« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

2008年10月29日 (水)

伊藤ハム・シアン化合物混入(緊急追補)=工場近くに旧日本軍の<毒ガス室>?

◇伊藤ハムウインナーをかなり食べてきた人間の立場および阿部社会学ラボ(IFSA)の観点から、2008.10.25の会社公表以降、4本の論考を発表してきた。◇最終回はたった先ほどアップロードしたばかりである。◇やれやれ一段落とマスコミのネットを開けば、2本の衝撃的な報道があらわれた。

★★「伊藤ハム」の異臭ウインナー
残品などからトルエン検出

YOMIURI ONLINE・08.10.29・13:42

◇横浜での「異臭ウインナー」についてはすでに08.10.27の段階から伝えられてはいたが(=たとえば、★★「ウインナー異臭」と苦情 伊藤ハム製、生協が回収・MSN産経ニュース・08.10.27・22:59)、店頭における悪質ないたずらの疑いもあり、IFSA通信ではあえて取り上げなかった。

◇しかし上記YOMIURI ONLINEによればそうではない。◇「生活協同組合連合会ユーコープ事業連合が異臭などを理由に『CO・OPあらびきポークウインナー』を自主回収した問題で、委託製造元の大手食肉加工メーカー『伊藤ハム』は29日、商品を製造した東京工場(千葉県柏市)の残品から有害物質のトルエンが検出されたと発表した」。

◇「横浜市保健所も同日、回収商品からトルエンを検出し、東京工場を管轄する柏市保健所に原因調査を依頼した」。◇「この問題では、商品を食べた神奈川、静岡県内の5人が腹痛やめまいを訴えたが、すでに回復しているという」。

◇ところが、これで驚いていたIFSAは甘かった。◇何と、ZAKZAKがこう伝えたからだ。

★★伊藤ハム工場近くに「毒ガス室」
・・・汚染井戸水の原因か

300m東に旧日本軍施設

◇「伊藤ハム東京工場(千葉県柏市)の井戸水から基準値を超えるシアン化合物が検出された問題で、かつて同工場の約300メートル東に旧日本軍の『毒ガス室』と呼ばれた施設が存在したことが29日までに分かった」。◇「環境省が全国の旧日本軍施設の管理状態を調べる中で、2006年に明らかになった

◇「環境省によると、旧日本軍が開発した毒ガス弾の一つに、青酸ガス(シアン化水素)を瓶詰めしたものがあるという」。◇「同省の資料や当時の部隊関係者によると、工場東側の一帯は終戦まで軍用地で、兵舎や弾薬庫などがあった」。◇「駐留部隊の少尉だった男性」の証言まであるらしい。

◇「シアン化合物はメッキ工場の工程で使用されるケースもあるが、伊藤ハムや柏市保健所は、現在まで周辺にシアン化合物を用いた工場は確認していない」。◇「同社は『工場は68年にできたが、周辺の”毒ガス室”は初耳』(広報・IR部)としている」。

◇以上、現時点での論評は控え、とりあえず先ほどアップしたIFSA通信<伊藤ハム・シアン化合物混入(下-2)=結局は生産休止。食べた私が感じる大甘経営>(08.10.29)への<緊急追補版>としたい。

◇ただ、ここでひとこと!◇もしそうなら、08.09.18以前の検査においても時々は異常値が出なければおかしい。◇それとも、最近の豪雨か何かで水脈が変わった?◇本当に大丈夫なのだろうか、08.09.18以前に法定基準を超える値は出ていなかったのだろうか。◇まさか隠していないでしょうね、大企業たるもの。

◇伊藤ハムはその点に関し、公表する義務を負っている。

★★[IFSA]★★阿部道生

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

伊藤ハム・シアン化合物混入(下-2)=結局は生産休止。食べた私が感じる大甘経営

◇<伊藤ハム東京工場(千葉県柏市)、製品にシアン化合物混入の地下水を使用>と発表されたのが2008.10.25。◇朝、そのウインナを食べ、1日の仕事から帰ってインターネットを開けば、ええっ~?。◇気持ちの悪さと不愉快さとから1時間ちょっとで原稿を書き上げ、当夜すぐにアップロードした。◇それ以後は3回にわたる連載。今回のNo.4でとりあえず(了)としたい。

◇マスコミ電子版の速報をベースにした第1回目と、情報が集まり始めた第2回目では、返品対応ばかりを喧伝(けんでん)し、肝心の健康被害にはほとんど頓着(とんじゃく)しない食品企業としての鈍感ぶりを中心に批判を展開。◇そして第3回目においては、<異常値を把握してから発表するまでの約1カ月>を段階的に検証しつつ、その間、伊藤ハム社内で何がおきていたか、それを許した背景に何があったのかを、IFSAの生活感覚と30年にわたるメーカー体験とから類推してみた。

◇すべて当たっているかどうかは別として、この会社の<癒しなきゆるルキャラ>は少々あぶり出せたのではないかと考える。◇なおこれら3回分の連載については、以下のリンクからご覧いただきたい。

<今朝食べた伊藤ハムのシアン化合物入りソーセージ。メーカー対応の大問題点は(上)>(08.10.25執筆・深夜アップ)
<伊藤ハム・シアン化合物混入対応のお粗末(中)=知らず食べさせられたIFSAの眼から>(08.10.26)
<伊藤ハム・シアン化合物混入(下-1)=食べた私が思う。すぐ分かる風通しの悪い会社>(08.10.27)

◇そして暫定最終回となる本日(08.10.29)は、公表から4日たち、マスコミもそれほど取り上げなくなった時点での<その後>を中心に述べるとする。◇私のようにずっと同社ソーセージを食べてきた人間からする<被害者論>ばかりでなく、IFSAがテーマのひとつとしてきた<企業経営論>の視点も加えながら。

◇前にも触れたMSN産経ニュースの記者会見詳報。私の知るかぎり他社は掲載していないその貴重な記録からは、地味ながらも注目すべきいくつかの事柄が浮かび上がってくる。〔註〕=質問の順番はIFSAが適宜入れ替え、番号をふった。

★★「判断ミス」「認識甘かった」と幹部陳謝
シアン検出で伊藤ハム会見
MSN産経ニュース・08.10.25・23:16

(1)--検査の公表が遅れたが
 
「1度目の検査(9月18日)で発表すればよかった。翌月に実施予定の年に1回の検査を待っていた。異常値が出て以降、担当者ベースで調査が進んでいた」。◇「40年間こういう事態がなかったため、検査の異常ではないかと検査を繰り返してしまったことで、組織的に経緯の把握が遅れた」。◇「工場長に報告がこない体制を見直して、すべての書類が工場長にくるようにしたい」。

(2)--水の検査は同じ業者か
 「認可を受けた業者しかできない検査。1カ月検査と3カ月検査をオーヤラックス。年に1回の検査はニッカウヰスキーにお願いしている」

(3)--水道水への切り替えは
 
「地下水への大きい危機感抱いた。東京工場で商品が作れなくなる。水の怖さを再認識した。水道水をひくことに本腰を入れる

(4)--製品検査依頼が回収対象13品目中2品目だけだが
 「分析機関に確認したら、食品から分析できる限界値が0.1だ。異常値が0.03だった。商品に入る割合が10から20%といううことで検査に出しても数値がでない。ムダだと判断した。代表的なもので選んだ

(5)--この件での生産量は
 「(前略)水による製造、稼働率への影響はないが、こういう報道でナーバスになる消費者の影響は予測できない。消費者の反応がシビアで量的に減ることは考えられるが、安全を確保したうえでお答えする。販売自粛は考えていない

(6)--9月18日以前の商品は回収しないのか
 
「6月の定期検査ではシロだった。数字が出た段階からがクロという認識。ウインナーは品質保持期限が30日、ピザはもっと短いため、9月18日以前のものは品質保持期限が切れている」

◇まずすぐに思うのは、技術担当専務を前面に押し出す伊藤ハムの拙劣さである。◇普通なら、筆頭の副社長(+)広報または経営企画担当のトップ(+)営業のトップ(+)生産技術のトップを据えるのが常識で、この会社、たまたま山田専務がNo.2だったからとはいえ、彼だけで済まそうとするスタンスは見ていて気の毒になるくらいのひどさである。

〔註〕=HPで調べると、この会社には副社長は不在で専務も山田氏ひとり。以下は常務のため、「オレがやるからいい」となったのかもしれない。

◇そのマイナスは(4)と(5)に端的にあらわれている。◇「13品目中2品目だけ」製品検査依頼をしたのは、<技術的にいってムダだ>と判断したから。◇これがもし正しいとしても、事務屋ならこうは言わない。◇逆に、<たとえムダの可能性があるにせよ、最高の分析機関へ全品検査を依頼。それも早急に>と、真摯(しんし)かつ必死のアピールをなすに違いない。私ならそうする。

◇「こういう報道でナーバスになる消費者」。悪意はなさそうなものの、これまた典型的な技術屋的発言で、日ごろお客さんと接していない弱さがもろに出てしまっている。◇専務の意図にはなくとも、これを見た消費者は、「神経質すぎるというのか」の反応を示すだろう。◇だから、営業担当のトップを同席させるべきなのだ。◇企業のかたをもつわけではないが、経営戦略上のイロハがわかっていない。<広報・IR部>って名前だけなのか。

◇すでに論じたから詳述は避けるものの、(6)もまたひどい。◇製品を冷凍してそこそこ保存する家庭は世の中にないのだろうか。少なくとも2人家族のウチはそうしている。◇2袋がパッケージになっている割安品を、さっさと食べられるものではないのだから。◇生活感覚に欠ける技術担当専務におまかせの弊害は、こんなところにも出ている。

◇もちろん、技術屋としての認識のお粗末さも特筆もので、「地下水への大きい危機感(ママ)抱いた」、「水の怖さを再認識した」、「検査の異常ではないかと検査を繰り返してしまった」にそれがあらわれている。◇再検査はどこの企業でもよくあること。しかし、その結果が出ていない<製品>、しかも人のくちに入る食品をバンバンと平気で製造・出荷する神経にはぶったまげてしまう。

◇そしてもうひとつ細かいことを。◇3カ月ごとの水質定期検査依頼先は「オーヤラックス。年に1回の検査はニッカウヰスキー」で、翌月に実施予定の年に1回の検査を待っていた」。◇ということは、オーヤラックスよりもニッカウヰスキーのほうが検査精度が高いという認識を前提にしているのだろうか。◇とすれば、なぜすべてをニッカウヰスキーに依頼しないのか。コストの問題か。◇私ならそこを問いただす。

◇以上、こうした一連の行為というか流れ、それを許す<社内の環境・空気>自体がここでは問われているのであり、コンプライアンスといった借り物の概念で是正しようとしても、上っ面を取り繕う以外の効果はない。◇まして、「すべての書類が工場長にくるようにしたい」など、児戯に等しいと笑いものになるだけだろう。

★★伊藤ハム:回収対象、26品目225万袋に拡大
毎日jp.・08.10.26・21:10(A)
★★伊藤ハム委託製造のウインナーに異臭
苦情受け生協が回収
YOMIURI ONLINE・08.10.27・14:46(B)
★★伊藤ハム:消費者から4千件の問い合わせ
シアン問題で
毎日jp.(08.10.27・21:32(C)

◇伊藤ハムによれば、「(前略)『子供に食べさせたが、大丈夫か』などとの内容のほか、汚染判明後も製造を続けたうえ公表が遅れた点への苦情も多いという」(A)。◇「同社によると、最も多いのは公表の遅れに対する苦情で、『大手だと思って信用していた』『何度も食べてしまった』といった怒りの声もある」(B)。◇「健康不安を訴えたり、同社を批判する内容が大半だったという」(C)。

◇まずは体への影響がいちばん。妥当というか、当然の「問い合わせ」もしくはクレームといえる。◇そんななか、以下の3つのニュースが追い討ちをかけた。

★★伊藤ハム地下水シアン化合物検出:回収、225万袋に
受託PB13商品も対象
毎日新聞朝刊・08.10.27(D)

★★伊藤ハムの地下水汚染、基準上回る塩素酸検出
YOMIURI ONLINE・08.10.27・21:44(E)
★★伊藤ハム:
東京工場の稼働一時停止
水質安全確認まで
毎日jp.・08.10.28・20:09(F)

◇生協をはじめとする伊藤ハム東京工場製の「プライベートブランド(PB)商品」が31万袋もあるのに、こちらの公表は1日遅れ。◇またもその間、<食べてしまった>消費者がいたであろうに。◇「25日に公表しなかった理由について、伊藤ハム広報・IR部は『10社には25日に伝え、店頭告知や回収などの対応をしてもらった。公表するかどうか相談する時間がなく、勝手に判断できなかった』と説明している」(D)。

◇そして揚げ句は、「伊藤ハムの東京工場(千葉県柏市)の地下水から基準値を超えるシアン化合物が検出された問題で、同社は28日、同工場の稼働を29日から一時停止すると発表した。期間は水質の安全性を確認するまでという」(F)。◇だから言ったでしょうといった状況になっている。消費者感覚を含めた経営者感覚のド素人水準は、もうかわいそうになるくらい。

◇加えて、悪いときには悪いことが重なるもので、「(前略)千葉県柏市保健所は27日、井戸水から基準値を上回る塩素酸が検出されたと発表した。同保健所は『人体に影響はない』としているが、井戸水を殺菌する薬剤の管理に問題があったとみて、同社を指導した」(E)。◇脇アマはいろいろなところへ波及してくる。

◇たった3日前、経営N0.2である山田信一専務が軽々にも「販売自粛は考えていない」(上記MSN産経ニュース記者会見記事)と言っていったにもかかわらず。◇このテイタラクでは、<★★伊藤ハム(2284)は2連続STOP安が濃厚に シアン化合物検出の井戸水利用でのソーセージ製造を嫌気した売りが止まず>(毎日jp.・NSJショートライブ・08.10.28・14:41)となっても不思議はなかろう。

◇ところで、第1次公表の翌日、高島平の東急ストアへ行ってIFSAは驚いた。◇伊藤ハムのソーセージコーナーではお詫びと回収の張り紙がされ、その下には賞味期限15日以降の<安全>な伊藤ハムソーセージが山と積まれているではないか。

◇ばっかじゃなかろうか。東急ストアも相当に鈍いが、同一工場内の違う井戸水を使用しているから安全と言って出荷する伊藤ハムの度はずれた神経。◇<山と積まれている>のは、当然のことながら誰も買わないからにほかならない。◇伊藤ハムは、それを客に向かって宣伝しているようなものだ。

◇そして日本企業おきまりのように、「また同社は、藤巻正生・東大名誉教を委員長とする調査対策委員会を11月5日をめどに設置する。食品の安全管理などの有識者6人程度で構成し、原因究明のほか、公表の遅れが批判を浴びていることから、社内の管理体制や危機管理体制について対策を考える」(F)ときた。

◇斯界(しかい)の権威(=名誉教授クラス)をトップに据え、有名人の女性評論家や消費者団体代表などで飾り立てての大イベント。雪印を思い出す。◇こんなもの、世間ウケを狙うばかりで現場はさらにドッチラケ・・・・・・・。いつもの日本的パターンが繰り返されることだろう。

◇つくづく思う。日本の経営者って、どうしてこうも<思想>がないのかと。◇八重洲ブックセンターの経営書売り場でベストセラーの経営物を買い求めていれば<思想>が涵養(かんよう)されるなとど思ったら大間違いなのに。

◇公表された25日の晩、17:00までという伊藤ハムフリーダイヤルへ電話をすると、「込み合っています」のメッセージが流れた。◇そうか、5時でぶった切ることはしないんだ。珍しい。◇ただ10回以上かけてもダメなため、記載の工場ダイヤルに電話してみると、すぐに本社の番号を教えてくれた。これまた意外というか、エライ。

◇いつもなら守衛所へつながるのに、さすが今晩は工場の総務部門あたりがつめているのだろう。◇メーカー勤務が長かったIFSAは、懐かしさをもってそう想像した。◇その本社もすぐに出てきて、なかなかに感じがいい。

◇多分30代後半のような男性が、へつらうでもなく紋切り調でもなく、分からないものは分からないとはっきり言い、IFSAは好感をもった。◇この一連のすっきりした感じに比し、経営層の発想はあまりに貧しい。社員はたまったものではなかろう。

◇たしか明30日に井戸水使用製品の分析結果が出るとのことだから、まずはそれを待つとしよう。◇大げさではなく、日本企業の経営者を考えるうえでもこのIFSA通信が参考になればと思う。◇あとであれこれ論評するだけではなく、事件が起きたその場で実況中継のようにリポートをする。これもまた当通信の重要な役目とIFSAは心得ている。(了)

★★[IFSA]★★阿部道生

※本篇アップ後に、<緊急追補版>発行の必要が生じました。※【伊藤ハム・シアン化合物混入(緊急追補)=工場近くに旧日本軍の<毒ガス室>?】(08.10.29)はここをクリックください。

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (1)

2008年10月27日 (月)

伊藤ハム・シアン化合物混入(下-1)=食べた私が思う。すぐ分かる風通しの悪い会社

 ◇ここ2年ほど、伊藤ハムのウインナは週に5~6本の割合で食べてきたし、25日(土曜日)の朝も料理に2本使って仕事へ出かけた。◇そして夜帰宅し、インターネットのスイッチを入れるとasahi.comのトップに<伊藤ハム・シアン化合物混入>の記事がドバッッと。◇疲れは一気にどこかへいってしまった。

◇そこで限られた情報のなか、すぐに書いてアップロードしたのが<今朝食べた伊藤ハムのシアン化合物入りソーセージ。メーカー対応の大問題点は(上)>(2008.10.25執筆・深夜アップ)であり、当日の20:30から始まったという伊藤ハム専務以下の記者会見記事をもとにつづったのが<伊藤ハム・シアン化合物混入対応のお粗末(中)=知らず食べさせられたIFSAの眼から>(08.10.26アップ)だった。

◇結果、わがマイナーなるIFSA通信にしては驚異的アクセス数で、いささかびっくりしている。◇して今回は、企業としての伊藤ハム、その組織的バッタバタぶりに焦点をあてるとしよう。

◇本シリーズの(上)と若干重複する部分があろうが、まずはいつものように、客観的事実の集積から始める。◇公表当日(08.10.25・22:32)にアップされ記事<★★伊藤ハム、194万個自主回収 地下水からシアン化合物>(asahi.com)によればこうなる。

1)3カ月に1度行われる08.09.18の定期検査で、3本ある井戸のうちのひとつ<=仮に井戸・Aとする>から「水道法の基準値(1リットルあたり0.01ミリグラム)を上回るシアン化合物を検出」。◇(2)10月15日に結果が出た再検査でも異常値を示し、いずれも基準値を2~3倍上回った」。

(3)「さらに、別の一つの井戸<=井戸・Bとする>も基準値を上回り、10月中旬、二つの井戸水(井戸A+井戸B-筆者註)の製造過程での使用を中止した」。★(4)「(前略)検査結果が東京工場長に報告されたのは10月15日」。◇★(5)地元の保健所へ23日相談に行ったところ、基準値を超えたことを重視し、すぐに公表するよう指示されたという」。

◇たったこれだけの情報からさえ見事にあぶり出される<社内の雰囲気>。◇IFSAの体験をもとに、探っていけば・・・・・・・。

◇問題の第1は、井戸・Aの再検査までなぜ1カ月も要しているかという点。◇本日のテレビは、10月に年1度の本検査があるから、それまで待ってみようとなった、さらには、検査に問題があるのでは、あるいは採取地点から使用地点の間の何かに問題があったのではと考え、地下水自体への危機感が希薄であった・・・・・・・と伝えていたが。

◇百歩譲ってそれが事実にしても、というよりそれが本当であれば、あまりに弛緩(しかん)した社内体制ばかりが浮かび上がる。◇翌日、翌々日と地下水を採取しまくり、超特急で分析させる。と同時に、井戸・Bも井戸・Cも同時にチェックをする。そんなイロハも思いつかない現場だったというなら、一流メーカーのそれとはとうてい言い難いゆえ、論評するのは差し控えよう。◇さっさと退場願う以外にない。

◇しかしメーカーに30年間いた私の経験からすると、普通であればそれは考えにくい。◇一般の視聴者なら、記者会見にのぞむ生産技術担当専務&工場長を見させられ、命令系統の流れをきわめてシンプルに思い描いてしまうかもしれない。◇しかしあれだけの大工場のトップといえば、現場的にはいわば雲の上の人。

◇(もちろん会社によって呼び名はちがうものの)その下には網の目のような、部長-各課長-係長-職長-班長-現業員・・・・・・・といったヒエラルキーが存在するにきまっている。◇しかも、製造ラインだけではなく、品質管理・品質保証もあれば検査もあれば業務もある。

◇そうしたなか、重要な<副原料>のひとつである水に規格外(=われわれはカクガイと言っていた)が発生しても、当該担当部門または担当者だけで1カ月近くものんべんだらりと経過観察し、規格外の製品をつくり続けていく。そんなメーカーがあるものだろうか。◇平気でイカサマをやるような会社でないかぎり、通常なら逆に怖くてできないはずだ。

◇また、工場長まで上がったのが本当に約1カ月後だとして、その間、部長以下の現場でケンケンガクガクがなかったとは考えにくい。◇だいたいは、声の大きい守旧派幹部が、<いずれ成分値が好転するから>とずるずる先延ばしをする。◇いや、かならずヤバイことになると思った中堅がいても、正直な声などあげられる状況にはない。

◇伊藤ハムの東京工場がそうだと断ずるつもりはないが、現実的にいって、一般論としてはこうとらえるしかないとIFSAは考える。

◇いや、先述のように、この工場の社員は全員まったくもってのんきなもので、危機意識などゼロ。、のんべんだらりと過ごしてきた。◇もしそういうのであるなら、ハナから食品を製造する資格はなしとなろう。

◇さらに驚かされたのは、工場長の知った08.10.15より1週間以上もたった10.23、<保健所へ相談に行きました>のくだり。◇工場長も8日間いったい何をしていたのだろうもさることながら(=当然ろうばいし、御本社に相談しまくっていたと考えるのがノーマル!)、幼稚園児じゃあるまいし、食品製造のプロが保健所へ相談に行くようではね。◇「法定規格外の水を使ってもいいでしょうか、どうしたもんでしょうか」なんて。

◇本来はメーカーが即態度を決め、こうしますと保健所へ報告するのが企業としてのプライドではないのか。◇わざと身を低くして良識ぶっているのかどうかは知らないが、ナヨナヨした自信のなさが前面に出ては、頼りなさだけが印象づけられる。◇広報的にみても最悪のパターンだろう。

◇ここまで書いてきて、同日の毎日jp.(08.10.25・21:12)に目をやると、asahi.comよりもう少し目の細かい事実が判明した。◇<★★伊藤ハム:工場地下水からシアン化合物 13商品自主回収>にこういう部分がある。

◇「同社は3カ月ごとに定期検査を実施しており、9月18日の検査で1カ所の井戸(井戸・A-筆者註)から異常値を確認」。◇「25日(井戸・Aを-筆者註)再検査したが再び異常値が出た」。◇「10月3日、別の井戸(井戸・B)の検査でも異常値が出た」。◇「21日までに、3カ所とも異常値はなくなったという。異常値の出た2カ所の使用は現在も中止している」。◇なるほど、ここにはさきほどよりずっとアクションの早い姿が示されているではないか。

◇これをYOMIURI ONLINE(08.10.25・21:56)<★★シアン化合物混入の恐れ、「伊藤ハム」が194万点自主回収>にて数字的に補強しておこう。◇「9月18日の定期検査で井戸の一か所(井戸・A-筆者註)から、シアン化合物を1リットル当たり0.02ミリ・グラム検出」。◇「10月3日には別の井戸(井戸・B-筆者註)から0.014ミリ・グラムが出た」。◇「さらに、最初に検出された井戸(井戸・A-筆者註)から10月7日に再度、0.03ミリ・グラムが検出された」。◇「水質基準(0.01ミリ・グラム)の2~3倍に当たる」。

◇さらに時間がたつと、以下のように整理された毎日jp.の記事に出会う。

★★伊藤ハム:「甘い判断猛省」と謝罪会見
対応遅れも認める
毎日jp.・08.10.25・23:57

◇伊藤ハムは「自主回収までの対応が遅れたことについても、判断の誤りを認めた」うえで、対応に関する事実関係を次のように明示したという。◇「地下水の異常について、東京工場の現場から工場長に報告されたのは、初めて異常値が確認された9月24日から約3週間後の10月15日だった」。◇「同社役員クラスへ報告されたのは、さらに7日後の同月22日で、最初の異常確認から1カ月が経過していた」。

◇ここでいう9月24日とは、おそらく08.09.18に採取した地下水の検査結果が出た日を指すのだろう。◇そして「千葉県柏市保健所へ23、24日と相談に行った際、基準値を超えたことを重視し、公表するよう指示されたという」。

◇これらを踏まえ、専務(生産技術本部長)が陳謝する(以下は、上記YOMIURI ONLINEより)。◇「最初の9月18日の採取分は同24日に検査結果が出ていながら、地下水を10月15日まで商品に使い続けていた」ことに関し、「山田専務は『再検査しようと、甘い判断をした。社内の連絡体制も不十分で猛省している』と語った」。

◇社運にかかわるであろうこれほど重要な記者会見のトップが生産技術担当の専務?◇伊藤ハムという会社、悪意はなさそうに見受けるが、やはりどこかピントがずれているし、やることがいちいちカッタルイ。

◇と同時に、たとえば立山とか白州(現・北杜市)とか日本アルプス直下の町でもないのに、というより首都圏もいいところの、工場もけっこうある千葉県柏市なのに、食品製造に地下水を使う神経。◇やはり鈍感な企業というイメージはここでもぬぐいきれない。

◇さて、となると、ミネラルウオーターは本当に大丈夫か?◇一部ではすでに問題視されたこともあるし、いまや水道のほうが安全の声を知らないではないが、この際、関係するメーカーも、完全にOKというならきちっと安全宣言をしたほうがいいのではないか。

◇サントリーやコカ・コーラあたりが先頭を切りながら。◇加えて、私がよく飲むペットボトルのお茶などは?あ~あ、やだ!-明日につづく-

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

2008年10月26日 (日)

伊藤ハム・シアン化合物混入対応のお粗末(中)=知らず食べさせられたIFSAの眼から

◇コトの経緯はこうだ。2008.10.25、仕事で1日中家をあけ夜帰ってみれば、asahi.comのトップに伊藤ハムウインナ・シアン化合物混入の記事が。◇ううん?今朝食べたウインナってそれに間違いない。ゴミ箱にはたしかにその袋が残っていた。◇これをきっかけに緊急報告の形で書いたのが、<今朝食べた伊藤ハムのシアン化合物入りソーセージ。メーカー対応の大問題点は(上)>(08.10.25)だ。

◇昨晩のそれは、asahi.comの速報伊藤ハムHPの情報をたよりにつづったもの。◇しかし夜遅くなると、伊藤ハム専務・工場長記者会見をベースとする記事が徐々にあらわれる。◇そこで半日遅れながら、今回はそれをもとに論じてみよう。◇昨日と重複する事実関係部分は避けながらの引用とする。

★★伊藤ハム:工場地下水からシアン化合物
13商品自主回収
毎日jp.・08.10.25・21:12(A)

★★伊藤ハム:主婦らから不安の声
専門家「健康に影響なし」
毎日jp.・08.10.25・21:26(B)

◇肝心の健康被害について、毎日新聞はこう伝える。◇「専門家は今回の濃度について『基準値の2~3倍であれば、しびれや吐き気などで具合が悪くなることはない。しかも、飲料水としてそのまま飲むわけではなく、食品の製造過程で使われたのであれば、体内に取り込まれる量は微量だろう。健康への影響はほとんどないのではないか』と指摘する」。

◇だが一方では、「(前略)長期間にわたって食べていた場合、子どもなどへの慢性的な影響は無視できない(後略)」とも。◇「シアン化合物の代表例は青酸カリや青酸ソーダ。血液の酸素運搬機能を阻害する猛毒の物質だ」(いずれも(B))には、化学にうといIFSAもドキッ。◇返品を受け付ける、お金は返すの問題じゃなかろう、第一段階としては。

◇たかが千円ほどの返金を最優先アイテムにし、肝心の<食べてしまった人間>への顧慮がまったくない伊藤ハムのあきれた体質には、思わずぶち切れそうになった。◇ウインナやピザなどの製品にいったいどれくらい問題物質が<関与>しているのかが、当事者にあっては最大関心事のはず。◇なのに、「商品に化合物が含まれているかは調査中」(A)というから、いいかげんにしろだ。

YOMIURI ONLINE<★★シアン化合物混入の恐れ、「伊藤ハム」が194万点自主回収>(08.10.25・21:56)のなかで、「商品自体の検査も行い、今月30日に結果が出るという」と具体的日にちを書いてはいるが。

◇ちなみにこの記事にはもうひとつの注目部分があった。◇「千葉県柏市は25日、問題の井戸水を同県衛生研究所で検査した結果、検出されたシアン化合物は基準値未満(最大で1リットル当たり0.002ミリ・グラム)だったと発表した」。◇ただし、どの井戸からいつの時点での採取かは不明。

◇また今朝のTOKYO Web(中日新聞)<★★伊藤ハム、工場の製造用地下水からシアン 267万袋を自主回収>(08.10.26・07:21)にはこんな指摘も。◇「今回の数値は、世界保健機関が飲料水質ガイドラインで定める基準は下回っている」。◇ポロンポロン断片的ではなく、伊藤ハムとしてきちっとした科学的根拠をなぜ明らかにしないのか。◇と同時に、厚労省・農水省・経産省をはじめとする役所がシカトに徹し、なぜ黙っているのか。◇まったく信じられない国だ。

◇ところで、IFSAが怒っている<食べた人間>への配慮、というより伊藤ハムの無配慮。◇それは専務・山田信一を中心とする同社幹部の無神経かつ<経営無思想>的記者会見にもあらわれていた。

◇長文の会見録をのせてくれたMSN産経ニュース<★★「判断ミス」「認識甘かった」と幹部陳謝 シアン検出で伊藤ハム会見>(08.10.25・23:16)を拝借しつつ、該当部分を紹介するとしたい。

◇<9月18日以前(第1回検査以前-筆者註)の商品は回収しないのか>→→★★「6月の定期検査ではシロだった。数字が出た段階からがクロという認識。ウインナーは品質保持期限が30日、ピザはもっと短いため、9月18日以前のものは品質保持期限が切れている」

◇<194万パックの中ですでに食べられたものは>→→★★「安全性に問題がないということで報告が遅れた(ことで、すでに食べた人がいることは)お詫びしたい。食べたあとでも袋やレシートがあれば返金に応じる。健康被害は聞いていない

◇品なきことを承知で心のたけを明らかにすると、大ばか○○しか浮かばない。◇ここには、<安全性に問題はない>=<しかも、「健康被害は聞いていない」>=<よって、お詫びはしても、食べてしまったものについては関知しない>=<ゆえに、9月18日以前の商品などこの世に存在しないはずだから問題外>と相成る。

◇その延長に、<それほど大したことはない>のに<メーカーの良心>から<返品・回収の大英断をくだす>→→<送料ともども返金する>→→たとえ食べてしまっても、袋やレシートの証拠でもって良心的に返金する>。

◇またまた大ばか○○ではないか。<たとえ食べてしまっても>どころか、たった半日の差で食べてしまったIFSAのようなケース、もしくはただちに発表していれば過去1ヶ月間食べずにすんだケース。◇口にした人間の気持ち悪さなど、この幹部連中の想像力にはまったく届いていないということだ。◇こんな人間が大食品メーカーの専務とは。その会社の体質を如実にあらわす好例を、皮肉にもわれわれは手にしたといえよう。

◇そしてその後の記事からは、チンタラチンタラ、トップや世間に怒られないようにするにはどうしたらよかろうと右往左往する<決断力なき現場幹部・生産技術幹部たち>の狼狽(ろうばい)ぶり、先送りぶりが明らかにされた。

◇これは日本企業の経営根幹に関わることであり、<昨朝食べてしまった私>という生々しさからは離れるマターだが、もうひとつの重大問題であるその点は明日に譲る。(敬称略)-つづく-

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

-<つづき>-ここをクリックください 

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

今朝食べた伊藤ハムのシアン化合物入りソーセージ。メーカー対応の大問題点は(上)

予定の原稿を急きょ差し替え、速報という形で<伊藤ハムシアン化合物混入問題>をアップロードします

◇今朝は午前中から外出の仕事があり、帰ってきたのは20:00ころ。◇いつもの習慣でインターネットをオンにすると、asahi.comから飛び込んできたのが下記の一報だった。◇ええ~っ?朝食に伊藤ハムの<あらびきグルメウインナー>を2本食べたはずではないか。◇そう、たしか最後の2本だったと思い、ゴミ箱を探すとやはり出てきた。

◇ウインナーなどあまり食べなかった私だが、心筋梗塞でカロリー制限となってからは朝など、ちょとタンパク質をとるのに重宝し、ここ2年ほど食べ始めた。◇1本あたりのカロリーが計算しやすいからだ。◇しかも、<保存料をしようしておりません>の表書きにひかれ、この銘柄をかなり使ってきた気がする。◇ところで、asahi.comはこう伝えている。

★★伊藤ハム、194万個自主回収
地下水からシアン化合物
asahi.com・2008.10.25・
18:29

◇「ハム・ソーセージ大手の伊藤ハム(本社・兵庫県西宮市)は25日、東京工場(千葉県柏市)で使用している地下水から基準値を超えるシアン化合物が検出されたと発表した」。◇ウインナほか該当の「13品目計194万個を自主回収する」ものの、「同社は『商品に混入している可能性があるが、食べても人体に影響はないと思われる』としている。健康被害の報告は今のところ無いという」。

◇IFSAがすぐに引っかかったのは、以下の3点。◇まず第1は、<自主回収>を前面に押し出している部分だ。◇一見良識ぶってはいるが、はじめての食品被害者になった実感からすると、これは大ズレにずれている。◇<回収>などより、まずは口へ入れさせないことのほうが喫緊の問題だろうに

◇ならば、私のようにすでに家庭で在庫をもつ部分に対しては、マスコミを通じてでも<絶対食べないように>のアナウンスを大々的に流す。◇そしてスーパーなどの販売者に対しては、ただちに販売停止&売り場からの撤収手続きを取る。◇にもかかわらず、なぜか<回収>が先走っているのだ。

第2の問題点は、「食べても人体に影響はないと思われる」のコメント。◇これこそが、私のように食べてしまった人間の最大関心事であるのに、二の次の<回収>よりも後回しとなっている。◇しかも、肝心の点が<影響はないと思われる>の曖昧模糊(あいまいもこ)。何を根拠にそう言っているのか、また食べた分量との関係はどうなのか、まったく触れられていない。

第3は、「健康被害の報告は今のところ無い」の緊張感なきくだり。◇ばっかじゃなかろうか。食べた途端に症状が出たりするものなら、さすがの伊藤ハムだってただちにアクションをとったはず。◇われわれの知りたいのは、ジバッと<どうきいてくるか>のほうなのだ。

◇原因について、第一報ではこう書かれていた。◇「9月に実施した地下水の定期検査で、地下水をくみ上げる三つの井戸のうち、一つの井戸の水で基準値(1リットルあたり0.01ミリグラム)を上回るシアン化物イオンと塩化シアンが検出された」。◇「10月に再検査したところ、もう一つの井戸からも検出された」。◇「いずれも基準値を2~3倍上回ったため、2つの井戸の使用は中止した」。

◇とするなら、10月の別井戸から検出されるまで、9月の最初の井戸は1ヶ月間稼働させっ放しだったということなのか。◇消費者はその分、しっかり食べさせられていたということか。その点が判然としない。◇しかも、「定期検査は3カ月に1度行っている」というから、前回検査はは6月。◇その時は正常としても、6~9月の間に基準値を上回っていた可能性は高い。◇もしそうなら、最悪は4カ月間の生産分?

◇さて、毎日新聞は、読売新聞はと先を急ぐが、いっこうに出てこない。◇仕方なくGoogleの力を借りたら見つかった。

★★伊藤ハム、工場地下水からシアン
基準超13製品自主回収へ
47NEWS=共同通信・08.10.25・
18:34(A)
★★伊藤ハムの工場水源からシアン化物
TBS Newsi・08.10.25・
17:21・(B)

◇上記asahi.comと重複しない部分を引用してみよう。◇「現在は2カ所ともシアン化物イオンや塩化シアンは検出されていないが使用は再開せず、残る1カ所の井戸の地下水で操業しているという」。◇「伊藤ハムは25日午後8時から、東京都目黒区の同社東京事務所で記者会見し、詳しい内容を説明するとしている」(いずれも(A))。◇「検出後1か月たってからの自主回収について、伊藤ハムの広報は、『工場内でシアン化物を使っていたことはなく、問題の井戸は検出後使用していなかった。再検査などに時間がかかった』と説明しています」(B)。

◇おおっ!TBSから出てきた。何で1カ月も放置しておくんだと。◇発表が今日ではなく昨日であれば、少なくとも今朝私は食べなくてすんだのだ!◇そうやって刻みを1カ月間さかのぼっていけば・・・・・・・。◇しかしasahi.comとはニュアンスがちがい、「問題の井戸は検出後使用していなかった」とくる。

◇伊藤ハムは、大被害など生じ得ないかのごとき仮定でモノを言い、またそのようにアクションをとっているが、このズルズルッとした緊張感なき事なかれがもたらす<可能性>は何か、感性鈍き伊藤ハムの幹部たちは天から分かっていないらしい。

◇だからこその<回収>最優先。◇肝心の<想定される被害の程度>へのアナウンスは「食べても人体に影響はないと思われる」でさらっと逃げておきながら、とにかく投網を打つかのような<念には念を入れて>の姿勢を強調する。◇しかしその後の追加情報となると、マスメディアにはあらわれれない。◇その時、そうだと思って伊藤ハムのHPを開くことにした。

Googleの場違いな「あふれる笑顔 -伊藤ハム ホームページ-」から入っていくと、ただちに「お詫びとお願い」(平成二十年十月二十五日付)があらわれる。◇冒頭と末尾にある型どおりのあいさつ分だけは抜きに、その他全文を引用しよう。

◇「この度弊社東京工場で使用する地下水の自主検査の結果、一部の水源で、シア
ン化物イオン及び塩化シアンが基準値の0.01mg/Lを超える値(0.02~0.03mg/L)となっておりました」。◇このことによる人体への影響はないと考えておりますが、当該商品の自主回収をさせて頂くことに致しました」。◇「当該商品を購入されたお客様におかれましては心より深くお詫び申し上げます」。

◇「又、大変お手数で申し訳ございませんが、当該商品がお手元にございましたら、下記の送付先まで料金着払いでご返送頂きます様お願い申し上げます」。◇「後日、弊社よりお品代をお送りさせて頂きます」。

◇広報の揚げ足をとろうともくろんでいるわけではない。◇そうではなく、伊藤ハムの<思想>が見事にあらわれているからこそ、指摘するまでである。◇まずは、<自主検査の結果、○○になっていた>。本来はやらなくてもいい<自主検査>を良心的に行ったら、<こんな値になっていた>だって。

◇何かあったら大変!といつも厳しい社内基準で検査をしているが、とんでもない異常値にぶつかった!だからすぐにアクションをとった!◇食品を扱う大企業としては、この程度の<思想>が社内に蔓延(まんえん)?していたとしても何ら不思議ではない。◇伊藤ハムは、これだけでもとんでもなきユルイ企業だということがよく分かる。

◇さて、こうした事実関係の開陳もものかは、彼らの本題であろう<回収>へと文章が走る。◇<当該製品が手もとにあったら着払いで送り返してください。弁償しますから>と。◇「お手元にございましたら、絶対に食べないでください」が先にはこない。◇加えて、もし「食べてしまったら」の文言などもどこにも見あたらない。◇そりゃそうでしょう、人体への影響はないと考えております」っていうんだから。         

◇今日は土曜日のため、ワイドなテレビニュースがない。ということは、午後8時から開かれる記者会見の結果を待つしかないのか。◇するとしばらくたち、沈黙を守っていた毎日新聞を中心にして、かなり詳しい情報が送られてきた。◇それによれば、これで一安心どころか、逆にかなり気がかり!な部分も。◇しかし長くなったため、以下は明日(08.10.26)の昼間にて。-つづく-

今回は拙速で申しわけありません

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

-つづき-の<伊藤ハム・シアン化合物混入対応のお粗末(中)-知らず食べさせられたIFSAの眼から>(08.10.26)ここをクリックください

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

2008年10月23日 (木)

その辺の<エコノミスト>たちって、政治的なのか、それとも真の思考能力に欠けるのか

★★エコナビ2008:NY原油、一時70ドル割れ
小売り、運輸「歓迎」
毎日jp.・2008.10.18


◇ここで取り上げるのは、ガソリンが下がってよかったですねといった<善良市民的なお話>ではない。◇IFSAの注目ポイントは以下の部分にある。

◇「原油価格上昇が本格化したのは、昨年夏に米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題が表面化して以降だ」。◇「金融不安はあったものの『実体経済は深刻な影響を受けない』(米証券アナリスト)との見方を背景に、株式市場から逃げ出した投機資金や機関投資家の資金が原油や穀物市場に一気に流入した」。

◇「今年7月には、ニューヨークの原油先物相場は1バレル=147.27ドルと、わずか1年で約2倍に急騰した」。◇「しかし、米大手証券リーマン・ブラザーズが今年9月に経営破綻(はたん)したのを機に局面が変わった」。◇「『金融危機が世界恐慌を引き起こす』(米投資会社)との懸念が広がり、株式市場だけでなく、原油や穀物市場から、最も安全な資産である債券や金などに急速に移り始めた」。

◇いってみれば、「原油価格が今年7月のピーク時より半分まで下落したのは、世界のマネーの流れが激変したからだ」。◇「原油価格急落を受け、石油輸出国機構(OPEC)は24日の臨時総会で減産に踏み切る見通しだ。価格反転を図るため、日量100万バレルの大幅な減産も検討している」。

◇いまとなっては、こうした毎日新聞のまっとうな見解に異論を差しはさむ人はいまい。◇だがたった1カ月半ほど前までは、<なるほど投機マネーの問題もあろうが、根本原因はやはり、石油への異常なまでの新興国需要増。だから増産を促す以外ないのだ>。◇こんなことをおっしゃる<エコノミスト>たちが主流を占めていた。

◇何だ、これは!。この論法のおかしさ、不思議さについては、IFSAもその都度しつこいくらいに言及した。◇IFSAのような金融素人にあってさえ、原油価格異常高騰の主因は需給にあらず、投機自体にあり。よって、日米をはじめとする先進諸国で規制の大網をザバッとかぶせるべき・・・・・・・と言い続けてきたというのに。

エコノミストっていう人種のオポチュニズム(=こざかしき政治的思惑からする?その時ばったり主義)はもう慣れっこだから怒る気もしないが、いつの時代もその程度の人間がオピニオンリーダーとなって社会を引っ張り回す。◇そして揚げ句はぶん投げて知らぬ顔の半兵衛。◇こと経済に限らず、政治・社会分野すべてからこういった連中を放てきしていく!そうしなければ、日本社会はいつまでたってもきりもみ状態を脱することはなかろう。

◇先述のように、「原油価格上昇が本格化したのは、昨年夏に米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題が表面化して以降だ」という客観的事実があるにもかかわらず、それでもまだこれら薄汚い人間たちは、投機に有利な方向へと社会を誘導しようとしていた。◇というより、<事実>から目をそらさせるに必死だった。◇その罪はきわめて重い。

◇ちなみに、たった4カ月前の6月に書かれた記事をのぞいてみよう。

★★原油暴騰200ドル時代、家計崩壊
・・・7万5千円負担増
ZAKZAK・08.06.18


◇「1バレル=100ドル突破を予測し見事的中させた米証券大手ゴールドマン・サックスも6月に入り、『夏季に150ドルまで上昇する可能性がある』と予測。さらに『2年以内に200ドルまで上昇する可能性もある』としている」。◇これは実に示唆的な文章ではないか。<予測>というよりは<引っ張り>というイミにおいて。

◇そりゃそうでしょう、原油価格を上げたくて仕方がない当事中の当事者、米国投資銀行首位のゴールドマン・サックスが、予測を「見事的中させ」て100ドル突破へ持っていったなんぞは、まさに自作自演の自家薬籠中(やくろうちゅう)の物なのだから。◇ゴールドマン・サックスには、またたとえば3年半前にもこんな記事があった。

★★NY原油が史上最高値、一時57.70ドル
YOMIURI ONLINE・05.04.02

◇「終値も同1.87ドル高の1バレル=57.27ドルと、終値としても初めて57ドルを突破し、史上最高値を記録した」。◇「年初の終値(42,12ドル)と比べて36%も上昇したことになる」。◇「原油相場は先週から下げ基調に転じ、3月30日には一時、52ドル台半ばまで下落していた」。◇「しかし、米証券会社ゴールドマン・サックスが31日、原油相場が1バレル=100ドルを突破する可能性を指摘するリポートを発表し、機関投資家などを中心に買いが増え、一気に急騰に転じた

◇以前より大いに仕掛けていたことが、これからも分かろう。そしてそのもくろみは、まさに大成功!◇しかも助けられたのは、米政府や日米のエコのミスたちによる<需給逼迫(ひっぱく)論的後押し>。◇だが悲しいかな、いくら何でも「2年以内に200ドルまで上昇する可能性もある」は強欲がすぎた。◇そしてついには自爆にいたり、<銀行持ち株会社への業態転換>を余儀なくされたというわけだ。

◇米国のブランチである日本のエコノミストたちも、このお先棒をかつぐというか尻馬に乗り、原油の高騰は新興国での予想を超えた実需増が最大要因と吹いて回った。◇本年6月に青森で開かれた「5カ国エネ相会議」でも日米はこんな風だったと、TOKYO Web(08.06.08)<★★日米中印韓 原油異常高騰に懸念 エネ相共同声明 投機規制は盛らず>が伝えてくれている。

◇共同声明では「世界全体のエネルギー需要の約半分を占める五カ国が連携して、価格沈静化に向けた対策を講じる必要性を強調した」。◇ただ、原油急騰の背景にある投機マネーなど、金融市場の問題を是正する策には言及しなかった」

「投機資金規制に消極的な米国が、原油高騰は中国などの経済発展による需要増に、供給が追いついていない『需給ギャップが原因』(ボドマン米エネルギー長官)と主張」。◇「日本も強く規制を求めず、参加国の意見が一致しなかったためだ」。

◇ここでもまた、原油高騰要因から投機を隠す米国の大ウソが公然とまかり通っていたし、いつものことながら、それを見てみないフリする日本の卑屈ぶりもがあかされていた。◇しかも、中国など新興国の「経済発展による需要増」への過大評価が、これまた大いにクサイとくる。◇当通信でIFSAが数回指摘しているあの<デカップリング論>界経済は米国がダメでも新興国が引っ張るから大丈夫というアレ)のまやかしにもつながっているからだ。

週刊ダイヤモンド編集部は、<★★「切なる願望」でしかなかったデカップリング論の誤謬>と題し、DIAMOND onlineにて8カ月も前(08.02.25)に鋭く指摘していた。

◇デカップリングとは、「米国経済が減速しても中国やインドなどの新興国経済や欧州経済が成長を続け世界経済を牽引する---分かりやすく言えば、米国がくしゃみをしても、世界は風邪を引かない、米国経済と世界経済は切り離されているという説です」。

◇「しかし、その説が『切なる願望』にすぎなったことは、デカップリング論の主張者だったゴールドマンサックスのエコノミストですら今では『リ・カップリング』(再連動)という言葉を使い始めている点からも明快です」。◇パッパカパッパカ、概念を器用に変えていくのが彼らに共通する特徴といえよう。

◇そして今週は、ついにこんな記事へとたどり着く。

★★トヨタ、中国増産計画を縮小 半分程度の規模に
asahi.com・08.10.23(A)
★★原油先物相場:NY 急落 一時70ドル割れ
毎日jp.・08.10.22(B)

◇「トヨタ自動車は、09~10年に予定する中国での増産計画を縮小する方向で検討に入った」。◇「世界的な景気減速に伴い、中国の自動車市場の伸びが急速に鈍化」。◇「来年も中国の自動車市場の急回復は難しいとの見方が強まっており、さらに増産計画の下方修正を迫られる可能性もある」。◇米国こければ・・・・・・・のたとえどおり、デカップリング論はここでも大ハズレを証明してくれた。

◇そして11月渡しの原油先物は、上記のように70ドル前後(=終値は70.89ドルと<急落>。◇日本の「07年度エネルギー白書」(08.05.27に閣議決定)が述べる<原油の実勢価格=60ドル程度>説にほぼ近づいてきている。◇とすれば、ピーク時の150ドル弱時点では、90ドルほどが投機分だったということになろうか。◇需給逼迫(ひっぱく)による異常高騰説はどこへいったのやら。

◇ヘタなエコノミストの言説に耳を傾けるくらいなら、自身の生活感覚を磨くほうがよほど大切。◇<策謀がパッケージされた投機>に関心のないIFSAは、そう信じて疑わないのだった。

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

2008年10月19日 (日)

IFSA「シリーズ・散歩の凡人=久々の信州旅行(3)→蓼科・白樺湖・霧ヶ峰・和田宿」

「シリーズ・散歩の凡人=久々の信州旅行(2)→おぼろげな記憶の蓼科高原へ」をアップしてから1カ月半がたってしまいました福田おじいちゃま(兼)お坊ちゃまによる<世間知らず・わがまま・客観自慢流政権放り投げ>(2008.09.01)&ミエミエ総裁選の余波を受けたものです今回よりようやく<正常>に戻りますなお本散歩シリーズは各篇独立していますので、連載途中からでもお読みいただけます

◇蓼科における、本当に久しぶりのペンション宿泊。ぜいたくは言えないが、われわれ団塊世代にはやはり不満足な部分が多かった。グレードの問題ではなく、コンセプトの関係において。◇さて、今日は蓼科周辺をさらっと見学した後、懐かしの白樺湖・車山高原・霧ヶ峰経由、宿泊地の湯田中渋温泉まで走らねばならない。◇ということとで、まずはすぐ近くのピラタス蓼科ロープウェイ乗り場へ。

◇蔵王の例があるから、どうせガラガラだろうと高をくくっていたら、どうしてどうして。駐車場は8割方埋まり、観光バスもかなり来ている。◇ここ山麓駅でも1771m、山頂駅は2237mというすごさで、そこからは「坪庭」と称される溶岩台地を30分強歩くようになっているらしい。

◇心臓に持病のある私は山麓駅のレストランにて紅茶付きの読書を決め込み、妻だけがアタックする。◇だらしのない私に比べ、元気いっぱいの奥さんはス~イスイ。最近は山登りも始めたから、この程度は目じゃなかろう。

◇この坪庭は北橫岳(2480m)の一画をなすらしく、総称して北八ヶ岳といわれるここらあたりからは、八ヶ岳(=天狗岳・硫黄岳・横岳・赤岳・阿弥陀岳・権現岳・編笠岳・西岳)にとどまらず、南アルプス・中央アルプス・北アルプスまでがのぞめるという。◇またそこには高山植物が咲き乱れる。人が集まって当然なのかもしれない。

◇次は、かつて何度も通過していながらなぜか記憶の薄い蓼科湖へ。◇現物を見るや、何じゃこれはという小ささ。それでもやはり来たことを思い出せないが、「農業用温水ため池」の人造湖にしては周囲の白樺ともよくマッチし、なかなかgood!。◇われわれの若いころには、たしかにこの程度でも心に響いたと思われるが、海外に精通した現在の若者には見向きもされないことだろう。◇その影響か、周囲もかなりさびれている。

◇ふと見ると、湖畔に「マリー・ローランサン美術館」が。おお、この美術館ならよく覚えているぞ。◇そうか、蓼科湖ってこの隣だったのかと、逆立ちする連想にわれながら不思議な気持ちとなった。◇それにしても「マリー・ローランサン」。こそばゆいような気恥ずかしいようなデジャ・ビュの一種であります。われわれ青春時代の。

◇もちろん、ローランサンに入れあげたことは一度だってないものの、だからといってわが世代、「そんなの関係ネエ」とまでは言い切れない。◇思い返せば、敗戦から高度成長に至る<昭和>の前向きな良き時代。福永武彦的ロマンチシズムとリリシズムが演歌っぽさとないまぜになりつつ、若者の世界に漂っていたのかもしれぬ。

◇ところで、開館25年というローランサン美術館。外観からするかぎり心なしか寂れているように見受けられた。◇はたして、今の時代から浮き上がっていないのかどうか。

◇そんなことを思いながら、話だけでまだ一度も行ったことのない「東急リゾートタウン蓼科」の見学へと出かけた。◇行ってみてびっくり。広大な敷地というかエリアには、ゴルフ場・スキー場・3種類のホテルをはじめ、何でもそろっている。◇とはいっても、西武プリンスのそれのように派手さもバブルっぽさもなく、そこそこ渋めで抑え気味。ここ蓼科も、東急に共通するそんな特徴に彩られていた。◇季節を見計らって一度泊まりにくるとしよう。

◇東急Rのあとは、昔何度も訪れたことのある白樺湖=霧ヶ峰再訪へ。いまはどうなったか、何となく楽しみである。◇大門街道(R152)をまっすぐ北上すれば近道だが、東に大きくふくらみつつ北へと向かうビーナスラインをあえて選択してみる。◇しかし白樺湖へはすんなり着いてしまって拍子抜けだった。◇この湖は上から見るに限るとぐんぐん上っていけば、20年ほど前、よくクルマをとめては写真を撮った絶景スポットの駐車場に到着。

◇しかし、イマイチ景色がさえない。感動がない。◇もしかして、植生が変わってしまったのか、それともこちらの感性がシフトしたのか。◇加えて、先ほどからの違和感にもはたと気づいた。ビーナスラインって、たしか有料道路のはずではなかったかと。◇帰京後、ウィキペディアで確認すると、通称ビーナスライン(=蓼科有料道路+霧ヶ峰有料道路)は長野県によって「順次無料開放」され、02年には「全線無料開放」された、とあった。

◇気のせいかもしれないが、あのきりっとした晴れやかな道が単なるローカルロードに、の感は否めない。◇またなぜか、有料時代に反比例し、クルマも人もまばらとくる。◇われわれの青春時代には日本有数の観光地であったピカピカの場所が、いまやけっこうショボイ峠道に成り下がってしまったと嘆きたくもなる。◇相手がというより、こちらが勝手に変わってしまったのが主因にせよ、やはり喪失感は免れなかった。

◇そんな調子だから、坂を上れば上るほどますます魅力を増すはずの車山高原・霧ヶ峰(=三菱電機のエアコンブランドにも使われた!)・八島ケ原湿原までもが、それほど目を引くことなく、われわれをスルーさせてしまった。◇ところでこのビーナスライン、どこまでも北上すれば、最後はフジサンケイグループの?美ヶ原高原へ行き着く。◇しかしわれわれは、和田峠にてこの道とわかれ、今度は北東方向へかじを切った。

和田峠でビーナスラインと直交するR142とは、何と旧中山道のこと。板橋のわが家近くを走る街道(R17)の延長だ。◇とはいえ、国道とは名ばかりの狭い道を走らされ、もういいかげんうんざりし始めたころ、ようやく幹線らしき道(=有料トンネルのあるR142バイパス)へ合流。◇それからしばらくすると、中山道和田宿の案内板が突如あらわれた。

◇こんな山中に宿場町など想像もしていなかったらびっくりするも、即座に歴史地理好きの心が作動し始め、どんなところかと探索に行く。◇そこにあったのは、まったく観光的ではないほんわかムードの生活的旧和田宿で、私などはかえってうれしくなった。

◇ところで、東海道はアタマに浮かべやすいものの、中山道となると板橋・軽井沢・追分・奈良井・妻籠・馬籠・中津川等々、断片的にしか思い当たらないのが普通だろう。◇IFSAもその例にもれず、だいたい中山道の宿場数さえ言い当てることができない。◇しかし東海道が整備される以前は、江戸や東北へはもっぱら中山道が主流。あなどれない存在だった。

◇であれば、中山道をもっと調べなくてはと以前から思ってはいた。◇いい機会だ、和田宿に出会えたのを契機に自分のものにしてみよう。◇飛躍するようだが、そんな思いが通じたのか、先日、早稲田穴八幡脇の古書店にてばっちりの古本に出会った。◇世の中ではおそらく格下に扱われるような教養本のたぐいだが、どうしてどうして、こういう本こそが即戦力になるのだ。

『日本の街道 全8巻』(集英社)がそれで、刊行は昭和56年。◇かつてよくあった、写真を主体に学者が解説を付すスタイルとなっている。◇想像するに、いつか読もうと毎月の<本屋宅配>で買っていた人が、結局は書棚ウォーマーへと。どこの家にもあるそんな感じのものである。

◇当時ですら1冊1800円というのに、今回はバラの美本で各100円。◇しかし残念ながら、『風かけるみちのく』と『海光る瀬戸内・四国』の2巻が欠本。◇今後古本屋を歩くたび、ぞっき本コーナーからこれらを探す楽しみが増えた。◇紙質の関係上とにかく重いので、クルマに積み大事そうに持ち帰ってきた。しめて600円也。

◇その第4巻『山なみ遙か歴史の道-信濃路・木曾路・伊那路・美濃路・飛彈路』の中心を中山道が占める。◇「中山道六十七次」の詳細地図の中に、先の和田宿も28番目としてあった(なお、東海道の草津で合流するため、そこまでの67宿を中山道としてカウントするらしい)。◇ところで、「中山道は古くは、東山道(とうざんどう)とよばれる古代令制の官道の一つであった。東山道は、正しくは『あずまのやまみち』と読むべきであろう」と、同書に林英夫(立教大学教授-当時)が書いている。

◇そう、「東山道」は、この「シリーズ・散歩の凡人」でも触れた栃木県那須町の伊王野や芦野を通っているそれでもあり、古代、京より中部・関東・東北への幹線道路であった。◇そしてその時代の東山道は、三浦半島から東京湾を渡って房総半島に至る東海道などよりずっと格上の道といえた(註)

(註)=東山道は、上記引用文では<とうざんどう>、そして一般には<とうさんどう>といわれる。しかし正しくは<とうせんどう>とよむという説もある。

◇話はとんでもない方向へスライスしてしまったが、現在位置はまだ和田峠を越えたばかり。◇本日の宿となる湯田中渋温泉郷までは、これから相当のはしりを覚悟しなければならない。-つづく-(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

2008年10月15日 (水)

IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事(08.10.12現在)

<福田康夫政権放り出し(+)自民党の茶番総裁選>をフォローしたおかげで、当【IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事】がとばっちりを受けていましたが、今週でようやく正常化できましたよって次回IFSA通信からは、従前どおりさまざまなテーマを取り上げていきます

★★ぶら下がりの虚像
毎日jp.・2008.09.24

毎日新聞伊藤智永は、「今日で首相を終える福田康夫氏の無責任な政権放り出しと、その後の身勝手な言動」を見るにつけ、「考え込んでしまった」という。◇「(福田は-筆者註)首相の器でなかったということに尽きるが、政治記者の多くは、そのことを知っていた。でも、それをきちんと伝えたか」と。

◇「退陣表明後、弊紙は福田氏が4月には嫌気が差していたと報じた」。◇「ところが、当時の紙面を繰ってみると、『首相は意欲満々』と何度も書いている。強気と弱気が交錯していたにせよ、誤報と認めざるを得ない」。

◇その原因を伊藤は以下の2点に求める。◇ひとつは「本人の実像に迫れず、秘書官らの煙幕をうのみにしたせい」。◇そしてもうひとつは、「小泉政権で昼夕2度に制限された首相への『ぶら下がり』。7年も続き、あれで済ますのが記者の悪弊になった」ため。◇取材の内情を知らないIFSAには、これらの事実だけでも大いに参考となるから、4月にまでさかのぼっての伊藤の自省には感謝したい。

◇ただ何事も公式論だけでは満足しないIFSAとしては考える。◇福田読み誤りの原因とは、はたして上記の2点だけなのだろうか、もっと根深いものがあるのではないかと。

◇IFSAがまず思うのは、「首相の器」ではない福田を記者たちは毎日身近で見ていながら、そのことをすぐに感得できなかったのかという点。◇もしその片りんすらキャッチあたわずであれば、生活感に由来する<人間を見る眼>がまったくもって備わっていない、すなわち記者としての素養ゼロと言われても仕方なかろう。◇問題が表面化するまで芸能人をヨイショしまくっている凡庸な芸能リポーターとかわらない。

◇逆に、分かっていながらとぼけていたとすれば、それはそれでまた悪質。◇先のアナロジーで言えば、芸能人の裏のウラまで知り尽くしていながらすっとぼけ、<善>と<好感度>の部分のみを押し出す政治的芸能リポーターと質を同じくする。

◇もしくは、ウラが大ありの力士を、<おすもうさん、おすもうさん>と何十年にもわたって持ち上げてきたNHK&民放のアナウンサーOBや運動部記者OBにもそれは通底する。◇彼らは本当に八百長のヤの字も知らないできたのか。◇いまでこそ、ツラッと絶対善の立場にシフトしかけているけれど。

◇「4月には嫌気が差していた」はずの福田が、4月時点の報道では「意欲満々」?◇「秘書官らの煙幕をうのみにしたせい」なんて次元の話ではあるまい。◇ぶら下がりが1日2回に制限されたから、あの公式会見から垣間見えるもの以外、判断材料とはなり得ない?◇記者商売って、そんなに楽な、表面ビジネスに成り下がったのだろうか。

◇記者の直感(=直観)と生活感をベースとする深層心理の究明。そしてそれを補強するための徹底した周辺取材。◇どうやら、現在はこんなイロハすら欠いているらしい。◇しかし、例のマスコミ一律早期解散論の愚を見ていれば、それも納得がいこうというもの。◇IFSAのような素人が、国会の現場を知らないにもかかわらず、すぐの解散なんてあり得ないと疑義を呈しているというのに。

◇もっと自分の目で見、自分のアタマで考えたらどうだろう。記者ひとりひとりが。◇それともうひとつ、自分だけ突出するリスクを極端に嫌う日本社会の風潮が、4月時点での<福田やる気満々>報道を成立させたんだろうとIFSAは想像する。◇まさか安倍に次いで福田まで政権を投げ出すとは夢にも思っていないから、将来万一、遡及して追及されるおそれなどナシ!の安全パイ思想をベースに、無難無難に<やる気満々>と書いておけと。

◇政治家も大マスコミも日本社会も、みんながバカにしている週刊誌や夕刊紙のほうがよほどリアリティーを感じさせるという皮肉な現象は、まだまだ当分続くことだろう。

★★郵政民営化:
見直しを検討する自民党議連が設立総会
毎日jp.・08.10.02

◇「設立総会には05年の郵政民営化法案の採決に反対した『造反組』の野田聖子消費者行政担当相や藤井孝男元運輸相ら約60人が出席」。◇「出席者からは『(民営化により)郵便局職員のモチベーションが低下している』『4分社化は機能していない』など、小泉純一郎元首相や竹中平蔵元総務相が二人三脚で進めた制度設計の不備を指摘する声が相次いだ」。

◇「麻生内閣では『造反組』の入閣も相次いでおり、次期衆院選での『郵政票』獲得を意識した見直し機運が高まりそうだ」。

◇この自民党議連「郵政研究会」なるものの「代表・山口俊一首相補佐官」とはいったい何者かとウィキペディアをのぞいてみれば、<郵政国会では自民党衆院議員として郵政民営化に反対><郵政選挙で公認を得られず、刺客を送り込まれる><しかし勝利><再度の郵政国会では法案に賛成票を投ずる><誓約書を提出して復党><麻生派へ>という流れが読み取れた。

◇ただし山口のHPは、いかにもうれしげな「内閣総理大臣補佐官に任命されました!
(地方再生担当)」
の文言と、麻生太郎と頭をくっつけたキモイ写真が中心を占め、<郵政>うんぬんは見あたらない。◇プロフィールの欄にもまったく出てこない。いやそれとも、IFSAの探し方が悪いのか。◇これぞIFSAがいつも言う<日本的転向>の典型だが、いくらなんでも大概にしておきなさいよと言いたくなる。

◇まあそれはともかく、<こういう連中(+)刺客(+)自民党全体(+)神としてのコイズミ>を、当時の日本国民の大半は熱狂的に迎え、支えまくったのであった。

★★農家への戸別所得補償、公明も公約へ
民主批判一転
asahi.com・08.10.04

◇公明党は「民主党が主張する同制度を公約に採り入れて地方票獲得を狙う」。◇「公明党はこれまで、民主党が主張する農業戸別所得補償制度を『財源が不明確でバラマキだ』と批判してきた」。◇「しかし、同制度に対する農家の期待が大きいため、農業再生を重要課題に掲げる党として同制度を検討することになった」。

◇自民党もまた、あれだけやりまくった民主党の<高速道路料金無料化案>批判にはシカトを決め込み、第二次補正予算の目玉として<高速料金の大幅引き下げ>に登場願うというのだから、あいたくちがふさがらない。◇自民・公明ともここまでご都合主義が前面に出るとは、さすが二代続けて首相の職務ぶん投げを行った政党だけのことはある。◇要は、ガッタガタ・バッタバタなんです、党内組織もやっていることも。

★★行員の制止振り切って送金
「おれおれ詐欺」被害者の3割
TOKYO Web・08.10.12

◇今日、銀行のATMへ行ったら、<防犯>の腕章を巻いたおじさんが警備をしていた。年金振り込み日につき、「おれおれ詐欺」にあわないよう警戒しているらしい。◇しかしこの大騒動に違和感を覚えるのはIFSAだけだろうか。

◇<被害者=弱者>と決めてかかるマスコミには格好の素材かもしれないが、そもそも、身内に大変なことがとあわて、それを解決する(=もしくはもみ消す)ため、スワッ!とウン十万円だかウン百万円だかをもってATMへ駆けつける中高年って、そんなに弱者なのだろうか。

◇いや、たとえお金持ちの強者ではなくとも、単なる普通の人であって<弱者>ではなかろう。◇まずは、認知症のお年寄りがATMから送金してしまったということは理論上考えにくいのだから。

◇驚くことに、これだけ世間で騒いでいるにもかかわらず、被害者の30%が「金融機関の窓口や現金自動預払機(ATM)で現金を振り込む際、行員から忠告や制止があったにもかかわらず、被害に遭っていたことが12日、警視庁の被害者調査で判明した」という。◇そればかりか、「被害者が制止を振り切る際に行員が負傷するケースも多いという」からたまったものではない。

◇問題の根源を、「『詐欺を信用した理由』は『親族の声に似ていたため』が352人(複数回答可、82%)」という点だけに求めてはならない。◇そうではなく、ポイントはむしろ、きわめて日本的な・・・・・・・という<日本人論>にあるとIFSAは見ている。◇たとえば、「浮気相手が妊娠しちゃったそれを嫁さんにばらされそうだからお金を振り込んで」式の息子?からの電話に動転した母親がATMへすっ飛んでいく・・・・・・といった典型的ケースを見てみよう。

◇息子からの電話が女性の声なら、さすがの母親もまず疑うことだろう。◇しかしそれが男の声で、なおかつ息子の声と度はずれてはちがっていない以上、声の質の弁別などものかは、こうした母親はすぐ<カネで解決できるものなら>にアタマがいくにちがいない。◇身内にみっともないことがあってはいけない、徹底的に隠さなくてはいけない、こんなことで息子が社会からほされてはいけない、この心理が最優先するからだ。

◇息子が30歳とすれば母親は60歳前後。たとえ息子が本人だったとしても、どだい、いい年をした人間同士のやることだろうか。◇子どもが5歳や10歳、もう少し譲って未成年ならいざしらず、息子がもう30代の既婚者、立派な大人であっても、親は瞬時にうろたえ、本能的に弥縫(びほう)策(=金銭的解決)へ頼ろうとする。◇だからニホン的!なのである。

◇この観念が日本社会からなくならないかぎり、オレオレ詐欺的なものを根絶するのは難しいだろう。◇加えて、いくら息子に似ていたとはいえ、たった1本の電話によって大金を振り込んでしまうという、一度でも企業社会に籍をおいた人間なら信じがたいような行動形態。

◇このように、オレオレ詐欺はすぐれて日本人論の範疇に属する犯罪なのである。◇というより、巧妙にも日本人の弱点を逆手にとった犯罪というべきだろうか。

《IFSA好みの欄外あるいは論外記事》

★★新品格安台湾パソコン(ウイルス感染済み)
→自主回収中
YOMIURI ONLINE・08.10.11


◇「小型格安パソコン(PC)で人気を集める台湾のPCメーカー『ASUSTeK Computer(アスーステック コンピューター)』が今月発売したデスクトップPCに出荷前から、コンピューター・ウイルスが混入していたことがわかった」。◇「今年8月、中国広東省の自社工場で、日本向けの製品に組み込むソフトウエアを検査する際、検査用に挿入したファイルがウイルスに感染していた」というからシャレにならない。

◇ミニノートPCのブームが緒につくなか、同じ国の台湾エイサーに次ぐ第2のメーカーがこのテイタラクときては、食品にかぎらず要注意といったところだろう。

★★加勢大周容疑者:
薬物使用「弱かったから」 事務所も謝罪
毎日jp.・08.10.06

◇「『自分の弱さから手を出してしまった』と供述しているという」が、こういうコトバを聞いていつも思うのは、キレイゴト言ってもらっちゃ困るよということ。◇この際、自分を弱く、低くおとしめれば解決が早いとの計算が働いているとIFSAには見えるからだ。

◇いやむしろ、IFSAはこう思う。おそらく彼は、自分の<芸能人的強さ>から手を出してしまったのだと。◇もっと正確に表現すれば、芸能人である自分を、ちょっとのことぐらいでは許容される社会的<強者>と錯覚したからこそ、どうってことはないだろうと。◇<強さ>という幻想的ポジションへの過信がそれをさせたと思える。

◇いや、これ自体が彼の<弱さ>だとひねくりたいのなら、いかようにもどうぞというしかないのだけれど。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

2008年10月11日 (土)

IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事(08.10.05現在)

<福田おじいちゃま(兼)おぼっちゃま首相の、使いこなせぬオモチャぶん投げ事件&おちゃらけ総裁選>の余波で大幅にずれ込んでいた【IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事】も、今回でようやく追いつけそうですこれからはまた、バラエティあるテーマにチャレンジしていきます

★★麻生首相:11月半ば以降の総選挙模索
政権転落におびえ
毎日jp.・2008.10.06

◇ここで取り上げたいのは、タイトルにある選挙日程ではなく、以下のようなお粗末な部分。◇まずは福田康夫から始めよう。◇「福田前首相の退陣表明は、総裁選を通して自民党の勢いを取り戻し、解散権を新首相の手に取り戻すことが主目的だった」。◇これこそ、福田が自画自賛する<私はキミと違って客観的にものを見られる!>の中身であり、結果は周知のごとく<ドッチラケ総裁選興業>に終わったから笑わせる。

◇IFSAのように政界にうとい人間でさえ、こんな総裁選など盛り上がるわけがない!と、ちょっとした生活感からすぐ分かってしまうというのに、この<客観自慢のじいちゃん・ぼっちゃん>にはまったく見通せないらしい。◇「あなたとは違うんですよ」と一喝された中国新聞記者は、やはり<違ってよかった>と思っていることだろう。

◇次なるお出ましは、東映に出てきそうな超コワモテの古賀誠。顔と雰囲気には思わずビビッてしまう。◇このお方、きまって最初はキレイゴトの良識派的スジ論を展開しながら、最後にはコロッと時の権力へなびく・・・・・・・の繰り返し。◇コイズミ時代もその後も、このクセは見事なまでに貫徹されている。◇これじゃコワモテに対して失礼だよと言いたくなるほど、超なさけないのだ。◇その古賀が言っている。

◇「9月28日昼、自民党の古賀誠選対委員長は北海道中標津町で講演し、『麻生首相が腹をくくった(選挙)日程がある』と述べ、10月上旬解散、11月2日投票を強く示唆した」。◇「ところが、同日夜の講演(釧路)では『11月総選挙が独り歩きしている。政策を積み上げるまで解散を待つのが政治だ。政権を失ってはならない』と一転してトーンを変えた」。

◇「わずか半日で何があったのか」。◇「古賀氏がひょう変したのは、次期衆院選の情勢調査(自民による独自調査-筆者註)の中間集計を聞き、衝撃を受けたからだった」。◇従来からの3役にプラスし、選対委員長ポストを4役目(=たしかSPがつく)へ格上げさせた古賀にしてこのテイタラク。専門家に値しない。◇金をかけた「情勢調査」などせずとも、福田・古賀のピンズレ現実認識を見れば自民の崩落ぶりは明白といえよう。

★★麻生首相:「責任政党は自民」
小沢氏代表質問に返答
毎日jp.・08.10.02

◇「麻生太郎首相は1日の衆院本会議で『確固たる政権担当能力を持ち、日本の未来に責任を持てるのは自民党と固く信じる』と述べ、政権運営への強い意欲を示した」。

◇いつ聞いても気持ちの悪いコトバではないか、<責任政党>って。◇そもそも、対極には<無責任政党>や<非責任政党>なんてものがあるとでもいうのか。◇巨人みずから球界の盟主と言い放つ際の気色悪さに通ずる。

◇2代にわたり首相が、それもたった1年で政権から逃亡。◇そんなトップをいただく政党が、それでも<責任政党>だったり、唯一の<政権担当能力政党>だったりという根拠を、<責任政党>総裁の麻生からぜひ聞かせてもらいたいものだ。

◇そりゃ、民主党に<政権担当能力>があるかどうかは、やらせてみなければ分からない。◇しかし、A党にその能力のないことが明々白々となれば、まずもってAから政権を取り上げB党へ移行させる。◇そして国民の手でBを締め上げ、付託に耐えられるかを厳しく審査する。◇その間、Aは再起を期して徹底的に自身を鍛える。政権を取ったBが恐れるほどに。

◇こうしたダイナミズムの前では、何ら実体のない<政界の盟主>気取りなど恥ずかしくて退散するほかはなかろう。

★★【麻生首相所信表明】とてつもない楽観論
「選挙」にかすむ国家のありよう
MSN産経ニュース・08.09.28

◇産経新聞のことだから、まず「国家のありよう」への言及がないといった、国家論重視的麻生演説批判は当然といえよう。◇しかしその点は留保しても、この産経・高木桂一の指摘はシャープだった。たとえばこんな具合に。

◇「麻生太郎首相は29日の所信表明演説で、『民主党』という言葉を12回持ち出し同党への攻撃姿勢を前面に打ち出した」。◇「ただ半面、危殆(きたい)に瀕しつつある日本をどういう方向に導いていくのか、指導者としての思いや決意がかすんでしまったことは否定できない」。◇「『明るさ』が持ち前とされる首相の真骨頂ではあるが、各論となると『とてつもない楽観論』(自民党中堅)でちりばめられた」。

◇たとえば、「(前略)景気対策への具体的な処方箋(せん)や道筋は示せず」、「(前略)歴代首相が触れてきた消費税増税の必要性にも口を閉ざした」。◇また、「民主党が選挙をにらんで与党への格好の攻撃材料としている社会保障制度や格差是正問題も主要項目から外した」。◇「選挙へのマイナス要因となる材料は封印しておきたいとの思惑が透けてみえてくる」

◇「民主党を攻撃するのもいい。だが演説で『宰相・麻生』はいったい日本をどうしたいのか、国民に伝わったとは言いがたい」。◇「民主党幹部はほくそえむ。『首相は決して攻めているのではなく、守りに入っている。背中を膨らましているネコにみえてくる』」。

★★「指名時に適任は言い逃れ」
鳩山氏、首相発言を批判
MSN産経ニュース・08.09.29

◇「民主党の鳩山由紀夫幹事長は29日、麻生太郎首相が、辞任した中山成彬前国土交通相を『指名した段階では適任だった』とした発言について『言い逃れで許されない』と批判した」。

◇「指名した段階では適任だった」。今年の○理屈どん引き大賞まちがいなしだろう。◇これは便利と、思わずうなってしまう。◇社員が不祥事を引き起こしても、「採用段階では適任だった」でおわりってか。◇コイズミの、<戦闘地域定義><フセインが見つからないからといって><人生いろいろ>にも匹敵する名作だろう。

◇ところで、この指名時適任者・中山をはじめ、どうしてこうも彼らは<単一民族>を言いつのりたがるのだろう。事実をゆがめてまでそれを自慢したがるのだろう。◇もちろん、<単一民族>というものに最大の価値をおいているからに相違ない。◇だが、こうしたgenuine(=純血種)思想のほうがよほどgenuine(=誠実な)でない、ということに彼らは気がつかない。◇いつも何かにおびえる狭量な彼らよ!

★★「和歌山に行かなくてもヒ素入り穀物」 
鳩山総務相
asahi.com・08.10.04

◇またまた出ました、鳩山弟の妄言録。すべてをまとめ、何とか新書として出版したらどうだろう。◇「鳩山総務相は3日、佐賀市内のホテルで、食糧問題について触れる中で『和歌山でヒ素カレー事件というのがあるが、本当に和歌山に行かなくたってヒ素入りの穀物というのが出てくる』と述べた」。

「(前略)『食糧危機は必ず起こる。温暖化と砂漠化が進むからだ。アメリカは地下水を掘って農業をやる。地下水というのは石油と同じですぐたまりはしない。どんどん井戸を深く掘れば最後にヒ素がでてくる』と指摘」。◇麻生首相にお聞きしたい。このおっさんはまちがいなく<指名した段階からおかしかった>はず、と。もちろん、先の中山成彬前国土交通相にしたって。

★★台湾前総統、世界中でマネー洗浄か
家族名義で大量口座
asahi.com・08.09.24

◇IFSAの視点は陳水扁の疑惑そのものより、以下のような記事へと向かう。◇<★★「台湾、第2の香港にするな」 石原知事、陳水扁総統と会談・MSN産経ニュース・08.05.19

◇「東京都の石原慎太郎知事は19日、台湾の馬英九新総統の就任式出席のため、台北入りした」。◇「同日は陳水扁総統と都と台湾の関係強化について会談」。◇「その後、陳総統から日台友好促進の功績で外国人に贈られる最高勲章『特種大綬景星勲章』を授与された」。◇写真のコピーには、「陳水扁・現総統と再会、旧交を温める石原慎太郎都知事」とある。

◇中国嫌いの石原が台湾へなびくことは不思議でもないし、別に非難されるべきことでもない。◇ただ、記事からにおってくる親密ぶり。私人ではなく都知事としてやられると、<違和>なんてものじゃなくなってくる。◇ましてや、相手のマネーロンダリングが本当だったりすれば。

★★メラミン混入、
「地下工場」で2007年後半から製造販売
YOMIURI ONLINE・08.09.30

◇はじめは<★★薄めた牛乳ごまかすためメラミン混入 中国の兄弟逮捕・asahi.com・08.09.15>程度の個人的手口といった報道だったのが、ここへきてついに「地下工場」にまで飛躍した。◇被害の広がりをみれば、この「地下工場」というコトバに出会ってはじめて、リアリティが感じられたというもの。◇<地下工場=中国社会に根を張っている>のニュアンスが伝わってくるからだ。まるで地下茎のようにびっしりと。

◇<中国の食品ははなから信用しない>。IFSAがずっと以前から言い続けてきたゆえんである。

★★嵐吹き荒れるウォール街、
高額報酬の時代は終えん
MSN産経ニュース・08.09.28


◇「(ゴールドマン・サックスの-筆者註)ブランクフェインCEOの昨年の報酬総額は約6800万ドル(約72億円)」。◇「第4・四半期に巨額の損失を計上したモルガン・スタンレーのマックCEOは160万ドルだったが、2006年には4000万ドル以上を手にしている」。

◇自由競争のもと、勝ち組企業が膨大な利益の中から多額の報酬を役員に払って何が悪い。◇ダメなところは落っこちていくだけ。それが健全なる市場原理主義の掟であると、調子のいいその時ばったり人間どもは吠え続けてきた。◇その日本ブランチには、竹中やホリエや村上まで。◇つい最近ではないか。TOBとか「モノを言う株主」とかが一世を風靡(ふうび)したのは。

◇それもこれも、株が高水準にあるときの白昼夢。◇現在のような恐慌状態に陥れば、得意の自己責任からさっと身を引き、全世界を負け組にしては多額の報酬を持ち逃げする。◇いまほど市場原理主義(=カジノ資本主義)のでたらめぶりが白日の下にさらされたケースもなかろう。

◇にもかかわらず、竹中平蔵はいまだ最新の『中央公論』で対談を行っていたりして。◇<まだまだカイカクが足りないからだ!>ってか?完全に宗教の域へと入ってしまっている。

◇これに関連し、MSN産経ニュース(08.10.01)<★★【米金融危機】問われる哲学 「市場主義」苦悶の姿・MSN産経ニュース>がおもしろいが、紙幅に限界があり、できれば直接、産経新聞もしくは同・電子版をご覧いただきたい。

《IFSA好みの欄外あるいは論外記事》

★★時速百キロ、スケボーで高速道路疾走
独、高額罰金へ
asahi.com・208.09.22

◇これはIFSAもテレビで見た。オートバイの後につかまってのぶっ飛び。考えることも、スケールが違うというか、ぶっ飛んでいる。◇「ゲッピンゲン警察のシュトゥックレ広報担当は『画像を見る限りその腕前に驚かされたが、絶対にまねさせない』と、高額の罰金とともに運転免許も取り消す方針だ」。

◇警察のコメントもまたしゃれている。「腕前に驚かされた」なんて。◇ただ日本では、運転免許までは取り消さないだろう。該当する法律がないとかいっちゃって。◇ここはドイツのほうがすきっとしている。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

2008年10月 8日 (水)

IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事(08.09.28現在)

☆<福田おじいちゃま(兼)おぼっちゃま首相の、使いこなせぬオモチャぶん投げ事件&おちゃらけ総裁選>のフォローで、【IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事】が影響を受けていますが、今週中には何とか追いつけそうですただ2週遅れの今回も、中身だけは古びていないはず。どうぞお付き合いください

★★麻生内閣支持48% 
比例投票先、自民が民主上回る
asahi.com・2008.09.25
★★麻生内閣:支持45% 前政権比12ポイント減
毎日jp.・08.09.25
★★麻生内閣支持49.5%、
「福田」発足時下回る・・・読売世論調査
YOMIURI ONLINE・08.09.26

◇上記記事からほぼ10日後の08.10.05、<★★麻生内閣支持41%、不支持42% 本社連続調査・asahi.com・08.10.05>なる予想通りの下降結果が出てしまった現在、いまさら就任直後の世論調査など掲載したところで何のイミが?と思われるかもしれない。◇しかしIFSAは、数字にではなく、見出しの文言自体に目をやった。◇なぜか朝日新聞のみが「自民が民主上回る」に力点をおいていたからだ。◇いったいその意図は奈辺にあるのか。

◇支持率表示は別にし、他社のタイトルをのぞいてみれば、MSN産経ニュース(08.09.26)は「福田内閣下回る 本社・FNN世論調査」、TOKYO Web(共同)(08.09.25)もまた「福田政権発足時下回る」だったが、NIKKEI NET(08.09.25)だけは視座が違い、「衆院選の支持、自民と民主伯仲」ときた。◇以上だけからも、朝日の書き方はユニークを通り越しているといえよう。◇心のどこかに麻生を応援したい気持ちが・・・・・・・といったところだろうか。

◇しかも、この記事で朝日新聞が力点をおいたつもりの「比例投票先」も、その実、大した差ではないから、2度びっくり。◇「総選挙について『仮に、いま投票するとしたら』として聞いた比例区の投票先は自民36%(9月2、3日調査は28%)、民主32%(同32%)。昨年12月から折に触れてしているこの質問で、自民が民主を上回るのは今回が初めてになる」。

◇これじゃ本来、ニュースバリューなんかありゃしない。◇こんなピンズレに比べれば、系列の日刊スポーツのほうがよほど気が利いている。

★★麻生新首相支持率48.6%、ご祝儀なし
nikkansports.com・08.09.26

◇「麻生新内閣を受け、共同通信社が24日から実施した全国緊急世論調査で内閣支持率は.48.6%だった」。◇「昨年9月の福田内閣発足直後の57.8%を下回り、91年宮沢内閣以降、11人の首相では8番目の低支持率」。◇「発足直後の”ご祝儀”による高支持率を追い風に早期の衆院解散・総選挙をもくろんでいた自民党は出はなをくじかれた」

◇何ともダイレクトですっきりしゃっきりではないか。朝日には、<持って回った言い方=インテリの良心>式の悪いクセがある。◇スポーツ紙をばかにしてはいけませんよ。

★★麻生首相
「けんか好きな国粋主義者」とNYタイムズ社説
YOMIURI ONLINE・08.09.26

◇「社説は、麻生氏が外相時代、『戦前の日本の植民地化政策の成果を賞賛し、旧日本軍による残虐行為を正当化する一方、中国を危険な軍事的脅威だと述べた』と主張。首相として『近隣諸国を対等に扱う必要がある』と述べた」。◇「同紙は06年2月にも、当時外相だった麻生氏を『外交感覚も歴史感覚もおかしい』などと批判し、日本政府が正式に抗議した経緯がある」。

◇米国のマスコミって、あけすけに言ってくれるもの。◇上記朝日をはじめ、日本の大マスコミにあってはまず考えられないことだろう。

◇このNYタイムズに対し、麻生ヨイショの外務省は必死になって反論を試みている(もしくはそのフリをしている)。◇本気度も含め、以後の展開は注目に値する。◇<★★「首相、けんか腰」社説、NYタイムズに外務省反論・asahi.com・08.09.29><★★NYタイムズ:首相批判社説への政府の反論投稿を掲載・毎日jp.08.10.06>を手始めとして。

★★自民党:新ポスター標語は
「麻生が、やりぬく。」
毎日jp.・08.09.25

◇「(新ポスターの-筆者註)標語は『麻生が、やりぬく』『まずは、景気だ』の2種類で各6万枚印刷」。◇何だ、若者へのこのこび方は。「やりぬく」「景気だ」だって?『野ブタをプロデュース』流を意識したにきまっている。◇「この際、若いカゼを入れろ!」てなオヤジの発案で、若手スタッフを起用したんでしょう。◇ミエミエなんだから、マンガオタクは。

◇「党名も『麻生自民党始動』と記載し、麻生一色の仕上がり」。◇「ただ、党内からは『何でもオレオレでは反発も出る』(若手議員)との声も出ている」。◇それこそ<オレオレ詐欺>じゃないか。

◇先のnikkansports.com(08.09.26)も書く。◇「自民党はこの日、次期衆院選に向けた新CM、新総裁ポスターを発表。27日から放送開始のCMはテロップで『麻生』の文字を3回も映し出す」。◇「ポスターもキャッチコピーは『麻生が、やりぬく』とするなど麻生氏自身を前面に押し出している」。

◇「麻生効果に早くも限界が見える中、勝算が見通せないまま衆院解散の時期を判断することになりそうだ」。◇日刊スポーツは、やんわりと<麻生効果=麻生逆効果>を示唆しているのだろう。センスはかなりいい。

◇吉田茂の孫とかがウリの麻生太郎だが、マスコミが喧伝(けんでん)する<育ちのよさ>などみじんもうかがわせない品のなさには、テレビ政治に飼いならされた国民もさすがドンビキとなった。◇テレビCMやあの新聞全面広告で、口をとんがらかせ、文句だけは人一倍といった感じの、よくあるゴルフ焼けオヤジを見させられてはネ。

◇そりゃ、特に女性は引く。あの手がもっともイヤなタイプなんだから。◇それを、本人も官邸スタッフもさっぱり自覚していない。まさに救いがたきメダカ状態だ。◇「男女別でみると、男性の支持は43%(同46%)でわずかに減っただけだったが、女性は39%(同50%)と大きく減らし、支持率低下の要因になった」(上記asahi.com・08.10.05)。◇皮肉なことに、<麻生一色>や<麻生前面>が完全に裏目に出ている。

◇やっぱ、<野卑>はまずいでしょう。◇イケメンかどうかといったことではなく、育ちや家系うんぬんでもなく、都会やいなかとも無関係に、<野卑>だけは年月をかけ、自分自身で作り上げてきたものなのだから。◇精神の反映そのものなのだから。

★★共産党公認、半減138人
・・・衆院小選挙区
YOMIURI ONLINE・08.09.16

◇「共産党は16日、次期衆院選小選挙区の公認候補予定者138人を発表した」。◇「今後数人を追加公認するとしているが、前回2005年衆院選は275人を公認しており、ほぼ半減となる」。

「共産党が候補を擁立しない選挙区では、共産支持票の多くが民主党候補に流れると見られ、選挙戦の行方に影響を与えるのは確実だ」。◇あの自己陶酔型共産党が、ようやく現実路線の第一歩を踏みだし始めた。◇「(前略)『身の丈にあった選挙』をやるということだ」という市田忠義書記局長のコトバには隔世の感がある。

◇それよりも現実的な問題は、やはり自民党への打撃だろう。◇これだけでも、自民は相当にヤバイ!◇「例えば、共産党得票の8割が民主党候補の得票に上乗せされた場合、03年は14選挙区(北海道5、宮城3、茨城3、埼玉9・13、千葉13、岐阜3、愛知9・10・13、滋賀4、兵庫5・12、岡山2)、05年は8選挙区(北海道3、群馬2、千葉7、愛知5・6・8、兵庫11、山口2)で勝者が自民などから民主に入れ替わった」。

◇「(前略)自民党は『衆院選はどの選挙区も民主党との接戦になる。共産票が民主に流れるのは痛い』と危機感を募らせている」。

★★メラミン問題、
中国からの輸入品に検査命令・・・厚労省
YOMIURI ONLINE・08.09.27(A)
★★最大手の調査を「失念」、
事故米流通先で農水省
YOMIURI ONLINE・08.09.27(B)

◇何なんだ、このぶったるみ役人どもは。◇「メラミン検出を受け、厚生労働省は26日、中国から輸入される牛乳や乳製品、これらを原材料とする加工食品について、食品衛生法に基づく検査命令を出した。輸入業者は国登録検査機関の検査を受け、メラミンが含まれていないことを確認しなければ、輸入できなくなる」(A)というが、あまりにアクションが遅すぎる。

毎日jp.<★★中国:粉ミルク汚染 乳幼児430人が腎臓結石、1人死亡>と報じたのが08.09.14、丸大食品の<自主回収>した食品からメラミンが検出されたと大阪府&保健所が公表したのが08.09.26。◇厚労省はこれを待ってはじめて強権発動(=検査命令)におよんでいる。それまではすべてが企業の<自主活動>まかせ。◇国民の健康被害に対する危機感ゼロとしか言いようがない。

◇一方農水省は、「米穀加工販売会社『三笠フーズ』(大阪市)による事故米の不正転売事件で、農林水産省が、事故米の流通先に食品卸業界最大手の『国分』(東京都中央区)が含まれているとの情報を得ながら調査せず、公表もしていなかったことが分かった」。◇「同省は『調査を失念した』としている」(いずれも(B)というからすっごい。

★★FBI、リーマンやAIGなど捜査
経営陣に詐欺の疑い
NIKKEI NET・08.09.24

◇そこへいくと、米国はさすがに早い。◇この捜査情報は米国メディアが伝えたもので、FBIからは未発表というが、「リーマンを除く3社(AIG・ファニーメイ・フレディマック-筆者註)は公的資金で救済されただけに、当局が世論に配慮し、不正行為の摘発や経営責任の明確化に動いた可能性がある」と読売新聞は書いている。(敬称略)

なおボリュームの関係から、記事の一部は次回へ譲ります

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (1)

2008年10月 5日 (日)

<コイズミ=衆院選不出馬表明>が逆照射する日本社会の脆弱性(下)

☆【コイズミ=衆院選不出馬表明>が逆照射する日本社会の脆弱性(上)】(2008.09.28)ここをクリックください

★★小泉元首相:存在感・神通力薄れ
小池氏も総裁選惨敗
毎日jp.・08.09.26

◇「(前略)自民党総裁選で『小泉路線』の小池百合子元防衛相が敗北したことは、自らの存在感が希薄になったと悟る引き金になったようだ」。◇「『小泉氏は(サプライズを生む)魔法のつえをなくしてしまった。次期衆院選で小泉氏が応援しても小泉チルドレンは負けるだろう』 長く秘書として仕えた飯島勲元首相秘書官は、引退の報を聞くと周辺にこう語った」。

◇IFSAがしつこく言ってきたように、<飯島あってのコイズミ・コイズミあっての飯島>は紛れもない事実。◇まして飯島本人の思いからすれば、オレがいなくてできるのかヨ、となって当然だろう。◇もちろん、コイズミの名優ぶりは天性のもので、彼ひとりでもそこらの首相が束になってもかなわない力量ではあるが、しかし飯島なかりせば、全土をあげての歴史的陶酔劇は絶対に不可能なのであった。

◇「今回の総裁選で小泉氏は完全に『蚊帳の外』に置かれた」。◇「麻生氏も小泉政権時代、政調会長、総務相、外相と重用した経緯があるだけに、かつての部下たちの裏切りは(コイズミにとって-筆者註)『屈辱』だったとみられる」。◇浪花節的な親分・子分関係で<部下>とつながったわけではなく、単に<機能>だけのコネクションとなれば、離れていくときも<機能的>になるのは当然のところだろう。

◇あの偉大なるコイズミが、ばかにしきった<日本的人間関係>から復讐(ふくしゅう)される。まあそんな皮肉な構図と言い得よう。◇「(前略)得票率は麻生氏66.9%に対し、小池氏8.8%。しかも、小池氏は地方票がゼロ。01年の総裁選で地方票が小泉氏で雪崩を打ったのと好対照だった」。

◇今回は地方もまたコイズミ流をなぞり、<機能的>にコイズミを切った。◇そこで彼ははじめて、コイズミ流<機能>のもつ非情さにびっくりした。◇それは彼の属性たる<機能>が真のイミでのfunctionalismではなく、単なる自分勝手・自分本位・・・・・・・の代名詞にすぎなかったからだ。◇コイズミによる通り一遍の小池支持だって、絵に描いたようなコイズミ流<便宜的かつ機能的>であり、心などこもってやしない。

◇いざとなると弱点をさらけだす<非・浪花節>という名の<自分のことだけ>。◇2001年まで彼はなぜ、一匹狼の変人と言われ続けたか。それにはやはり理由があったのだ。◇だから、コイズミに<新党>なんて作れるわけもないし、また本人にはそんな気もない。◇中川・武部・小池やあのコイズミチルドレンたちは、この程度のことさえ見抜けない非政治家であった。

◇先の毎日新聞はこう結ぶ。◇「小池氏や中川秀直元幹事長らの『浸透力』の弱さを目の当たりにし、『小泉時代の栄光』が雲散霧消する前に、身を引いたという感が強い」。

◇そりゃそうでしょう。前回の(上)でも触れたように、コイズミの政治目標は<旧田中派>(+)<郵政>の撲滅、それ以外には何もありはしない。◇これを成就してしまえば、あとはもぬけの殻のアパシー状態に陥るは必定。◇もう一度戦いを!とたとえ願ったところで、リキなど入るわけもない。

★★「小泉さんらしい引き際」/地元横須賀支援者の反応
カナコロ(=神奈川新聞電子版)・08.09.25

◇地元紙だけあって、記事の中心はコイズミへのオマージュが多くを占める。◇しかし、なかにはこんな醒(さ)めた見解も。どこにも冷徹な人はいるものと、少しは救われた気持ちになる。

◇「湘南信用金庫の服部眞司会長は『男の花道で小泉さんらしい』と評価しつつも、『小泉さん自身は次の選挙に勝てるだろうが、自民党は大負けする。次の政権から小泉政権の失敗を責められるだろうから、それを察知しているのなら、世の中を見る目はさすがだ』と皮肉も」。◇「次男・進次郎さんの出馬については『麻生内閣も二世議員ばかりで嫌になる。(進次郎さんの)四世はどうなのか』と、懐疑的な見方を示した」。◇そしてなぜか三重県でも。

★小泉元首相:引退へ 野呂知事が酷評
「政治的にはまったく評価できない」/三重
毎日jp.・三重版/08.09.27

三重県の野呂昭彦知事は、コイズミの引退そのものは結構としたうえで、コイズミ&コイズミカイカクに関しこう語った。◇「『個性は魅力的だが、政治的にはまったく評価できない』(後略)」。◇「『わが国の政治漂流の原因を作った。郵政改革とか、改革という言葉で国民の期待を引き付け人気はあったが、結果的に本当に大事な改革を見えなくしてきた。格差を広げ、社会にいろいろなひずみを起こした』と酷評した」。

◇また、例の<三位一体の改革>は「『だましの改革だった』」と公言」。◇さらには、『(前略)郵政とか特定の改革にあれだけ力を入れるのなら、もっとなすべきことはあったのではないか』」。とも。

★★鳩山民主幹事長:
小泉元首相の後継者指名に「結局は凡人」
毎日jp.・08.09.26


◇「『小泉氏が次男を後継者に指名したことには「結局は普通のパパ。奇人でも変人でもなく凡人だった』と指摘」。◇「(前略)『自民党内でも、小泉改革は大きく路線変更せざるを得ない。小泉さんの時代は終わった』と感想を述べた」。

◇次男の進次郎を後継指名するに際してさえ、コイズミはかつての威光が忘れられないのか、いまだ名優ぶりを発揮したがる。◇たとえばこんなふうに。

★★”変人”が「普通の人」をアピール
・・・やゆを逆手の小泉氏
YOMIURI ONLINE・08.09.27

「『親ばかと言われるが、これで私が普通の人、普通の親だと分かったでしょう』--」。◇地元講演会で「こう理解を求めた」とはいえ、国民がまだ入眠状態にあった首相在任時ならともかく、こんな逆張り手法もいまとなっては悲しいかな、すべりまくるだけの状態にある。

◇上記鳩山のからかい(=「結局は凡人」)を「(前略)逆手に取って、地元支持者に『父の思い』をアピールしたようだ」としたところで、逆手にも順手にもなってはいない。◇刺客差し向けの酷薄さとエグさはいったい何だったのか。<父の思い>が登場では、あまりにみすぼらしくてかわいそうになる。◇いや、郵政も世襲もすべてはコイズミ自身のためと気づけば、得心がいこうか。

◇と同時に、こんなジコチュー男にコロッとだまされた大半の国民も、おそらくは無意識の自己嫌悪なるものに見舞われていることだろう。

◇そんななか、産経新聞の珍しい論調に出会い、IFSAは驚いた。そのあまりの<正直>ぶりに。◇他の新聞社では、ななかなここまでは言えなかろう。◇だがはたして、うぶな<正直>ベースにとどまっていていいものかどうか、それも同時に問われねばなるまいと思った。

★★【Re:社会部】「郵政選挙」の反省
MSN産経ニュース・署名は(浜)・08.09.28

◇「そんな取材(=政治部ではなく社会部による総選挙の取材-筆者註)で今でも思いだすのが、3年前のいわゆる『郵政選挙』です」。◇「(前略)振り返ると、(自民の圧勝に終わった-筆者註)あの選挙には大きな問題点がありました」。

◇「それは、争点が『郵政民営化にイエスかノーか』という一点に絞られたことです」。◇「当時は記者自身も、そして取材した識者も、争点の単純化を『わかりやすくていいことだ』と歓迎していました」

◇「しかし、今思えば(後略)」と記者は続ける。ただ、これ以下の引用はもう必要なかろう。容易に想像できるであろうから。◇IFSAはずっと言い続けてきた。単一テーマの選挙などあり得ない。そこで得た議席によって<郵政だけを可決する>など理屈上も実際上もあり得ない。何でこんな簡単なことにツラッとだまされてしまうんだ!と。

◇投票行動は、2/3超による横暴の連鎖をもたらした。◇安部晋三が強行採決の連続で郵政の<成果>をフルに使い切ったのは記憶に新しいし、福田康夫による衆院での<57年ぶり2/3以上再議決>というひっくり返しの荒わざには、さすがの国民もぶったまげた。

<新テロ特措法(+)ガソリン税などの暫定税率>再議決。こんな度はずれた暴挙も、郵政での自民圧勝あってのこと。◇だから言ったじゃないの、郵政だけにとどまるなんてあり得ないと!◇いや、もとはといえば、あの郵政民営化自体がめちゃくちゃとんでもない話なのだが。

「当時は、日本中が熱病のような高揚感に包まれていたように思います」。◇たしかにそのとおりではあるものの、はたしてそんな追憶で済まされる代物だろうか。◇戦前の一億火の玉も、鬼畜米英も・・・・・・・、まったく同質ではないか。◇ちょいとマズッタかな?程度の次元ではないのだ。

◇どうしてこんなイカサマに、まるで「熱病」のごとくやられるのか。◇その根底に向けた社会心理学的解明を全社会的規模でじっくり行わないかぎり、また歴史は繰り返すにきまっている。

◇そういえばコイズミ引退表明の日、町の若者がテレビに向かって言っていたっけ。◇「小泉さんには、リーダーとしてもっと引っ張っていってもらいたかったのに」。◇オ~オ、な~んちゃっての若者よ。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

2008年10月 1日 (水)

IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事(08.09.14,21)

☆<福田おじいちゃま(兼)おぼっちゃま首相のわがまま投げ出し&おちゃらけ総裁選>のとっばっちりで、【IFSA・週なか掲載=かなり気になる、先週の <ベタ扱い>的重要記事】は(08.08.31現在)を最後に止まっていましたそこで、何とかリカバリーすべく目下努力中。先週アップの(08.09.07現在)がその第一弾です今後週2回のペースで掲載し、遅れを取り戻します

★★政府:経団連に賃上げ要請へ
物価高受け消費下支え
毎日jp.・08.09.08

◇政権投げ出しを宣言した開店休業福田内閣のご乱行とはいえ、いくら何でもひどすぎる。◇笑止千万を通り過ぎ、あっけにとられるしかない。◇奥田→御手洗と自民党を懸命に支え続ける日本経団連にあっても、こればかりは「リンダ困っちゃう!」じゃなかろうか。

◇一方で、こんなものを記事にしなければならない記者もお気の毒。◇けれど、まあ下記のように、吹き出しもせずまじめに書いている。

◇「政府は日本経団連に対し、今冬の賞与や来年の春闘での賃上げを要請する方針を固めた」。◇「原油や原材料価格の高騰による食料品などの相次ぐ値上げで、消費者の負担が増しており、経済政策の一環として賃上げで家計所得を増し、個人消費を下支えするのが狙い」。

◇毎日新聞によれば、「政府が政策として要請するのは異例」とのことだが、もし政府に本気でする気があるのなら、例の2002.02に始まる「いざなぎ超え」とかいう<まがいもの好景気>時にばっちりやっときゃよかったのに。まったく。

◇この「マンガチックいざなぎ超え」に関しては、IFSA自家製データバンクにびっくり報道が保存されていた。◇いったいどんなものか、振り返ってみよう。

★★国内景気『いざなぎ』超え?
Chunichi Web・06.04.13

◇「いま国内は景気拡大が続いている。戦後最長の『いざなぎ景気』(1965年11月-70年7月の4年9カ月)を超す勢いだそうな」。◇「でも、なかなか実感が伴わない。『活況』の現場をのぞいてみると」。

◇「『人気のあるワンピースは店頭に出せないくらい。予約ですべて売れてしまうこともあります』 三越銀座店の広報担当者が切り出した」。◇「カジュアルな着こなしもできる流行のワンピースは一着五万-六万円が中心と値が張るが、二十代、三十代に人気で『飛ぶように売れている』という」。

◇「輸入バッグを扱うショップも二月末の改装をきっかけに、最も高い商品の価格帯をそれまでの六万-八万円から十五万-二十万円に引き上げた」。◇「三月の客一人が支払う単価は約二割増えた」。◇「消費意欲を高めているのは女性だけではなさそうだ」。◇「東京・新宿の伊勢丹本店の紳士服や男性向け宝飾品を専門に扱う『メンズ館』は、『男の新館』を改装した二〇〇三年九月から二年間で、売り上げを約30%増と大きく伸ばした」。

◇博報堂生活総合研究所の調査によれば、「『ついついエルメスの新作バッグを二十三万円で買ってしまった』(二十八歳)、『疲れていたため三十三万円のシモンズ(米国)のベッドを買った』(三十五歳)、(中略)『臨時収入があったので脱毛に八万円使った』(三十六歳)などなど」。◇この「女性たちの『豪快消費』」たるや、「必ずしも富裕層に属していない、都会に住むOLの消費動向」の一環というからぶったまげる。

◇そして、「内閣府が十日発表した三月(=06年3月-筆者註)の景気ウオッチャー調査によると、『街角景気』の実感を示す現状判断指数が、前月比三・八ポイント高い五七・三と過去最高になった」。◇各所より「景気の明るさを強調する声が数多く寄せられた」とも書かれている。

◇「熊野氏(第一生命経済研究所・熊野英生・主席エコノミスト-筆者註)は『常に負担増に先行する形で賃金が上昇していけば、サラリーマンの負担感は軽減される。つまり五歩後退する前に十歩前進させることだ。そうすればこれまで景気回復の恩恵を実感できなかったサラリーマンにとっての収穫期が、これからやってくる』と強調する」。◇何これ?

◇「宅森氏(三井住友アセットマネジメント・宅森昭吉チーフエコノミスト-筆者註)景気の先行きを楽観する」。◇「『この間、景気後退になってもおかしくない局面が二度あったが、緩やかな成長で切り抜けた。各企業は在庫調整を終えており、需要が伸びれば生産増や雇用拡大につながる態勢になっている。四年を超える今の景気は、年こそとっているが、体力はむしろ若返っている』」。◇エコノミストの実態をあらわすいい見本だろう。

◇何も足さない、何も引かない!(=いや、厳密に言えば、部分引用したのだから引いてはいるか?ただし、足してはいない)。◇データバンクは、当時の異常な舞い上がりと<識者>のいいかげんさを正直に伝える。◇この記事自体に語らせるだけで十分。へたな解説は不要だろう。

◇だから常時、過去に戻ることが必要となってくる。◇特に<現在がすべて>の日本社会にあっては。◇でも、たしかに一部とはいえ、消費者におけるこの醜悪な姿。たった2年半前のことなのである。

★★クローズアップ2008:太田農相・次官辞任
汚染米へ無策、罪重く
毎日jp.・08.09.20

◇いまさら、ドッチラケ太田誠一農水相を弾劾しようというのではない。◇毎日新聞記者のユニークな視点に教えられたためだ。

◇「三笠フーズ(大阪市北区)などによる汚染米転売問題は、太田誠一農相と農林水産省の事務方トップ、白須敏朗事務次官が同時に辞任する異例の事態に発展した。直接の引き金は、事故後の同省の対応の不手際だが、問題が発覚するまで長年にわたって不正を見過ごしてきた同省の無為無策の罪は重い」の公式論で始まる文章は、意外な視点をもって締めくくられる。

◇「業界との結びつきが深い農政事務所などの出先機関と、流通現場の実情に疎い霞が関の農水省本省の『距離感』は、問題発覚後の不手際にも表れた」。◇「最初の発表があった今月5日以降、農水省の説明や情報提供は混乱を極め、発表内容も訂正や撤回を繰り返した」。◇「責任感を欠いた幹部の発言にも『しょせんは業界と出先機関の問題』の意識がなかったとは言い切れない」。

◇なかなかにリアリティがある。◇キャリアとノンキャリどころか、<本省>と<現地採用ノンキャリ中心の農政事務所>。◇聞いたこともない三笠フーズなんて、しょせんは農政事務所のお相手。本省は知ったことではない。◇両者で勝手にやってりゃいいんだのタカのくくり方が、本省に陣取るキャリアたちの<生活鈍感ぶり>を照らし出してしまった。◇記事はそう言いたいようだ。

★★死に物狂いでやれ・・・
小沢黄門”抜き打ち行脚”でカツ!
悲願の政権交代へ
ZAKZAK・08.09.10(A)
★★忘れ去られた「国会同意人事」に見る、
民主党の政権担当能力欠如
辻広雅文(ダイヤモンド社論説委員)
DIAMOND online・08.09.10(B)

◇「『何をやっているんだ! スタッフも事務所なんかにいないで、どんどん町を歩け。地道に頑張れ』 小沢氏は9日午後、衆院東京9区の新人候補事務所を『アポなし』で突然訪問し、居合わせた事務所職員らにこうハッパをかけた」。

◇「(前略)小沢氏は党本部に党都連会長の円より子参院議員を呼び、選挙情勢について『東京は厳しい。ほとんどの候補者がボーッとしている。(投開票日まで)あと2カ月しかないんだから死に物狂いでやれ』と厳しい口調で指示した」。◇「『その時の雰囲気では選挙は勝てないと、あらゆる機会に口が酸っぱくなるくらい言い続けてきた』。小沢氏は8日の記者会見で、『最後の戦い』と位置付ける次期総選挙を見据えて、こう強調した」(以上、(A))。

◇小沢一郎への好き嫌いは別にして、ここでの小沢流<ハッパ>は正しい。◇選挙の必須要件は<真のイミでのどぶ板>。IFSAもそう言い続けてきた。◇しかし民主党のインテリや松下政経塾出身者の多くは、この点をいちばん嫌うというかバカにする。もっと言えば、<どぶ板>から逃避する。◇駅頭での朝いち演説だけが<どぶ板>ではないのだ。

◇ところで辻広雅文の一文(B)は、自民党もひどいけれど小沢民主党もまたひどすぎるという文脈が中心で、そんななか、民主党の<一服の良心>として「政策通の論客で通る(正しくは仙-筆者註)由人氏」の見解を紹介している。

◇しかしここでIFSAが注目したのは、辻とは逆に仙谷由人のひどさのほう。◇<反どぶ板><非どぶ板>の上っ面理念偏重こそが問題だからだ。◇政権奪取とは、その第一段にまず熾烈(しれつ)な権力の奪い合いがくる。格好つけた話などその後にどうぞ!は自明だろう。◇その仙谷センセイのご託宣を拝見すれば・・・・・・・。

◇「 『今、民主党は、政権奪取ただ一点を何事にも優先させる、という空気に染まっている。大きな問題であろうが小さい問題であろうが、身内に摩擦が起ころうが起こるまいが、まじめに議論すべきは議論せよ、と主張しても、相手にされない。冷笑されるだけだ」。◇「理念も規範も無視される。もはや、シニシズム(冷笑主義)と言ってもいい。(有力な党首候補である)岡田克也が今回の代表戦に出馬しなかったのは、そんな空気には距離を取りたかったからだ』」(B)。

◇仙谷は、全共闘の悪しき側面を体現している。◇「シニシズム(冷笑主義)」だって?それはいつも、仙谷グループの属性そのものではないか。◇あの権力志向ギトギトの小沢一郎に対して「シニシズム(冷笑主義)」なんて言ったら、ピンズレもいいところ。シニシズムが逃げ出す。◇また、こんな評され方をすれば、いい意味での原理主義者・岡田克也も迷惑千万このうえなかろうい。

《IFSA好みの欄外あるいは論外記事》

★★パトカーに突進の車に威嚇発砲、
飲酒運転の男を逮捕・・・埼玉
YOMIURI ONLINE・08.09.08(C)
★★パトカーが追跡直後、
車事故で男性死亡 神奈川
asahi.com・08.09.08(D)

◇「(前略)埼玉県和光市白子の県道で、乗用車と大型トラックがトラブルを起こし、通報を受けて駆け付けた朝霞署のパトカーに乗用車が前後進しながら衝突を繰り返した」。◇「前部が大破したパトカーから降りた男性巡査長(40)は、車が突進してきたため、上空へ1発威嚇射撃。約3メートルの距離から運転席に向けても1発発砲し、窓ガラスに当たった」(C)。

◇赤信号無視のクルマをパトカーが発見。◇「(前略)サイレンを鳴らして約200メートル追跡。車幅が狭くなり、危険と判断して追跡をやめた」。◇「事故現場はその約500メートル先だったという」(以上、(D))。

◇IFSAの独断では、「危険と判断して追跡をやめた」がキレイゴトに聞こえて仕方がないが、まあその事実関係はともかく、マスコミ的世論にあっては、パトカーが追いかけること自体を<悪>とする風潮が見られる。◇では追うなというのか。威嚇射撃も一切するなというのか。

◇そしていつも決まったように、副署長の談話が登場。◇まさに、<その男・副署長>だ。◇読売新聞では、「同署の小山嘉則副署長は『適正な拳銃使用と考えている』としている」。◇朝日新聞では、「須藤正彦副署長は『適切な追跡だった』と話している」。◇この予定調和路線はいったい何なのだろう。世論にフラフラ、警察にフラフラ。

◇各論に即し、その都度しっかりと<価値判断>したらいかがでしょうか、大マスコミの皆さん。◇もちろんのこと是々非々で。

★★植草元教授、名誉棄損では勝訴
・・・サンデー毎日に賠償命令
YOMIURI ONLINE・08.09.08

◇ZAKZAKが「ミラーマン」なる尊称を奉る植草一秀大先生(=たしかにその経済分析は優れている)ですが、「サンデー毎日」に33万円の賠償を命じた判決理由がIFSAには大ウケだった。

◇「問題となったのは、植草被告について『セクハラ癖があることは業界では有名』などと報じた2004年5月2日号の記事。判決は『原告の”セクハラ癖”は真実と認められるが、”業界では有名”という部分は真実の立証がない』と述べた」。

◇大先生の○理屈が認められたのだから、センセイの大勝利なのでありましょう。◇そしておそらくは、当の「サンデー毎日」も何で負けたのやらさっぱり分からない。(敬称略)

★★[IFSA・阿部社会学ラボ]★★阿部道生★

〔ご参考〕IFSAとは&IFSAの経歴>はこのリンクをクリックください。

| | コメント (0)

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »