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2009年5月28日 (木)

毅然たるを演出する舛添厚労相のオポチュニストぶり。あのインフル対応をはじめとして

◇なぜか首相にしたい人の上位にいつもあげられる舛添要一厚労相。だがそのいいかげんさについては、当IFSA通信、しつこいくらいに論じてきた。◇最新のものとしては2009.05.09【新型インフルへの対応は政治的<好機>とばかり高揚する舛添厚労相。お里が知れる】がある。

◇自民党の中で一頭地を抜く(=総理候補へ効率よく近づく)にはどうすべきか。そればかりを考えているこの男は、本能的ともいうべき勘のよさでシンボリックな事象へ飛びつく。◇しかしいかんせんモノを見る目が単純なため、ということは社会心理学的なイミで底が浅いため、すぐ馬脚をあらわすことに。

◇そう、本当のところは勘が悪いのである。もっといえば、<人間>が見えていない。◇だから今回の新型インフルエンザでも、IFSAの予測どおり大恥をかき、あとからぶつぶつ言い訳にこれつとめること となる。みっともないったらありゃしない。

◇今後も風見鶏で生きていこうというなら、あの大勲位・中曾根康弘くらい徹底していなければネ。

◇その一例。先のIFSA通信でも指摘したように、横浜市の高校生が新型インフルエンザ感染第一号(疑)となった際の舛添のはしゃぎっぷりといったら、そりゃ尋常じゃなかった。

★★【新型インフル】エンジン全開の舛添厚労相、大丈夫?
TOKYO WEB・09.05.01

◇「新型インフルエンザ問題で、舛添要一厚生労働相連日早朝や深夜に緊急記者会見を開くなど『エンジン全開』で対応している」。

◇「『国民が一丸となって協力すれば、この見えない敵であるウイルスとの戦いに必ず勝てる。ぜひオールジャパンで全員の力を合わせてウイルスと戦いたい』」。◇「1日午前の閣議後会見。テンションが高めの舛添氏は新型インフルエンザ対策を勇ましい勝負事になぞらえ、全力で取り組む姿勢を強調した」。

◇いったい何に淵源するのだろう、このリキは。

◇そして「舛添氏は新型インフルエンザ問題について『私から国民に一刻も早く正確な情報を伝える』としており、重大事案は、舛添氏が発表するのが鉄則(後略)」とされた。◇最高潮が見込めるパフォーマンスだけは役人ごときに渡さない!の決意が読み取れ、ほほ笑ましくもばかばかしくなるではないか。

◇だから記者発表資料がとうにできていても、事務局から報道陣へ渡してしまうのは御法度。◇「『大臣が来るまではダメ』」で待たされることと相成る。本末転倒このうえない。◇そして横浜の高校生はノン新型インフルと分かるや、もはやニュースバリュー(=パフォーマンスバリュー)なしとばかり厚労相殿はお出ましにならないのだった。

◇水際作戦など幻想、ポイントは国内診療体制の確立にありとは、当初から多くの疫学者が述べてきたところ。これは結果論ではない。◇しかしそこを突かれた舛添は負けん気だけを全開にさせ、「もし成田等の検疫体制をゆるめて死者が出たら、だれが責任をとるのか」(大意)と開き直った。

◇ここには舛添をはじめとする厚労省の無責任体質、すなわちアリバイ証明体質が如実にあらわれている。◇もし彼らが「死者が出たらどうするのか」を本気で心配しているのなら、たとえ近畿地方で患者が発生したとて検疫体制は続行しなければならないことになる。

◇しかし彼らは突然、成田検疫を放り出してしまった。その時、実は彼らに何のロジックもなかったことが明らかとなった。何で厳重な空港検疫を行ってきたかに関するそれが空無!◇いや、彼らに百歩譲れば、こうは言えよう。<強毒性かもしれないうちは検疫を強化・続行>→<弱毒性と分かった段階で検疫は中止。国内医療体制整備へとシフト>。

◇しかし彼らはこの論理にもつかなった。◇とにかく水際での勝負一本槍。なるほど、テレビの画像的には勇ましくてかっこうがいい。テリー伊藤にほめられそうなまでに。

◇現役の厚労省検疫官ながら厚労省の方針を弾劾する木村盛世はこう述べる。

★★新型インフルエンザ疑いという「汚名」
木村盛世オフィシャルWEBサイト・09.05.05

◇「すなわち、今回は弱毒性で通常のインフルエンザと変わらない病気があたかも天然痘レベルのとんでもなく恐ろしい伝染病として社会的なレッテルを貼られているのです」。

◇「先日、国内初の患者か?と騒がれた横浜の高校生については高校名や実名も探し当てられています。患者のプライバシーをまったく考慮しない国や地方自治体の不用意な会見や発言が、今回の病気を既にスティグマ化しているのです」。

◇「その元凶をつくっているのが『検疫で一人も国に入れない!』と狂気のさたで騒いでいる厚労省です。このスローガンは『日本に1人でもカゼの患者が出たら日本は玉砕する』と言っているくらい愚かなのです」。

◇木村の主張は09.05.16の同サイト<★★検疫を主張した人の責任はどこに?>でさらに激しさを増す。◇「国がやるべきことは、『一人の患者も国内で出さない』とこ(こと-筆者註)ではなく「いかに広がりを少なくするか』です。このためには今の無駄な『検疫』を止め、国内患者の対応にすべてを注ぐべきです」。

◇そしてあるべき「国内患者の対応」を語った後、「それにしても女性同伴した政治家が引責辞任をするなか、『検疫オンリー』を主張した健康局長ならびに専門医委員会の専門家が何の責任追及もされないのはおかしな話です」と。

◇「税金の無駄という点においても社会的混乱を招いたという点においても、女性同伴よりはもっと大きな罪を負っているはずです」。

木村盛世といえば、『厚生労働省崩壊』(講談社・09.03)で一部から注目されていた厚労省現役の医系技官で、その勇気たるや大したものと思うが、IFSAの直感(直観)としてはどこかエキセントリックな部分も見えないわけではない。

◇本はすでに買い求めてあるので、彼女についての全体的な評価は読後あらためてということにしよう。

◇さてでは、パフォーマー・舛添のその後はどう推移したか。◇東京新聞がこう伝えてくれる。

★★舛添氏、国内の注意喚起で反省 新型インフル対応
TOKYO WEB・09.05.25

◇「舛添要一厚生労働相は25日の参院予算委員会で、これまでの新型インフルエンザ対応について『今回の教訓を組織として次に渡していかないといけない。今反省して言えば”すでに(国内に)入っているかもしれない”ともっと言っておけばよかったかなと思う』と述べた」。

◇この学者的客観性を装った対応こそが実はくせものなのであり、<水際での封じ込め>に力み返っていた当事者がこの期に及んで「”すでに(国内に)入っているかもしれない”ともっと言っておけばよかったというんだから、いくらお人よしの国民とはいえ、舛添マジックにこれ以上だまされてはいけない。

◇この一事だけからも、舛添要一のレベルというか人間性が透けてみえようというもの。

◇ところで話はかわり、なぜか急に飛び出してきた厚労省分割案。◇これに関する彼の<変遷>を少々紹介し、今回は筆をおくとしよう。

◇「年金記録問題や後期高齢者医療制度への対応に連日追われる舛添氏は『省庁を再編し、厚労省を(年金、労働、医療の)三つに分割すべきだ』とも述べ、柔軟な対応の必要性を強調した」(★★舛添厚労相「年金省できてもいい」・asahi.com・08.04.26)。

◇「舛添厚生労働相は7日、『厚生労働省は大きすぎる。雇用から年金から全部。省庁の再編成を考えないといけない』と述べ、年金省・厚生省・労働省の三つに分割するプランを示した」(★★舛添厚労相、省の解体言及 厚生、年金、労働に3分割案・asahi.com・09.03.08)

◇「大臣自らが担当省庁の解体に言及するのは異例で(後略)」(同上)あるにもかかわらず。◇かと思えばその2カ月半後には・・・・・・・。

◇「舛添要一厚生労働相は21日の経済財政諮問会議で、麻生太郎首相が主張する厚労省の分割について『そう簡単にできない』と述べ、慎重に検討する必要があるとの姿勢を示した」(★★舛添氏、厚労省分割に慎重・MSN産経ニュース・09.05.22)

◇「舛添厚生労働相は26日午前の記者会見で、麻生首相が意欲を示す厚生労働省の分割について、『議論不足だ。拙速でやるべきではない』と述べ、急いで結論を出すことには慎重な姿勢を示した」(★★厚労省分割「拙速でやるべきではない」・・・舛添大臣・YOMIURI ONLINE・09.05.26)

◇「舛添氏は『内閣の一員なので、最終的には首相の指示に従う』としたものの、『厚労省だけの問題ではない。省庁再々編をやるべきだ』と語り、厚労省が分割論の中心であることに警戒感を示した」(★★厚労省分割案:舛添厚労相が否定的な見解・毎日jp.・09.05.26)

麻生首相は、<憎き厚労省>を解体するから国民の皆さん1票を!と見るからに頼りない画策を試みるし、他方の厚労省内部には「(前略)力の弱い省が二つできるだけ、という不安もある。かつて分割を口にした舛添厚労相も、19日の閣議後会見では『1人の大臣でできないというなら、国土交通省も同じだ』と述べ、警戒感を示した」(★★厚労省分割:「解体」で不信解消・・・首相、政権公約に・毎日jp.・09.05.21)という、打算にだけ発した政府内ねじれ現象が。

◇ただ、厚労行政はどうあるべきかの視点がない点では両者見事なまでに一致している。

◇ふにゃふにゃ麻生はともかく、時系列的にウオッチしつづけなければ危なくてしようがない野心家・舛添要一がここにはいる。◇そしてわが日本人および日本社会は、この種の<フットワークのいい>人物にコロッとだまされやすい特性を持つ。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月25日 (月)

変節・田原総一朗。舌の根の乾かぬうち、今度は<鳩山新体制を支持しています>

昨日(2009.05.24)テレビ朝日系サンデープロジェクトで、あのトンデモ田原総一朗がまたまた平気で変節した。◇いや、<変節>などという高級なものではない。世の風向きを感知しつつ、ほとんど無意識の状態で180度主張を変えた。◇あたかも本能的きゅう覚を誇るかのように。

◇速記録をとったわけではないから、その部分の大意を順不同で記してみよう。◇大意とはいえ、もちろんのこと論旨は正確に伝えられていると確信する。

◇民主党の岡田克也新幹事長を前に、田原は言った。◇「さあ、鳩山新体制ができました」。◇「選挙に勝つために多分、小沢さんはやめて鳩山新体制になった」。

「私は、鳩山さんのこの新体制は支持しています」

◇「小沢さんは民主党きっての選挙のプロ。ただ、政策はほとんど何もない人ですよね」。◇「小沢さんは選挙のどさ回り(=IFSA使用の共同通信社ソフトでは「注意、不快用語等」と表示される)で、東京にはいるなと」。

◇「政策はここにいる岡田さんや野田さん、この辺がやっている」。

◇たった1週間前のサンプロでは、<鳩山由紀夫が民主党代表になろうものなら、小沢一郎のもろカイライ政権!ゆえに民主は絶対それを避けねばならぬ。岡田以外に選択肢はない・・・・・・・>とほえまくっていた御仁から飛び出したのが本日の発言私は、鳩山さんのこの新体制は支持しています」)だから驚く。◇毎度のこととはいえ。

親小沢・反小沢の作為的二分法で鳩山由紀夫と岡田克也を引き裂き得意顔だった田原は、あっけらかんともうどこにもいない。◇おそらくは、代表選直後の大手新聞社による世論調査にびびったのであろう。こりゃヤバイと。

◇<変節>前の田原の主張、詳しくはぜひとも一昨日(09.05.23)のIFSA通信【田原総一朗・テリー伊藤らTV界テキトー男が、知ったかぶりだけで民主党代表選を酷評】をご覧いただきたい。

◇こんな男をまわりが持ち上げ、本人もまた、テレビ界のオピニオンリーダーと大きく勘違いする。◇オポチュニストぶりも大概にし、そろそろメッキはげはげを自覚したらいかがだろう。◇そして周辺もまた、ヨイショなどしていないでレッドカードをぶちかましたら?(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月23日 (土)

田原総一朗・テリー伊藤らTV界テキトー男が、知ったかぶりだけで民主党代表選を酷評

◇前回のIFSA通信【あの親小沢・反小沢キャンペーン=きれいごとマスコミが<自民党的政治>を支える皮肉】(2009..05.18)では、<民主党の新代表はオカダ・オカダ!>と叫ぶ大新聞のピンズレぶりを中心に論じた。

◇岡田克也のクリーン度人気を自民党はもっともイヤがる、だから政権交代のためには鳩山ではなく岡田!なんて妄言が大手を振るのだからまことに恐れ入る。◇昨今のプロ記者たちの政治センスってこの程度なのかと。

◇そして今回のIFSA通信は、それよりもっとひどいテレビマスコミを中心に・・・・・・・。

◇そこでまずは、テレビ朝日系サンデープロジェクト(=以下、いずれも09.05.17の番組)から。◇毎度のこととはいえ、田原総一朗のひどさといったら目を覆うばかりで、本人がまったく感じていないだけ気の毒になってしまう。

◇田原は<検察着手を好機と小沢一郎の無条件排斥へ>をテーゼに、ゲストたちの巻き込にとりかかった。◇というより、ゲストも自分と同意見、だからコトは簡単、そう信じて疑わないかのようだった。◇小沢的影響下からフリーな<クリーン岡田>、彼をかつがぬ民主党なんてそもそもおかしいんじゃないか、だれが考えたってそうだろうといった具合に。

◇しかし、小沢への生理的嫌悪ムンムン男に反旗を翻したのは、ここのところフニャフニャしきりの高野孟。今回ばかりは毅然とし、マスコミこそおかしいと食ってかかった。◇それに加勢したのが、いまや自民党のスポークスマン然たる財部誠一とくるからおもしろい。

◇彼らは大略こんなふうに言った。◇<永田メールでガタガタになった民主党を参院選でよみがえらせ、党内を統一し、総選挙では政権交代一歩手前といわれるまでに育て上げたのはどこのだれだったか。もちろん小沢一郎をおいていないじゃないか>。

◇<あの西松問題で小沢の秘書が逮捕される以前、すなわち2月の下旬まで、小沢リセットとのたまった人間などマスコミの世界でいったいどこにいたことやら>。

◇それが秘書逮捕の一事で一転、小沢一郎は極悪人とされ、小沢的なるものまでこの際一掃せよとばかりマスコミは共闘体制を確立する。◇まるでこれまでのウサを晴らすかのように大キャンペーンへ打って出たというのが今回の怪奇現象の背景だ。

◇これを視野に入れた高野&財部のまっとうなる指摘に、田原は虚を突かれたかのごとくたじろぐ。◇表情にもそれがあらわれていた。カメラはその動揺ぶりを見逃がさずとらえる。

◇そして田原から出たコトバとは、「ここには小沢応援団がかなりいるんだ、へぇ~」(大意)。皮肉っぽく言ってみるのが精一杯といった風情だった。◇出演者全員が、小沢ケシカラン!岡田ウエルカム!の<予定調和>だとばかり信じきっていただけに、ショックも大きかったのだろう。

◇かくもアタマが空っぽの虚像・田原。政治家からセンセイ・センセイとおべんちゃらをこかれ、各地の後援会に呼ばれては地方の惨状を体得した気になる。◇またあるときは旧全共闘系回顧集会で珍重されたりもする。

◇日本社会ばかりか日本の思想界まで、テレビで有名ならgood!の原理で動いているからよくしたもの。◇田原総一朗はこれにうまく乗っかっては知識人ぶっている。

◇同日のTBS系サンデーモーニングでは、司会の関口宏がテレビ界の常識をなぞるかのように、「政権を取りにゆく民主党がこれでいいんですかね」なんて世論おもねりの空疎な決まり文句を発し、悦に入っていた。

◇これには国際政治学者の浅井信雄が、「非小沢・反小沢と区分けしたがるのはマスコミの特性。それより小沢の功績(=選挙に強い&党内の引き締め)を客観的に評価しなければ」(大意)とシニカルに応じた。

◇すかさず写真家の浅井慎平が「鳩山由紀夫新代表は久しぶりに人間としてまともな話をしていた。友愛なんて恥ずかしくていえないのに、素直でむしろ新鮮」(大意)と、冗談めかしつつもマスコミ界の悪習(=クリーンとカイカク大好き)を笑いのめす。

◇IFSAの見た限りでは、上記数人くらいの出演者が現実直視の発言をなしたものの、メーンスストリートはご多分に漏れず、とんでも人間が仕切っていた。◇たとえば世紀のオポチュニスト(=ご都合主義者)・テリー伊藤(=TBS系サンデージャポン)のように。

◇<テレビで効率よく売り込むには!>。この1点にしか関心のないテリーは、まさにオレの領域とばかり得意げにぶちあげてみせる。◇<たった2日間の選挙戦が問題。それに投票日を土曜にもってこず週明けまでのばしていたら、土・日は民主のテレビジャックとなろう。広告宣伝効果からして、いったいどれほどの金額に換算できたことやら>(大意)。

◇テリー伊藤本人は手だれのつもりだろうが、発言の底の浅さにはシラケドリが飛ぶ寂しげな雰囲気まで漂う。◇そうかと思えば、最近売り出し中のにわか政治ジャーナリスト・上杉隆が、したり顔で同様の説教を始める(★★民主党は拙速な代表選実施で、政治ショーの最高の演出機会を逃した・DIAMOND online・09.05.15配信)

◇「(前略)選挙期間は実質2日間、それで新代表を選ぶという」。◇「この決定を表現するとすれば、可能な限り、控えめな表現をもってしても、民主党の広報担当者はメディア戦略がいったい何であるかをまったく理解していないか、あるいは、まったくの愚か者であるかのどちらかであることが判明した」。

◇「民主党は、代表選という、メディアの注目を集め、自らの党と政策と人材を、国民にアピールする貴重な機会をみすみす逃したのだ」。◇「昨年、一昨年と行なわれた自民党総裁選と比較すればそれがどれだけお粗末なものか理解できるだろう」。

◇何じゃこりゃ。あの安倍晋三・福田康夫電撃辞任後のデキレースというか茶番劇を煎じて飲めってか。◇冗談よしこさんだろう、まったく。

◇「とりわけ昨年秋の総裁選は、麻生太郎、与謝野馨、小池百合子、石原伸晃、石破茂の5氏が出馬して、華やかな選挙戦を行なったのはメディア戦術の勝利であった」。◇「候補者たちは連日テレビを中心にメディアに登場し、各々の政策をぶつけ合って、マスコミはそれを徹底的に報道した。さらに公開討論会を行ない、全国を遊説して回った」。

◇「結果、新総裁が選ばれた頃には、二代連続で無責任な辞任をした前総裁の存在は消えてしまっていた」。◇オイオイ。だから促成栽培の売れっ子評論家ほど困ったものはないっていうのだ。

◇それにだいいち、テレビ媒体をただで使って自己宣伝する、そんなイロハをいまどき「メディア戦略」なんて大仰に言う神経のほうがよほどアナクロだろう。◇民主党の広報といえどもその程度は百も承知。しかしそれを上回る事情があったとしか考えられない。

◇代表選2日後の毎日新聞はこう伝えている。<★★世論調査:首相にふさわしいのは鳩山氏34%麻生氏21%・毎日jp.・09.05.18>

◇「次の衆院選で勝ってほしい政党の質問では民主党が56%で、代表選前の12、13日に行った前回調査比11ポイント増となり、自民党の29%の2倍近くに達した」。◇「民主党は小沢一郎前代表の公設秘書逮捕で傷ついた党のイメージを小沢氏の辞任と代表選の実施によって回復させたといえそうだ」

◇田原総一朗・テリー伊藤・上杉隆らには予期せぬ数字だったろう。ありゃ!といった結果が早々に出てしまった。

◇テレビ戦略上、代表選をもっと引っ張っていれば&岡田克也が選ばれていれば、民主党はこんなものじゃない!56%どころか80%?知ったかぶりの彼らはこう強弁するのだろうか。ぜひ聞いてみたいものだ。

◇上記毎日新聞に限らず、産経新聞読売新聞も、メディアは意想外の調査結果に直面し、ぶったまげているに相違ない。◇しかしIFSAに驚きはない。メディアがいくらフレームワークにはめようとしても、世間のほうがなぜかさめきっている。◇それらについては次回以降で詳しく。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月18日 (月)

あの親小沢・反小沢キャンペーン=きれいごとマスコミが<自民党的政治>を支える皮肉

◇今回の<小沢一郎辞任><民主党代表選>プロセスで明らかになったのは、日本の大マスコミがいかにダメか、いいかげんか、深くものを考えていないかであった。◇さすがのIFSAも、ここまでひどい破廉恥ぶりとは認識しておらず、反省させられた。

◇ともかく、情けないを通り越してあきれまくった。大マスコミという<知>の劣化に対し

◇こうした情況下、IFSAがすぐ思い出したのは、2001年4月のコイズミ内閣誕生劇。◇<聖域なき構造改革>や<恐れずひるまずとらわれず>など、カイカクをちりばめた惹句(じゃっく)に人々は吸引され、マスコミは広報役を買って出てそれを下から支えつづけた。◇あの歴史に残る珍現象のことだ。

◇日本人はさわやかっぽいプレーズが大好き、だからマスコミはそれを先取りしてははやしたてる。◇カイカクとかクリーンとか、蒸留水的いい子ちゃんファクターがちりばめられれば、条件なしの絶対善とばかり日本社会は心酔してしまう。

◇それが政治世界のダイナミズムにあって何をもたらすかなど考えもしないし。◇世論と大マスコミをめぐる構造はこのようにできている。郵政民営化騒動などその典型だろう。

◇さてそれを念頭におきながら、今回の民主党代表選マスコミ大キャンペーンを見ていくとしよう。

★★【ポスト小沢】民主党代表選 消せぬ小沢の影
MSN産経ニュース・09.05.15

◇「小沢一郎代表との距離感が異なる鳩山由紀夫幹事長岡田克也副代表の両陣営とも、表向きは『”親小沢”対”反(非)小沢”の選挙ではない」としている。だが、大詰めを迎えた15日の選挙運動の現場に、小沢氏が落とす影は濃く、今さら隠しようもない」。

◇「代表選に伴い、民主党岡山県連が独自に実施している同県内の党員・サポーターに対する電話調査(14日分)では、70%弱の支持を集めたA議員が20%台のB議員を大きく引き離した」。◇「代表選規則に従い具体名は伏せられているが、A議員は岡田、B議員は鳩山だとされる」。

◇「『鳩山さんだと小沢さんの続きになるので良くない』『鳩山さんは小沢さんに近いから、岡田さんが良いと思います』・・・」。◇「調査記録をみると、鳩山を拒否する理由には小沢との『近さ』が挙げられているのが目を引く」。

◇ダーティー小沢に近い鳩山はダメ、クリーン岡田はgood!。民主党岡山県連も産経新聞もそう言いたいようだ。◇では理由は?クリーンだから。ハハハ。

◇コイズミの時は、自民党地方支部からほうはいとわき上がった<新鮮さがイチバン>の声を中央が急きょ拾い上げ、たまたま大成功へとつながった。◇サメの脳みそとまで言われたボロボロ政権と自民党幹部の大スキャンダル、それを払しょくするためのいちかばちかに国民はコロッとなびいていったわけだ。

◇どうやら、それが今回の民主党代表選にも適用できるかのような錯覚にマスコミは陥っている。◇しかし決定的にちがうのは、民主党とは<生まれてはじめてというか、事実上、戦後史ではじめて政権を狙おうという野党>だということ。

◇真ん前には、衰えたとはいえ老かいな自民党がデンと控えている。◇最高度の権力闘争がいま要求されているのである。

◇ならば、クリーンがどうだイメージがどうだより、だれが代表になれば自民党を倒す可能性がアップするか、その一点が代表選のポイントにされるべきは当然といえよう。◇もっと具体的に述べれば以下のようになる。

(A)引きつづき自民党に政権を担わせたい側にあっては自民党にとってくみしやすい人物が民主党代表になってくれること、それがいちばん。◇(B)民主党に政権をとらせたい側にあっては=相手の自民党がいちばんいやがる人物を代表に据えること、それがいちばん。

◇上記産経新聞にかぎらず、今回はほぼすべての大マスコミが<反小沢?>の岡田を応援しているようだが、彼らはみな、この(A)か(B)かを明らかにせず、理念的な格好だけをつけては論じている。◇だからすべてがウソっぽくなってしまう。

(A)か(B)かはおいておきながら、いやそこからは逃げておきながら、まずはクリーン&クリーン。◇すなわち、憎き小沢的なもののリセットが至上命令化している。◇そうした体たらくからすれば、以下のようなダラ談話を無批判にのせる新聞が登場しても驚くことはなかろう。

★★「岡田氏は逃げない、鳩山氏は逃げる」消費税巡り財務相
asahi.com09.05.15

◇「与謝野財務相は15日の閣議後の記者会見で、民主党代表選に立候補表明した鳩山由紀夫幹事長、岡田克也副代表の消費増税をめぐる発言について、『岡田さんは逃げない、鳩山さんは逃げる。これが私の率直な印象』と述べた」。

◇与謝野はまずこう示唆している。◇<岡田は逃げない。だから岡田がgood!><なのにダメ民主党は小沢のしがらみが強く、岡田を選びきれない><民主党ってこの程度の政党。これが政権をとるって?冗談か>と。◇鳩山当選を見据え、まずマイナスイメージを付与している。

◇この発言に接し、与謝野が心から岡田を評価しているなどと思う人間がいたとしら単なる政治素人でしかなかろう。◇老練な与謝野の本心は、あの選挙に弱い純粋お坊ちゃま岡田にぜひ登場してほしい、そうなりゃ短期的に民主の人気が上がったとしても、岡田執行部はかならずひねりつぶせる、敵失も起こりえようし。

◇鳩山当選をけん制すると同時に、できれば岡田へと世論誘導しているのだ。

◇この発言を念頭においたうえで、上記<(A)引きつづき自民党に政権を担わせたい側にあっては自民党にとってくみしやすい人物が民主党代表になってくれること、それがいちばん>へ戻ってもらうと分かりやすいだろう。

◇しかし、<引きつづき自民党に政権を担わせたい>読売や産経等を除く大マスコミは、この与謝野発言を岡田当選への後押しメッセージのように報じて恥じない。◇どうやら昨今のプロ政治記者たちは、カマトトのフリをしているのではなく本気のようだから救いがない。

◇それにこの際もうひとつ、与謝野がよく言うよ!にも触れておこう。◇財政規律派を気取っていた与謝野が旗振り役となった今回のジャバジャバ補正予算はいったい何だ。◇その張本人が、消費税から逃げる・逃げないだって?おととい出直せであろう。

◇ただ、こんな正直すぎる意見のあったことも伝えておきたい。◇それは<★★【ポスト小沢】甘利氏「岡田氏ならやりやすい」・MSN産経ニュース・09.05.15>

◇「甘利明行政改革担当相は16日午前の記者会見で、民主党代表選で鳩山由紀夫幹事長が選出された方が与党に有利ではないかとの質問に対し『自民党は岡田克也副代表の方がやりやすい岡田氏が代表になったら、相当、民主党内に混乱が起きる』と述べ、岡田氏が選出されることに期待感を示した」。

◇それはさておき、鳩山由起夫が新代表になるや、こんな記事まであらわれたた。

★★二重権力・色付きすぎ・・・「小沢傀儡」予想相次ぐ与党
asahi.com・09.05.16

◇「政府・与党からは、小沢前民主党代表を幹事長として支えた鳩山新代表は、小沢氏の『傀儡(かいらい)』になると予測する声が相次いだ」。

◇「自民党の菅義偉選挙対策副委員長は『小沢さんの思い通りになったんじゃないか。鳩山代表になっても、小沢さんの存在感がますます大きくなる。今までは小沢さんの下で一元化された権力がまさに二重権力になる』と指摘」。

◇「同党の古賀誠選挙対策委員長も『岡田さんに比べると鳩山さんの方が影響力が残るのは間違いない』」。◇「公明党幹部も『鳩山さんは小沢さんの色が付きすぎている。傀儡批判をどう防ぐのか。簡単じゃない』」。

◇朝日はこういった内容をただ流すだけで何のコメントも付さない。まるで与党のくちを借り、自身の主張を言わせているかのようでもある。◇しかしどうだろう。この白っぽさは。

◇自民党の真意は、<ある意味で鳩山がなってくれてよかった。小沢傀儡!と攻めやすいから>ではなく、政治技術的に御しやすい岡田ではなく大変なことになったに相違ない。◇自民党がいちばん恐れるのは、敵の中に存する、小沢一郎や亀井静香のごとき<自民党的なるもの>なのだから。

◇<小沢的なるもの>は自民党にとっていちばんやばいし、事実、小沢的が浸透したからこそ民主党もここまで足腰が多少鍛えられた。◇その小沢路線を今回のどさくさでリセットできないのであれば・・・・・・。西松事件でうまくいったと思ったのに。

◇自民党が必死になるのも理解できよう。◇たとえば<★★傀儡批判 揺さぶりへ 与党、民主の回復を警戒・TOKYO WEB・09.05.17>のように。

◇この程度の初歩的な暗喩(あんゆ)が読めない大新聞エリート記者って、まったく困ったものだ。

◇マスコミによる<絶対善的市民主義としての岡田待望論>大合唱自民党はこれに対して内心ほくそ笑む→結果としてこの偽善市民主義が自民党を支える・・・・・・・というアイローニーに、クリーン大好き人間は気づかない。

産経新聞政治部長・乾正人<(★★【小沢代表辞任に思う】まだ早い「さらば、一郎」MSN産経ニュース・09.05.12>でこう書いている。

◇「ゼネコンから多額の政治献金を受け、資金管理団体が高額の不動産を所有するという小沢氏の政治スタイルは、民主党が否定してきた『古い自民党』となんら変わらない」。◇「果たして民主党は、『小沢的なるもの』から脱却できるのだろうか」。

<小沢的なるもの=古い自民党的なるもの>と産経の政治部長は言っている。◇ということは、彼は<古い自民党的なるもの>に絶望し、新たなる民主党に期待している、<小沢的なるもの>をかなぐり捨てた新生民主党に政権をとってもらいたいと本気で考えている、そうなるのだろうか。◇まさかそんなこと。

◇私が書いた上述の(A)(B)をもう一度見直してもらいたい。◇ここをあいまいにしたままのクリーン幻想論というイデオロギーを、もうそろそろわれわれは疑うべきではないか。

◇民主党代表選に関するテレビマスコミのひどさについても触れたかったが、長くなりすぎた。◇次回のIFSA通信へ譲るとしよう。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生

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2009年5月14日 (木)

絶対善的<倫理&説明責任>で小沢を攻めさえすりゃ自身は安全!と心得る大マスコミ

◇西松建設関連での小沢一郎民主党代表秘書逮捕以降、テレビを中心とする大マスコミのスタンスはあまりに児戯に類するものだった。◇いや、児戯だからこそ<純粋>、ゆえに世間にウケル、だから批判するマスコミ自身はド安全。それをよく知っての行状といったほうが正しかろう。

◇<ゼネコンからあれほど多くのカネをもらうなんて><いったい何に使ったというだろう><その疑問に対し、小沢は説明責任を果たしていないではないか><これほど政治倫理が問われている時はないというのに>だからこそ、<小沢辞任後の民主党代表選では、脱小沢的なもの・非小沢的なものが求められている>・・・・・・・。

◇いいかげんカマトトぶるのはやめにしたらどうか。いい大人がみっともないったらありゃしない。◇小沢がダーティーぽいって?何をいまさらだろう。そんなことはだれでもが直感するところで、西松事件なんぞに教えてもらわなくても十分にわかっている。

◇問題は、<ダーティーっぽい>のか<ダーティー>なのかということ。両者は決定的にちがう。◇もっとはっきりいえば、今回の小沢の行為が究極的に法に触れるのかどうかということ。◇IFSAはそれでしか判断しない。

◇いや私はちがう、法への抵触うんぬん以前に、小沢のあの姿勢というか方法論が許せない!というなら、マスコミは西松事件などの尻馬に乗るのではなく、もっと前々から小沢を正面より攻撃してくるべきだったではないか。◇小沢的なるものを世間から葬り去りたいというのなら。

◇豪腕といってはこわがり、小沢をまともに批判すらできない、この腰の引けた連中の常套手段はただひとつ。◇<小沢的=田中角栄>という図式を何の証明もなく持ち出すことにつきよう。◇あげくは言うに事欠き、野党のくせにもらった額が多すぎるだって。

◇いまやボロボロに批判される絶対悪的角栄ですら、<彼は小学校しか出ていない(=厳密には多少ちがうはずとIFSAは認識)><だから庶民の気持ちが分かる><すなわち角栄は庶民の味方>といったハイパー単純式を武器とし、田中角栄こそ今太閤!と持ち上げまくったのはどこのどなたでしたっけ。

◇今回の秘書逮捕事件に発する、<野党としては多すぎる?政治献金。いったい何に使ったことやら>式マスコミ流問いかけを、小沢への好悪を別として客観的に整理すれば以下のようになろう。

前回の参院選勝利を含めた選挙戦へ投入した。これからの選挙への軍資金として備蓄している。私的に使った。

◇最後のものは論理的可能性からする理念型として述べただけで、実際のところはまったく不明。◇かつて週刊誌にちょろちょろたたかれたことがあったと記憶するが、本当に怪しいと思うのなら、資金豊富な大マスコミのこと、グダグダと安全地帯から絶対善的遠吠えをしていないで徹底究明すればいいではないか。

◇この<何に使った?>問題、<私的に使った>がないのであれば、あとはどうぞご勝手にの世界となろう。◇もちろんのこと、有権者買収等の不法は別にして。

◇以上、ここまでの記述はアウトプット範ちゅうの問題だったが、もうひとつ、インプット段階の問題が残る。◇というより、今回の逮捕劇はこここそがインチキ!と検察は判断したわけだ。◇逆に小沢一郎は、とんでもない、法にのっとりすべてオープンに報告しているじゃないかと。

◇この辺に関する今回の摘発の可否は、法廷での論争にゆだねるしかなかろう。◇この時期(時機)なぜ最大野党党首の小沢だけを狙い撃ち?なぜ自民党の大物へは手が伸びない?といった消しがたき政治的色合い以外はネ。

★★「やや乱暴では」「一罰百戒の意義」
・・・検察OBの評価分かれる
YOMIURI ONLINE・2009.03.25

◇「東京地検の特捜部長時代にゼネコン汚職事件の捜査を指揮した宗像紀夫・中央大法科大学院教授は、『特捜部は、従来の価値基準を変えて摘発した』と批判的だ」。◇「『政治資金規正法上、最も悪質なのは、収支報告書に記載しないヤミ献金。今回は、献金自体は記載されており、透明化の義務はある程度果たされていた』と指摘」。

◇この事件以来、的確な指摘で名をあげてきた「(前略)元検事の郷原信郎・桐蔭横浜大法科大学院教授」も同様の指摘をしたうえで、「『(前略)ヤミ献金ではないので悪質性は低く、罰金刑が妥当。検察は、なぜ今回の事件を摘発したか十分に説明する義務がある』と指摘した」らしい。

◇他方、「元最高検検事の土本武司・白鴎大法科大学院長」や「元東京地検特捜部長の河上和雄弁護士」は、手の込んだ悪質な事件だとして摘発の「意義」を強調している。

◇いずれにしろこれほどビミョーな事件に、当事者たる小沢一郎が異議を唱えないことのほうが不思議というものだろう。◇にもかかわらず、マスコミは<説明責任を果たせ>の一点張り。

◇いや、マスコミばかりではない。民主党内からも何とかの一つ覚えのように<説明責任・説明責任>。◇21世紀に入って頻繁に使われ始めたこのコトバ(=説明責任)ほど気色の悪いものはないとIFSAは常々思っているのだが。

◇なんだこれは!また例により、accountabilityからくる生煮えのカタカナ概念にきまっていよう。◇企業の不祥事が表ざたになるたびに使われるコンプライアンスなんかと同様の。◇もうそろそろ、こんなものに頼ってその場をごまかすのはやめにしたらどうだろうか。

◇ではなぜ日本人は<説明責任>が好きなのか。理由は簡単、それを求めた自分への跳ね返りがないからだ。◇真っ正面から批判すれば、当然のこと自身も巻き込まれ、ある場合には逆襲にあうかもしれない。◇しかし免罪符のように<説明責任>と言っていれば痛くもかゆくもない。

◇小沢一郎のケースに話を戻せばこうなる。◇小沢に<説明責任>を求めたとして、ではどういう状態にいたったら<説明が完ぺき>と彼らは承認するのだろう。◇IFSAとしては、要求する人間にそれを聞いてみたい。

◇多分こういうことになるはずだ。◇それではまだ説明が足りない・・・・・・・のエンドレスな繰り返しに。◇要は、<私がやりました、私が悪うございました>と謝罪しないかぎり、<説明責任>を果たしたとは認められない、と。

◇だからこそIFSAは、気色悪いという。◇ならば最初から、「ウソ言ってるんじゃないよ。世間様に向かってきちっと本当のことを話せよ」と要求したほうがずっと早いしすっきりしている。つまらない間接話法ではなく。◇だが、求めるほうにはそれだけの覚悟など天からない。

今回の件は絶対に許せないとマスコミが本気で思うなら、明日からでもおそくはない、こう追及したらよかろう。◇<西松からの献金を隠すため、意図的にダミー団体を使ったのではないか><献金された巨額?のカネを私的に流用したのではないか>と。

◇でも、そんなこと怖くてとてもできないだろう。名誉棄損で訴えられたらそれこそ大変と。◇だから<政治倫理>や<説明責任>といった、人畜無害なキレイゴトで逃げている。◇加えて、ちゃっかり正義漢ぶってもいる。何たるしたたかさというか、セコさよ。

◇いやもしかして、それはIFSAの買いかぶりかもしれない。<今回の件は絶対に許せないとマスコミは本気で思う>のくだりすら、単なるアリバイ証明のポーズということも十分考えられるのだから。◇世論へ迎合するには怒ってみせるがイチバン!とばかりに。

◇そう思えば、<説明責任なるものどこかクサイ!>の裏側も見えてこよう。◇テレビマスコミのお家芸ともいえる予定調和からの出発。<説明責任>なるフニャフニャ概念こそ、その主役としてまさにうってつけなのだった。

◇こんな火の粉の降りかからぬいい子ちゃん的キャンペーンを大々的に打つヒマがあったら、二階俊博経産相問題への独自取材競争(+)ザル法としての政治資金規正法徹底言及、マスコミはそうした基底部から地道に崩していくべきなのだ。

◇しかしその彼ら、どうしてだか<本質>からは逃げまくり、<小沢的なるもの>へご執心とくる。◇ただこれとて、民主党の代表選が終われば自然消滅するは目に見えている。◇毎度のことながら、刹那刹那またセツナの思いつきキャンペーンに終始するからであります。わがテレビメディアは。

◇ここで最後にひとこと。IFSAは当通信にて過去何度も、小沢一郎の功罪を語ってきた。◇民主党を、足腰の強くエグイ政党へ育て上げるためには、小沢的<どぶ板>(+)<ダーティーっぽさ>こそ建設途上必要悪なのだと。◇というより、松下政経塾流脇アマお坊ちゃまでは百年待っても政権はとれないと。

◇政治の世界の権力闘争とはそういうものだから。◇米国の大統領予備選を見ればそれはよく分かろう。

◇しかし古舘伊知郎的テレビは今日も主張している。◇今度こそ(非小沢的)クリーンな指導者にぜひ出てきてもらいたい!ってな具合に。◇それこそ、な~んちゃってではないか。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2009年5月 9日 (土)

新型インフルへの対応は政治的<好機>とばかり高揚する舛添厚労相。お里が知れる

◇だれが次の首相にいいですか?のアンケートでは、コイズミとともに舛添要一厚労相石原伸晃の名前が必ずあがる。◇あ~、よりによってなぜこんな最悪の連中が。IFSAは何もエラそうに言っているわけではない。◇しかしその際にアタマをよぎるのは、<民度>という誤解を招きやすいコトバ。

民度=「ある地域に住む人々の、生活水準や文化水準の程度」(スーパー大辞林・電子版)。◇民度=「人民の生活や文化の程度」(広辞苑・電子版)。◇民度=「国民、住民の生活の貧富や文明の進歩の程度」(スーパー・ニッポニカ・電子版)。

◇ここにあるのはいずれも<進歩>という物さしをあててのもの。しかしIFSAのニュアンスはちょっとちがう。◇政治分野での意識に限っていえば、<政治的密度>とか<政治的熟度>といったものになろうか。◇そう、定量的というより定性的なそれの・・・・・・・。

◇多くの日本人が首相候補やリーダー候補の判断基準としてあげる最大の資質といえば、<物事をはっきり言う>に尽きる。◇内容以前に、とにかく<はっきり言う>。だから、コイズミがいちばん!といった当然の流れになるのだ。◇彼ほど空疎なことをはっきり言う人間などそうざらにはいないのだから。

◇逆から見れば、日本人は日ごろ、いかにものをはっきり言っていないことか。そのコンプレックスが上記のような人気投票にあらわれるとは、拙著においてしつこく分析したところだった。

◇かくも国民に人気の舛添要一は、かつて『母に襁褓(むつき)をあてるとき』(中央公論社・1998.01)なる介護本を書き、相当に注目された。◇しかし当IFSA通信で数回批判したように、この著作は舛添の人間性を完膚無きまで世間へ知らしめるトンデモ本であった。

◇中身はといえば、遠い故郷にいる母親をオレはこれだけ苦労して看護し、またそのためにこれだけの大金を投じた。翻って兄弟は何だ!のクレームと糾弾が中心をなす。◇しかも、カネにまつわるそれがメーンだから、しらけることこのうえない。

◇そしてIFSAの手元には、同人の『介護で後悔しないための、お金と心得がわかる本』(PHP研究所・99.09)がある。吹き出すようなタイトルだが、舛添にはお似合いといえよう。

◇その舛添厚労相、豚インフルエンザ(=現在は新型インフルエンザ)がらみの会見でいやにテレビへ出まくるし、また、毅然たるさまを装う会見の表情としぐさがやけに芝居がかってクサイなと直感していたら、MSN産経ニュースが内幕をきちっと報じてくれた。

◇その経緯を時系列的に追ってみれば以下のようになる。

★★【新型インフル】「落ち着いて行動してほしい」
舛添厚労相会見
MSN産経ニュース・09.05.01


◇深夜の厚労相会見要旨をピックアップすると・・・・・・・。◇「横浜市から通報があり、新型インフルエンザ感染の疑いと分かった。患者は横浜市在住の17歳の男子高校生」。◇「国内で発生したので、行動計画にのっとって対策を強化したい。正確な情報が入ればお伝えするので、落ち着いて行動してほしい」。

◇これ自体は別にどうってことはない。◇ただ注目すべきは、大臣会見が5月1日の未明であるという点だけ。

★★【新型インフル】「危機管理なってない」
舛添厚労相が横浜市に怒り・MSN産経ニュース・同上

◇舛添厚労省は会見で、「(前略)感染の疑いがあると診断された横浜市の男子高校生(17)に関する市の対応について、『(市から厚労省に)遺伝子を調べるPCR検査は解析不能との答えがあった後、電話が通じなくなった。組織として危機管理の体をなしていない』と声を荒げ、連携不足にいら立ちを隠さなかった」。

◇「1日未明の厚労省で開かれた緊急会見で『極めて遺憾』などと横浜市を厳しく批判していた舛添厚労相。8時間後の閣議後会見でも怒りが収まらなかった」。

★★【新型インフル】「しっかりしてほしいのは厚労相の方」
知事が痛烈批判・MSN産経ニュース・同上

◇「『厚生労働相の勇み足だ』」。松沢成文神奈川県知事が怒ったらしい。◇「『最終の検査結果が出ていないのに(国の)行政が一方的に騒ぎ、パニックになった』と、厚労相を厳しく批判した」。

◇「松沢知事は『混乱を自ら招いたのに現場の対応が悪いというのは、大きな不満を覚える。しっかりしてほしいのは厚労相のほうだ』」とも語ったという。

◇これら一連の事実を報じた後、産経新聞はシニカルにこう書く。

★★【新型インフル】エンジン全開の舛添厚労相、大丈夫?
MSN産経ニュース桑原雄尚)・同

◇「新型インフルエンザ問題で、舛添要一厚生労働相が連日早朝や深夜に緊急記者会見を開くなど『エンジン全開』で対応している」。◇「厚労省の職員からは『難解な感染症の話を国民に分かりやすく説明してくれる』と評価する声が高まっている」一方、「舛添氏の政治姿勢を『パフォーマンスが過ぎる』と見る向きからは、冷ややかな反応も」。

◇「『国民が一丸となって協力すれば、この見えない敵であるウイルスとの戦いに必ず勝てる。ぜひオールジャパンで全員の力を合わせてウイルスと戦いたい』」。◇「テンションが高めの舛添氏は新型インフルエンザ対策を勇ましい勝負事になぞらえ、全力で取り組む姿勢を強調した」。

◇例の横浜市対応「こき下ろし」場面では、「会見を聞いていた厚労省側に緊張が走った。横浜市側にどんな事情があったかを把握しないままの『遺憾表明』は強すぎないか-。危機感を覚えた厚労省幹部は、広報室職員に『早く会見をやめさせろ』と指示を飛ばしたほどだった」。

◇「実際には横浜市の担当職員は報道機関などの問い合わせ対応に追われており、舛添氏の怒りは『的はずれ』な面もあったようだ」と産経は伝える。

◇産経新聞系のZAKZAK(09.05.02)はその間の事情についてこう書く(★★舛添vs中田インフルバトル「感染疑い」対応めぐり )。◇「厚労省では、感染疑い例が出た場合、遺伝子検査の結果が判明した段階で患者の情報を公開する予定だったが、実はこの時点では、横浜市側から確実な判定結果の報告は届いていなかった」。

◇「緊急会見は、同省担当者から『疑いが濃厚』との連絡を受けた舛添氏の方針で開かれたのだ」。なるほど、ありそうなことで目に見えるようだ。◇「このため、横浜市の担当者はテレビのテロップで舛添氏の会見が始まることを知り『驚いた』という」。◇「会見自体、舛添氏と中田氏(中田宏横浜市長-筆者註)が同時会見する方向で調整中だった」。

◇舛添の前のめりを象徴するもうひとつは、「『私から国民に一刻も早く正確な情報を伝える』」に発する「重大事案は、舛添氏が発表するのが鉄則」。◇そのためもあり、「1日未明の記者会見でも、すでに準備された報道発表資料を早く見たい報道陣と、『大臣が来るまではダメ』と必死で粘る事務方がバトルを繰り広げた」というから、あまりに度が過ぎる。

◇オレがオレがにとどまらず、政治家としてのステップアップ好機を逃すなが丸見えで、かわいそうになるくらい。◇しかし野心家(兼)権力大好き人間の舛添的感性は、そうしたあからさまな行状など何とも思いやしない。◇彼なりの目的を達成するのが第一義なのだから。

◇だが、横浜市の高校生の件が新型インフルに該当しないと分かるや、「(前略)その発表の記者会見は舛添氏ではなく、なぜか厚労省の担当室長だった」というから露骨も露骨。◇「厚労省内からは『大臣は自分に都合の悪い話になると表に出てこない』(中堅職員)との声も聞こえている」。

◇ギラギラ舛添をめぐるこの種の笑い話。MSN産経ニュース(★★【見えない敵-広がる新型インフル(上)】役立つか「行動計画」・09.05.02)は上記にとどまらずまだまだ教えてくれる。◇産経は実にえらいのだ!

◇「厚労省は1日、これまで異なる課ごとに、対応にあたっていた新型インフルエンザ担当が一堂に会して仕事できるよう、会議室を整備した。それに合わせて大臣訓辞がセットされた」。

◇「訓辞開始予定は0時45分。事務次官を筆頭に、担当者ほぼ全員にあたる約120人が、仕事を中断して会議室に集められた」。◇「ところが訓辞が始まったのは1時13分。120人は30分近く、手持ちぶさたに大臣の到着を待った」。

◇「会議室の隅の方で、若手職員同士が小声でささやく。『こんなことで、時間をつぶしている場合じゃないと思うけど・・・・・・・』」。

◇その後、横浜市でのような新型インフル<疑い>のケースが頻出しているが、舛添大臣みずから昼夜を分かたず会見にたったという話は寡聞にして存じ上げない。

◇これが国民に人気のある政治家。いや、これだからこそ人気の出る政治家というべきだろうか。(敬称略)

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2009年5月 2日 (土)

何が五輪!荒川・隅田川の破堤対策=石原知事のリードすべきはその種の根本マター

★★荒川:堤防決壊なら地下鉄97駅水没
毎日jp.・2009.01.23(A)
★★荒川決壊なら都内地下鉄97駅浸水、大半水没
・・・防災会議
YOMIURI ONLINE・09.01.23(B)

◇「中央防災会議の『大規模水害対策に関する専門調査会』は23日、大雨により東京都内で荒川の堤防が決壊した場合について、地下鉄の浸水被害想定をまとめた」。◇「現在の止水対策だけでは、17路線97駅(延長約147キロ)がほぼ水没する可能性があり、決壊後わずか3時間余で大手町駅など都心の駅に水が流れ込む場合もあることが分かった」(A)。

◇「200年に1回の頻度で発生する恐れがある大雨(流域の平均雨量が3日間で約550ミリ)を想定した」(A)。◇「国による水害の地下鉄被害の予測は初」(B)。

◇ところで、「地上の被害がないのに駅や駅につながる地下道などが浸水するのは、後楽園や神保町、霞ヶ関、六本木など。地上よりも早く浸水するのは35駅で、大手町では地上よりも7時間早く濁流が到達し、完全に水没すると予測された」(B)。

◇その理由は「地下鉄が『下水管』のようになり、被害が急速に広がる危険性があることも分かった」(A)から。◇足立区の堤防が決壊した場合は北千住駅の水深が5メートル程度に達して大きな水圧が発生し、トンネルに流入した水が一気に都心へ移動」(A)。

◇そのため「約3時間で大手町駅、約4時間で東京駅が浸水(後略)」(A)。◇「(前略)霞ヶ関や六本木など44駅では、地上は浸水しないのに、駅や駅につながる地下街が水没する可能性が高いとも判明した」(B)。

◇いずれも本年1月の記事だが、はたしてどれだけの人が目にしたことだろうか。もしくは、読んでもどれほど印象に残っていることだろうか。◇だいいち、事件や芸能関係だとすぐ大騒ぎするテレビ媒体などは、この手の地味~な話題にまったく関心を向けない。

◇しかし、<東京低地や埼玉平野、そしてそこを縦横に流れる諸川>の研究もしているIFSAは、この記事にがつんとやられた。◇荒川・隅田川堤防がいつ破れてもおかしくはないとの危機感は人一倍もってきたつもりでも、地下鉄のトンネルが導水管の役目を果たし、まるでウオーターシュートのように大量の水が都心の地下街へ急速流入するとは!

◇地下鉄駅への降り口がマンホール、線路が巨大なる下水道に変化するというわけである。

◇たとえば足立区の千住あたりで荒川(=旧称荒川放水路)隅田川(=旧称荒川)が破堤したとしよう。荒川と隅田川にぎゅっとはさまれ、まるで中之島状態にある北千住の町などはひとたまりもない。◇そして記事のように、東京メトロ千代田線・北千住(地下)駅から水はどっと都心へ。

◇隅田川の右岸(都心側)が破堤となれば、日比谷線・千代田線・つくばエクスプレスの地下駅はまず危ない。◇それから、浅草の東京メトロ銀座線駅や都営浅草線駅も危険ゾーンに入ってこよう。

◇いずれにしろ、都心部ではいままで考えられなかったような人的・物的被害が発生することとなろう。◇もちろんのこと、J関係する地下街やJR東京地下駅もほぼ全滅。復旧までにどれだけの日数を要するか見当もつかない。

◇しかし今回の記事の眼目は<地下鉄のトンネルを通って激流が都心へ>にあるため、逆に視点が<地下>にとどまってしまうおそれがある。◇本質はいうまでもなく、破堤の影響を即受ける、<地上>での地域住民の命と多大なる物損の問題だ。◇とんてもない悲劇が発生するであろうことは想像に難くない。

◇ただ、都民はそんな重大な水害など念頭にもおいていないことだろう。というのも、戦後このかた60年強、北区岩淵(赤羽)より下流の荒川や隅田川がはんらんした経験をもっていないのだから。◇安全はもう日常になってしまっている。

◇そう、これは大正13年(1924)に大枠がほぼ完成、昭和5年(1930)に完工なった荒川放水路と岩淵水門のおかげなのだ。◇幾度とないそれまでの大被害に業を煮やした政府は、荒川放水路開削という世紀の大事業に打って出た。◇多くの反対と住民の犠牲のもと、まさにそれは突貫工事で行われた。難工事そのものばかりか、土地の強制収用面でも。

◇技術屋のトップはお役人の青山士(あきら)。その活躍は高崎哲郎『技師・青山士(あきら)の生涯』(講談社・94.05)に詳しい。◇また、足立区の小学校で先生をしていた絹田幸恵の『荒川放水路物語』(新草出版・90.11)も住民側の視点として参考になる。

◇それはともかく、完成からもう80年近く。荒川・隅田川とも堤防の強化につとめてきたとはいえ、まだまだスーパー堤防化にはほど遠いし、逆にあちらこちらでほころびも目立っている。◇何をおいても国&東京都が真っ先に取り組むべき公共工事であることだけは間違いがない。

◇それを怠れば、上記記事のような惨事ばかりか、沿岸地域の大惨事は免れないのだから。◇マクロ的には、国の機能も日本経済もマヒするほどのハイパー被害をこうむる。

◇07.11.23、東京の三田にて「利根川サミット」なる集会が開かれた。◇栃木・群馬・埼玉からは県知事が、茨城・千葉・東京からは知事代理のお役人が出席。関東地方に戦後最大の水害をおよぼしたといわれる<カサリーン台風>(1947年)被害を2度と繰り返すなの合い言葉のもと、啓蒙活動を展開した。

◇IFSAも出席したが、利根川が再度決壊すれば(=カサリーンの時は渡良瀬川との合流点付近だった)埼玉県とともに甚大な影響を受ける東京都の石原慎太郎知事は欠席。◇テレビが取り上げない渋い話題はごめんだよ、オレが出るほどの集会かといわんばかりの、慎太郎氏の行動パターンを強く印象づけたシーンだった。

◇そこで示された資料によれば、もしカサリーンと同規模の台風が襲い、利根川の土手が切れた場合の被害は、以下のように想定される。【註】*カッコ内はカスリーン台風時。*数字にはすべて<約>がつく。

◇浸水域内人口=230万人(60万人)。◇被害額(一般資産+農作物等)=34兆円(70億円)。

◇あのカサリーン台風時、利根川の東遷・荒川の西遷といった瀬替えにより、もはや主流の座を奪われていちローカル河川の地位に落ちた元荒川(もとあらかわ)・古利根川(ふるとねがわ)・中川等の<過去の川>に沿って水は忠実に流れ、埼玉平野・東京低地のかつての自然地理を思い出させる結果となったのだった。

◇そう、最終氷期を経て後氷期の縄文海進(有楽町海進)がもたらす増水により現出した奥東京湾。海は栃木県にまでおよんだその後、若干寒冷化して海は後退(縄文海退)、いまのような歴史時代の関東平野があらわれたという具合になっている。

◇カサリーン台風による水(溢水)はまさに、海進・海退が生んだ地質学的通路をなぞったともいえよう。

◇カサリーンが教えるように、コトは荒川だけでなく、関東の首根っこにある利根川の堰堤強度問題も避けて通れない。◇そう不安感をあおるなヨといったレベルではない現実的なマターであるだけに、緊急性は高い。◇これぞ真の意味でのハード的公共事業!IFSAはそう考える。

★★16年東京五輪の支持率伸び悩む
全国67%、都内は55%
TOKYO WEB(共同)・09.04.30

◇「共同通信社が28、29両日に実施した全国電話世論調査で、2016年夏季五輪の東京開催に賛成する回答が全国で67.8%にとどまり(後略)」。◇「さらに東京都での支持率は、全国より10ポイント以上低い55.6%で、各種イベントやテレビCMなどのPR活動にもかかわらず、支援が広がっていない現状をうかがわせる結果となった」。

◇この全国ベースでの<賛成>のなかには、「『どちらかといえば賛成』が27.5%」も含まれている。◇「16年五輪招致は4都市が争っているが、2月に各都市がIOCに提出した詳細な開催計画を記した立候補ファイルでは、地元の支持率はシカゴが77%、マドリードが89%、リオデジャネイロが82%で、東京は69%で最低だった」。

◇前述の洪水対策があるから五輪はすべきでない!などIFSAは単純なことは言わない。◇そういう論法をとるなら、社会福祉やインフラの整備が完成しないかぎり、五輪は開けないことになるからだ。◇その論法は、五輪は永遠に招致するなと言っているに等しい。進歩的知識人によくあるところの。

◇ただ、世の中にはバランスというものがある。いまの東京の<バランス>はどうなのか。1964年時点のような<バランス=ハード・ソフト両面の投資効果>を備えているのか。

◇都もその説明が困難と悟っているからこそ、「日本だからできる。あたらしいオリンピック!」などと、いまいちどころか、とってつけたような広告代理店的コンセプトを前面に出してみたり、石原には似つかわしくない、というより苦しまぎれの<平和>を持ち出してみたり、都営地下鉄や都バスをポスターで埋めてみたり・・・・・・・。

◇石原慎太郎に「戦後60年平和を貫いてきた日本で五輪を開催することにより、平和の尊さを世界に訴える」(★★16年夏季五輪:東京招致立候補ファイル 競技施設、都心部に集中・毎日jp.・09.02.14)なんぞ言われても、な~んちゃっての世界ではないか。

◇オリンピック誘致に失敗すれば<責任をとって>都知事をやめる結果、新銀行東京問題はチャラに。◇案外そうなるのではとIFSAは勝手に思い描く。

◇まあそれはそれとして、東京の大水害と2度目のオリンピック開催。◇大河川は国の直轄事業範囲だから、都は直接関与できないだって?冗談よしこさんだろう。

◇それより何より、都民ならびに国民は、首都圏の大水害とオリンピック!この問題のバランスをラジカル(根本的)にどう考えるのだろう。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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