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2008年12月15日 (月)

IFSAのおすすめ=浜松市郊外の秋野不矩美術館。遠いけれど訪ねる価値は大いにアリ

1週間のブランクとなってしまいました何事も新年(もしくは新年度)から模様替えというのが世の中の常でしょうが、IFSAは本日からマイナーチェンジといっても、それほど大げさなものではありませんその趣旨は、(1)読んでいただきやすいよう、本文を従来よりは短く(2)できれば(=願望)その分、回数を増やす(3)中身が即分かるよう、タイトルにキーワードを挿入

前回から【かなり気になる、先週の<ベタ扱い>的重要記事】【IFSA注目のシブイ記事=○○○】に変えたのもそのためですというわけで、本日が初回となる<IFSAのおすすめ>シリーズほか、<IFSAのイマイチ><IFSAのブーイング>などもコラム調で執筆していきますどうぞご期待ください

◇晩秋に静岡県藤枝市の志太温泉・潮生館へ出かけた。◇藤枝に温泉が?私もそう思ったが、妻が探してくれたこの旅館、風情と内容たるやなかなかのもの。◇ここについてはあらためて<IFSAのおすすめ>で取り上げたいと思う。

◇建物フェチのIFSAとしては、旅館の建物が「登録有形文化財」というだけでもひかれるけれど、食事もお風呂も変に気取っておらず、われわれ夫婦にはフィットするものだった。◇志太温泉とはいっても旅館はたったの2軒という市内の温泉。◇それも、国道1号バイパスの谷稲葉ICJR藤枝駅からそう遠くはないところに位置し、ひなびた場所などではない。

◇それはさておき今回の1泊旅行、翌日はどこへドライブしようかと大いに迷った。というのも、この周辺はほとんど走りつくしているからだ。◇旅館でふたりして静岡県地図を見つめるうち妻の見つけた地点が、浜松市郊外にある秋野不矩(ふく)美術館。少々遠くても絶対に行きたいと妻は言う。

◇というのも、2008.8~10に神奈川県立近代美術館・葉山で開催された<生誕100年記念 秋野不矩展>を見に行き、秋野のとりこになったらしいからだ。◇たしか新聞の展覧会案内かなにかで代表的な絵を目にし、これはと思って私が誘ったものと記憶する。◇そうはいえ、ふたりともそれまで秋野の名すら知らなかったというのが実情で、恥ずかしいかぎり。

◇社会科学のことならまだしも、絵画はイロハのイさえ語れないIFSAとしては、無粋な略年譜をもって彼女のことを伝えるしか能がない。

◇*1908・静岡県磐田郡二俣町生まれ。*1926・静岡県女子師範学校2部(現・静岡大)卒業。*同・磐田郡の尋常高等小学校教師。◇*1929・京都に出て日本画を学ぶ。*1930・帝展初入選。◇*1962・インド初滞在(1年間)=54歳。*現・タゴール国際大学客員教授。*以後91歳まで何度も海外(インド・ネパール・アフガニスタンほか)へ。

◇*1966・京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)教授=58歳。*1991年・文化功労者。*1999・文化勲章。◇*2001・没。93歳。(以上、同展カタログより)

◇ところで、前日の夜にやっと決めた秋野美術館行が思わぬ効果をもたらしてくれることに。◇というのも、われわれの最近の旅行は年相応といおうか、あそこもここもはなくなり、どこか目標地点を1カ所決め、あとはそこへと至る地域の<生活的ルート>を心から楽しむという具合に変化した。

◇すると、日本の原風景のようなものが向こうからするっと飛び込んできてくれる。◇それをありがたくちょうだいする・・・・・・・といったスタイルになってきた。◇一度この味を覚えるとたまらない。またすぐに出かけてみたくなる。

◇今回もこの秋野美術館というターゲットが定まったおかげで、藤枝市から浜松市天竜区二俣町までの道中(=大半が農村地帯)を存分に楽しむことができた。◇そうでもなければ、まず旧・天竜市を訪れる機会などめったにあるものではない。

◇そしてこの気まぐれドライブ最大の副産物が、たまたまの通過点となった静岡県森町。◇「るるぶ」に掲載されていた森町のそば屋さんをまずカーナビでセットすると、天竜浜名湖鉄道・遠江一宮駅の広場(といっても、新旧の公衆トイレがあるだけ)に連れて行かれた。

◇きょろきょろすれば、何と駅舎の中に目当ての「百々屋」が。◇昼食をとり、無人のホームに入っては撮影もし。実にのどかで心が和む。

◇さてせっかくだから食後にどこかの寺社へと思っていると、小國(おくに)神社がすごいとの情報を得る。◇早速ナビにインプットして神社に近づくや、観光バスが何台もいる、大勢の人が鳥居の前で写真を撮っているで、予想もしない相当の神社であることを知らされた。◇聞けば、遠江の一宮とか。

◇建物はもとより、境内の右奥に広がる古代の森がこれまたすごい。しかも季節がドンピシャだったため、その紅葉の見事なこと。◇小さな川に沿って真っ赤に染まった森の中を歩くと、過疎地?が一転、まるで繁華街のようなにぎわいで、ああ、これを目当てに来ている人も多いのだろうなと納得した。◇遠州の奥入瀬といっても過言ではない。

◇そしていよいよ本日のメーンイベントである浜松市天竜区の市立秋野不矩美術館へ。◇浜松市は07年に政令指定都市となったが、ここ天竜市までをも吸収して天竜区へ。

◇われわれのイメージする<区>に照らせばずっこけるほかはないローカルぶりで、無理筋の<上げ底政令都市>がすけて見えるようだ。◇天竜市のほうがよほどいいのにと、余計なお世話で考えてしまう。◇いったい何なのだ、平成の大合併って。

◇目指す美術館は丘の上にあった。一瞥(いちべつ)するだけで建物自体の魅力に引き寄せられてしまう。◇IFSAは美術館・博物館へ行くたびに、まずは設計者名を聞くことにしているが、パンフレットにも未記入のところが多いばかりか、建物にとんと関心を払わない館があったりして拍子抜けすることもしばしば。

◇ところがこの美術館はきっちり記載していた。◇えぇっ?何とあの藤森照信ではないか。建築史評論とエッセー、それにすぐれた書評子としてIFSAの大好きな。

◇建築史家の藤森は建築卒業でありながら50歳近くまで設計はしていなかったはずだが、その後、盟友の赤瀬川原平邸や自宅(タンポポハウス)などの作品で、建築家としても一躍有名になった。◇そしてこの美術館は98年の作。以後、精力的に作品を発表していく。

◇絵に素養のない私は、これ幸いともっぱらこの建物を楽しむこととなってしまった。◇もちろん、秋野の作品群にもあらためて圧倒されたけれど。◇絵画と建築。この両方を見るに、旧・天竜市というロケーションはけっして遠くないと思われる。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

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コメント

[藤森は建築士でもありながら]
確か彼は一級建築士資格を持っていないと思う。そういう意味では違反スレスレである。

安藤忠雄も持っていなかったが、授与されたのだと思う。

投稿: JOKICHI | 2008年12月17日 (水) 17時55分

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