衆院選2大欺瞞協奏曲=*マニフェスト達成率注視&*「してその財源は?」的常套句
◇読むのも憚(はばか)られるばかばかしい記事がここにある。◇もちろん新聞社の報道ぶりがではなく、伝えられる中身自体が。◇だからIFSAは、タイトルのみちらっと見るだけでパスしてきたが、ここへ引用するとなればそうもいかない。
★★05年の政権公約 自民が自画自賛
45%の項目、A評価
TOKYO Web・2009.07.30
◇「自民党は二十九日、二〇〇五年の前回衆院選マニフェストの実施状況を発表した」。◇「百二十の政策項目のうち、目的を達成したA評価は五十四項目、(中略)取り組み中のB評価が六十六項目で、未着手のC評価はゼロ」。
◇「次期衆院選マニフェストで見直しを公約する後期高齢者医療制度を含む『医療制度改革の断行』もA評価をつけている」。
◇テレビマスコミはこぞってこれを取り上げ、おおむね批判的トーンで論じている。◇A評価が多すぎないかとか、C評価ゼロはおかしいのではないかとか。
◇しかしIFSAはそんなことには関心がない。◇というより、北川正恭・逃げだし三重県知事(兼)どさくさ就任早大大学院教授が唯一得意とする<マニフェスト>にあたかも信仰のごとく乗せまくられ、引っ張り込まれているマスコミの幻想にこそ注目する。
◇ここでひとつ極端な話をしよう。◇たとえばの話、某政党が(1)<日本の核武装化検討>(2)<医療費の自己負担率アップ>を、100を超えるマニフェスト項目のなかのひとつに滑り込ませつつ政権をとったとして、さあどうする、その達成率評価は。
◇4年間で本気になって実現方向へ邁進すればA評価、よくやりました、達成率アップとなるのか。◇その間、コイズミ-安倍-福田-麻生のように同一政党で首相がかわるなか、そりゃおかしいぞ核武装なんてと某首相が気づき、それをあっさり放棄したとしたら、その某政党のマニフェスト達成評価は落ち込むのか。◇その未達成は悪なのか。
◇こうした架空の話から現実へ戻ればこうなる。◇あの05年の、国民の大半が乗せられまくった<コイズミ郵政民営化・シングルイッシュー選挙>。◇インターネット時代の恩恵として当時の自民党マニフェストがまだ残っているから、まずのぞいてみるとしよう。
◇興味のある方は、リンクから実物をご覧いただきたい。◇<自民党政権公約2005 自民党の約束 郵政民営化こそ、すべての改革の本丸。>と題された古証文がキラキラとあらわれる。
◇次に、そのなかの<郵政民営化なくして、小さな政府なし。>をクリックしよう。◇驚くなかれ、太陽系のような怪しげな図が出現。「小さな政府」こそ<この国が抱える問題を解決する、唯一の道。>と説教されるのだ。まるでどこかの宗教のように。
◇社会的な森羅万象の問題解決は郵政民営化より始まる。<「この国の形」をつくる戦略的外交の推進 安全保障の確立>までもが。これはすっごい。◇そして文字通りの社会的森羅万象例として、「自民党からの120の約束」が官僚作文の典型のようにして挿入された。
◇上記記事にある「百二十の政策項目」とは、まさにこの優等生的作文を指しているのだった。◇ノリとハサミとホチキスによる無味乾燥なアイテムの羅列。間違いなく各省庁の官僚が持ち寄ったものであろう。
◇こんなものの達成率をしたり顔で論じたところでいったい何になる?もはやIFSAが指摘するまでもあるまい。
◇何割達成などお聞かせいただかなくとも、あの郵政選挙を機に日本社会はさらに多くの何を失い、いまの閉塞(へいそく)情況へと確実に到達したのか、国民は肌で感じ、だからこその政権交代前夜が醸し出されているのである。
◇もっと象徴的に言えば、自民党の主張するように仮に目標を45%達成していたとしても<このヒドイ社会>ってこと?◇じゃあそもそも、社会を悪くするための目標だったんだ、120項目は。
◇それに45%なる数字のひとり歩きも大いに気になる。◇だいたい120項目も目標があるというなら、それ自体に重要度のランクがなければおかしいだろう。◇この10項目だけは政権の必達最重要課題だといった具合に。
◇にもかかわらず、定量的に45%達成しただって。◇どうでもいいような重要度の低い項目ばかり達成してみても、マニフェスト達成率は45%ですと相成る。◇ここには定性的な視点からする切り分けがまるでない。日本社会&マスコミは<定量的>のほうへ飛びつく習性があるのを自民党が見越してのことにしても。
◇いや、グダグダ言うのはこれくらいにし、もっと身も蓋もなくいこう。◇先述のように、郵政選挙のハイパー重要課題はコイズミ念願の<郵政民営化>だけ。だから残りの119項目は官僚作成の単なる付け足しにすぎない。
◇その意味で、当のマジシャン・コイズミにあって<マニフェスト2005>の達成率は100%。しかもそれは、郵政選挙に圧勝した時点で即達成された。◇これはまぎれもない真実である。
◇では論外なる<マニフェスト達成度>はこのくらいにし、8月総選挙の2大欺瞞協奏曲のもうひとつ、「して財源は?」信仰に歩を進めるとしよう。◇テレビの街頭インタビューが民主党マニフェストについての感想を求めれば、平均的な中年男(=おとっつぁん)はだいたいこうこたえる。
◇「民主の言うことは分かるけど、その裏付けとなる財源がね」と。まるでどこかできいた風な口調で。◇テレビの時局番組をよく見、読売や日経を読むまあまあの勉強家にこの手が多いのではとIFSAは推察する。
◇国民としての<良心>をマスコミフレーズ口移しに吐露してしまっている、といったら言い過ぎだろうか。
◇何を陳腐なおとっつぁんよ、自民党政権が無用の空港や整備新幹線や高速道・有料道・農道、それに港やダムやハコモノを作りまくってきたこの何十年間、その都度「財源は?」ときっちり疑義表明してきましたかね。◇さらには膨大な特殊法人に対しても。
◇いやそれどころか、選挙のたびにそれらを推進する政党へ投票してきたのではなかろうか。◇そうした結果が800兆円超とかいう国のぶったまげ借金を生んでしまった。
◇にもかかわらず、民主党のような<対個人向け>国費投入には即・財源論を持ち出す。◇自民党政権が得意とする<対法人・団体向け>じゃぶじゃぶ大量投入では問題視すらしないくせに。
◇だから、昨今の恣意的財源論議ほど政治的なものはないとIFSAは考える。◇少なくともそんな連中のお先棒を無意識にかつぐのだけはやめにしたらどうでしょう、まじめなおとっつぁん殿!
◇朝から晩まで「民主党マニフェストには財源論がない!」と叫びまくる自民党にうまく利用されるだけですから。
◇それにしても、マニフェスト達成率や財源論を右から左へ平気で流しつづけるテレビマスコミのレベル。◇視聴者が求めるからビジネス上!がタテマエの理由であれ、知的劣化の度が過ぎている。(敬称略)
★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★


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