コイズミこそ「笑っちゃう」=読み違いばかりで焦りの色濃い現代の<東照大権現>さま
◇東照大権現とは、徳川家康の死後に後水尾天皇から家康へ勅諡(ちょくし)された神号。その裏では、黒衣(こくえ)の宰相と呼ばれた僧天海の力が大きくあずかったといわれる。◇あの軽~いコイズミを東照大権現になぞらえるなんて家康に申し訳ないが、あながちカリカチュアとばかりも言い切れないアナロジーがそこにはある。
◇ところで江戸時代のほうは、天海の思惑に反し、<東照大権現→東照宮>というイデオロギー操作(=共同幻想構築)が成功することはなかった。民衆の底辺にまで浸透するほどの広がりはみせなかった。
◇一方の21世紀初頭、わがコイズミ東照大権現はピーク時80%以上にもおよぶ国民からの支持を得、これだけ構造改革のイカサマ性が明らかになったいまでさえ、首相候補の2位か3位にはつけている。◇そう、あの種の手合いを日本国民は大好きだからだ。
◇飯島秘書官をプロデューサーとする座長・コイズミは、在任中の5年間、みずから酔いに酔った。◇彼の唯一の目標は、怨念(おんねん)満載の旧田中派つぶし。だから自民党をぶっ壊すとは、旧田中派をぶっつぶすに等しかった。
◇あの郵政民営化も、コイズミが郵政大臣時代いじめられたことへの仕返しの側面があるにせよ、大もとは、田中派の牙城たる郵政族への爆弾投下だったのは間違いがない。
◇郵政解散もまた、田中派への怨念がなせるわざにすぎなかった。◇そう考えなければ、郵政ごときが解散のメーンテーマになるなど想像すらできまい。通常の神経であれば。◇自民党の国会議員ほぼ全員がぶったまげたのもムリはなかろう。
◇そしてこの個人的怨恨(えんこん)のコイズミ流カタルシス(=コイズミはとにかくしつこく、根に持つ性格だ!)に国民はまんまと引きずりこまれ、みずからコイズミを熱狂的に支持してしまった。
◇コイズミ-飯島ラインが賢かったのは、真意を見抜かれまいと、竹中平蔵を道具として利用しまくったこと。◇わけの分からぬアメリカっぽいグローバリズムが、泥臭い私怨(しえん)を隠すに格好の大義名分となり得た。◇そして竹中は竹中で、自身の利害からコイズミを積極的に使い尽くした。
◇ばかを見たのは国民だけということか。◇いやもっと正確に言えば、日本社会が最大の犠牲者となった。◇現在のテイタラクを見ればそれはもはや明らか。ゆえに多くの国民がコイズミカイカクに疑問をいだき始めた。◇ようやくといった感じで。
◇しかしわがコイズミ東照大権現は、意外にも鈍感な男である。微妙な空気の変換に気づきはしない。◇そりゃそうだろう、安倍晋三を後継者に任命したり、麻生太郎を必要以上に引き立てたりと、首相当時からピンズレが際立っていたのだから。◇ヨミの甘さはいまから5カ月前にもあった。そしてこれが、昨今のコイズミの焦りの源となっている。
★★『首相在任の間に 能力使い切った』
地元支持者に 小泉氏、引退を説明
TOKYO Web・2008.09.28
◇この時点ではまだ余裕しゃくしゃく。「小泉氏は今後、自身が顧問を務めるシンクタンクを拠点に政治活動は続ける考えを明らかにした上で、『環境保護と経済発展の両立、食の安全に力を入れたい』などと述べた」。
◇ぶっ壊すと豪語して何も変わらない自民党へ次男を四世議員として送り込む。これこそ<笑っちゃう>だが、キングメーカー気取りの大権現は気にもとめない。◇環境だ、食の安全と、まあ達観を装っていること。判断の背景には以下のような事情も存在したからである。
◇だがこれまたド・ピンズレに陥ろうとは!コイズミの想像力では到底読めなかったのだろう。まったくかわいそうに。◇期待した解散なんてちっとも実現されなかったのだから。
★★【国交相辞任】10月3日解散濃厚に
中山氏辞任うけ、公明が態度硬化。
MSN産経ニュース・08.09.29
◇IFSAは麻生が解散などするはずもないと一貫して主張してきたが、上記産経新聞は大方の専門家ともども大はずれ。◇コイズミもまたその例外ではなかった。麻生はすぐさま退陣、しかし次男は当確でgood!など、のんびり思っていたはずだから。
◇麻生が粘りに粘り、ひいては郵政民営化批判に打って出るなど、<小政局天才>のコイズミは想像だにできなかった。◇ましてや麻生との緊密連携のもと、鳩山邦夫総務相が<かんぽの宿問題>を徹底究明し始めようとは。
◇こりゃヤバイ、引退している場合じゃない!しかしいまさら撤回はできない。◇引退や落選をすれば国会議員もただのひと。権力に対し、何の防護壁にもなりはしない。◇それを知悉(ちしつ)しながらのコイズミの大誤算、それがスタートラインについたのだ。
◇「郵政民営化を堅持し推進する集い」の幹事会での発言<★★小泉元首相「怒るというより笑っちゃうくらい、あきれた」 麻生首相の郵政民営化発言に・MSN産経ニュース・09.02.12> & モスクワでの記者会見<★★給付金「衆院再議決なら欠席する」小泉元首相が明言・asahi.com・09.02.18>での引きつったようなマジ顔は、怒り・焦りと同時にこりゃどうにもマズッた!を見事なまで映し出していて、IFSAは大いに笑えた。
◇軽薄なテレビワイドショーは、小泉劇場第2幕とはやし立てたものの、続いたのはせいぜい2~3日がいいところ。◇さすがの国民もここまで痛めつけられればもはや冷静で、へえぇっといった風情アリアリだから始末に負えない。◇テレビが煽っても、それ以上の広がりは見せなかった。
◇しかもコイズミの読み違いは、これだけにとどまらない。◇今度はタイミングとしての不運が襲ったのだ。◇<★★中川財務相、G7会見で”迷言” 「深酒」や「居眠り」疑惑・TOKYO Web(共同)・09.02.15>といった迫力を前にしては、コイズミ劇場などいまさら幕も開けられまい。
◇<★★「究極の愉快犯」 菅代行が小泉氏批判・MSN産経ニュース・09.02.14>は菅直人らしいキレなるも、現在のコイズミには<愉快犯>的ゆとりなどあろうはずもない。
◇コイズミも竹中も、郵政民営化の<逆行>を怒って見せているうちはまだよかった。◇それがかんぽの宿を入り口とする大疑惑問題へ発展ときては、穏やかでいるなど土台ムリな相談ではないか。
◇他方、竹中平蔵もびびりまくっているであろうし、彼の大臣秘書官をつとめ、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授にうま~くおさまった岸博幸にあっては、<★★「かんぽの宿」への政治対応はモラルハザードの塊・DAIAMOND online・09.02.06号>といったオドオド丸出しの文章を書きなぐり、必死に自己正当化を試みている。
◇「今回の騒ぎに乗じて、様々な政治家や評論家の類いの方が発言していますが、『宮内会長はけしからん』、『売却価格が安過ぎる』、『地元の資本に売却すべき』など、呆れる位に感情論ばかりです」。
◇「第一の問題は、かんぽの宿の一括売却という日本郵政の経営判断を否定するのは、郵政民営化の流れを逆行させるのに他ならないということです」。◇「(前略)年間の赤字は40億円です。鳩山大臣の意向によって、日本郵政は今後数年に渡り多額の追加的なコスト負担を強いられることになるのです。このように民間で当たり前の効率経営が否定されるのは、民営化を逆行させることに他なりません」。
◇「第二の問題は、オリックスの宮内会長が規制改革会議の議長だったことを以てオリックスの入札を否定するならば、政府のすべての審議会について同様の見地からメスを入れるべきではないか、ということです」。
◇「厚生労働省のグリーンピアだって、年金保険料2000億円をつぎ込んだのに48億円で売却されたのです。1万円で譲渡したかんぽの宿が6000万円で転売されたと喧伝されていますが、民営化前の公社時代に行われた極端なケースを以て現在の民間経営を否定するのはおかしくないでしょうか」。
◇もういい。しょぼすぎるからやめておこう。詳しくは岸の原文をご覧いただくとして・・・・・・・。◇どちらがモラルハザードかはそのうえでの判断にお任せしよう。◇コイズミ・竹中、そしてその周辺の関係者たち。攻撃は最大の防御とばかり打って出る気持ちを、IFSAも分からないではない。
◇あくまでIFSAの推論にすぎないが、郵政民営化の闇には東京地検も多大の関心を寄せていることだろう。◇もちろん郵政分野に限らず、<規制緩和→民営化>の美名のもと、行われまくった多くの利権に対しても。
◇余談だが、その後の東京新聞にはこんな記事が掲載された。◇<★★2年内でも譲渡可能 かんぽの宿 対オリックス 契約に『ただし書き』・TOKYO Web・09.02.20>。◇なるほどというべきか、やはりというべきか。
◇IFSAの記憶では、落札後もオリックスは雇用を守ってくれる、だから表面価格の多寡だけで論じられても困る、日本郵政はそう言っていたはずだけどネ。(敬称略)
★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★


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