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2007年8月29日 (水)

安倍新体制スタートでIFSAが注目するこの3人=麻生太郎・石原伸晃・舛添要一(上)

◇新聞がいろいろ解説してくれている<自民党執行部+閣僚>の選出事情はプロの番記者にまかせ、IFSAとしては以下3人の、人となりに注目してみたい。◇ターゲットは自民党幹事長の麻生太郎、同・政調会長の石原伸晃、厚労相の舛添要一。たまたまだが、なぜか国民に人気のあるメンバーばかりである。

◇まずは麻生から。◇私自身、日本人の大好きな<毛並みがどうこう>にはまったく関心がないが、麻生の全身からにじみ出るあの品のなさだけは、隠しようもないし救いがたいと以前から思ってきた。◇にもかかわらず、アキバ(秋葉原)の演説会場などでは逆にそれをこそ、「毛並みに似合わぬざっくばらんさ」とかいって評価するというのだから、コンプレックスに発する日本人の屈折ぶりたるや相当なものと感心してしまう。

◇田中角栄は高等小学校卒、だから「今太閤」「庶民宰相」!とかいっちゃって誉めそやしたのと、それはちょうど表裏(ひょうり)の関係にある。◇そういえば、本当の辛口で知られる毎日新聞専門編集委員・牧太郎が、キレよく次のように言っていたのを思い出した。

◇「昨今、人のうわさは10日も持たない。友人たちが記者会見を見て『本当に彼は東大卒なのか?』と首をかしげた“バンソウコウの赤城さん”も忘れ去られた。(己のバカを棚にあげて言うのだが、『非常識な有名大卒』はたくさんいる。バカはそこかしこに、平等に分布する。受験にたけた人間を優秀と思う世間がバカなのだ)(バカ殿議員防止法?Mainichi  INTERACTIVE・2007.08.14)。◇この「有名大卒」「受験」といった語を、「血筋」「名門」に置き換えてみれば、今回の話ともつじつまがあってくるだろう。

◇まるで自身を小さく見せてはいけないとでもいうように、肩を左右に振っては大物ぶりを誇示して闊歩(かっぽ)する、自意識過剰の麻生太郎。◇ざっくばらんとは対極にあるこの<自意識>だけでも、クサくて笑えてくるが、変にひねって考え、マンガオタクだから発想がさばけていて人間的、話の分かるオヤジなどととらえたら、それこそ大間違い。

◇以前にもIFSA通信で批判したように、「核保有」の論議は国として大切なことと、外相の彼は真顔で語ったし、「(前略)自民党議員との会合で、同党の中川昭一政調会長が『核保有の議論はあっていい』と発言したことについて『タイミングのいい発言だった』などと支持する考えを表明していたことも、複数の出席者の話で分かった」(★★核保有「議論は大事」 麻生外相、国会で発言・asahi.com・06.10.19)といわれる。◇そう、だからこそ、安倍晋三とはばっちりのいいコンビ!そして次期首相はオレが引き継ぐと舞い上がっている。

Sankeiweb「★★【内閣改造 土俵際の再出発】(上)意中の候補、次々断念・07.08.28」にておもしろいことを書いていた。◇「内閣改造で安倍がもっとも執着したのは外相、麻生太郎の幹事長起用だった」。◇「共通する『毛並みの良さ』もあり、安倍政権発足以来ぴったりと息を合わせてきたが、元々は疎遠だった。両者が親しくなったのは安倍が官房長官、麻生が外相に就任した2年前からだ」。

◇「(前略)外相に迎え入れ、二人三脚で『主張する外交』路線を進めてきた。『ライバル同士なのになぜ馬が合うのか』と周囲がいぶかしむと、麻生はこう説明した。『おれと安倍の政治信条や国家観はほとんど一緒だ。ついでに敵も一緒だ。ケンカしようがないじゃないか』」。◇「麻生のいう『敵』が、元幹事長の加藤紘一や元副総裁の山崎拓らを指すことは明白だ」。◇麻生・安倍・中川昭一(+)パシリの下村博文らが形成する日本版ネオコン!それら知的レベルの低さは、あらためてここで述べるまでもない。

◇それにしても、Mainichi  INTERACTIVE「★★特集ワイド:麻生太郎新幹事長って? ワンマンの血筋、頭下げられる?・07.08.28」は辛辣(しんらつ)だった。この時期、ここまで書くの?という激しさ。だから実におもしろい。◇まずサブタイトルにはこうある。「『邪魔するヤツは踏みつぶす』/失言もたびたび…野党との『調整』カギ」

◇「『うちのお袋はすごいぜ。(学習院大の)学長から”太郎君が学校に来ない”と電話がかかってきたんだよ。そうしたらお袋は”そうか。じゃ勝手にクビ切ったらいいじゃないか”とガチャンと電話を切っちまった』 ウソかまことか。日本クレー射撃協会副会長の渡辺幹也さん(68)は、麻生氏が笑いながら言うのを聞いたことがある」。

◇「記者会見などでの人を見下した物言いは『ごう慢だ』と嫌う人も多い。お坊ちゃんは同じでも、いかにもいい子の安倍首相とはかなり違う。『(安倍首相とは)旧知の仲で”昔は、おれの家来だったんだ”なんて笑っていました。信頼関係があって、何があっても裏切れないんでしょう』と渡辺さんは語る」。

◇「それに比べ、政治家としての実績はあまり聞かない。『うーん、すぐには思い浮かびませんね』と政治アナリストの伊藤惇夫さんは考え込む。『国際漫画賞の創設ですかね。漫画のノーベル賞に位置づけると意気込んでいましたけど、漫画家からは”余計なお世話だ”と冷や水を浴びせられていました』」。

◇この記事、「夜な夜な高級バーに側近を引き連れ、ブランデー片手に葉巻をくゆらせるのが楽しみという麻生氏。こよいは新幹事長としてどんな策をひねり出すのか」のシニカルな文章で締めくくられている。

◇アタマを下げられないエラそうぶりで野党と渡り合えるのかと心配するムキもあるようだが、あの前幹事長の中川秀直もいい勝負だったではないか。◇あの脂ぎった不遜な姿勢が、自民参院選惨敗の一部には大いに寄与したとIFSAは見ている。◇その意味では麻生の態度。だんだん正体をあらわし始めるだろうし、それこそ大いに歓迎といったほうがいいだろう。

◇ところで、上記Mainichi  INTERACTIVEも詳しく書いている麻生の「失言癖」。◇彼のそれは、言ってはいけない人事情報をつい口が滑って明かしてしまったといった体(てい)の失言ではなく、体質というか思想というか、そこからにじみ出る本音のものだけにタチが悪い。

◇あの「アルツハイマーでも分かる」発言など、そうした典型だろう。◇それは、私的会話や日ごろの生活において、そんなことを平気で言っているからこそスラッと出てくる言い方以外の何ものでもない。

◇拙著『団塊世代の高齢者介護-お年寄りも家族も不幸にならないために-』(つくばね舎・04.02刊)で繰り返し述べたように、認知症という病を背負って孤独に苦闘するお年寄りたちと、父母を見ながら涙し、懸命に介護をする家族。◇少しでも麻生に人間的・生活的な想像力があったなら、間違っても「アルツハイマーでも分かる」などの言いぐさは出てきようがないのだ。

◇麻生太郎における<本音からの失言>。◇別に期待しているわけではないが、彼の最近のはしゃぎぶりからして、それが飛び出す日もそう遠くないのではなかろうか。(敬称略)

-つづく-(石原・舛添は次回にて)

★★[IFSA]★★阿部道生

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