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2008年12月30日 (火)

IFSA注目の地味な記事=<公明頼りの自民に自主復元力はなし>ほか(08.12.21現在)

★★「比例は公明」完全解消も
古賀氏、協力見直しに言及
TOKYO Web・2008.12.16(A)
★★古賀選対委員長、公明との選挙協力見直し言及?
YOMIURI ONLINE・08.12.16=(B)
★★民主との大連立含み!?
古賀「公明との協力見直し」
逆風の中で自民党内の引き締め
ZAKZAK・08.12.16=(C)

◇幹事長の職能から選挙部分のおいしいところを奪って得意顔の古賀誠が、何を思ったか以下のような発言を。

◇「(前略)古賀氏は『比例の180議席をみすみす公明党に渡していいのか。”小選挙区も自民、比例も自民”だ。自民党は自民党の政策で戦わなければ弱体化する』と強調した」。◇「さらに古賀氏は『まさに今、自民党は比例票が問われている。比例票が入らないような変な言い方はやめるべきだ』と述べたという」(A)。

◇この主張、読売によれば「小選挙区で公明党の支援を受ける見返りに、比例選で公明党への投票を呼びかける手法の再考が必要だとの考えを示したものと見られる」(B)となる。

◇ではなぜこのタイミングに突然こんなことを言ってのけたのか。◇どうやら、「(前略)(自民党各派閥事務総長を集めた会議の-筆者註)同席者が『宗教団体関係者から公明党を切るべきだと言われた。自民党の支持層が戻る』と指摘したのを受け(後略)」(A)の事実があったようだから、おおよその察しはつく。

◇だが現実はそんな甘いものではない。◇公明=創価学会ルートを切って他の宗教団体へシフトだって?そんなもの、夢物語にもなるまい。◇公明党との連立がなければ、現在の自民党政権など21世紀に入ってからは存在していないはずなのだから。

◇そう、あのコイズミ政権ですら公明党頼りだったという事実を見逃してはならない。◇だからこそ、筋金入り公明嫌いのコイズミも首相になるや、コロッと公明党に膝(ひざ)を屈したではないか。

ZAKZAKはこういう。◇「全国で800万票以上あるとされる公明・学会票は、支持基盤が弱体化している自民党にとって『最大の支持母体』ともいわれるだけに、古賀氏の真意が憶測を呼んでいる」(C)。◇さらにはこうも指摘する。

◇「小泉改革や市町村合併などで自民党の支持基盤は弱体化しており、そのマイナス分を公明・学会票が補ってきた」。◇「このため、『公明党との選挙協力を解消した場合、50人から100人の自民党議員が落選する。下野は必至だ』(永田町関係者)とさえいわれる」(C)。

◇顔は必要以上怖いくせに、小心この上ない古賀誠。◇コイズミ時代から時々正論?をはいてみては直ちに引っ込め、結局は強きにつくというオポチュニストぶりを遺憾なく発揮してきた。◇しからば今回もまたどうせエクスキューズだろうとIFSAは見ていたところ、案の定、翌日には以下のような結末へと行き着いた。

★★自公、比例協力を再確認
古賀氏発言 誤解された』
TOKYO Web・08.12.17(D)
★★自民党:古賀氏自ら釈明「自公で過半数」
毎日jp.・08.12.19(E)



◇「この日の会合(=自公両党の幹事長、政調会長、国対委員長会談-筆者註)で、自民党側は『古賀氏の発言は誤解されて、伝わった』として、古賀氏の本意ではないと説明。公明党側も自民党側の説明を受け入れた」(D)。

◇なるほど!では逆に、上記発言のどこをどう解釈すれば<誤解されずに伝わる>というのか、あらためてお聞かせ願いたい。◇そして当の古賀は、毎度のように恥も外聞もなくこう語る。

◇「自民党の古賀誠選対委員長は19日夜、大阪市内で開かれた自民、公明両党共催の国政報告会であいさつし、両党の選挙協力見直しに言及した自らの発言を念頭に『選挙協力は広く奥深く、それぞれの政党の歴史・伝統を尊敬し、自公で過半数を取る戦略を作り上げることが大事だ。敵は野党だと忘れずに戦おう』と釈明した」(E)。

★★太田公明党代表、
古賀発言を「とんでもない」と批判
MSN産経ニュース・08.12.20


◇公明代表の太田昭宏は「(前略)古賀氏から太田氏に対して『代表にもご迷惑をかけた』と釈明があったことを明らかにした。その上で、『協力関係は今までと変わりないことが原則で、自公で衆院の過半数をとることを確認した』と強調した」。

◇古賀発言の背景には、太田公明党にここまで引っ張り回されるのは我慢がならない、バアマキ定額給付金など公明圧力弊害の最たるものとの、自民内部に鬱積(うっせき)する不満があったのは間違いがない。◇しかし公明党を怒らせたらアウト!

◇これが物語るように、自民党単体はコイズミ時代からもうとっくに破綻していたのである。

★★駒大が理事長”解任”
・・・デリバティブで154億円損失
慶応、立正・・・各私大も巨額損
ZAKZAK・08.12.19(F)
asahi.com()
★★愛知大も運用損28億円
「新キャンパス計画影響なし」
asahi.com・08.12.17(G)

◇このほかにも、名古屋の南山学園(=中核は南山大学)が34億円の損失計上とか。◇単なる素人が、持ち前の不動産をてこに大けがを。自身いかに舞い上がっていたか、証券投資会社等がいかに調子よく食い込んでいたかが目に見えるようではないか。◇かと思えば、まるで当然のようにこんな現象まで。

★★ヴィトン銀座”世界最大級”店舗計画、
消費不振で撤回
ZAKZAK・08.12.16

◇先日久しぶりに銀座の老舗文具店・伊東屋へ行ってみたら、両脇をいわゆるブランドもののビルにがっちり囲まれていてびっくりした。◇外には一流ホテルよろしく、ドアマンのようなお兄さんがウロウロしている。◇<日本人はくみしやすいカモ>を銀座の一等地で世界へ向け発信しているようで、みっともないったらありゃしない。

◇ヴィトンは「米国発の金融危機の影響で高額商品の消費が不振となり、出店計画の修正を余儀なくされたという」。◇「同グループは、銀座の数寄屋橋交差点近くに2010年完成予定の『ヒューリック数寄屋橋ビル』(地下4階・地上12階建て)をほぼ1棟借り受け、パリ店に匹敵する旗艦店とする計画を進めていた」。

◇バブル崩壊はまことに健全なことといえます。

★★NY原油、一時40ドル割る・・・4年5か月ぶり
YOMIURI ONLINE・08.12.18

◇IFSAがずっと主張してきたように、投機資金さえ引き上げればこの健全性。どこの誰だ、原油高騰の最大要因は需給逼迫(ひっぱく)にありと煽(あお)りまくってきたのは。◇IFSAの知る限り、東京の安いGSでは、レギュラー95円、ハイオク105円にまで下がってきている。

◇一時は200円台の看板を新たに用意しなければと言っていたのに。◇中東情勢の混迷が原油価格にどう影響するかを別とすれば、経済は需給関係の影響を受けているのがイチバン。◇ギャンブルに引っ張り回されるなんかとんでもない。

★★ドバイにも金融危機の影
・・・止まったクレーン・解雇の波
YOMIURI ONLINE・08.12.21

◇「世界一高いビル、世界一豪華なホテルなど『世界一』を冠する建築物を次々に登場させ、21世紀に入って猛烈な勢いで発展を続けてきたドバイ」。◇「中東の物流・金融センターとして、200に及ぶ国籍の労働者や投資家を引きつけてきたこのペルシャ湾岸の小さな首長国にも、金融危機の影は忍び寄っていた」。◇結構でした。

★★特区利用の大阪・LCA大、
来年度の学生募集停止
asahi.com・08.12.17

◇「構造改革特区制度を利用して設立された『LCA大学院大学』(大阪市・学長=山崎正和中央教育審議会会長)が、来年度の学生募集を停止する方針であることが17日わかった。学生が定員に満たず、経営の苦境が続いているという。現在の学生が卒業するのを待って、大学自体を廃校にすることも検討されている模様だ」。

◇これまたコイズミカイカクの産物であるコウゾウカイカク特区。ろくなものではない。◇しかも、あの一家言ある山崎正和が学長とくるからあきれる。◇IFSAも若いころ、彼の戯曲や評論をよく読んだほうだが、アタマは涼しいのに最後は権力サイドへぺったりという習性の不思議な人物だった。

◇それにしてもこの<特区>。中国のマネだか何だか知らないが、命名からしてクサイ!◇時の空気を利用して調子に乗り、そして舞い上がり。冗談ヨシコさんのたぐいでしかないのだ。

《IFSAがピックアップした欄外あるいは論外記事》

★★「あんまんじゃない!」と
同棲相手を金づちで殴打
ZAKZAK・08.12.17

◇「(前略)土浦市内の女性(57)宅で、女性に『あんまんを買ってきて』と依頼」。◇「女性は、品切れだったあんまんの代わりにチョコまん数個を、近くのコンビニエンスストアで購入したため、『頼んだものと違う』と激怒し、女性宅にあった金づちで女性の頭を数回殴り、全治3週間のけがを負わせた疑い」。◇コメントは割愛する。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2008年12月23日 (火)

IFSA注目のベタ記事=<石原伸晃総裁こそ自民党相応のレベル>ほか(08.12.14現在)

★★揺らぎ始めた「3分の2」
政権に見切り、分派活動
asahi.com・2008.12.09

◇「朝日22%、読売21%、毎日21%--。全国紙が8日、麻生内閣の支持率急落を一斉に報じ、麻生首相のままでは与党が総選挙を戦えないことが鮮明になってきた」。◇「自民党の下野が現実味を増すなか、政界再編に活路を見いだそうとする動きも出てきた」。

◇「首相批判の急先鋒(きゅうせんぽう)である渡辺喜美元行革担当相」はテレビ露出でもよく知られる存在だが、その「渡辺氏は塩崎恭久元官房長官らとともに衆参の中堅・若手24人」の中心メンバー。◇しかし実態は口ほどもなく、塩崎ともども迫力に欠けることおびただしい。

◇かつてのような党人政治家とはちがい、彼らはみな2世議員の甘ちゃんぶりをおしげもなくさらしまくる。◇老練かつ老獪(ろうかい)、胆力ある自民党旧型政治家からすると、おとといやってろ程度のパフォーマンスにしか見えないことだろう。

◇にもかかわらず、言うことだけはご立派とくるから、みっともなさが一層際立つ。◇「24人の会の一人は言う。衆院議員17人が造反すれば再可決に必要な『3分の2』を割り、麻生政権はたちまち立ち往生してしまうのだ」だってサ。

◇24人が48人にまで伸長したとのウワサもある。どうぞどうぞ、がんばってやってください。◇バナナのたたき売り的口上に近いけれど。

◇かと思えば、そんな渡辺などより能力・度胸とも数段劣る<ちゃま>こと石原伸晃幹事長代理が何を勘違いしたか「『自民党国会議員の7割から8割が、麻生政権で選挙をやって与党にいられるのかと疑問を持っている。私たちは、がけっぷちにある』」と発言し、言っていること自体は正しくとも笑いものとなった。

◇ああどうせ間をおかず、いつものように言を左右しては弁明にこれとつめることだろう・・・・・・・。◇議員のほぼ全員がそれを分かっているから、誰も信じはしないし相手にもしない。◇しかもこのひ弱で無能な<おぼっちゃま>、現職は幹事長代理というからわきまえていない。

◇そしてこの<ちゃま>、「前日、所属する山崎派幹部に『24人の会に参加したいが、どうすればいいか』と相談し、引き留められていたという」。◇この「どうしたらいいか」は傑作で、これほど石原の実態を如実に物語るコトバもそうはあるまい。

行革担当相・国交相といった大臣の座にあった際、日和見と指導力のなさから評判を落とすだけ落としたとはいえ、その後、親の七光りか自民党の政調会長までスピード出世した人間が、いまだ「パパ・ママ、どうしたらいいの?」っていうんだから、<政策新人類>が聞いてあきれる。

◇にもかかわずマスコミはことあるごとに、彼こそ世間では「将来の首相候補」に擬せられていると持ち上げ、本人も取り巻き連中もその気になる。◇自民党の<人材>がここまで払底し、ハイパー軽量級になると、IFSAとしては批判どころかあっけにとられる以外になく、リキは入らない。

◇ところで、石原の「がけっぷち」発言はその後ぴたりと沙汰(さた)止みに。◇どうせウラで大幹部からしこたま怒られ、シュンとしたのだろう。

東の横綱・石原伸晃西の横綱・山本一太このオポチュニズムの権化のような<2ばか大将>が現在の自民党を象徴するとIFSAは考える。◇いくら何でもそんな、特に山本?たとえそう言いたい人がいたとしても、これこそが自民貧困の厳然たる鑑(かがみ)なのである。◇だ・か・ら、自民党ばかりが日本社会全体が劣化しまくっているといえるのだ。

★★麻生首相は「3年後に消費税アップ」
細田自民幹事長は「3年で景気回復は不可」
08.12.17のテレビニュースから

◇公明党とスジ論の板挟みになっている彼らは、こうしたダブルスタンダードで内閣支持率20%を切り抜けようともくろむ。何ともカラダが強い。

◇片や首相は、断行する気もないものを勇気アリのごとくに打ち出してみせ、他方の幹事長は、景気回復など3年で成就するわけはないから公明党さん大丈夫ですよ、まずは首相に言わせるだけ言わせてあげてください、と懇願する。

◇これなら石原伸晃総理総裁でも十分につとまるといえよう。

★★新交付金:所管再び国交省
・・・8割、道路整備に決まり
毎日jp.・08.12,12

◇「政府・与党は11日、09年度からの道路特定財源の一般財源化に際して創設する1兆円規模の『地域活力基盤創造交付金』(仮称)について、国土交通省の所管とする方針を固めた」。◇「(前略)新交付金の8割を道路整備にあてることが決まったため、国交省を通じて地方に配分する形に落ち着きそうだ」という。

◇だか~らいったじゃないの~、「道路特定財源の一般財源化」なんて絶対にダメだと。道路特定財源自体を廃止しべきだと。◇「道路特定財源の一般財源化」なる詐術をいまだ善政のごとくに評しているテレビメディアが信じられない。まったく。

◇目的税を違う目的に使いだす。だったらその目的税は使命を終えたのだからいったん廃止。◇それが世の常識というものだろう。

★★「犬野郎」 イラク人記者、電撃訪問の
ブッシュ米大統領に靴投げ付ける
MSN産経ニュース・08.12.15(A)
★★「かわすのは得意」と米大統領
記者会見で靴投げられる
TOKYO Web・08.12.15(B)


◇「大統領は姿勢を低くして2度とも靴を避け、『事実を申し上げれば、あの靴は10号サイズだった』と冗談を口にして混乱を収めた」(A)。◇ブッシュ大統領は「(前略)『かわすことは得意なんだ。お気付きかと思うが、君たちの質問もね』と同行記者団に冗談を飛ばした」(B)。

◇身のこなしのやわらかさだけでなく、このジョークはなかなかのもの。◇どこかの首相のような、慣れない地方紙記者へ向かってマジ顔で「あなたとは違うんです!」に比べれば、あのデタラメ・ブッシュといえども貫禄(かんろく)において雲の上の存在と映る。

◇それにしてもシークレットサービスのちんたらしていること(=左右ともの靴を平気で2連投されていた)&隣のマリキ・イラク首相が微苦笑?しながら隣で平然と見ていたこと。◇ビートたけしのアタマに洗面器が落ちてきたような悠長さとおかしみをIFSAは感じてしまったのだが。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2008年12月18日 (木)

IFSA注目のシブイ記事=<ブッシュも反省。なのに小泉・竹中は>ほか(08.12.07現在)

★★ブッシュ大統領
「戦争の心構えなかった。誤情報が痛恨
asahi.com・2008.12,03

◇正直といえば正直だが、世界への影響力トップにランクするはずの人間がいまさら何だこりゃの世界。◇ネオコンどもの悪巧みのために米兵が4千人近くも死んだ、この戦争にいったい何のイミがあったのだ、<失敗>ではないかとの論調が一般には支持を得やすい。

◇たしかに国家の命令で戦地へと赴かされた若き兵士たちの死、それ自体は大変に重い。◇しかし他方では、イラク人が15万人以上も亡くなったといわれている。◇米国は土足で攻め入り、イラクはただただ勝手に攻撃にされて国民がこれほどまでの犠牲をこうむる。

◇冗談じゃない。人の命に軽重はなくとも、まずこの受け身の15万人から立論しない論評などIFSAはまったく信じはしない。◇往々にして<先進国>視点でしかモノを見ようとしない風潮は厳に避けられるべきである。◇15万人の死がそれほど報道されないからといってnegligible?発展途上国の国民は虫けらとでもいうのか。

◇たとえば、米兵の死が百人でイラク人が15万人超の犠牲。◇そうであれば、きわめて<効率>のいい戦争だったから成功!とでもいいたいのか。◇それは好戦国アメリカのリアルな論理であって、われわれがそんなものに付き合わされる筋合いはない。

◇当のブッシュ大統領は、テレビインタビューにこうこたえたという。◇「(前略)『大統領の職にあった中で、最大の痛恨事はイラクの情報の誤りだった』(後略)」。◇ブッシュは「イラク戦争開戦の大義とされた大量破壊兵器が見つからなかったことを、今さらながら悔やんだ」。

◇「その後の調査報告などで(フセインによる大量破壊兵器隠しは-筆者註)否定されたが、政権末期となった今、明け透けな反省の弁を口にした」。◇「イラク戦争について『多くの人がフセインを排除する理由に大量破壊兵器を挙げていた。政権の人間だけでなく、多くの議員もそうだった』などと釈明し、『情報が違っていたら、と思う』と語った」。

◇ここにあるのは、みずから仕掛けたイラク戦争が泥沼化し米国をガタガタにしてしまったことへの<反省>のみで、イラク人を15万人超も殺したうえ、ひとの国土を破壊したことへの痛みなどまるでない。

◇ブッシュ政権ではチェイニー副大統領や当時のラムズフェルド国防長官・ウルフォウィッツ副長官(=国務総省はネオコンの牙城だった!)らタカ派が突出しまくり、その高揚感の中、ハト派といってもいいパウエル国務長官が国連安保理で大量破壊兵器の<証拠>を示してはイラク侵攻の正当性を長時間主張(パウエル報告=03.02)したシーンを覚えている人も多かろう。

ラムズフェルドにいたっては、米国に逆らったフランスとドイツを「古い欧州」とあざけり、得意満面。◇わがコイズミ・ジャパンはといえば、頼まれるよりも前に米国の家来をさっさ&せっせと勤め上げたのだった。

◇ブッシュですらいまや勝手ながらの<反省>を口にするというのに、<フセインがつかまらないからといってフセインがいないことにはならない。大量破壊兵器が見つからないからといってないことにはならない>の奇妙きてれつなレトリックで国会を乗り切ったあのコイズミは、いまだ謝罪どころかエクスキューズもなしで大きい顔をしている。

◇いや、日本という社会が大きい顔を平気でさせている。◇当の国民はそんなこととうに忘れ去り、この際コイズミにきっちり総括させるという意図さえない。◇得意の、<終わったことを今さら言ってもネ>のスタイルなのだ。

◇そしてあの竹中平蔵は、日本社会がメタメタになり、コイズミカイカクの罪悪が明白となったいまでさえ、カイカクが足りないからこうなるのだとうそぶいている。◇にもかかわらず、日経新聞をはじめとするマスコミは、そんな竹中センセイに平気で駄文を書かせたり、テレビに出演させたりている。◇いったい何という国だろう。

★★話し合いでタクシー減車
→談合にあらず 国交省が方針
asahi.com・08.12,05(A)
★★タクシー過剰地域で減車促す新制度
国交省が最終報告案
NIKKEI NET・ 08.12,05(B)

◇「国土交通省は5日、台数が増え過ぎて過当競争が起きているとの指摘もあるタクシーについて、複数業者の話し合いによる減車を促す法改正を目指す方針を明らかにした」。◇「談合とみなされないよう、『お墨付き』を与える」。

◇「国交省は、都市部などでのタクシーの過当競争が運転手の労働環境を悪化させているとの認識がある」(以上A)。◇いわばカルテルを官主導でつくらせ、公取に認めてもらおうとの算段らしい。

◇「導入する制度は新規参入への審査を厳しくするなど規制強化色が強い。タクシー業界は2002年の参入自由化後、約6年間で規制の再強化へとかじを切る」(B)。◇こうした動きは何も最近始まったものではなく、仙台を発端に昨年からすでに運用されてきた。

◇たとえば<★★タクシー参入厳格化 6地区で 仙台は新規禁止へ・asahi.com・07.11.20>のように。◇ここでいう6地区とは「札幌、北海道旭川、仙台、長野、富山、広島」で、「交通事故増加など規制緩和の悪影響が出てきたとして、規制の一部強化にかじを切る」というものであった。

◇「タクシー業界への新規参入や増車は02年、国による免許制から許可制になった。それをきっかけに首都圏や地方の中核都市で台数が急増。運転手の収入が減る一方で事故が増えていた」。

◇この辺に関しては、毎日jp.08.07.05<★★クローズアップ2008:タクシー規制再強化 緩和、ひずみ生む>で当然のことを当たり前のように論じている。◇<狂風>というしかない例のコイズミ旋風もようやくメッキがはげ(=それにしても5年間とは長かった!)、マスコミも国民もようやく普通の感覚に戻りつつあるということなのか。

◇代償はあまりに大きすぎたけれど。◇まさに国民みずからが積極的に失った5年

◇「市場原理機能せず」として毎日新聞はこう書く。◇「タクシーは、利用者がサービスの良い事業者を選ぶのが難しいという特徴がある。一方、運転手の賃金は歩合給が主流で、非効率な事業者でも賃金を下げれば利益を確保できる場合が多い。経営者がリスクを負わないため、自由競争を通じた淘汰(とうた)が起きない構造だ」。

◇国交省交通政策審議会の「作業部会では『(規制緩和で期待された)市場原理は働かなかった』『規制は悪、規制緩和なら善という風潮はおかしい』などの指摘が相次いだ」。

◇ハハハ、<規制は悪、規制緩和なら善>といった単純二分法を2002年出版の拙著以来ずっと批判し続けてきたIFSAとしては、これを読んで逆に力が抜けてしまう。◇いつの時代も、マッチポンプが世の中を領導していくかのごとき図式をあからさまに見せられて。

◇国民もそのほとんどが、<規制緩和>なる絶対善的名辞に飛びついては酔いしれ、中身など検討することもなくヨッシャ!と支持しまくってきたというのに。◇あの郵政民営化だって、<民営化=絶対善>の単純図式にあっけなくもころっとやられた。

◇コイズミ・竹中はそのからくりをうまく利用し、それによって利益を生む者のために社会をガッタガタにしたのだった。

★★大阪中央郵便局を40階建てに再開発
劇場も併設
MSN産経ニュース・08.12,06

◇丸の内の東京中央郵便局ばかりか、ここ大阪も。◇大都市の玄関口にはどしっとした中央郵便局があって・・・・・・・といった昭和の風景は、郵政民営化によっていとも簡単にぶっ壊されていく。◇<民>(=実は道路公団と同じ疑似民)だから何をやっても文句ないでしょうとばかりに。

★★アパ代表のみ田母神氏に最高点 論文審査で(C)
★★田母神氏の応募、審査前から認識 アパ代表(D)
asahi.com・08.12,01

◇タイトルだけからもモロなれ合いの審査風景が目に浮かぶようだが、それより何より、審査員だったという右派系お歴々(花岡や渡部)の頼りなさのほうがおもしろい。◇上記朝日新聞から、審査員の談話部分を引用させてもらおう。

◇特に、国士?を気取るであろう人たちの、何と腰と肝の座らないことよ!日ごろのエセ過激さとのコントラストが絶妙ではないか。◇今回の田母神作文事件は、彼らの実態をさらけ出してくれただけでもgood!であった。

小松崎和夫・報知新聞社長 「こんな騒ぎになったのでよく考えてみると、元谷代表が田母神氏を最優秀にしようと考えればできたと思う。(中略)通常の懸賞論文とルールが異なっていたが、審査時は『お金を出しているのは元谷さん』という意識があり、追及しようと思わなかった。不思議なのは審査が粛々と進んだことだ。元谷代表に乗せられたのか判然としないでいる」。「

*花岡信昭・産経新聞客員編集委員 「(前略)採点では最高点を付けなかったが、『日本人よ、誇りを取り戻そう』といったメッセージが明確で雑誌論文的で読みやすかったことから、その後の議論の中で最優秀とした。審査は公正だったと考える。(後略)」

*山本秀一・中山泰秀衆院議員秘書 「審査では元谷代表が田母神論文を強く推し、審査委員もそうした空気につられた感じがする。私自身は(中略)田母神論文には違和感があり、採点では低い評価にした。振り返ってみると(中略)、田母神氏に賞金を渡すための懸賞論文だったと見られても仕方がないのではないか」。

*渡部昇一・上智大名誉教授の話 「審査はスムーズだったので特に記憶に残っていません。雑誌『WiLL』に書いた審査の経緯が私の記憶です。他の方の記憶と違うかもしれませんが、それはその方の記憶です」。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2008年12月15日 (月)

IFSAのおすすめ=浜松市郊外の秋野不矩美術館。遠いけれど訪ねる価値は大いにアリ

1週間のブランクとなってしまいました何事も新年(もしくは新年度)から模様替えというのが世の中の常でしょうが、IFSAは本日からマイナーチェンジといっても、それほど大げさなものではありませんその趣旨は、(1)読んでいただきやすいよう、本文を従来よりは短く(2)できれば(=願望)その分、回数を増やす(3)中身が即分かるよう、タイトルにキーワードを挿入

前回から【かなり気になる、先週の<ベタ扱い>的重要記事】【IFSA注目のシブイ記事=○○○】に変えたのもそのためですというわけで、本日が初回となる<IFSAのおすすめ>シリーズほか、<IFSAのイマイチ><IFSAのブーイング>などもコラム調で執筆していきますどうぞご期待ください

◇晩秋に静岡県藤枝市の志太温泉・潮生館へ出かけた。◇藤枝に温泉が?私もそう思ったが、妻が探してくれたこの旅館、風情と内容たるやなかなかのもの。◇ここについてはあらためて<IFSAのおすすめ>で取り上げたいと思う。

◇建物フェチのIFSAとしては、旅館の建物が「登録有形文化財」というだけでもひかれるけれど、食事もお風呂も変に気取っておらず、われわれ夫婦にはフィットするものだった。◇志太温泉とはいっても旅館はたったの2軒という市内の温泉。◇それも、国道1号バイパスの谷稲葉ICJR藤枝駅からそう遠くはないところに位置し、ひなびた場所などではない。

◇それはさておき今回の1泊旅行、翌日はどこへドライブしようかと大いに迷った。というのも、この周辺はほとんど走りつくしているからだ。◇旅館でふたりして静岡県地図を見つめるうち妻の見つけた地点が、浜松市郊外にある秋野不矩(ふく)美術館。少々遠くても絶対に行きたいと妻は言う。

◇というのも、2008.8~10に神奈川県立近代美術館・葉山で開催された<生誕100年記念 秋野不矩展>を見に行き、秋野のとりこになったらしいからだ。◇たしか新聞の展覧会案内かなにかで代表的な絵を目にし、これはと思って私が誘ったものと記憶する。◇そうはいえ、ふたりともそれまで秋野の名すら知らなかったというのが実情で、恥ずかしいかぎり。

◇社会科学のことならまだしも、絵画はイロハのイさえ語れないIFSAとしては、無粋な略年譜をもって彼女のことを伝えるしか能がない。

◇*1908・静岡県磐田郡二俣町生まれ。*1926・静岡県女子師範学校2部(現・静岡大)卒業。*同・磐田郡の尋常高等小学校教師。◇*1929・京都に出て日本画を学ぶ。*1930・帝展初入選。◇*1962・インド初滞在(1年間)=54歳。*現・タゴール国際大学客員教授。*以後91歳まで何度も海外(インド・ネパール・アフガニスタンほか)へ。

◇*1966・京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)教授=58歳。*1991年・文化功労者。*1999・文化勲章。◇*2001・没。93歳。(以上、同展カタログより)

◇ところで、前日の夜にやっと決めた秋野美術館行が思わぬ効果をもたらしてくれることに。◇というのも、われわれの最近の旅行は年相応といおうか、あそこもここもはなくなり、どこか目標地点を1カ所決め、あとはそこへと至る地域の<生活的ルート>を心から楽しむという具合に変化した。

◇すると、日本の原風景のようなものが向こうからするっと飛び込んできてくれる。◇それをありがたくちょうだいする・・・・・・・といったスタイルになってきた。◇一度この味を覚えるとたまらない。またすぐに出かけてみたくなる。

◇今回もこの秋野美術館というターゲットが定まったおかげで、藤枝市から浜松市天竜区二俣町までの道中(=大半が農村地帯)を存分に楽しむことができた。◇そうでもなければ、まず旧・天竜市を訪れる機会などめったにあるものではない。

◇そしてこの気まぐれドライブ最大の副産物が、たまたまの通過点となった静岡県森町。◇「るるぶ」に掲載されていた森町のそば屋さんをまずカーナビでセットすると、天竜浜名湖鉄道・遠江一宮駅の広場(といっても、新旧の公衆トイレがあるだけ)に連れて行かれた。

◇きょろきょろすれば、何と駅舎の中に目当ての「百々屋」が。◇昼食をとり、無人のホームに入っては撮影もし。実にのどかで心が和む。

◇さてせっかくだから食後にどこかの寺社へと思っていると、小國(おくに)神社がすごいとの情報を得る。◇早速ナビにインプットして神社に近づくや、観光バスが何台もいる、大勢の人が鳥居の前で写真を撮っているで、予想もしない相当の神社であることを知らされた。◇聞けば、遠江の一宮とか。

◇建物はもとより、境内の右奥に広がる古代の森がこれまたすごい。しかも季節がドンピシャだったため、その紅葉の見事なこと。◇小さな川に沿って真っ赤に染まった森の中を歩くと、過疎地?が一転、まるで繁華街のようなにぎわいで、ああ、これを目当てに来ている人も多いのだろうなと納得した。◇遠州の奥入瀬といっても過言ではない。

◇そしていよいよ本日のメーンイベントである浜松市天竜区の市立秋野不矩美術館へ。◇浜松市は07年に政令指定都市となったが、ここ天竜市までをも吸収して天竜区へ。

◇われわれのイメージする<区>に照らせばずっこけるほかはないローカルぶりで、無理筋の<上げ底政令都市>がすけて見えるようだ。◇天竜市のほうがよほどいいのにと、余計なお世話で考えてしまう。◇いったい何なのだ、平成の大合併って。

◇目指す美術館は丘の上にあった。一瞥(いちべつ)するだけで建物自体の魅力に引き寄せられてしまう。◇IFSAは美術館・博物館へ行くたびに、まずは設計者名を聞くことにしているが、パンフレットにも未記入のところが多いばかりか、建物にとんと関心を払わない館があったりして拍子抜けすることもしばしば。

◇ところがこの美術館はきっちり記載していた。◇えぇっ?何とあの藤森照信ではないか。建築史評論とエッセー、それにすぐれた書評子としてIFSAの大好きな。

◇建築史家の藤森は建築卒業でありながら50歳近くまで設計はしていなかったはずだが、その後、盟友の赤瀬川原平邸や自宅(タンポポハウス)などの作品で、建築家としても一躍有名になった。◇そしてこの美術館は98年の作。以後、精力的に作品を発表していく。

◇絵に素養のない私は、これ幸いともっぱらこの建物を楽しむこととなってしまった。◇もちろん、秋野の作品群にもあらためて圧倒されたけれど。◇絵画と建築。この両方を見るに、旧・天竜市というロケーションはけっして遠くないと思われる。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2008年12月 6日 (土)

IFSA注目のシブイ記事=<バクチ資本主義・グルジア・官僚の高慢>ほか(08.11.30現在)

この間の麻生自民党に関する新聞記事は、5回にわたる下記連載をご覧ください
<麻生首相が早期解散などできないのは最初から予想された=なのにマスコミは!(上)>(08.11.08)  & <福田流客観認識のピンズレ→麻生首相は解散などしたくない=なのにマスコミは!(中)>(08.11.13) & <麻生首相、「選挙パンダ」としても失格。いまや自民の恥=なのにマスコミは!(下-1)>(08.11.19) & <歴代まれなる泡沫首相を選挙用に担ぎ上げた自民党=なのにマスコミは!(下-2)>(08.11.30) &<勝ち馬・麻生に乗っただけの自民党。そのとがは十分想定内=なのにマスコミは!(完)>(08.12,03)

◇では本題へ・・・・・・・。

★★牧太郎の大きな声では言えないが・・・
大学の「開運勝利散」
毎日jp.・08.11.25

◇「1800年代の初め、文化年間、奇妙キテレツな”夢の粉薬”が登場した。飲めば必ずバクチに勝つ!という『開運勝利散』」。◇「『開運勝利散』は1日に40両前後の売り上げを記録した(当時としては大変な売れ行きらしい-筆者註)。(中略)もちろん『開運勝利散』を製造・販売した武家は早々と江戸から姿を消した」。

◇「赤子の手をひねるように、大学経営者をデリバティブ(金融派生商品)取引に誘い込んだ外資系の人たちは、どうやら『開運勝利散』のたぐいだったような気がしてならない」。◇「駒沢大学などはキャンパスの土地・建物を担保にして、銀行から110億円の融資を受け、急場をしのぐようだが(後略)」。

<★★駒沢大学:金融危機で154億円運用損・・・キャンパスも担保・毎日jp.08.11.19>の翌々日には<★★立正大、資産評価額で148億円損失・YOMIURI ONLINE・08.11.21>の報道が。◇前者は損切りをしたから損失確定だが、後者は持ち続けるから現時点では含み損。しかし本質は変わらない。

◇奥歯にものがはさまったは性分に合わない江戸っ子・牧太郎は単刀直入に言う。◇「アメリカの住宅ローンも決して間違っていなかった。ブッシュの『持ち家政策』も間違っていない。ただ住宅ローンの高い収益性に着目し『ぬれ手であわ』のウォール街が参入してから始末に負えない状況になった」。◇「『開運勝利散』はインチキだ」

◇しかしこんなことをデリバティブ隆盛のさなかに言おうものなら、引かれ者の小唄と鼻であしらわれるに決まっている。◇2001~2005年ころにコイズミ批判などすれば、このへそ曲がり・ひがみ根性と揶揄(やゆ)されたように。ヘタをすれば友人まで失いかねない。◇当事者のIFSAが言うのだから間違いはない。

◇そして日本人はそれらをケロッと忘れ、次にはギャンブル資本主義や格差社会、規制緩和などを臆面(おくめん)もなく非難し始める。◇その判断基準はいつも<世の中の流れ>。◇IFSAはこれを真の意味の<転向>と呼ぶ。<転向>とは戦前左翼のそれではないのだ。

◇一昨日、IFSA収集のデータを見返していたら、竹森俊平(慶大教授)「サブプライムローン危機の正体 世界にばらまかれた不確実性」(『中央公論』・07.10に出会った。◇この論文の発表は08年10月ではなく07年10月。そう、14カ月ほど前のものである。

◇サブプライムが騒がれ出してから優に1年以上はたつ。◇にもかかわらず、各セクターではいまごろになって対策・対策と躍起になっている。

◇昨日、ホンダが突如F1からの撤退を表明したとしてマスコミは大騒ぎ。◇しかしここ2カ月ほどの危機だけでこんな抜本的決断をするとは考えにくい。◇おそらくホンダは、相当以前から現在の状況を予測し、そのきっかけを探っていたと見るのが現実的であろう。◇泥縄企業が大半のなか、本当は分かっていたというところも少なからずあるのだ。

★★特集ワイド:米大統領選・オバマ氏勝利
高揚感続く間に経済再建を
毎日jp.・08.11.06

◇上記に関連するおもしろ記事に出会ったので紹介したい。◇「オバマ勝利で世の中変わるのだろうか。まずは株価。外資系投資会社の日本人社員が匿名を条件に話してくれた」。

◇「(前略)米国の力が落ちている。株価への影響は限定的になるだろう」の常識的コメントの後が興味深い。◇「この社員によれば、8月まではサブプライムローン問題は人ごとだった(エエ~ッ?=IFSA註)。ところが9月に証券業界第4位のリーマン・ブラザーズが破綻(はたん)すると風向きが変わった」。

◇「世界同時株安になると社内は浮足立ち、『株価に殺される』『こんなひどい事態は初めて』『タイタニック号だ。沈むときは一緒』」といった会話が飛び交った」。◇「米国では頭脳に自信のあるエリートたちは投資銀行に就職してきたが、その彼らが敗北感にあえいでいる」。

◇「投資銀行のビジネスモデルは完全に壊れた。リスクヘッジのつもりでやったことがすべて裏目に出た」。◇金融工学などさっぱり分からないIFSAであっても、こんなものが<ビジネスモデル>として君臨してきたこと自体、不思議でならない。◇あのアメリカという土壌がなければ、まずは生まれ得なかった話だろう。

投資銀行のビジネスモデルは完全に壊れた」ではなく、そもそもビジネスモデルとして成り立たないものを無理やりでっち上げてきた。それを資本主義の根幹に据えてきた。◇幻想を振りまき、当事者までもが幻想のとりこになっていった。

◇いや、牧太郎の言う「開運勝利散」だって立派なビジネスモデルと呼びたいのなら、そりゃどうぞとあっさり譲るしかないけれど。◇バクチだって立派なビジネスと言われるのならネ。

★★グルジア紛争:
サーカシビリ大統領「先に軍事行動」認める
「露側から」撤回
毎日jp.・08.11.30

「<ベタ扱い>的重要記事(08.11.05)」でグルジア紛争問題を取り上げた身からすれば、やっぱり!の感想しかない。◇だが、<小>を絶対善と信じて疑わない日本の進歩的知識人もしくはワイドショー的文化人は、一方的にロシアを弾劾していたんではなかったっけ?

◇<小さいことはいいことだ>が高ずれば、彼らもまたあの田母神作文を笑えないというアイロニーが生ずる。◇アジアの小国・日本は、世界の大国・アメリカに追い詰められ、やむなく戦争へ走ったのだ、そそのかされたのだ!?

◇「(前略)(サーカシビリ大統領は-筆者註)南オセチアで先に軍事行動を始めたのはグルジアだったと述べた」。◇「大統領は『最初に侵攻したのはロシア軍』と主張していたが、それを翻した形で、大統領の開戦責任を問う声が強まるのは必至だ」。

◇タブーを排し、「記者の目」(毎日jp.・08.09.12)ですっぱり書ききった飯島一孝記者はえらい。


★★農水省職員アンケート:
7割が「農政の説明責任果たせず」
毎日jp.・08.11.28

◇お役所アンケート(=農水省の改革チーム)だけあって相当にダラケた内容とはいえ、見るべきところもある。◇「事故米の不正流通問題を受け発足した」チームだが、全職員の「(前略)7割が『政策決定の過程について説明責任が果たせていない』と答えた」にもかかわらず、「管理職だけでは9割が『国民に丁寧な対応ができるよう取り組んでいる』と回答」。

◇「説明責任を果たせない理由を尋ねたところ、『現場の実態を知らない』(62%)、『幹部らの鶴の一声で知らない間に政策が決まっている』(46%)などを挙げた」。◇「一方、課長など管理職に対する調査では、8割以上が『国民への対応が適切と評価されている』『国民との意見交換を適切に行っている』と答えていた」。

◇コメントは無用だろう。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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2008年12月 3日 (水)

勝ち馬・麻生に乗っただけの自民党。そのとがは十分想定内=なのにマスコミは!(完)

本連載のバックナンバーは下記よりご覧ください

<麻生首相が早期解散などできないのは最初から予想された=なのにマスコミは!(上)>(08.11.08)  & <福田流客観認識のピンズレ→麻生首相は解散などしたくない=なのにマスコミは!(中)>(08.11.13) & <麻生首相、「選挙パンダ」としても失格。いまや自民の恥=なのにマスコミは!(下-1)>(08.11.19) & <歴代まれなる泡沫首相を選挙用に担ぎ上げた自民党=なのにマスコミは!(下-2)>(08.11.30)

◇連載を開始した2008.11.08からほぼ25日。この間にも麻生太郎首相をめぐる状況はぐんぐんと悪くなっている。まさに日一日といった感じで内閣の劣化が。◇この勘違いイカレお坊ちゃま、こんなはずではと今ごろ盛んに首をひねっていることだろう。

◇だって、オレは<下々の皆さん>という大衆に絶大な人気がある、オレがべらんめえで話せばどっとウケル。しかも福田のことを大嫌いだった友軍・公明党はオレに絶大なる信頼を寄せている。◇何たってオレが幹事長時代、両党で定額給付金の素案を作ったくらいの仲なのだから。

◇とくれば、自民総裁選の大イベントから総選挙へ一気になだれ込むことで、負けないことは間違いなし。◇だがそうは問屋が卸さなかった。

◇そういうことなら、せっかく獲得した総理の座を短期間で明け渡すなど論外のガイ。徹底的に居座ってやろうじゃないか。いいあんばいに<世界金融危機>もやってきてくれたことだし。◇<経済の麻生>で打って出りゃ、活路は開けよう。まさに太郎ちゃんにしかできない独擅場(どくせんじょう)が待っているのだから。

◇しかし勘違いも甚だしい。世上での麻生のKYは、<漢字読めない>ばかりか<経済読めない>にまでたちまち発展してしまった。◇本当のところは、KZW(経済ぜんぜん分かんない)だったからだ。◇そりゃそうでしょう、何代目かの志村けんばり白塗り○○殿が若くしてちょこっと社長をやったくらい、そんなことで分かられたんじゃ、こっちだってたまらない!

◇「元々、自民党内には『財政再建派VS上げ潮派』という経済政策の路線対立が存在したが、『バラマキ』の麻生首相は蚊帳の外だった。麻生首相は、福田政権末期に公明党と組んで突如この路線対立に乱入しただけだ(★★民主党への安易な挑発が、麻生首相の経済対策を困難にする・上久保誠人・DIAMOND online・08.10.14)

◇しかし皮肉なことに、ここ2日ほどの自民党の動きを見ると、ここで言う「バラマキ」がいつしか主流に化してしまっている。◇道路特定財源の一般財源化(=IFSAはこれ自体本末転倒と非難し続けてきた)するものの、一般財源化されたそれを再び道路に使おうというのだから、白昼堂々といおうか、心底ぶったまげる。

「『バラマキでもモチまきでも豆まきでも1年は(財政支出を)まいて、経済が生き残らなければならない。改革派であろうがなかろうが、これが正しい』」。◇「2日午前、平成21年度予算案をめぐる自民党政務調査会全体会議を終えた後、”小泉チルドレン”で構造改革派とみられてきた片山さつき衆院議員は記者団にこう強調した」(★★自民「歳出増の大合唱」 衆院選を意識 首相に路線転換仕掛ける・MSN産経ニュース・08.12,03)

◇ハッハッ、これだけでも自民党はもう完全にぶっ壊れている。◇にもかかわらず麻生は、記者相手のシーンでだけはまことに元気がいい。品のない<おだ>が通用すると思っている。◇そうしたやりとりの一端をのぞいてみよう(★★「あんた、ひっかけようと思ってるわけ?」 2日の首相・asahi.com・08.12,02)

◇【道路特定財源の一般財源化】について

--総理がかねておっしゃっていた(地方が-筆者註)自由に使えるお金とは・・・
 「それは全然別の話です」
--別というのは地方交付税を念頭に置いていると。
 「基本的には・・・。何回も言わせないで、お願いだから。何か、あんた、ひっかけようと思って聞いてるわけ? あのね、もう1回言いますから、これ、最後にしようね。ずーっと同じ質問してるんだから。ぼくは、ずーっと、同じことしか言ってない(後略)」。

◇【米新政権】

--総理、総理。
 「もう、いい加減にしろ」
  (以下略)

◇これはほんの一例に過ぎず、いつだったか例の給付金がらみ、麻生の口から「子持ち」なるコトバを聞いたときには、このひとことにて首相失格とIFSAは断じた。◇しかし記者会見で表面上強がってみせる麻生も、よく聞いてみると結構小細工をろうしているのが分かる。

◇彼の口癖のひとつは、「たしか~だったと思いますが・・・」。◇数字や年代などをわざわざアバウトに言い、さも本人の記憶のようにリアリティーを持たせる。しかし実は、直前ブリーフィングによるにわか仕込み。◇これはあくまでもIFSAの想像だが、おそらく当たっていよう。◇マンガ人間の精いっぱいの知恵か。

<★★麻生首相:「経済うまくいけば、2年後にも消費税上げ」・毎日jp.・08.11.11>などもそれに類した表現といっていい。◇3年後には消費税上げと大見えを切ったものの、またまた大物ぶって!と誰も信じてくれなさそうなので、それでは逆張りの一手と2年へ短縮をちらつかせる。

◇さらにはこんなものもある(★★麻生首相:「来春以降解散」示唆 タイミングに手詰まり感・毎日jp.・08.11.15)

◇「首相は同行記者団に対し、野党の対応次第で早期解散に踏み切る可能性も否定しなかった」。◇「あくまで解散のフリーハンドは持ち続けるという宣言の意味合いがあったが、自民党首脳は『バランスを取り、言葉を散らしたんでしょ』と解説し、早期解散の可能性をあっさり否定した」。◇ドンピシャで見抜かれているのだ。

◇福田康夫が自慢した<客観性>や<あなたとは違うんです>による麻生見立ては、結果としてこの程度のものでしかなかった。◇しょせんはペランペランの麻生太郎氏を突出させるだけに終わったのだから。

◇だがこれらをもっとマクロから客観的に見れば、こうも言えよう。◇<当事者みずからシラケきった自民総裁選>+<麻生人気への自民党幻想>。◇そしてその根本は、小泉純一郎登場以前(=2000年時点)に賞味期限(もしくは消費期限)がとうに切れていたあの自民党、それをさらに苦しめている<どうにもならない郵政バブル選挙の不条理>

◇こんな自壊の自民党に対し、オドオド民主のていたらくもこれまた度しがたいものがある。◇自民党に対しては、墓穴を掘るまで勝手にやってろ!とぶん投げておけばいいものを、いま選挙がないと勝てないのだ!のあせりまくり。◇だから、首相のぶれ方次第で民主党の国会運営も柔軟になったり強硬になったりのフランフラン。

◇IFSAに言わせれば、民主党は真の意味の<政局>を把握し得ていない。◇そんななか、安倍・福田とは違ってケンカ好きの太郎ちゃんは、どこかで引っかけてやろうと解散時期を計算しているにちがいない。◇1日も長く首相をやりたいが、自身の性格上、民主のウラをかき、ぎゃふんと言わせてもやりたい!の衝動もまた抑えきれない。

◇解散を夏まで引っ張るか、それとも与党幹部すら誰も考えないような意外性で自己陶酔目的を遂げるか、まあそういったところだろう。◇麻生にとっての<政局>とは、そんな程度の次元にすぎない。

◇それに引きずり回されているのがマスコミ。いいように遊ばれている。◇だからコワモテの日刊ゲンダイも、1面で毎日のように<このおバカ首相を1日でも早く辞めさせないと日本は大変なことになる>式のキャンペーンを張るだけ。それしかできていない。

◇おもしろそうな記事の時には、ゲンダイから送られてくるサマリー・メールにより近くのファミマへ買いに出かけるIFSAだが、このメリハリのなさでは行く気にもなれないというもの。

◇解散時期にお悩みの大マスコミ政治部記者の皆さんには、麻生への社会心理学的解明をまずおすすめします。(完)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

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