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2009年5月 9日 (土)

新型インフルへの対応は政治的<好機>とばかり高揚する舛添厚労相。お里が知れる

◇だれが次の首相にいいですか?のアンケートでは、コイズミとともに舛添要一厚労相石原伸晃の名前が必ずあがる。◇あ~、よりによってなぜこんな最悪の連中が。IFSAは何もエラそうに言っているわけではない。◇しかしその際にアタマをよぎるのは、<民度>という誤解を招きやすいコトバ。

民度=「ある地域に住む人々の、生活水準や文化水準の程度」(スーパー大辞林・電子版)。◇民度=「人民の生活や文化の程度」(広辞苑・電子版)。◇民度=「国民、住民の生活の貧富や文明の進歩の程度」(スーパー・ニッポニカ・電子版)。

◇ここにあるのはいずれも<進歩>という物さしをあててのもの。しかしIFSAのニュアンスはちょっとちがう。◇政治分野での意識に限っていえば、<政治的密度>とか<政治的熟度>といったものになろうか。◇そう、定量的というより定性的なそれの・・・・・・・。

◇多くの日本人が首相候補やリーダー候補の判断基準としてあげる最大の資質といえば、<物事をはっきり言う>に尽きる。◇内容以前に、とにかく<はっきり言う>。だから、コイズミがいちばん!といった当然の流れになるのだ。◇彼ほど空疎なことをはっきり言う人間などそうざらにはいないのだから。

◇逆から見れば、日本人は日ごろ、いかにものをはっきり言っていないことか。そのコンプレックスが上記のような人気投票にあらわれるとは、拙著においてしつこく分析したところだった。

◇かくも国民に人気の舛添要一は、かつて『母に襁褓(むつき)をあてるとき』(中央公論社・1998.01)なる介護本を書き、相当に注目された。◇しかし当IFSA通信で数回批判したように、この著作は舛添の人間性を完膚無きまで世間へ知らしめるトンデモ本であった。

◇中身はといえば、遠い故郷にいる母親をオレはこれだけ苦労して看護し、またそのためにこれだけの大金を投じた。翻って兄弟は何だ!のクレームと糾弾が中心をなす。◇しかも、カネにまつわるそれがメーンだから、しらけることこのうえない。

◇そしてIFSAの手元には、同人の『介護で後悔しないための、お金と心得がわかる本』(PHP研究所・99.09)がある。吹き出すようなタイトルだが、舛添にはお似合いといえよう。

◇その舛添厚労相、豚インフルエンザ(=現在は新型インフルエンザ)がらみの会見でいやにテレビへ出まくるし、また、毅然たるさまを装う会見の表情としぐさがやけに芝居がかってクサイなと直感していたら、MSN産経ニュースが内幕をきちっと報じてくれた。

◇その経緯を時系列的に追ってみれば以下のようになる。

★★【新型インフル】「落ち着いて行動してほしい」
舛添厚労相会見
MSN産経ニュース・09.05.01


◇深夜の厚労相会見要旨をピックアップすると・・・・・・・。◇「横浜市から通報があり、新型インフルエンザ感染の疑いと分かった。患者は横浜市在住の17歳の男子高校生」。◇「国内で発生したので、行動計画にのっとって対策を強化したい。正確な情報が入ればお伝えするので、落ち着いて行動してほしい」。

◇これ自体は別にどうってことはない。◇ただ注目すべきは、大臣会見が5月1日の未明であるという点だけ。

★★【新型インフル】「危機管理なってない」
舛添厚労相が横浜市に怒り・MSN産経ニュース・同上

◇舛添厚労省は会見で、「(前略)感染の疑いがあると診断された横浜市の男子高校生(17)に関する市の対応について、『(市から厚労省に)遺伝子を調べるPCR検査は解析不能との答えがあった後、電話が通じなくなった。組織として危機管理の体をなしていない』と声を荒げ、連携不足にいら立ちを隠さなかった」。

◇「1日未明の厚労省で開かれた緊急会見で『極めて遺憾』などと横浜市を厳しく批判していた舛添厚労相。8時間後の閣議後会見でも怒りが収まらなかった」。

★★【新型インフル】「しっかりしてほしいのは厚労相の方」
知事が痛烈批判・MSN産経ニュース・同上

◇「『厚生労働相の勇み足だ』」。松沢成文神奈川県知事が怒ったらしい。◇「『最終の検査結果が出ていないのに(国の)行政が一方的に騒ぎ、パニックになった』と、厚労相を厳しく批判した」。

◇「松沢知事は『混乱を自ら招いたのに現場の対応が悪いというのは、大きな不満を覚える。しっかりしてほしいのは厚労相のほうだ』」とも語ったという。

◇これら一連の事実を報じた後、産経新聞はシニカルにこう書く。

★★【新型インフル】エンジン全開の舛添厚労相、大丈夫?
MSN産経ニュース桑原雄尚)・同

◇「新型インフルエンザ問題で、舛添要一厚生労働相が連日早朝や深夜に緊急記者会見を開くなど『エンジン全開』で対応している」。◇「厚労省の職員からは『難解な感染症の話を国民に分かりやすく説明してくれる』と評価する声が高まっている」一方、「舛添氏の政治姿勢を『パフォーマンスが過ぎる』と見る向きからは、冷ややかな反応も」。

◇「『国民が一丸となって協力すれば、この見えない敵であるウイルスとの戦いに必ず勝てる。ぜひオールジャパンで全員の力を合わせてウイルスと戦いたい』」。◇「テンションが高めの舛添氏は新型インフルエンザ対策を勇ましい勝負事になぞらえ、全力で取り組む姿勢を強調した」。

◇例の横浜市対応「こき下ろし」場面では、「会見を聞いていた厚労省側に緊張が走った。横浜市側にどんな事情があったかを把握しないままの『遺憾表明』は強すぎないか-。危機感を覚えた厚労省幹部は、広報室職員に『早く会見をやめさせろ』と指示を飛ばしたほどだった」。

◇「実際には横浜市の担当職員は報道機関などの問い合わせ対応に追われており、舛添氏の怒りは『的はずれ』な面もあったようだ」と産経は伝える。

◇産経新聞系のZAKZAK(09.05.02)はその間の事情についてこう書く(★★舛添vs中田インフルバトル「感染疑い」対応めぐり )。◇「厚労省では、感染疑い例が出た場合、遺伝子検査の結果が判明した段階で患者の情報を公開する予定だったが、実はこの時点では、横浜市側から確実な判定結果の報告は届いていなかった」。

◇「緊急会見は、同省担当者から『疑いが濃厚』との連絡を受けた舛添氏の方針で開かれたのだ」。なるほど、ありそうなことで目に見えるようだ。◇「このため、横浜市の担当者はテレビのテロップで舛添氏の会見が始まることを知り『驚いた』という」。◇「会見自体、舛添氏と中田氏(中田宏横浜市長-筆者註)が同時会見する方向で調整中だった」。

◇舛添の前のめりを象徴するもうひとつは、「『私から国民に一刻も早く正確な情報を伝える』」に発する「重大事案は、舛添氏が発表するのが鉄則」。◇そのためもあり、「1日未明の記者会見でも、すでに準備された報道発表資料を早く見たい報道陣と、『大臣が来るまではダメ』と必死で粘る事務方がバトルを繰り広げた」というから、あまりに度が過ぎる。

◇オレがオレがにとどまらず、政治家としてのステップアップ好機を逃すなが丸見えで、かわいそうになるくらい。◇しかし野心家(兼)権力大好き人間の舛添的感性は、そうしたあからさまな行状など何とも思いやしない。◇彼なりの目的を達成するのが第一義なのだから。

◇だが、横浜市の高校生の件が新型インフルに該当しないと分かるや、「(前略)その発表の記者会見は舛添氏ではなく、なぜか厚労省の担当室長だった」というから露骨も露骨。◇「厚労省内からは『大臣は自分に都合の悪い話になると表に出てこない』(中堅職員)との声も聞こえている」。

◇ギラギラ舛添をめぐるこの種の笑い話。MSN産経ニュース(★★【見えない敵-広がる新型インフル(上)】役立つか「行動計画」・09.05.02)は上記にとどまらずまだまだ教えてくれる。◇産経は実にえらいのだ!

◇「厚労省は1日、これまで異なる課ごとに、対応にあたっていた新型インフルエンザ担当が一堂に会して仕事できるよう、会議室を整備した。それに合わせて大臣訓辞がセットされた」。

◇「訓辞開始予定は0時45分。事務次官を筆頭に、担当者ほぼ全員にあたる約120人が、仕事を中断して会議室に集められた」。◇「ところが訓辞が始まったのは1時13分。120人は30分近く、手持ちぶさたに大臣の到着を待った」。

◇「会議室の隅の方で、若手職員同士が小声でささやく。『こんなことで、時間をつぶしている場合じゃないと思うけど・・・・・・・』」。

◇その後、横浜市でのような新型インフル<疑い>のケースが頻出しているが、舛添大臣みずから昼夜を分かたず会見にたったという話は寡聞にして存じ上げない。

◇これが国民に人気のある政治家。いや、これだからこそ人気の出る政治家というべきだろうか。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

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