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2009年6月14日 (日)

鳩山更迭問題=コイズミ・竹中による恫喝、いまだそんなに怖い?自民党の救いがたさよ

◇麻生太郎首相はかつて、<私は郵政民営化に反対だった。だから、総務相というのに私は郵政問題からはずされていた>(大意)と、公の場の国会委員会で口をひん曲げながら力説したことがある。◇しかしその直後、大ブーイングにあって発言を引っ込めた。というより、ごまかした。

◇いくらトンチンカンな麻生とはいえ、郵政民営化に反対だったか否かくらい間違えるはずはない。◇あれは本当のところだったにきまっている。

◇とすれば、反コイズミとしてのレーゾンデートルを意識する麻生が、<郵政民営化後の西川善文体制。そのいいかげんさをあぶり出す><そこから、コイズミ一派による【民営化そのものの野望】というか【隠された意図】が明確に浮かび上がる><結果、コイズミ・竹中路線のインチキぶりをさらすことにより、麻生の存在がふくらむ>・・・・・・、そう考えたとしても不思議はない。

◇その流れの中で鳩山・西川バトルが勃発(ぼっぱつ)、先日の鳩山邦夫更迭(=実質的罷免)においてまずは第1ラウンドの幕が下りた。◇今回のIFSA通信は、鳩山が罷免された2009.06.12翌13日の新聞記事(すべて電子版)だけを頼りに、この問題の本質を析出するとしたい。 

★★首相、当初は「西川交代」
・・・竹中・小泉コンビが封じ込め
YOMIURI ONLINE・2009.06.13

◇「今年2月、首相官邸の執務室。首相は鳩山邦夫総務相と会い、日本郵政の6月の株主総会で西川社長を含む取締役を一新するよう指示した」。

◇「『ポスト西川』の候補として、NTTの和田紀夫会長、生田正治・元日本郵政公社総裁、西室泰三・東京証券取引所会長らの名を記したリストも手渡し、水面下の調整をゆだねた」。

◇「首相の意を受けた鳩山氏は5月に入り、日本郵政の取締役人事を決める指名委員会の一部委員に『首相は西川氏を代えるつもりだ』と伝え、『西川辞任』に向けた多数派工作を始めた」。

◇ここまでは、あの麻生には珍しい正当な感覚と指示である。◇しかし、彼には思想どころか、戦略もなければ戦術もないから、いつものごとくすぐさまといった感じの<頓挫>に見舞われる。◇しかも、お坊ちゃまの鳩山邦夫は、それこそ<正義?>だけの直球一本。あの腰砕け専門男の麻生を信じきるというヘマまでおかした。

◇「『首相と私(鳩山邦夫-筆者註)は社長交代で完全に一致していた。だから私は安心して事を進めてきた』」(★★「一時は首相も社長交代支持」鳩山前総務相・MSN産経ニュース・09.06.13)。◇底抜けの甘さを笑ってもはじまらない。これが鳩山の<持ち味>なのだから。

◇エグさでは人一倍(=というより、エグさしかウリのない)コイズミ・竹中平蔵にあっては、こんな麻生・鳩山連合軍など物の数に入らない。◇「(前略)委員(上記指名委員会の委員-筆者註)を通じて鳩山氏の動きを察知したのは、構造改革の旗振り役だった竹中平蔵・元総務相だった」。◇「竹中氏は小泉氏に相談した」。おお、やはり。

◇コイズミ内閣終焉とともに、選挙で選ばれた政治家稼業をもう用なしとばかりドライに放り出し、慶大教授へ返り咲いた竹中がこんな動きをすること自体、噴飯ものだが、だかつのごとき連中はそんなことお構いなく、麻生・鳩山の画策をひねりつぶしてしまう。◇勝負は瞬時についたのだった。

◇麻生首相が西川善文・日本郵政社長を切れば自民党は財界を敵に回す、と一般には言われる。◇しかし実態は、コイズミ・竹中がすでに財界へ手を打ってあるから、財界は即ブーイングを発するよう仕掛けができているというにすぎない。◇これなかりせば、財界ごときが政府と真正面から戦えるはずもない。

◇同時にというより、麻生にとってはここがいちばん肝心な点だが、西川更迭をやらかせば、いまもって自民党内大勢力のコイズミ一派から総スカンを食う。◇財界などよりこちらのほうがよほどこわい。

◇そこで鳩山邦夫を切れば、自分を総裁へと担ぎ上げてくれた大恩人、「太郎会」会長の邦夫お坊ちゃまとたもとを分かつことになる。◇すなわち、自身最大最強の後ろ盾を失う。◇この閉塞状況へ降ってわいたのが、有名な悪知恵コンビの登場であった。麻生がぐらっときたのも無理はない。

◇「まず動いたのは元首相の森喜朗、前自民党参院議員会長の青木幹雄の重鎮2人だった」。◇「2人は8日夜、都内のホテルで麻生とひそかに会い、こう耳打ちした。『鳩山も西川もどっちもどっちだ。けんか両成敗で一両日中に2人とも切れ。党内は何とかする』」。

◇「2人に背中を押されるように麻生は9日、西川、鳩山の更迭に向け、一気に動き出した」以上、★★更迭劇の舞台裏 「けんか両成敗」か「鳩山切り」か・MSN産経ニュース・09.06.13)

◇「これに『待った』をかけたのが、麻生の腹心である選対副委員長・菅義偉だった」。◇「『けんか両成敗ってどういうことですか。鳩山が一方的にけんかを仕掛けているだけじゃないですか。西川さんを更迭すれば自民党は大変なことになる』」(同上)。

◇「自民党は大変なことになる」とは、言わずとしれたコイズミ・竹中一派、そのパシリでもあるテカテカ・中川秀直があばれだすというもの。◇しかし中川の反乱など買いかぶりもいいところで、どうせ動けやしないとIFSAは見ているのだが。

◇にもかかわらず、この程度のジャブで麻生首相は縮み上がってしまったようだ。うわさでは、鳩山邦夫のあることないことを吹き込んだ人間もいたという。◇敵はさるものひっかくもの、用意周到さと執拗(しつよう)さだけでも麻生・鳩山でははじめから戦いにならない。

◇加えて、すでに引退を表明している元首相・小泉純一郎は西川に電話をかけ、『絶対に辞めてはいけない』と激励」。◇「中川は『西川氏を更迭すれば行動を起こさなければならない』と気勢を上げた」。◇おどおど元首相の安倍晋三までがエラそうに「(前略)10日夜、麻生に電話をかけてこう諭した。『2人を更迭して納得する自民党議員は1人もいないじゃないですか』」(同上)と。

◇そんななか、首相周辺が用意した<最終妥協案>が弱々しく示される。◇だが、どうなろうと何ら生活には困らない真のイミのお坊ちゃま・邦夫がにべもなく一蹴することに。

◇「妥協案とは、日本郵政の西川善文社長が鳩山氏に謝罪した上で、総務省の業務改善命令に対しても徹底した改善計画を出すことと引き換えに、西川氏の続投を認める案」。◇それなら「鳩山氏も辞任せずに済む。政権へのダメージを最小限にとどめるため、首相サイドが鳩山氏に水面下で打診していた」(★★鳩山総務相更迭:西川氏謝罪で続投案 最後の妥協策決裂・毎日jp.・09.06.13)

◇これに対し、お坊ちゃまは水を得た魚のようにまくし立てる。◇「西川さんが私に頭を下げる、謝罪をする。そんなバカなことないでしょう? 西川さんが謝罪をすべきは国民に対してであって、私に対してではないんですよ」(★★「正しいと思ったことが通用しなかった」 鳩山氏の発言・asahi.com・09.06.12)

◇鳩山邦夫の他意がどこにあろうとも、形の上でこれほどの正論もなかろう。◇さすがというか、自民党のシニカル公家・伊吹文明はいいところを見ている。◇「(前略)伊吹文明元幹事長『国民の感情からすると、鳩山氏の主張のほうがストンと胸に落ちると思う』と今後の(鳩山更迭による-筆者註)影響を懸念する」(★★鳩山総務相更迭:広がる内閣批判・毎日jp.・09.06.12)

◇ともあれ、政治的には一件落着のように思えようが、IFSAとしては西川善文への跳ね返りエネルギーは従前の何十倍もに達するはずと予測する。◇剛腕だろうが「最後のバンカー」だろうが、そんなものはあの陰湿な閉鎖的特殊銀行業界で通用するものでしかない。

◇本人は悦に入っていても、かならずや追い込まれるときがこよう。◇<鳩山の言い分が間違っていたからこそ鳩山は罷免された>って?国民の大半がそうはとらえていないところに、大きな火種が隠されているのに、世間の心が分からない特殊業界出身の大物はおそらくそのことにすら気づかないであろう。

◇いまだコイズミの亡霊におそれおののく大新聞ですらこう書かざるを得ないほど、事態はひどいところにある。◇勝ったはずの西川が負ける!世の中をなめきった数字オンリーの大物バンカー?その行く末が見えるようだ。

★★落ちた信頼、描けぬ戦略
・・・西川続投・日本郵政は先行き不安
YOMIURI ONLINE・09.06.12

◇「日本郵政では今年1月以降、不祥事が相次いでいる」。◇「保養宿泊施設『かんぽの宿』売却を巡る不手際や、30万~40万件と推測される簡易生命保険の不払いの発覚、障害者団体向け割引制度を悪用した郵便法違反事件の摘発などだ」。

「企業法務に詳しい弁護士の一人は『普通の民間会社なら、どの不祥事も社長の引責に発展してもおかしくない』と話す」

★★自民、内閣支持率低下の懸念広がる
・・・「麻生降ろし」再燃も

YOMIURI ONLINE・09.06.13

◇「首相周辺には、『首相の決断は中川氏らに”反麻生”に走る口実を与えない意味では効果があった』という見方がある」。◇「しかし、党内には鳩山氏と同様、日本郵政の西川善文社長の経営責任を問う声が少なくない」。

★★【鳩山更迭】郵政民営化に曲折も、
西川氏の責任再浮上も
MSN産経ニュース・09.06.12

◇「(前略)西川氏に対しては『かんぽの宿』売却問題などで経営責任を求める声はくすぶっており、鳩山氏が辞任したことで、今度は西川氏への風当たりが強まる事態が予想される」。

◇「しかし、経済界には『鳩山氏との対立で西川氏のイメージも傷ついた』(財界幹部)との声もあり、『剛腕』で知られた大物銀行家は厳しい局面に追い込まれている」。

★★西川郵政、続く多難 総務省としこりも
鳩山総務相辞任
asahi.com・09.06.12

◇「『かんぽの宿』問題に端を発した鳩山総務相と日本郵政・西川善文社長の対立は、鳩山氏の辞任で幕を閉じた」。◇「ただ、『国民の財産の不当な安売り』という批判が、一定の支持を得たのは事実だ。混乱で西川氏の描いた経営戦略は大きく狂った。所管官庁とのしこりも残った」。

09.06.12~13に限定した上記IFSA流新聞スクラップからも、どこに物事の本質があるかがうかがえるのではなかろうか。

◇たとえば、本日(09.06.14)のTBS系<サンデーモーニング>では、正統派のような顔をして体制ヨイショ派の幸田真音が<日銀総裁人事の時もそうでしたが、政治によるゴタゴタはいいかげんに・・・・・・・>(大意)と言ってみせたり、テレビ朝日系<報道ステーション>の古舘伊知郎がしたり顔で<民営化そのものには反対はないのですが>と述べてみたり。

◇あえて核心には踏み込まないこうした人々の職業的セキュリティー&みすぼらしさを、鳩山邦夫罷免劇総体が見事に突いている。

◇にもかかわらず政府与党は、<日本郵政は民間会社ですから社長人事に口は出しません>など、相変わらずすっとぼけたことを言っては本質を糊塗(こと)しようともがく。◇いったいどこの世界に、国が100%株主の民間会社などあるものか。子どもでも分かろう。

◇なお、IFSAがなぜ当時からコイズミ郵政選挙&郵政民営化に大反対してきたかは、過去何度も論じた当IFSA通信のバックナンバーにてご覧いただきたい。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

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コメント

■厚労省局長を聴取へ 郵便法違反事件 立件の可否検討-民主党議員の追及はどうなった?
こんにちは。郵便法違反事件きちんと、その背景を解明して欲しいものです。郵政に関しては、「かんぽの宿」に関しても、どうしてあのような箱物が建てられてしまったのか、その根本原因があまり追求されないまま、鳩山総務大臣の辞任となってしまいしまた。鳩山さんは本当に良い機会を逃したと思います。本来大臣にとどまったまま追求すべきでした。また、「かんぽの宿」の売買に関しては、その情報の開示に問題があったのであって、1万円→6000万円で転売して、国民の財産をかすめとったなどということはあてはまらないことが明らかになっています。「かんぽの宿」の売買の問題の追求に関しては、鳩山さんに最初から歩はありませんでした。いずれにせよ、マスコミの報道の仕方にも非常に問題があります。郵便法違反事件に関しては、正しい報道をしていただきたいものです。詳細は是非私のブログをごらんになってください。

投稿: yutakarlson | 2009年6月15日 (月) 10時41分

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