考えを示した」(同上・YOMIURI ONLINE)

◇町村の傲慢(ごうまん)ぶりは度が過ぎている。◇それにしても最近の自民は、ふたこと目には「文句があるなら対案を出せ!」の一点張り。◇ばか言っちゃいけない。<何はともあれそれには絶対反対!>の何が悪いというのか。◇反対・反対だけじゃ非生産的もしくは卑怯(ひきょう)!対案のない反対など相手にする必要もない!そんなのはかつての社会党!◇こんな言いぐさがオーソライズされるようになったのはいったいいつからだったろう。

◇たとえば、ある政権が突如として核武装宣言をしたとする。◇当然のごとくそれに反対を表明すれば、では対案を出せってか?◇なぜ核兵器をもつ必要があるのかの根拠を客観的に十分説明し、相手を論破する手順も踏まず、お得意の形式的審議強硬採決で対案を出せって?

◇もっと柔らかな話題でたとえれば、あの郵政民営化。◇年来のコイズミ的<信念>だけで勝手に民営化を叫んでおきながら、何じゃそれはと反対するや対案を出せ!◇そんなとんでもないものには、対案以前にまず反対しかないだろう。◇やる必要もないことを、あえて最優先で、国会を解散してまでやろうというのだから。

◇また、石原慎太郎のオリンピック誘致に反対を表明すれば、やはり対案を要求されるって?それなら東京を活性化する対案を出してみろって?◇あの新銀行東京の400億円増資、絶対反対と言えば対案を出さずに何だと?新銀行を救う方法を具体的に提示しろって?◇石原の一人芝居、その終戦処理になぜこちらからシナリオを書いてやらねばならないのだ。◇絶対反対新銀行&石原破綻石原への責任追及しかないだろうに。

◇本四連絡橋建設・アクアラインはムダだから反対。あんなものに対案の出しようもあるまい。やるな!だけだろう。◇こんな話は企業でもよくあることで、愚かな社長が突然ある新規事業を提案。それに反対するや、対案もないくせにマイナス思考のやつだ、おまえはいつも非生産的!と袋だたきにされる。

◇企業関連でもっと次元の低いたとえを持ち出せば、あの船場吉兆の残飯転用問題に行き着く。◇社長の「残飯を使え」に対し、それはノンと勇気ある社員が言ったとしよう。◇「そんなエラそうな口をたたくくらいなら、それにかわる収益向上策を出してみろ。代案もなしに<使い回し>を批判するんじゃない、この後ろ向き人間が!」。

◇便利この上もない<対案>とは、こういう風に使われるのが常である。◇むしろ喜んで<対案>を迎え、自案と対案をアウフヘーベンして・・・・・・・の発想などあるわけもない。

◇それはともかく、国家の最高権力者である首相が、行く手をはばまれるやすぐさま、野党の民主党に「対案を出せ」。◇何だろう、この軽さ・ひ弱さは。堂々と自説を展開し、議論を尽くして正面突破ないしは修正に応じていけばいいだけのことではないか。相手のせいになどしないで。

◇そしてそこには、当然のこと責任がつきまとう。◇しかし、後期高齢者問題で袋小路に追い込まれた福田首相は、それに耐えられない。もちろん、前任者の安倍晋三も。

◇次元のちがう<最高権力者>と<非権力者>を、知っていながら同じフェーズで論じようとする詐術。それこそが最大の問題点なのだ。◇いまの権力者たち、まったく情けないとしかいいようがない。◇80年代までの自民党首相は、はたしてかくも弱々しく「対案、対案」と要求したであろうか。

◇こんなレベルの対応法は、せいぜい山本一太(参院自民)クラスの木っ端議員専権事項でなければあまりにむなしい。

★★「衆参両院を統合し一院制を」衛藤氏らが議員連盟発足
YOMIURI ONLINE・08.05.16

◇「そこには「衆参の『ねじれ』で審議が進まない状況を打開する狙いがある。森、小泉両元首相と安倍前首相は会合に出席しなかったが、会合で顧問就任が決まった」。◇すごいですね。たとえば球界の盟主を自認する球団が、<いつも8回以降逆転されるから、野球は7回までと改定しよう>ってなもの。◇実現するわけもないが、こんなことを白昼堂々打ち出す神経がご立派だ。

◇いやいや、あの森・コイズミ・安倍の<旧森派3××大将>ならやってもおかしくない、って?


★★築地市場移転先:シアン、基準の860倍 五輪計画変更か
毎日jp.・08.05.16

◇前回の「かなり気になる、先週の<ベタ扱い>的重要記事(08.05.11現在)」で取り上げた★★築地市場移転:予定地から基準の4万3千倍のベンゼン・毎日jp.・08.05.04>と合わせてご覧いただけば、これ以上付け加えるものは何もない。◇新銀行東京&豊洲問題。このふたつだけでも、石原慎太郎のバイビーは即成立といえる。

★★進歩的文化人・落合恵子の<らしい>発言
スーパーモーニング・テレビ朝日・08.05.14

◇落合恵子はたしか、<★★詐欺:架空の投資事業で20億円詐取容疑 45歳女逮捕・毎日jp.・08.05.14>にコメントを求められていたと記憶する(=というのも、テレビは活字のようには証拠を残してくれないから・・・)。◇彼女は大略こう言った。「被害者における世の中への不安(低金利だし、老後などへのそれもあり)から、すぽんとはまりこんでしまうんでしょうね」。

◇進歩的知識人にあっては、被害者はいつも弱者と言っておきさえすれば無難、同時に自身の<良心>まで表明できる、と相場が決まっている。◇記事はこうも書く。「00~07年に高級車の愛好者やゴルフ仲間ら約80人から計約20億円を詐取した(後略)」。◇単純計算では、被害額はひとりあたり2500万円にもなるのだ。

◇IFSAが言いたいのは、どうせ金持ちだからといったたぐいのことではなく、注目すべきは、落合恵子のとっぱずれた解説それ自体に存する。

◇彼&彼女ら被害者が、「世の中への不安(低金利だし、老後などへのそれもあり)」でコロッとだまされたはず、って本当だろうか。そんな風に言われれば、被害者自身も驚くのではないか。◇何でも社会体制の問題へとこと寄せるソ連マルクス主義流の基底体制還元主義、それを彼女はいまだ平気で引きずっているからお笑いなのだ。◇しかし当の落合は、そうした<良心的吐露>に陶酔的な満足を。気色悪いったらありゃしない。

《IFSA好みの欄外あるいは論外記事》

★★キムタク総理”支持率”福田超え…瞬間最高26.6%
★★消防士長が酔って駅前で”ホース”露出・・・千葉・流山
ZAKZAK・08.05.13

◇フジテレビで木村拓哉が総理大臣役に挑む「CHANGE」のことです。◇何せ、視聴率は18%を超えればいいのだから、キムタクも楽勝でしょう。◇後者についてはあえてコメントを控えます。ZAKZAKのタイトルセンス?を称賛するだけにして。(敬称略)

★★[IFSA]★★阿部道生

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2008年3月21日 (金)

<石原銀行>で馬脚をあらわした慎太郎=だが彼を英雄視したのは多くの都民だった

◇何かコトが起こると、それまでの発言などすっかりかなぐり捨て、ここぞと批判を始める傾向が日本社会では顕著。◇すべて順風満帆だった石原慎太郎都知事が、まるで新銀行問題でだけドジッたとでもいうように。◇そうしなければ、これまで石原を褒めちぎってきた自分自身がもたないからだ。

◇なるほど、この1点のみのミスというのはあり得よう。しかし石原に関するかぎり、ずっと以前から問題点はミエミエだった。◇多くの都民・国民・マスコミが、染みついたリーダーシップ・コンプレックスから石原のコワモテぶりをそれと勘違いし、格好よく思ってきただけのことで・・・。

◇それは、あのコイズミをカイカク・コンプレックスから5年以上も支持しつづけたのと同じパラダイム。◇コイズミがペラペラのポピュリズムで人気を博したとすれば、石原は重厚さを装ったそれで押し通す。◇表層は違えど、自家薬籠中ともいえる大衆愚弄(ぐろう)のポピュリズムと体質的な計算高さは共通している。

◇新銀行東京問題はきのうきょう始まったものではない。それを見るため、過去のIFSA通信関連文章をひもといてみよう。

★★IFSA通信(2007.04.09)
◇「自身の、えげつない海外豪華出張問題と四男問題。最初は居丈高だったが、選挙が近づくや低姿勢に。一方、アキレス腱の新銀行東京問題には、一貫した開き直りを」。◇「そして知事選では、危機感いっぱいからか、日ごろ見慣れぬ愛想をふりまき、揚げ句は自民党の推薦までをも辞退した」。

◇「ひ弱な敵に対しては、田舎者・ババアとののしり、コイズミにはちょこちょこ批判をしながらも従う」。◇「イデオロギーばっちりの安倍晋三には後見人気取り」。◇「こういった小さい人間にオーラを感じる国民・都民とは、いったい何なのだろう」。◇「そもそも、『大物』といった概念自体が、どこか怪しげでクサイのだが」。

★★IFSA通信(2007.06.10)

◇「これ(=新銀行東京問題)は、先般の都知事選(07.04)でも石原慎太郎が逃げ回ってきた大問題で、イケイケの攻めには強いが守りにはからっきしという点が、あのグッドウィルの総帥やホリエモンとどこか似ている」。◇「しかも、本当は細かいところまでキリキリと介入しておきながら、問題が発生するや、私は大物だからroutineはまかせていたと」。

◇「それでいて、都議会民主党の議員に責任を追及されると、『(前略)石原氏は指名されていないのに”バカな質問するな!”と一喝。いったん取り消したが、小声で『バカな』などと繰り返し最後には『卑怯(ひきよう)で下賤だ』などと吐き捨てていた』という小物ぶりをさらけ出す始末」(★★不規則発言の慎太郎を注意…小声で「バカ…」繰り返す・ZAKZAK・07.02.26

◇さらに★★IFSA通信(2007.12.04)では、「石原慎太郎最大のアキレス腱(=新銀行東京問題)が、いよいよどうにもならなくなってきた。息子への公私混同どころの話ではない」。◇もっと進めて、「2005年に資本金約1200億円で開業。以後2年間で累損が849億円というからすさまじい。にもかかわらず、<重大責任>の認識はもとより、石原からは謝罪のコトバすら聞かれない。また、都民による弾劾もない」(★★IFSA通信・07.12.19) という指摘をしたこともある。

◇ちなみに、いまから9カ月以上前朝日新聞(07.06.03)「★★新銀行東京-都は撤退を決断すべきだ」と題した社説で、「新銀行の存在意義はもはやなくなっている」と断じたが、15カ月以上も前asahi.com(06.12.01)「★★新銀行東京、膨らむ赤字 9月中間期は154億円」として、すでに以下の主張を展開していた。◇一部の新聞・週刊誌・月刊誌もそのころ相前後して糾弾記事を書くも、世の中からはほとんど顧みられず。

◇「都や同行関係者、専門家からは、先行きを不安視する声や、経営方針の見直しを求める声もあがる」。◇「一方、ある同行関係者は『赤字は増える一方で、貸し倒れの検証もしっかりされておらず、このままでは将来立ちゆかなくなると指摘する」。◇「赤字が改善できないと、2、3年で資本を食いつぶしてしまう計算になり、『資産が残っているうちに、別の銀行に買ってもらった方がいい』と漏らす都幹部もいる」。

◇ここ1カ月前くらいから急に騒がれ始めた感のあるこの問題。しかし1年半近く前にはすでに現在とまったく同じ<状況把握>がなされていたのだ。◇しかも、asahi.comによれば<都幹部>もそれを十分に認識していたことになる。◇逆に言うと、石原ならびに都は、見て見ぬふりをして1年数カ月もほったらかしてきた。

◇都の多くの役人も反対するなか、石原が先頭を切ってこの巨大・虚妄プロジェクトを立ち上げたというのに、肝心の石原がいまにいたるまで惨状を知らなかったなど、あるわけがない。◇07.04の都知事選では対抗馬の浅野史郎が「新銀行東京の解体的見直し」を広言するも、石原は完全にシカト。◇そして結果は100万票以上の大差で石原勝利ときた。多くの都民が支持をした。

◇浅野の迫力のなさを割り引くとしても、都民の多くは新銀行東京問題など歯牙にもかけなかったというより、関心すらなかったといえる。◇興味のトップはやはり、何様かのでかい態度==ゴーマニズム=リーダーシップという幻想。◇彼が主唱するならと、支持者たちは時代錯誤の象徴である五輪誘致にも軽~く引きずり込まれる能天気ぶりだ。

◇しかし、本質的に小心な石原は、小さな<批判>すら一切受け付けることができない。◇それを取り込んでaufheben(止揚)するなどとてもムリ。そんな度量は持ち合わせない。◇だから上記のように、「小声で『バカな』などと繰り返し最後には『卑怯(ひきよう)で下賤だ』などと吐き捨てていた」と相成る。

◇東京のローカル放送・MXテレビが放映する都知事の記者会見を見ていると、彼の実態がよく分かる。◇しかし、記者たちは恫喝されるのが怖いのか、どこか腰の引けた質問を連発。それが何ともおかしい。

◇ところで、先日のテレビニュースは、ちょっとでも核心を突かれると動揺し、声を震わせる、そしてそれを隠すように怒鳴り上げる、石原のそのさまを明瞭に映し出していた。◇たとえば以下の際に。

◇「また、同じ野党の民主党から、トップダウンで銀行設立を決めた知事の責任が大きいと追及されると、『私はシーザーでもアレクサンダー大王でもない』と反論」。◇「小沢一郎民主党代表の名をあげ、『あなたの大将の小沢さんは相談もせずに、いろいろ異論があるのに、大連合を持ち出したり取り消したり。それをトップダウンというんだ』と発言した」(★★「私が社長ならもっと大きくしていた」 新銀行東京問題で石原知事・MSN産経ニュース・08.03.12)

◇この論理展開だけでも異常だが、タイトルにあるように、「(前略)『端的に申しますと、最初から私が社長だったらもっと大きな銀行にしていましたよ』と切り返した」もすごいではないか。◇ならば、さっさと知事を辞任して新銀行東京(=どこか首都大学東京の命名法に似ている)を請け負い、立て直してみたら?

◇まあ、保守主義者を気取る人間の、想像を超える小ささよ。これでは、自分にかぶせられた虚像をみずから剥(は)いで回っているようなものだ。◇こんな男に、民主党出身の保守主義首都圏知事がヨイショとすり寄っていくのだから、構図はこの上なく寒い。

◇「神奈川県の松沢成文知事埼玉県の上田清司知事は、三位一体改革の推進に向け『地方の顔となる存在』として、勝手連を名乗って石原知事支持を表明。各知事に賛同を募っていた」(★★石原氏に今夜出馬要請 会長選で7知事・Chunichi Web Press・05..02.08)。◇また彼らふたり、昨年の都知事選でも石原の選挙カーに同乗して応援演説!という事実も記憶に新しい。

◇ここまで書いてきたら、数時間前にアップされたばかりのasahi.com(08.03.21)がこんなことを報ずるのに出会った。◇「★★新銀行東京 設立時から懸念の声、石原知事聞く耳持たず」と。◇02年・03年・04年から、大前研一・全銀協会長・城南信金トップが警告を発してきたのにと記事は伝えている。

◇とはいえ、自民・民主・公明の都議会オール与党がこの案件を通過させたという事実がすべての原点。◇<地方の時代>なんてよくいったものだ。

◇ところで、コイズミ・石原とポピュリズム街道を渡り歩くあの猪瀬直樹は、親分がしでかした<石原銀行>問題にどう対処するのだろうか。(敬称略)

★★[IFSA]★★阿部道生

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2006年8月27日 (日)

中沢新一『アースダイバー』が話題の書だったとは

◇7月中旬からの1カ月にわたる入院中、せめて本でも読めるかと思っていたが、それは甘かった。心筋梗塞で大半は安静を余儀なくされたため、ベッド上での生活が中心となり、重い本はハンドリングの都合上、適切ではなかったからだ。その分、日頃買ってまでは読むことのない週刊誌によく目を通した。◇例外的に読み切った単行本は、中沢新一の『アースダイバー』(講談社)。友人が以前から是非にと奨めてくれ、ブックオフへの登場を半年くらい待ったが全然引きがないため、救急車搬送の2日前にたまたま丸善で買っておいたものだった。

◇寝ながらの単行本読書は線引きに苦労するぞ、疲れてしまうぞと予想したが、幸いにといおうかそれは杞憂に終わった。ペンを入れたのは、これは問題!と思う時に書き込む私的記号ばかりで、アンダーラインや書き込みは皆無に近い。それほどにつまらない本ということであった。◇意識してのことではないものの、中沢の本はかつて一度も読んだことがない。知っているのは、彼が東京外大の助手時代、西部邁の推薦で東大助教授になりかけたが、大問題に発展して逆に西部が東大教授を辞任といった「中沢事件」や、彼自身が オウム問題がらみで騒がれたことくらい。◇あとはせいぜい、彼の処女作『チベットのモーツァルト』のくさいタイトルが妙に印象に残っていたことであろう。せめて『チベットのベートーベン』や『チベットのソニー・ロリンズ』なら買ってみようかという気にもなろうが、「高い精神性」が大好きな日本的知識人ご用達のモーツァルトや『チベットのコルトレーン』では、表題の付け方だけで御免蒙りたくなってしまう。

◇目下、上野公園論執筆準備中の私は、友人からの早く読めとの督促ばかりでなく、「アースダイバー」なる、東京論への新たな視座を予見させるような切り口にも大いなる期待を懐いていた。◇真っ先に開いた「プロローグ」にはこうあった。「さて、その日は久しぶりに暇ができたので、吉祥寺まで長い散歩に出かけてみることにした。地図を見て、住んでいるところから神田川にそって歩けば、だいたい一時間半の距離とにらんだ。それだとちょっと長めのオペラのCDの全曲を通しで聴くのに、ちょうどよい時間だ。一神教に入れ込んでいたぼくは、迷わずシェーンベルクの『モーゼとアロン』をザックに詰め込んで、神田川にそって歩き出した。深刻な音楽。神が重々しく人間に語りかける。人間はその問いかけを受けて、深刻に悩んでいる」◇「吉祥寺に着いたぼくは、迷わず自転車を買った。神田川沿いに歩いていると、おや、あそこにも気配がする、ひょっとしたらあのあたりもそうかも、という不思議な予感がしたからだ。(中略)その日以来、自転車にのった東京散歩がはじまったのである。ぼくはこの散歩に『アースダイバー式』という名前をつけることにした(後略)」

◇この前書き自体に既に「チベットのモーツァルト」風くささを感じはしたものの、我慢して二百数十ページを読み続けてみると、やはり「不思議な予感」は的中した。わざわざママチャリを買って東京中を走り回ったような具体的叙述はほとんど出てこず、彼の概念図式からするアプリオリな当てはめが延々と披露されるばかり。◇これでは一部の頭でっかち知識人以外、ついていく気にもなれないというのが正直なところだろう。にもかかわらず、この本での「桑原武夫学芸賞」。日本における知の世界の不可思議さと不健康さを痛感する。

◇アースダイバー式による東京論の仕掛けを、私なりに大雑把に解説すればこうだ。ええ?ここが?と思われるようなエリアがまだ海底にあった時代の東京。その時の陸地である洪積層台地と、以後海が後退したことで、川の堆積物から形成されていった沖積層の低地、この地質学的事実をもとに中沢は東京全体をマッピングし、さすがに資金力のある講談社の力を借りて、精緻な図面をこれでもかと提供する。◇これだけの小道具を見せられ、さあ目からウロコの立論かと膝を乗り出せば、[湿った土地=沖積低地=主に下町]への観念的思い入れと蘊蓄を、何の実証もなく「文学的」に語られまくってオシマイ。◇私は本当にびっくりさせられた。同時に、この本が評判を呼んだことへも。

◇冒頭、私にとっては子どもの頃の遊び場にも等しい新宿西口近くの十二社(じゅうにそう)が出てくるかと思えば、喫茶店にも入ったことがあるし、何度も写真に収めた歌舞伎町の「王城」が、いずれも大層な意味づけをされて語られる。それから東京各地の地名や地勢を借りては、この概念装置からする文学的想像力が延々と。◇本当は逐一引用して紹介したいところだが、当ブログは論文集ではないから、精緻な論証は控えるしかない。興味のある方は是非とも同書にあたっていただければ一目瞭然と思う。◇それにしても、長いこと大学に籍を置き、われわれが営業等でお客さんにアタマを下げていた間も勉強をし続けていたであろうアカデミシャンが、この程度のことしか書けないものか。情けないことこの上ない。◇自然科学者に較べ、人文・社会科学者のお気楽さよ。

◇最後にひとつ。中沢は、東京における洪積台地と沖積低地の概念を、菊池山哉(きくちさんさい)から学んだのではないかと私は勝手に想像する。事実、菊池作の地勢図が2枚ほど同書には引用されているものの、深い言及は見られないが。◇私は上野公園論の準備過程で、ひょんなことから菊池山哉と初めて出会った。明治23生まれの東京市役所土木技師で、ほとんど独学に近い孤高の人であることも同時に知った。そしてネットの「日本の古本屋」で何とか『五百年前の東京』(批評社による復刻・92.02刊。目下絶版)を手に入れた。◇菊池の考証のすごいこと。まずは飽くなく探求心に圧倒される。それだけに間違いもいくつかあるようで、同書解説者・塩見鮮一郎の著作によってそれは補うしかないが、思わず中沢のフニャラカぶりと対比させてみたくなるほど、それは尖っている。

◇これをひとことで言えば、中沢と菊池とでは知的飢渇感が違うということではないか。◇しかし現実は、反比例して高名な中沢と無名な菊池。既にその一ヵ月前、たまたま菊池による『五百年前の東京』を読んでしまっていた私にとって、同様の概念装置を駆使したはずの中沢書があまりに色あせて見えたのも、無理からぬことかも知れない。単なる偶然とはいえ。(敬称略)

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2006年7月 5日 (水)

◇日朝平壌宣言を読むことから始める◇田中康夫知事擁立者の転向

「機種依存文字」という用語が世の中に存在し、それをHPやブログで使うと検索に大きな支障を来す場合があるとの、この世界では自明の事実を知りませんでした。「にほんブログ村」というサイトのQ&Aを読んで、はじめて気づいた次第です。☆今は当然ながら個人商店で、企業時代のように教えてくれる部下もなく、まったく独力でのブログ開設。汗の出るようなことがいろいろあります。☆今回もまたGoogle検索にちっとも引っかからない。その理由が、案外こんなところに隠れているのかもしれません。ということで、典型的な「機種依存文字」らしき丸数字(数字をマルで囲ったもの)を、中身ばかりかタイトルにも平然と使っていた以下の文章、これを一度削除し、その部分だけ直して再録します。☆テポドン?発射の日に以下の文章を再アップというのも皮肉なものです。☆なお、Google検索に引っかからない理由のいくつか(禁則等)をご存知の方は、一般論で結構ですからお教えください。☆

[昨日(06.06.15)の出来事から(IFSAの視点)]

私は朝日・毎日・読売・日経・産経・東京・共同・ZAKZAK(夕刊フジ)・日刊ゲンダイの電子版ならびに新聞の地方版、各種HP・ブログ、テレビ等を毎日見ては、この6年間データバンクを作ってきていますが、今後はそのなからIFSA的感性が受信したものを素材に、簡単なコメントを加えていきます。ご愛読ください。

■★★「北朝鮮人権法が成立 拉致で経済制裁促す」 
(06.06.16・KYODO NEWS)

◇2002年の小泉訪朝直後から、IFSA通信はそれへの批判を書き続けた。そしておまえはへそが曲がっていると批判され続けてきた。◇当時の私の視点はこうだ→→→★小泉にとっての拉致問題とは、国民をあっと驚かせ、眞紀子更迭で落ちた人気を回復できればいいだけのテーマ。よって、もともとの主命題ではない。★それは02.09.17の「日朝平壌宣言」を読めばよく分かる(外務省のHPですぐに閲覧可能)。拉致に関しては3番目の項目で、「また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した」の一文を掲げるのみ。なお、内容自体の歪みと文章の稚拙さはここでは問わない。★調印をした小泉は、生存とされた5人を帰国させればこの問題はすべて完了と考えていたはず。そして「国交正常化」を経てノーベル平和賞を。★だが帰国してみてびっくり。国中から拉致問題に本質的解決を迫られるとは夢にも思っていなかった。★慌てて「拉致問題の解決なくして国交正常化(交渉)なし」に修正。とってつけたような大転換をマスコミは追及しない。★これこそがいまだに尾を引く原点だ。「拉致問題はここまで」と軽く考えた小泉が、現地で金正日と何らかの約束をしていても当然と私は考えるからだ。よって、金正日が今もってそこを突いてくる。◇ここに頬かむりをしたまた乗り切ろうとした結果が、この4年弱だったというわけだ。◇にもかかわらず、平沢勝栄をはじめとする大甘の政治家や評論家の大半は、(02年秋から)半年もすれば北鮮は経済疲弊(餓死続出)で白旗を揚げてくると言い続けていた。それが正しかったかどうかは一目瞭然だろう。そして自己批判は何もないいつもの風景。◇一方の拉致被害者家族会は、小泉首相におすがりする、期待していると表明してきた。気持ちは分かるにしても、相手がコイズミであることへの認識が希薄であったのは否めない。◇そして、できもしない、もしくは、やりもしない口だけのファイティングポーズをとる安倍晋三が、幻のコワモテとイケメンとで次期首相候補第一位。この国の浮つきぶりは度し難いものがある。◇この際、「日朝平壌宣言」の再読から始めるべきであろう。そのスタート地点にこそ問題点が凝縮されているのだから。◇最後に、マスコミはなぜ北鮮をあの日から北朝鮮と言うようになったのか。なぜそれまでは、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と必ず言っていたのか。是非ともチェンジの理由を聞きたいところである。

■★★「茅野実氏が知事批判の意見広告
『生みの親』 地元紙に」

(06.06.16・YOMIURI ONLINE・長野版)

◇田中康夫を長野県知事に押し上げた最大の功労者のひとりである茅野実(八十二銀行頭取から会長を歴任)が、かなり前に田中応援団を降り、田中批判を展開している。◇こうなると、日本人はその批判にだけ注目をする。だが私は違う。私が何十年前から主張している「転向論」は、その入口というか入射角、すなわち何故に茅野が田中を支持するに至ったか、その内的必然は何だったのかをこそ原点から問うものである。◇もちろん人間には間違いがあるし、逆に支持の対象が予想外の変貌を遂げることもあり得る。だから私は、従来の「転向論」のように、その道義的責任を問題にしようとするのではない。どういう論理や思考回路から支持に至ったかを再度明確にしたうえで、それをなぜ翻そうとしているのか、そこをこそ語るべきとシンプルに思っているに過ぎない。「転向=変貌」に際してそれがどのように総括されたのか、そこがいちばんポイントなのである。◇しかし日本社会では往々にして、「相手が悪いから私は支持を止めた」で片づけられていく。そして本人はつらっとして新しい相手を探しにいく。そこには何のaufhebenも見られない。だから間違いの連鎖となる。◇田中眞紀子がコイズミを熱烈支援し、捨てられるや猛烈批判に転ずる過程も同じこと。そのプロセスにこそ、本当は日本的な欠陥が凝縮されているのだから、たとえ後ろ向きと言われようとも。その解明を抜きにしての発展はあり得ない。だが「終わったことを言っても仕方がない」が大好きな日本社会には、こうした作業はクドイ・シツコイとしか映らない。◇私は02年08月発刊の拙著『変わりたい日本人 変わりたくない日本人-日本的閉塞社会論-』(はる書房)で、小泉純一郎・田中眞紀子・田中康夫を徹底的に批判した。今にすれば予想があたったといった次元ではなく、私の論理と生活的感性からいえば、この3人がダメなのは最初から自明なことに過ぎなかった。生活人の視点に立ち返れば誰にでも分かるはずの簡単なことが、日本を挙げてどうして分からなくなってしまうのか、それが私には不思議でならない。そしてその不思議さの根因を解明したのが拙著であったというわけだった。◇今日もまた、総括なき心情的転向が諸所で繰り広げられている。(敬称略)

★★[IFSA]★★Michio Abe

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2006年7月 2日 (日)

スポーツ分野でもスタンスが定まらない朝日新聞

*ブログアドレスが変更になったため、本文は(06.06.25)アップ分の再録です。

◇asahi.com(06.06.23)に「選手過信したジーコ監督 自主性尊重、『時期尚早』」の記事が載った。タイトルに惹かれて読んではみたが、煮え切らない主張にびっくり。◇展開を私なりにまとめれば以下のようになる。

◇★トルシエは組織派、ジーコは選手の自主性尊重派。ジーコは「サッカーの歴史は、組織を超えた個人の力が最後は勝負を決めてきた」「グラウンドでは監督の力は少ししか作用しない」と語ったという→★欧州や南米の強豪選手は個人のレベルが高い。そこへ自主性喚起で戦えるほどに選手のレベルは達しているのか→★「結論からいうと、ジーコ監督のやり方は時期尚早だった」。◇ここまでは正論だ。

◇★だがジーコの方向性は間違ってはいない→★トルシエ流の、個人力の弱さを組織力の錬磨でカバーするは、「現実的な策ではあったが、個人能力の不足と正面から向き合わない、逃げでもあった」→★ジーコのメッセージと信頼に「チーム全体が応えなかった面もある」「チームには個人能力だけでなく、プロ意識も足りなかった」点は否定できない。

◇そして迷走の結論。「ジーコ監督は選手を信頼し過ぎてしまった。懸念されるのは、この4年間が否定されてしまうことだ。組織と個人能力は対立軸ではなく、両方備えてこそ、強いチームになる。やっぱり個人能力重視はだめだと、組織頼みに針を戻すようでは、日本サッカーは退行するだけだろう」 。

◇こういう主張をこそ、すべて言い尽くしているようで何も言わないに等しい優等生的論調という。さすがは朝日新聞。周辺への目配りがDNAのように効いている。そしてこの思想的バランス感覚にこそ、日本のインテリとインテリを自認する連中が心地よさを感じる。週刊誌や日刊ゲンダイ・夕刊フジなどのタブロイド紙を与太メディアとして切り捨てる。二言目には「週刊誌的ネタ」という蔑みが、彼らの口をついて出てくるのだ。◇そこへいくと、竹中平蔵とのコラボレーションで一世を風靡した木村剛は明確。他の用事で検索をしていたら、彼のブログ「週刊!木村剛」(06.06.06)でサッカーに触れた文章に行き当たった。存在の胡散臭さにおいて私がずっと注目し続けている人物だが、さすがは市場原理主義者。サッカーに対しても一貫している。トルシエはダメ、これからはジーコ流でなければ世界を相手に戦えないのだと。

◇「トルシェの下では、ロナウドやアドリアーノは育たないし、ロナウジーニョのトリッキーなプレーも輝かないだろう。トルシェ学校の優等生では世界に通用しない」「だからこそ、今回のW杯でジーコジャパンが残す戦績は貴重だ。従順な生徒たちが本物のプロになれたかどうかが、そこで試される。しかし、敗れたとしても、トルシェに先祖帰りすることは絶対に正解ではない」と木村は明言する。◇朝日の記者も本当はこう言いたいのだろう。だが「市場原理主義者」呼ばわりされるのは心外。日本的進歩主義者のポジションを、これが象徴的に示している。コイズミに付かず離れずと同じこと。小泉政権には弊害は多々あったにせよ、カイカクの精神だけは忘れてはいけない、こんな便利な常套句を振り回しては安全地帯の確保に躍起である。何と涙ぐましい所業よ。

◇私は彼らの意見とは対極にあり、日本は緻密な組織力で戦うのが向いていると考える。サッカーどころか日本企業もそうあるべき、だからこそ成果主義にも大反対。その根拠は拙著『変わりたい日本人 変わりたくない日本人-日本的閉塞社会論-』(02.08/はる書房)で精細に論じたから見ていただきたい。◇セットプレーさえよく知らなかった私にして、シュート時におけるあの柳沢の逡巡はよく理解ができた。コンマ何秒かの一瞬、「課長、どうしましょう」の思いが脳裡を過ぎったにちがいがないからである。切り込み隊長が、これ以上ないという絶好機にこれでは、いくら「個」の理想を説いたところであまりに遠い。◇「組織」を前面に出して何が悪い。世界に対していったい何が恥ずかしいというのだろう。日本の経済成長を下支えした「組織」は、けっして「個」を軽視して成り立ったものではなく、そんな単純二分法を超えたところに開花したものであった。だからこそ、世界がなかなかマネをしにくい。米国からする欠点、日本の利点を伸ばせば十分ではないか。

◇唖然とするようなことをジーコが平気で述べている。「ロナウド、日本にいれば…ジーコ監督一問一答」(06.06.23/YOMIURI ONLINE)。◇そうしたなか、作家・島田雅彦による次のコトバは短文ですべてを言い当てており、目下これに優るものはないと私には思われる。◇「達観するならば、日本が1次リーグを敗退してもいいではないかと思います。そこに日本らしさを認めることができるならば。でも、ジーコ監督のサッカーは監督だけがブラジル流。浅草サンバ祭のような違和感を覚えてしまうんですよね(06.06.21/毎日新聞夕刊)  (敬称略)

★★[IFSA]★★Michio Abe

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北川正恭・前三重県知事を社会心理学的に研究する

*ブログアドレスが変更になったため、本文は(06.06.21)アップ分の再録です。

[昨日(06.06.20)の出来事から(IFSAの視点)]

■★★RDF発電所の爆発事故、三重県が22億賠償提訴
(06.06.20・YOMIURI ONLINE)

◇北川正恭が2期で三重県知事を突然ぶん投げてから3年以上が経つ。そしてその後、彼は既にレールが敷かれていたかのごとく、早大大学院教授におさまった。2期で辞めるのが悪いと言っているのではない、あれだけ「環境先進県」を喧伝しながら、明確な理由も示さずに突然リタイアした、そのことに不可解なものを感じるからである。◇インターネットで検索すると、三重県のいろいろな人が北川を批判しまくっている。なかには相当に突っ込んだ指摘もある。ただ真偽のほどは私には分からないし、私の当面の関心はそこにはない。◇われわれの学生時代に君臨したいわゆる進歩的知識人とはまた違う、今風の小器用なそれを彼の中に見るからこそ、またその手のスタイルが当節は大衆の支持を受けるからこそ、その観点から北川をケーススタディとして社会学的に追究してみたいと願うものである。

◇表題のRDFはご存知のように「廃棄物(ごみ)固形燃料」のことで、03年08月に三重県多度町の「三重ごみ固形燃料発電所」が連続2度の爆発を起こし、2名が死亡、5名が負傷の大惨事を招いた。しかも地元消防署が鎮火を宣言するのに1カ月以上も要する大規模な事故であったという。◇北川が辞めてわずか4カ月弱後のことである。

◇これ以外にも、彼の任期中の問題はいくつかある。ひとつは、例の石原産業によるフェロシルト問題。もうひとつは、北川主導で三重県+亀山市が135億円の補助金を出して誘致したシャープ亀山工場が、自治体にとってはたしてペイするものかどうかの問題。「亀山ブランド」などと気取っているうちに、シャープの液晶シェアが漸減していく・・・・・。私の企業経営的予感はそうしたシグナルを発している。◇これらをsachlichに解明しながら、マスコミが絶讃して止まなかった先進知事の実像に迫るべく、まずは資料の渉猟から入ることとする。◇彼個人への興味といった次元ではなく、先進だとかカイカクだとかの虚像を本人たちが意識・無意識のうちにどのようにして作り上げ、マスコミがそれをいかにして持ち上げてゆくか、そこから現代日本社会の普遍性を抽出したいがためである。小泉カイカクとほぼ通底する構造が、そこにはあるような気がしてならない。◇なお、北川が盛んに大衆を啓蒙したがっている「マニフェスト」、その無意味性はあえて検証するまでもない代物である。(敬称略)

★★[IFSA]★★Michio Abe

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