伊藤ハム・シアン化合物混入(下-2)=結局は生産休止。食べた私が感じる大甘経営
◇<伊藤ハム東京工場(千葉県柏市)、製品にシアン化合物混入の地下水を使用>と発表されたのが2008.10.25。◇朝、そのウインナを食べ、1日の仕事から帰ってインターネットを開けば、ええっ~?。◇気持ちの悪さと不愉快さとから1時間ちょっとで原稿を書き上げ、当夜すぐにアップロードした。◇それ以後は3回にわたる連載。今回のNo.4でとりあえず(了)としたい。
◇マスコミ電子版の速報をベースにした第1回目と、情報が集まり始めた第2回目では、返品対応ばかりを喧伝(けんでん)し、肝心の健康被害にはほとんど頓着(とんじゃく)しない食品企業としての鈍感ぶりを中心に批判を展開。◇そして第3回目においては、<異常値を把握してから発表するまでの約1カ月>を段階的に検証しつつ、その間、伊藤ハム社内で何がおきていたか、それを許した背景に何があったのかを、IFSAの生活感覚と30年にわたるメーカー体験とから類推してみた。
◇すべて当たっているかどうかは別として、この会社の<癒しなきゆるルキャラ>は少々あぶり出せたのではないかと考える。◇なおこれら3回分の連載については、以下のリンクからご覧いただきたい。
★<今朝食べた伊藤ハムのシアン化合物入りソーセージ。メーカー対応の大問題点は(上)>(08.10.25執筆・深夜アップ)
★<伊藤ハム・シアン化合物混入対応のお粗末(中)=知らず食べさせられたIFSAの眼から>(08.10.26)
★<伊藤ハム・シアン化合物混入(下-1)=食べた私が思う。すぐ分かる風通しの悪い会社>(08.10.27)
◇そして暫定最終回となる本日(08.10.29)は、公表から4日たち、マスコミもそれほど取り上げなくなった時点での<その後>を中心に述べるとする。◇私のようにずっと同社ソーセージを食べてきた人間からする<被害者論>ばかりでなく、IFSAがテーマのひとつとしてきた<企業経営論>の視点も加えながら。
◇前にも触れたMSN産経ニュースの記者会見詳報。私の知るかぎり他社は掲載していないその貴重な記録からは、地味ながらも注目すべきいくつかの事柄が浮かび上がってくる。〔註〕=質問の順番はIFSAが適宜入れ替え、番号をふった。
★★「判断ミス」「認識甘かった」と幹部陳謝
シアン検出で伊藤ハム会見
MSN産経ニュース・08.10.25・23:16
(1)--検査の公表が遅れたが
「1度目の検査(9月18日)で発表すればよかった。翌月に実施予定の年に1回の検査を待っていた。異常値が出て以降、担当者ベースで調査が進んでいた」。◇「40年間こういう事態がなかったため、検査の異常ではないかと検査を繰り返してしまったことで、組織的に経緯の把握が遅れた」。◇「工場長に報告がこない体制を見直して、すべての書類が工場長にくるようにしたい」。
(2)--水の検査は同じ業者か
「認可を受けた業者しかできない検査。1カ月検査と3カ月検査をオーヤラックス。年に1回の検査はニッカウヰスキーにお願いしている」
(3)--水道水への切り替えは
「地下水への大きい危機感抱いた。東京工場で商品が作れなくなる。水の怖さを再認識した。水道水をひくことに本腰を入れる」
(4)--製品検査依頼が回収対象13品目中2品目だけだが
「分析機関に確認したら、食品から分析できる限界値が0.1だ。異常値が0.03だった。商品に入る割合が10から20%といううことで検査に出しても数値がでない。ムダだと判断した。代表的なもので選んだ」
(5)--この件での生産量は
「(前略)水による製造、稼働率への影響はないが、こういう報道でナーバスになる消費者の影響は予測できない。消費者の反応がシビアで量的に減ることは考えられるが、安全を確保したうえでお答えする。販売自粛は考えていない」
(6)--9月18日以前の商品は回収しないのか
「6月の定期検査ではシロだった。数字が出た段階からがクロという認識。ウインナーは品質保持期限が30日、ピザはもっと短いため、9月18日以前のものは品質保持期限が切れている」
◇まずすぐに思うのは、技術担当専務を前面に押し出す伊藤ハムの拙劣さである。◇普通なら、筆頭の副社長(+)広報または経営企画担当のトップ(+)営業のトップ(+)生産技術のトップを据えるのが常識で、この会社、たまたま山田専務がNo.2だったからとはいえ、彼だけで済まそうとするスタンスは見ていて気の毒になるくらいのひどさである。
〔註〕=HPで調べると、この会社には副社長は不在で専務も山田氏ひとり。以下は常務のため、「オレがやるからいい」となったのかもしれない。
◇そのマイナスは(4)と(5)に端的にあらわれている。◇「13品目中2品目だけ」製品検査依頼をしたのは、<技術的にいってムダだ>と判断したから。◇これがもし正しいとしても、事務屋ならこうは言わない。◇逆に、<たとえムダの可能性があるにせよ、最高の分析機関へ全品検査を依頼。それも早急に>と、真摯(しんし)かつ必死のアピールをなすに違いない。私ならそうする。
◇「こういう報道でナーバスになる消費者」。悪意はなさそうなものの、これまた典型的な技術屋的発言で、日ごろお客さんと接していない弱さがもろに出てしまっている。◇専務の意図にはなくとも、これを見た消費者は、「神経質すぎるというのか」の反応を示すだろう。◇だから、営業担当のトップを同席させるべきなのだ。◇企業のかたをもつわけではないが、経営戦略上のイロハがわかっていない。<広報・IR部>って名前だけなのか。
◇すでに論じたから詳述は避けるものの、(6)もまたひどい。◇製品を冷凍してそこそこ保存する家庭は世の中にないのだろうか。少なくとも2人家族のウチはそうしている。◇2袋がパッケージになっている割安品を、さっさと食べられるものではないのだから。◇生活感覚に欠ける技術担当専務におまかせの弊害は、こんなところにも出ている。
◇もちろん、技術屋としての認識のお粗末さも特筆もので、「地下水への大きい危機感(ママ)抱いた」、「水の怖さを再認識した」、「検査の異常ではないかと検査を繰り返してしまった」にそれがあらわれている。◇再検査はどこの企業でもよくあること。しかし、その結果が出ていない<製品>、しかも人のくちに入る食品をバンバンと平気で製造・出荷する神経にはぶったまげてしまう。
◇そしてもうひとつ細かいことを。◇3カ月ごとの水質定期検査依頼先は「オーヤラックス。年に1回の検査はニッカウヰスキー」で、「翌月に実施予定の年に1回の検査を待っていた」。◇ということは、オーヤラックスよりもニッカウヰスキーのほうが検査精度が高いという認識を前提にしているのだろうか。◇とすれば、なぜすべてをニッカウヰスキーに依頼しないのか。コストの問題か。◇私ならそこを問いただす。
◇以上、こうした一連の行為というか流れ、それを許す<社内の環境・空気>自体がここでは問われているのであり、コンプライアンスといった借り物の概念で是正しようとしても、上っ面を取り繕う以外の効果はない。◇まして、「すべての書類が工場長にくるようにしたい」など、児戯に等しいと笑いものになるだけだろう。
★★伊藤ハム:回収対象、26品目225万袋に拡大
毎日jp.・08.10.26・21:10(A)
★★伊藤ハム委託製造のウインナーに異臭
苦情受け生協が回収
YOMIURI ONLINE・08.10.27・14:46(B)
★★伊藤ハム:消費者から4千件の問い合わせ
シアン問題で
毎日jp.(08.10.27・21:32(C)
◇伊藤ハムによれば、「(前略)『子供に食べさせたが、大丈夫か』などとの内容のほか、汚染判明後も製造を続けたうえ公表が遅れた点への苦情も多いという」(A)。◇「同社によると、最も多いのは公表の遅れに対する苦情で、『大手だと思って信用していた』『何度も食べてしまった』といった怒りの声もある」(B)。◇「健康不安を訴えたり、同社を批判する内容が大半だったという」(C)。
◇まずは体への影響がいちばん。妥当というか、当然の「問い合わせ」もしくはクレームといえる。◇そんななか、以下の3つのニュースが追い討ちをかけた。
★★伊藤ハム地下水シアン化合物検出:回収、225万袋に
受託PB13商品も対象
毎日新聞朝刊・08.10.27(D)
★★伊藤ハムの地下水汚染、基準上回る塩素酸検出
YOMIURI ONLINE・08.10.27・21:44(E)
★★伊藤ハム:東京工場の稼働一時停止
水質安全確認まで
毎日jp.・08.10.28・20:09(F)
◇生協をはじめとする伊藤ハム東京工場製の「プライベートブランド(PB)商品」が31万袋もあるのに、こちらの公表は1日遅れ。◇またもその間、<食べてしまった>消費者がいたであろうに。◇「25日に公表しなかった理由について、伊藤ハム広報・IR部は『10社には25日に伝え、店頭告知や回収などの対応をしてもらった。公表するかどうか相談する時間がなく、勝手に判断できなかった』と説明している」(D)。
◇そして揚げ句は、「伊藤ハムの東京工場(千葉県柏市)の地下水から基準値を超えるシアン化合物が検出された問題で、同社は28日、同工場の稼働を29日から一時停止すると発表した。期間は水質の安全性を確認するまでという」(F)。◇だから言ったでしょうといった状況になっている。消費者感覚を含めた経営者感覚のド素人水準は、もうかわいそうになるくらい。
◇加えて、悪いときには悪いことが重なるもので、「(前略)千葉県柏市保健所は27日、井戸水から基準値を上回る塩素酸が検出されたと発表した。同保健所は『人体に影響はない』としているが、井戸水を殺菌する薬剤の管理に問題があったとみて、同社を指導した」(E)。◇脇アマはいろいろなところへ波及してくる。
◇たった3日前、経営N0.2である山田信一専務が軽々にも「販売自粛は考えていない」(上記MSN産経ニュース記者会見記事)と言っていったにもかかわらず。◇このテイタラクでは、<★★伊藤ハム(2284)は2連続STOP安が濃厚に シアン化合物検出の井戸水利用でのソーセージ製造を嫌気した売りが止まず>(毎日jp.・NSJショートライブ・08.10.28・14:41)となっても不思議はなかろう。
◇ところで、第1次公表の翌日、高島平の東急ストアへ行ってIFSAは驚いた。◇伊藤ハムのソーセージコーナーではお詫びと回収の張り紙がされ、その下には賞味期限15日以降の<安全>な伊藤ハムソーセージが山と積まれているではないか。
◇ばっかじゃなかろうか。東急ストアも相当に鈍いが、同一工場内の違う井戸水を使用しているから安全と言って出荷する伊藤ハムの度はずれた神経。◇<山と積まれている>のは、当然のことながら誰も買わないからにほかならない。◇伊藤ハムは、それを客に向かって宣伝しているようなものだ。
◇そして日本企業おきまりのように、「また同社は、藤巻正生・東大名誉教授を委員長とする調査対策委員会を11月5日をめどに設置する。食品の安全管理などの有識者6人程度で構成し、原因究明のほか、公表の遅れが批判を浴びていることから、社内の管理体制や危機管理体制について対策を考える」(F)ときた。
◇斯界(しかい)の権威(=名誉教授クラス)をトップに据え、有名人の女性評論家や消費者団体代表などで飾り立てての大イベント。雪印を思い出す。◇こんなもの、世間ウケを狙うばかりで現場はさらにドッチラケ・・・・・・・。いつもの日本的パターンが繰り返されることだろう。
◇つくづく思う。日本の経営者って、どうしてこうも<思想>がないのかと。◇八重洲ブックセンターの経営書売り場でベストセラーの経営物を買い求めていれば<思想>が涵養(かんよう)されるなとど思ったら大間違いなのに。
◇公表された25日の晩、17:00までという伊藤ハムフリーダイヤルへ電話をすると、「込み合っています」のメッセージが流れた。◇そうか、5時でぶった切ることはしないんだ。珍しい。◇ただ10回以上かけてもダメなため、記載の工場ダイヤルに電話してみると、すぐに本社の番号を教えてくれた。これまた意外というか、エライ。
◇いつもなら守衛所へつながるのに、さすが今晩は工場の総務部門あたりがつめているのだろう。◇メーカー勤務が長かったIFSAは、懐かしさをもってそう想像した。◇その本社もすぐに出てきて、なかなかに感じがいい。
◇多分30代後半のような男性が、へつらうでもなく紋切り調でもなく、分からないものは分からないとはっきり言い、IFSAは好感をもった。◇この一連のすっきりした感じに比し、経営層の発想はあまりに貧しい。社員はたまったものではなかろう。
◇たしか明30日に井戸水使用製品の分析結果が出るとのことだから、まずはそれを待つとしよう。◇大げさではなく、日本企業の経営者を考えるうえでもこのIFSA通信が参考になればと思う。◇あとであれこれ論評するだけではなく、事件が起きたその場で実況中継のようにリポートをする。これもまた当通信の重要な役目とIFSAは心得ている。(了)
★★[IFSA]★★阿部道生
※本篇アップ後に、<緊急追補版>発行の必要が生じました。※【伊藤ハム・シアン化合物混入(緊急追補)=工場近くに旧日本軍の<毒ガス室>?】(08.10.29)はここをクリックください。
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コメント
「伊藤ハム調査対策委員会の納得のいかない報告書。別な場所で厚労省は検査法の事実を認めている」
伊藤ハムが地下水からシアンが検出された問題について調査対策委員会の報告で、
http://(ココ削除で見れます)www.itoham.co.jp/announcement/pdf/081205_02.pdf (※1)
6ページの後半に「シアンの分析方法による問題、すなわち、添加する試薬と結合残留塩素が反応してシアンが生成する問題については、追求しないこととする」と書かれているが、なぜ、追求しないのか大いに疑問を持ったので、自分なりに調べてみた。ここまで調べるには長い時間がかかってしまったが、科学的に裏づけが出来たのでまとめた。
調査検討委員会の報告書でいう文献は、
http://(ココ削除で見れます)www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/56/7/593/_pdf/-char/ja/
BUNSEKIKAGAKU(※2)
酒石酸という試薬が書かれている。これがくせものだったのである。
酒石酸で検索するとたくさんの情報があった。
http://(ココ削除で見れます)www.city.kawasaki.jp/35/35eiken/tyousa16/tyousa_4.pdf
川崎研究局(※3)
http://(ココ削除で見れます)www.pref.chiba.lg.jp/syozoku/c_eiken/sosiki/living/chousakenkyu/18chousakenkyu.html(※4)
千葉市
これらには、試料にアンモニア性窒素が含まれていた場合は塩素消毒により生じた「結合残留塩素」と、試薬で加える「酒石酸緩衝液」が反応し「シアンと塩化シアン」が出来ることが書かれている。
結合残留塩素+酒石酸緩衝液→シアン化合物
また、文献には酒石酸緩衝液の代わりに別の試薬を使えば塩化シアンが出来ないことが書かれている。
その飲料水のシアン化合物の検査方法は引用から、厚生労働大臣が定める方法(別表第12)
http://(ココ削除で見れます)www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/suishitsu/dl/06k.pdf
ここで、「試料の採取及び保存」で酒石酸-酒石酸ナトリウム緩衝液を加えることとなっている。
さらに調べてみると、酒石酸から塩化シアンが出来る反応は時間とともに進む。
http://(ココ削除で見れます)www.pref.chiba.lg.jp/syozoku/c_eiken/sosiki/living/chousakenkyu/19chousakenkyu.html(※5)
(大学の図書で本文を読むと、1時間では微量、24時間では18.6μg/Lも増加している)
調査対策委員会での再現試験では塩素(次亜塩素酸ナトリウム)を加えて2時間静置したが、酒石酸緩衝液を加えた後はそのまま測定したと考えられるので、シアン化合物は少なかった。しかし伊藤ハムの外部委託の検査所では多くの検体が集中だろうから、水をとってから分析するまでの反応する時間が延び、塩化シアンが大量に出来たのだろう。
飲料水の消毒は、http://(ココ削除で見れます)www.asahi-net.or.jp/~kv6t-ymgc/05purification/raccoon_purification_cl-disinf.htm(※6)
○普通の水→(塩素消毒)→遊離残留塩素→ 水道法で0.1ppm以上と決められている。
○アンモニア性窒素を含んだ水→(塩素消毒)→結合残留塩素ができる。
(結合残留塩素の場合は0.4ppm以上と決められており、これでも合法)
一方、アンモニア性窒素を消すためにはたくさんの塩素が必要。(※6)
委員会の報告によると、伊藤ハムの地下水にはアンモニア性窒素が約2mg/L含まれている。
原水からシアン化合物ができたのは、原水なので、塩素消毒はしてない状態である。 厚労省方法では、前処理として塩素を加える操作が有る。その塩素を加えたことにより地下水に含まれていたアンモニア性窒素が結合残留塩素に変化し、それと酒石酸緩衝液が反応して塩化シアンができたのである。(文献参照)。また、厚労省方法では「試料に結合残留塩素が含まれていない場合には次亜塩素酸ナトリウムを加える操作を省略できる」としているので、原水の場合は加えなくても良いのであり、その場合は不検出という結果になるだろう。
文献を見ているはずの調査対策委員会では不明としている。
※2によると国は酒石酸の問題に気づき、平成17年3月に一部改正をしたが、酒石酸緩衝液を別の緩衝液に変えることはせず、結合残留塩素を消すために次亜塩素酸ナトリウムを一定量加えるだけの操作にしたが、井戸水に含まれるアンモニア性窒素の量によって必要な塩素量は違うので、アンモニア性窒素が多い水では不足する場合があり、その場合は更に塩化シアンができると書いている(※6、※2)。要するに、厚労省方法は結合残留塩素の量を測定しているのである。
調査対策委員会は、このことから塩素消毒が不十分と言っているのだが、国の間違った測定方法を保護するために、塩素を多く入れなくてはいけないのだろうか?酒石酸を使わず他の緩衝液を使えば塩素の影響は受けない(※2、※5)。
塩素は国の定めたとおりに0.4mg/L以上添加していれば責任は無いはずだ。
◎ 厚生労働省側では、11/27の発言で、酒石酸から塩化シアンが出来る問題を認めた。
http://(ココ削除で見れます)suidou-kawasan.web.infoseek.co.jp/topix/topix.htm(中段)
(日水協衛生常設調査委・シアンの検査方法を検討(11/27日本水道新聞)から引用)
『厚生労働省の○○・水道課水道水質管理官が最近の水道行政の動向について解説した。 「シアン化物イオンおよび塩化シアン」の検査では、塩化シアンの安定化のため試料採取時に酒石酸緩衝液を添加するが、これにより多くの塩化シアンが検出されることになる。そこで水質試験方法等調査専門委員会無機物部会では、これに代わる緩衝液を検討している。』(引用おわり)
これでは、伊藤ハム調査検討委員会の報告の塩素不足説は、ひっくり返ってしまったではないか。そもそも厚労省方法が間違っていたことによる事件であった。我が食品施設もそうだが、井戸水を使用する全国の食品工場や学校、施設等はシアン問題からやっと安心できることになる。
上の結果がこれだ。
http://(ココ削除で見れます)www.suido-gesuido.co.jp/blog/suido/2008/12/post_2587.html(※7)
そもそも、検査法を作ったのは、枡添大臣ではなく、依頼している外部の検討会らしいのだが。小さな問題としておざなりにされていた検査法は科学的な根拠が有っても簡単には変えないが、伊藤ハム事件がきっかけとなり、さすがにまずいと感じたのだろう。
追記1)
塩素の管理が悪く質が低下したために検出されるのはシアンではなく、塩素酸である。(一部報道機関が間違った報道をしていたため)塩素剤が古くなるとその中に塩素酸ができてくるためである。
http://(ココ削除で見れます)www.knights.jp/knightsreport/reports/KR06012.pdf
追記2)
12/25の調査対策委員会の報告書では、35~36ページに酒石酸を使用した再現試験で0.035mg-CN/L(不適)もの塩化シアンが確認され、厚労省方法の欠点が証明された。今回の事件の真相は究明された。(今後は酒石酸を使わない方法で試験を行い、結果を出すようだ)
それにもかかわらず、そのことは報道には伝わっていない。
報道には酒石酸を使用した方法での(欠点を補うために)「塩素が不足していたためにシアンが出来た」と発表しているのである。(国の立場を守るためか)
報道には事実を正しく伝えるべきではないのか?
厚労省方法の酒石酸が原因で起こった事件ではないのか?
記者の方々は真相を突き止め、国民に正しく伝える義務があるだろう。
またひとつ、国にとって不都合な事件の真相が、国民に対して隠されたまま終わろうとしている。国の体質はいつまでたっても変わらないのか。国民をごまかす体質はこれからも受け継がれていき、子供たちの未来へと引き継がれていくのか。
社保庁問題、薬害肝炎問題などと同様に国を厳しく監視していかなければ、ごまかされて終わってしまうのだろう。さびしい国である。
投稿: 九州男児 | 2008年12月26日 (金) 19時29分